2010年01月の記事一覧です。(全30件、20件毎表示)

2010年01月01日
新年明けましておめでとうございます。初っ端は楽しく行こうと、動画、やる夫シリーズの紹介をして見ようかと。



ムダヅモ無き改革 THE ANIMATION

原作では艦載型F-15だったけどアニメ化されてF/A-18Eになってるよ!



『サイレントハンター3 シュペー奮闘記』がお気に入りです。



もうこれは釣り番組というよりコメディアン・・・

さて以下は「やる夫」シリーズの紹介です。

「やる夫が雪中の奇跡を起こすようです」

ソ連とフィンランドの「冬戦争」において、フィンランド軍が兵力数3倍の敵に対し10倍の損害を与えた「雪中の奇跡」の物語。ノモンハンの日本軍と、冬戦争のフィンランド軍を、比較して見ると良いかもしれません。

「ハンニバル・やる夫・バルカスがローマに喧嘩を売るようです」

カルタゴの名将ハンニバルの物語。陣形もAAで記されて分かりやすいです。

「やる夫はあさま山荘を攻略するようです」

あさま山荘事件の物語。

そういえば私に「やる夫で学ぶ」シリーズを書いてくれ、っていう要望もあったんですけど、それをやると準備も含めて大変なことになりそうで、二の足を踏んでいます。「やる夫で学ぶパンジシールの獅子」とか面白そうなんですけどね。先ずは資料集めから始めないといけないし・・・。


00時33分 | 固定リンク | Comment (89) | 雑談 |

2010年01月03日
蝉丸Pこと仁鉄和尚と言えば、ニコニコ動画の「仏具で演奏」シリーズおよび「仏教講座」シリーズで有名な現役お坊さんです。

そしてさっき「リアリズムと防衛を学ぶ」のzyesuta氏から、蝉丸P和尚のブログ「坊主めくり」の過去記事でこんな記述があったよと連絡を受けました。


宗教とジョーク | 坊主めくり
日本人が言う無宗教を、なんで外人が嫌がるかというと
その人間にとって、何が善で何が悪か
言い換えますと、その人間の行動を外から規定する
他律的な規範、つまりどういうルールで動いているのか?
これが全く分からないということは

いつ爆発するか分からない爆弾みたいなモノでして

腐女子・東方・アイマス・ガンダム・糞ゲー談義
どこが地雷か、全く分からない
初対面の人間相手にうっかり話ができるか!と
まあ、こういう話になるわけでして
もし海外で宗教を聞かれるような事があったら
嘘でもいいから仏教徒、もしくは
T-72神教に入っていると答えておきましょう



蝉丸P和尚も薦めるT-72神教をどうぞ御贔屓にお願いします。もし駅前の街頭で新興宗教の勧誘員に「貴方は神を信じますか?」と聞かれた場合は、

「はい、私はT-72神教を信仰しています。オブイェークト!」

と答えれば、簡単に勧誘を断ることが出来るでしょう。また自宅に某キリスト教系新興宗教の勧誘員が子供を連れて押しかけて来ても、平然と断ることが可能です。マウンテンバイクに乗ってヘルメットを被った外国人が宗教の勧誘にやって来ても、全く問題となりません。

海外に出たらここぞとばかりにT-72神教を宣伝しましょう。「何で日本人なのにロシアの戦車を信仰してるの?」と聞かれたら、

「仏教とて発祥の地はインドですが世界中で信仰されており、逆にインドでは今やヒンドゥー教が主流です。元の発祥国が何処かなんて問題では無いのです。」

と答えればいいでしょう。もし「戦車なんて人殺しの兵器です!」と拒絶されても、

「インドのヒンドゥー教では破壊神や軍神が普通に信仰の対象です。戦車神も似たようなものではないですか?」

で何とかなるでしょう。

そういえばインド海軍はロシアから購入する空母ゴルシコフ改装艦を「ヴィクラマーディティヤ 」と命名しました。これはシヴァ神が降臨したとされる伝説上の皇子の名です。また新鋭原潜「アリハント」も聖職者という意味です。インド陸軍の新型戦車「アージュン」はヒンドュー教の聖典『マハーバーラタ』に登場する英雄アルジュナからの命名です。この宗教間連の命名という流れならば、何れ新造の空母に「カーリー・ドゥルガー」と命名される日も来るやもしれません。どちらも破壊神の名前です。やはり神林長平のセンスは素晴らしいです。(神林長平のSF小説「敵は海賊」シリーズに登場する宇宙空母の名にそういうのがある)

あれ、何の話だっけ?

