1998年、インドとパキスタンが相次いで核実験を行い核武装の宣言をしました。
国連安保理はこれを非難する決議案を採択、アメリカと日本は直ちに経済制裁を含む厳しい措置をインド、パキスタン両国に講じたのに対し、フランスとロシアは懸念を表明したものの制裁措置を取ることには反対するという足並みの乱れが見られました。アメリカは1990年のパキスタン核開発疑惑の時点で、パキスタンと契約していたF-16戦闘機売却を引渡し途中で中断するなどしていましたが、ロシアとフランスにとってインドとパキスタンは大事な顧客であり、輸出制裁は取りたくなかったからです。
【インド軍装備】[陸軍]・・・主力戦車はT-72などロシア製。新型国産戦車アージュンは失敗作の為、新たにロシアからT-90を配備開始。
[海軍]・・・潜水艦はドイツ製TYPE209級とロシア製キロ級。駆逐艦やフリゲート艦は自力建造。更に航空母艦(イギリス製)を保有。
[空軍]・・・作戦機はMig-21やSu-30などロシア製戦闘機で大半を占める。これにフランス製ミラージュ2000、英仏共同開発のジャガーが加わる。
【パキスタン軍装備】[陸軍]・・・数上の主力戦車は中国製の59式戦車、69式戦車、85式戦車。他にアメリカ製のM48戦車、ウクライナ製のT-80UD戦車を装備。
[海軍]・・・主戦力となる潜水艦はフランス製アゴスタ級。水上戦闘艦はイギリス製のTYPE21級フリゲート。
[空軍]・・・作戦機は中国製:フランス製:アメリカ製が6:3:1の割合。殲撃7、ミラージュV、F-16など。
このようにインド軍の主力装備はロシア製であり、対するパキスタン軍の装備は中国製とフランス製が主力です。ロシアとインドの関係は良好であり、パキスタンはロシアから兵器を買う事ができません。しかし国力的に軍事予算も少なく、欧米の高価な兵器を主力にする事は出来ません。すると必然的に安い中国製の兵器を主力にせざるを得ませんが、基本的に中国製兵器はロシア製兵器の劣化コピーです。数的にインドを上回る事ができないパキスタンが質でも劣っていたら勝ち目はありません。そこでフランス製やアメリカ製の兵器を一部に混ぜています。ところがフランスはインドにも武器を大量に販売しており、フランス製兵器を準主力としてしまうとやはり質の面でも差が出なくなってしまいます。
そこでパキスタンはアメリカ製兵器の導入を始めました。1980年代はソ連のアフガニスタン侵攻が始まり、アメリカは対ソ連ゲリラのムジャヒディンを支援する為にアフガニスタン後背地のパキスタンと接近する必要性がありました。パキスタンはその引き換えに武器購入を要求したのです。インドはソ連と仲が良い以上、インドがアメリカ製兵器を買おうとしたらソ連はあまり良い顔はしません。・・・ならばパキスタンがアメリカ製兵器を採用すれば、インドに対して質の差が維持できます。
しかしその矢先に、ソ連がアフガンから撤退し利用価値が無くなったパキスタンに対して、アメリカは核開発疑惑を理由にパキスタンへ武器を売ってくれなくなったのです。それに対しインドはイスラエル製の兵器を購入し始め、質の面でも向上を図り始めました。ならばパキスタンはフランス製の最新兵器を購入すれば良いのですが、既に述べた様に予算は足りない上に、フランスは平気な顔をしてインドにも武器を売ってしまいます。どうやって安く高性能な武器を手に入れてインドに対抗するのか。相反する条件に悩むパキスタン・・・そんなパキスタンへ武器の商談を持ちかける国がありました。
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