ともあれ、蝉丸P和尚様には以前から当ブログの固定リンクをして頂き、つい最近もTwitterで戦車関連の話題で当ブログの記事を話題にしてくれたようです。ブログだけでなくT-72神教を御贔屓にして頂き、大変有難うございます。

皆さん、というわけでプロの宗教家に否定されず認められたT-72神教を、これからもどうぞよろしくお願いします。

Объект


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01時31分 | 固定リンク | Comment (110) | 雑談 |
冒頭から噛み合わない議論ですね・・・

昨年の12月21日に書いた記事「なぜ普天間基地移設先は沖縄県内でなければならないのか」への反論がありましたので対応したいと思います。

ただ、私の書いた記事に言及して反論を行うなら、トラックバックで通知するなりメールで連絡するなりして欲しいのですが・・・こちらが気付くのが遅れますので。

それでは相手方の主張を3つに分けて再反論を行っていきます。先ずは「米海兵隊の戦略と沖縄」編です。


普天間基地県内移設に合理性は皆無 - モジモジ君の日記。みたいな。
米海兵隊の戦略と沖縄

 マジレスすると、海兵隊にとって重要なことはヘリや支援戦闘機、揚陸艦、上陸部隊が一体となって行動できること。その意味で言えば、佐世保の揚陸艦艇、岩国の支援戦闘機などと一体運用するためには、民間の飛行機がほとんど使ってない佐賀空港あたりにでもヘリ部隊を移し、付近に上陸する地上部隊の駐屯地を作るのが一番いい。九州には自衛隊の演習場も多くあり(大分など)、米軍にとっては願ってもないロケーションだ。ついでに言うと、北朝鮮までの距離も半分になる。文句のつけようがない。戦略戦術をいうなら、断然九州。


■噛み合っていない論議

私は昨年の12月21日に書いた記事で「敵特殊部隊への対処」と前置きをしていた筈です。この場合は海兵隊の強襲ヘリと陸戦用員、上空援護の嘉手納空軍基地のF-15戦闘機があれば対処可能な相手で、そもそも揚陸艦も対地支援戦闘機も必要が無い状況での対応が前提です。この状況設定が私個人の妄想と思われない為にも、アメリカ側が実際に想定した状況であることを新聞ソースで示しました。なおアメリカは敵が特殊部隊のみで作戦を完遂する状況を想定していましたが、私は主力本隊が侵攻する際の事前準備として特殊部隊が先行して投入される状況を、過去のソ連のアフガニスタン侵攻という実例を踏まえて説明しています。

それなのにmojimoji氏は私の書いた記事を全く理解しておらず、冒頭から前提を無視して揚陸艦や対地支援戦闘機との連携の話を中心に始めており、この時点で私の記事への有効な反論とは成り得ていません。私は最初から海兵隊はヘリ部隊と地上部隊のみで対処可能な作戦状況を提示しています。

■朝鮮半島有事に揚陸艦は即応する必要が無い

mojimoji氏は「北朝鮮までの距離も半分になる」と、揚陸艦の居る佐世保に近い、佐賀空港への海兵隊ヘリ部隊と付近への海兵隊地上部隊の移転を戦略戦術的に有利だとしていますが、これは朝鮮半島有事の際の状況をまるで理解していないという事が言えるでしょう。

そもそも朝鮮半島有事では揚陸艦が直ぐに出撃する必要はありません。半島には韓国軍と在韓米軍が存在して防御戦闘を試みています。台湾と違い軍事的深奥性も確保されているので、時間と距離は十分に稼げます。すると戦線後方の港(釜山など)へ人員と物資を安全に輸送する事が可能です。これは徴用した民間輸送船でも可能な任務です。

揚陸艦の存在意義は「港湾施設の無い沿岸にも揚陸可能」という点であって、後方で安全な港が使えるなら特に必要ではありません。朝鮮半島有事で揚陸艦が出番のある状況を想定すると、朝鮮戦争中の1950年に行われた仁川上陸作戦が先ず挙げられますが、この作戦は戦争が勃発してから2ヵ月半後に行われています。これは戦争に負けつつあったアメリカ軍が起死回生を狙った投機的な作戦で、切羽詰まってはいますが日単位で一刻を争うという状況でもありません。他は日本海側の元山市付近に揚陸する際に出番があるかどうかですが、これも開戦初頭にいきなり仕掛ける必然性はありません。

つまり朝鮮半島有事を考える以上は、揚陸艦と地上部隊が近くに居る必然性があまり無いのです。

■佐世保港に揚陸艦が常駐するようになったのは1992年から

佐世保港にアメリカ海軍の揚陸艦が常駐するようになったのは、1992年以降と意外とつい最近の話です。強襲揚陸艦「ベローウッド」とドック揚陸艦「ジャーマンタウン」がやって来ました。これはフィリピンのスービック海軍基地の閉鎖と、アメリカ本国のカリフォルニア州ロングビーチ海軍基地が閉鎖した事に伴う転出です。

つまりアメリカは揚陸艦を朝鮮半島有事の際に即応させる事を元々、考慮はしていませんでした。

■海兵隊のF/A-18戦闘機は揚陸艦からは運用できない

海兵隊所属の固定翼機で強襲揚陸艦に搭載できるのは、垂直離着陸機のAV-8Bハリアーだけで、F/A-18戦闘機は空母に相乗りさせるか自力で飛んで前線基地へ移動します。つまりF/A-18戦闘機については佐世保の揚陸艦と連動させる必要がありません。

■海兵隊のF/A-18戦闘機は岩国からでも沖縄ヘリ部隊を援護可能

岩国基地から普天間基地まで約1000km、戦闘機の巡航速度850km/hだと約1時間20分で到着します。そして普天間基地から台湾の台北まで約650km、強襲ヘリの巡航速度270km/hだと約2時間40分掛かります。つまり岩国基地の戦闘機部隊は普天間基地のヘリ部隊が飛び立った後に普天間基地に下りて、燃料を給油してから台湾へ支援攻撃に向かっても離陸から約40分で現場に到着するので、時間的にはかなり余裕を持って間に合ってしまいます。給油に40分掛けてもいいわけです。また基地に下りずとも空中給油をしながらでも、片道2時間の飛行ならそのまま戦場に投入してもパイロットの疲労などの問題はありません。

なお台湾上空の防空戦闘は嘉手納基地の米空軍のF-15戦闘機が即応します。嘉手納の空軍戦闘機は海兵隊ヘリ部隊の援護は主任務ではなく、台湾軍の防空戦闘機部隊が敵の先制奇襲で壊滅した場合に即座に穴埋めする任務に飛び立つ必要がある為、時間単位での即応性が望まれる為に沖縄県外への配備は考えられません。



地政学的に沖縄にあることが重要といえそうなのは、嘉手納基地(空軍)くらいでしょう。海兵隊については、沖縄にある必然性はまったくないどころか、分散配置のためにかえって運用しづらい状況になっているというのが実情だ。よって、純粋に軍事的観点のみから言うならば、普天間基地の移転先は九州がベスト。異論の余地なく。


■敵特殊部隊への対処という条件

私は沖縄にヘリ部隊と地上部隊がある必然性を示しました。mojimoji氏はその前提条件である「敵特殊部隊への対処」という要素について何一つ反論が出来ていません。敵特殊部隊への対処用となる即応投入兵力では、揚陸艦も対地支援戦闘機も必要ありません。

■台湾有事に揚陸艦を使う場合

分散配備の為に運用し難いという主張も間違っています。例えばもし、揚陸艦を用いて台湾への支援に向かう状況が生じたとしても、佐世保から台湾へ向かう途上に沖縄があるので、ホワイトビーチに立ち寄って地上部隊を回収し、洋上でヘリを収容しつつ向かえば時間的ロスは殆ど有りません。仮に地上部隊を佐賀県に置いても、装甲車など重装備を搬入する時間は必要になります。つまり地上部隊が佐賀にあろうが沖縄にあろうが、このケースではどちらでも差が生じません。ただし既に述べている通り、強襲ヘリと陸戦部隊が揚陸艦の援護無しで作戦を行う場合を考える都合上、佐賀県配備は出来ません。

■分散配置による弊害について

有事の際における合同に問題が生じない以上、分散配置で運用し難いのは訓練などの都合上の問題ですが、そもそも連携訓練を頻繁に行う地上部隊とヘリ部隊は沖縄県内の近隣にあります。戦闘機部隊はそもそも地上部隊との連携訓練は殆ど行いませんし、揚陸艦を用いた大規模な演習は予算的に頻繁に行えるものではないので、近くに居る必要もありません。アメリカ本国の第2海兵遠征軍(ノースカロライナ州キャンプ・レジューン)も、揚陸艦の母港であるノーフォーク海軍基地(バージニア州)まで300km程の距離があります。



では、なぜ、沖縄になるのか。純粋に政治的理由である。元々、沖縄の海兵隊が駐留していたのは岐阜と山梨である。これが1956年、沖縄に移設された。理由は明らかにされていないが、陸軍省も海兵隊も反対していたのだから、少なくとも軍事的必然性からでなかったのは確かだ。状況証拠的には次のようになる。当時の日本では、反米軍基地運動が激化しており、基地の拡張どころか維持さえ政治的な困難に直面していた。冷戦下、基地の縮小はありえない。それで米軍統治下だった、つまり、高等弁務官の布令一つで自在に土地の収用、基地の建設が可能な状況にあった沖縄へ、ということになったのではないか。これ以外の合理的説明を僕は知らない。


■軍事技術の進歩と新戦術の発生

あの当時はそもそもヘリコプター単独での台湾降下特殊作戦など技術的に不可能ですから。敵も味方も、です。

1956年当時、アメリカ軍はまだヘリコプターを用いた戦術を確立していませんでした。そもそもヘリコプターとは大戦中に生まれた新兵器で、性能もまだ低く、朝鮮戦争(1950-1953年)では輸送と救命が主任務でした。陸戦で積極的にヘリコプターを活用するヘリボーン戦術が確立され、多用されるに到ったのはベトナム戦争からであり、1960年代の話です。強襲揚陸艦(ヘリコプターを主な輸送に用いる揚陸艦)という艦種自体、1960年代以降に新たに出現しています。(イオー・ジマ級)

そしてようやく1970年代に入ってから、沖縄から台湾に直接飛んで帰って来られる大型強襲ヘリコプターが登場しました。CH-53Eスーパースタリオンのフェリー航続距離2000km、作戦行動半径500〜600kmという能力は、ヘリコプターとしては非常に高い数字です。ベース機体のCH-53シースタリオンの2倍の航続距離です。つまりアメリカ軍が強襲揚陸艦の支援無しに直接ヘリコプターで台湾の台北に降下する、という作戦を視野に入れ始めたのは、それ以降の事なのです。

それまでは考えられてこなかったわけですが、実を言えば当時それまで仮想敵である人民解放軍のヘリコプター部隊は機材の性能も運用能力もお粗末な限りで、目の前にある台北にすらヘリコプター部隊だけで降下して特殊作戦を行うような能力など無く、アメリカ側は敵特殊部隊の大規模奇襲攻撃を考慮する必要はそもそもありませんでした。

つまり「なぜ普天間基地移設先は沖縄県内でなければならないのか」で述べた作戦計画は、敵味方双方の使用するヘリコプターの性能向上に伴って新たに生まれたもので、技術面での進歩から戦術の取れる幅が広がってしまった事にあります。故に、1956年当時の移転理由は1970年代以降には関係が無くなっています。沖縄への海兵隊移転は結果的に、新たな時代の新たな兵器による新たな戦術に対応できる、実に都合の良い配備箇所となりました。そしてその有用性は、ヘリコプターと固定翼機の融合である全くの新概念の新兵器、V-22オスプレイの登場によりますます価値が高まっています。海兵隊はCH-53E以外の航続力の低い輸送ヘリコプターまでV-22で更新する予定で、揚陸艦の援護を必要としない航空団単独での作戦が取れる幅が広がる事になります。



だから、日米安保を支持し、純粋に軍事の観点からのみ議論し、負担を押しつけられる地域住民に一切の思いをはせないとしたならば、海兵隊の移転先はとりあえず「九州」と言うべきでしょう。もちろん、僕はこの案にも賛成しないけども、それでも、「九州」と言うなら額面通り「純軍事的に」考えたのだろうなぁ、とは思える。しかし、「純軍事的な理由で沖縄」というのは、単にモノを知らないのか、あるいは、連綿と続けられてきた沖縄社会に対する差別構造を隠蔽するためか。いずれにせよ妄言以外ではない。


■議論を噛み合わせる為に

いいえ、mojimoji氏の主張は私が唱えた前提条件(近い内容をアメリカ側も提示している条件)をまるきり無視していて、会話のキャッチボールがそもそも冒頭から成り立っていません。九州では大型強襲ヘリコプターの台湾海峡有事への即応投入(場合によっては時間単位での対応が求められる)が不可能です。mojimoji氏は敵味方双方に置けるヘリコプターの進化の歴史を理解せず、台湾海峡有事と朝鮮半島有事の作戦上に置ける決定的な違いを理解せず、揚陸艦配備の歴史も使い方も把握しておらず、海兵航空団の固定翼機の運用方法も、ヘリコプターの運用方法も理解していないように見えます。

mojimoji氏の唱える九州移転案は、以上の点で台湾海峡有事への対応に問題点があり、朝鮮半島危機でも現行の沖縄配備と差が見い出せません。そして九州へのヘリコプター部隊移転のみならず地上部隊の移転が可能かと言うと、非現実的な話と言わざるを得ないでしょう。


以上にて「米海兵隊の戦略と沖縄」編を終わります。大変に長くなり過ぎたので、「台湾危機と米軍基地」編と「中国側の識者?」編は後日改めて書く予定です。
16時40分 | 固定リンク | Comment (231) | オスプレイ |
2010年01月04日
それでは予定を変更して番外編をお送りします。テーマは「佐賀空港は普天間基地の代替として不適当」という点です。


普天間基地県内移設に合理性は皆無 - モジモジ君の日記。みたいな。
米海兵隊の戦略と沖縄

 マジレスすると、海兵隊にとって重要なことはヘリや支援戦闘機、揚陸艦、上陸部隊が一体となって行動できること。その意味で言えば、佐世保の揚陸艦艇、岩国の支援戦闘機などと一体運用するためには、民間の飛行機がほとんど使ってない佐賀空港あたりにでもヘリ部隊を移し、付近に上陸する地上部隊の駐屯地を作るのが一番いい。九州には自衛隊の演習場も多くあり(大分など)、米軍にとっては願ってもないロケーションだ。ついでに言うと、北朝鮮までの距離も半分になる。文句のつけようがない。戦略戦術をいうなら、断然九州。


mojimoji氏の主張する「海兵隊にとって重要なことはヘリや支援戦闘機、揚陸艦、上陸部隊が一体となって行動できること」とは、一部が正しく一部は間違っています。海兵隊にとって平時から近接した場所に基地を設置しなければならないのは地上部隊とヘリ部隊のみで、他の戦闘機部隊や揚陸艦は離れていた場所にあっても問題はありません。

というのも、地上部隊とヘリ部隊は平時からヘリボーン戦術(ヘリを使った空挺作戦)の訓練をするために、頻繁に合同訓練を行う必要がありますが、戦闘機部隊は地上部隊やヘリ部隊との合同訓練を滅多に行う必要がありません。いざ有事の際に合流する場合でも、戦闘機の巡航速度ならば1000km離れた基地からでも1時間少々で到着しますし、揚陸艦に降ろせる戦闘機はAV-8Bハリアー垂直離着陸戦闘機だけで、揚陸艦からは運用できないF/A-18ホーネット戦闘機はそもそも有事の際でも一体となって合流することは出来ず、別の離れた基地から支援に飛んで来る手筈になっています。揚陸艦についても、付近に揚陸艦が入れる港湾が完備されているか、揚陸艦の居る港湾へ短時間の内に到着できる手筈があるなら、少し離れていても問題はありません。

さてそれでは、mojimoji氏の唱える「佐賀空港あたりにでもヘリ部隊を移し、付近に上陸する地上部隊の駐屯地を作るのが一番いい。」という主張の何がいけないのか、論じることにします。

【佐賀空港】


見てのとおり佐賀空港は有明海の沿岸にあります。この有明海というロケーションが決定的な問題となります。有明海名物といえば、広大な面積として出現する「干潟」です。非常に浅く干満が激しく、座礁の危険が高いこの海には大型艦船は入れません。沖合いは入れますが、接岸できる地域は限られ、佐賀空港付近では無理です。

つまりこれは、数万トン級の揚陸艦は接岸できず、部隊の合流が困難であるばかりか演習でも大変な不都合が生じてしまいます。mojimoji氏は、近くに「自衛隊の演習場」があるのでそちらに行くように仰っていますが、決定的な要素を見落としてしまっています。自衛隊には海兵隊に相当する部隊が無く、大規模上陸作戦の訓練の必要性があまりなく、九州には大規模上陸訓練用の演習場を持っていない・・・つまりこれではアメリカ海兵隊の行いたい「上陸訓練」が全く出来ないという事になります。陸上自衛隊には島嶼防衛用逆上陸部隊として「西部方面普通科連隊」が設立されていますが、規模が小さく特殊部隊扱いで、アメリカ海兵隊のような大規模上陸作戦を行うものではなく、現有の自衛隊の演習場ではアメリカの望む環境を与えられません。

つまり、海兵隊の演習場を新たに造ってやる必要があります。もちろん、なるべく基地から近い場所がいいです。でも、佐賀空港付近の海とは有明海なので・・・干潟で上陸作戦の訓練だなんて、悪い冗談でしかありません。最悪の条件です、干潟は底無し沼のようなものなので、水陸両用戦車は簡単に行動不能になり、泥の海に沈んでしまうでしょう。



水平線の向こうまで干潟が続く・・・これが有明海です。LCAC(ホバークラフト揚陸艇)なら使えるかもしれませんが、装甲の弱いLCACは上陸作戦の第一波に使うべきではなく、本来は橋頭堡と揚陸艦の間を反復輸送して物資を運ぶ為のものです。海兵隊が上陸作戦の先頭で使うのは、こっちの水陸両用戦車です。



果たして水陸両用戦車で有明海の干潟を走破出来るでしょうか?って絶対無理です・・・そういうわけなので、佐賀空港とその付近に海兵隊の基地を作るという案は、非現実的なものと言わざるを得ないです。
22時39分 | 固定リンク | Comment (244) | オスプレイ |
2010年01月05日
読売新聞の記事以外のソースが欲しい、というfinalventさんの要望にお応えします。


沖縄基地のこれだが - finalventの日記
 で、話戻して、ほぉと思ったのは。

   この状況設定が私個人の妄想と思われない為にも、アメリカ側
   が実際に想定した状況であることを新聞ソースで示しました。

 で、出てくるのが「沖縄海兵隊の戦闘部隊、米「移転困難」 (2005年6月30日 読売新聞)」という、読売新聞記事くらいしかないのか、というのが、ちょっとがっかり感。もう少し公開されているのではないかと思うのだがわからないので。そのあたり米側の資料が見えないときちんとした議論にならない。

 まあ、軍事に詳しい人なら読売のべた記事でもわかるというのもあるかもしれないが。


私が言う「この状況設定」とは、「敵特殊部隊への対処」を指します。元記事を読めば分かりますが、そう読み取れる筈です。つまりfinalventさんは、読売新聞の記事以外で「中国が特殊部隊を用いて台湾に侵攻する」という状況設定について記したソースがあれば、がっかりしないという事になります。

それでは紹介しておきましょう。以下は2004年に書かれたアジアタイムズの記事で、2006年に緊張が高まるかもしれないという前提で台湾海峡危機について書かれたものです。


The year to fear for Taiwan: 2006 - Asia Times Online
If China ever makes the decision to invade Taiwan it is unlikely to be a large-scale Normandy-style amphibious assault. The reality is that China is more likely to use a decapitation strategy. Decapitation strategies short circuit command and control systems, wipe out nationwide nerve centers, and leave the opponent hopelessly lost. As the old saying goes, "Kill the head and the body dies." All China needs to do is seize the center of power, the capital and its leaders.

(中国が台湾を侵攻する決定をするならば、それはノルマンディー型の大規模揚陸作戦になりそうではありません。現状は、中国は"斬首戦略"を使用しそうだという事です。斬首戦略は指揮統制システムをショートさせ、国家中枢神経は麻痺し、敵を絶望的な迷走状態に陥らせます。古い格言にはこうあります、「頭を殺せ、そうすれば本体は死ぬ」。中国がしなければならない全ては、首都を占拠し指導者を捕らえる事です。


かなり長い記事ですので、冒頭だけ抜き出して見ました。"斬首戦略"とは、明らかに特殊作戦に重きを置いた戦略である事を意味します。実際に特殊部隊を使用する事が記事後半に出て来ます。アメリカ国防当局者の懸念する「台湾乗っ取りシナリオ」であることも書かれています。「Call in the US Marines?」なんて見出しもありますね。このように、読売新聞に書かれたアメリカ側の想定と、ほぼ同じ想定です。

そして不可解なのはfinalventさん、貴方は5年前にこの記事について言及している筈なんですよね・・・


米国は台湾への軍事支援を強化してきている:極東ブログ(2004.12.22)
 ニュースとしては以上なのだが、「ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリー」の記事を書いたWendell Minnickについては、Asia Pacific Media Servicesというサイトで近年のエッセイをまとめて読むことができるので、今回の報道との関連あるかとざっと見渡した。うかつにも驚くべきものがあった。
 なかでも、今年の4月の記事だが"The year to fear for Taiwan: 2006"(参照)では、中国軍がどのように台湾を軍事侵略をするかについてのシナリオが掲載されていた。あくまで軍事的な意味しかないのだろうが、読んでいて私などには空恐ろしいものであった。


5年前に御自分で言及していた記事を、思い出せませんでしたか?
01時41分 | 固定リンク | Comment (257) | オスプレイ |
2010年01月06日
反捕鯨団体シーシェパードのバットマンカーもどきの抗議船「アディ・ギル」号が、日本の捕鯨船「第2昭南丸」と接触。アディ・ギル号は船首切断で沈没しました。(沈没せず大破で免れたという情報も)



日本の捕鯨船側からの動画が早速、公開されています。(財)日本鯨類研究所の提供でお送りしました。

なんかこう、悪役っぽい形だったからこうなるんじゃないかなーと思っていたら、もう沈んだのか・・・早かったな・・・お約束だな・・・



こちらはシーシェパードの別の抗議船ボブ・バーカー号からの視点で、衝突の瞬間のビデオ映像です。

シーシェパード側は「真の捕鯨戦争の始まりだ!」と息巻いていますが、日本は戦後直後に軍艦を改装して捕鯨に使っていた過去があります。占領軍に「捕鯨に使いたいから軍艦を返して下さい」と頼んだら、返答のリストには戦艦長門があったのは有名な話。実際に捕鯨に使ったのは一等輸送艦(艦尾がスロープ状で獲物を引き揚げ易かった)ですけれど。


戦標船南氷洋を行く 日の丸捕鯨船団の戦い 第一章:天翔艦隊
しかし、「よし、何でも貸してやる」と示されたリストを見て、申し出た方も仰天した。なんと第一行目に『バトルシップ・ナガト、三万三〇〇〇トン、八万馬力、ダメージ』と記されていた。年明けて昭和21年(1946)1月のことである。


戦艦長門に及ばずとも一等輸送艦とて127mm連装砲を装備していた武装輸送艦。過去に軍艦を捕鯨に使っていた実績のある日本に対し、捕鯨戦争を挑もうとは笑止千万な話であります。
19時05分 | 固定リンク | Comment (540) | 政治 |
2010年01月07日
それでは番外編二つを挟みましたがようやく本編に戻ります。「米海兵隊の戦略と沖縄」編に続き、今回お送りするのは「台湾危機と米軍基地」編です。


普天間基地県内移設に合理性は皆無 - モジモジ君の日記。みたいな。
台湾危機と米軍基地

 台湾というのは、2000万人余りの人々が暮らす生活圏である。だから、台湾の人々にとって重要なことは、自分の生活圏が戦場にならないことであって、戦争になったら、その時点で「負け」と言っていい。なにより、戦争にならないことが大事なのである。


いいえ、それは間違っています。「勝ち負け」は目的を達成するかどうかによります。例えば「独立戦争」は目的が独立であって、独立を達成すれば勝利となります。「革命戦争」の場合は目的が革命であって、革命を達成すれば勝利となります。

例えばベトナムは、太平洋戦争が終わった1945年当時、2000万人余りの人々が暮らす生活圏でした。だからといって、ベトナムの人々にとって重要なことは、自分の生活圏が戦場にならないことではなく、独立を勝ち取り人民政府を打ち立てる為に、革命を起こし植民地支配の帝国主義者を叩き出す事でした。1946年、第一次インドシナ戦争が勃発。ベトナムはフランスとの戦いに勝利した後、アメリカと戦うことになり、ベトナム戦争(第二次インドシナ戦争)が終結した1976年に、ようやく国土の統一と平和を手にしました。国土は破壊され、何百万と死亡し、生活圏はズタズタにされても、ベトナムは戦争目的を達成し、勝利したのです。彼らはアメリカ相手に、勝利したのです。



「在日米軍で台湾を守ろう」などと言うのは、台湾を「日本にとっての緩衝地帯」としか見ていない連中*1の発想であって。


ええ、それは実に重要な事だと考えます。台湾を守る事は台湾の為に沖縄が犠牲になれ、という事では有りません。台湾を守ることは沖縄を守ること、日本を守ることに繋がります。国家とは国益を最優先に考えて行動するものです。他国を助ける場合は、自国にとって利益があるものでなければなりません。慈善事業ではないのです。

台湾は日本のシーレーンにとって要衝であり、失われることは損失です。また台湾が陥落すればその中国軍の戦力が今度は沖縄に向けて正面圧力を掛けてくる事になり、対抗上、沖縄周辺の防衛力を上げる必要も出て来ます。つまり沖縄の基地負担が更に増えるという事です。また中国が台湾周辺の空域を確保できれば、中国海軍と海軍航空隊は外洋に向けてかなり進出し易くなります。これら三つの要素は全て日米にとって不都合なことです。



そして、最近の中国政府が発している数々のシグナルを見る限り、「独立宣言しない限り軍事侵攻はない」ということであり、その意味で、イニシアティブは台湾側が持っている。戦争したくなければ、独立宣言さえしなければいい。


過去の歴史を紐解けば、不可侵条約を結んでいたのに一方的に反故にして侵攻してきた国の例(ドイツの対ソ戦、ソ連の対日戦)すらあるというのに、中国政府のシグナル(国際的な約束ですらない)を信用するという発想は、甘い考えです。1979年の中越戦争で、中国は「懲罰」と称してベトナムに攻め込み、一ヶ月ほどで押し返され始めると、占領していたベトナムの都市に爆薬を仕掛けて破壊してから撤退していきました。中国は必要と有らば軍事侵攻を躊躇わない国です。それはアメリカもロシアも同様であるように。



だから、実際、「中国と戦争になってもかまわないから独立宣言すべき」とする台湾人は、リアルでは会ったことがない。その類のことを言う「芸人」はメディアで時々見るけれど、そんなのに共感している人はほとんどない。当然だろう。台湾の人々において、殊更独立宣言を急ぐ必要性などないのだから。ただし、ついでに言えば、たとえば、そもそも中国政府が「独立宣言したら武力行使も辞さない」などと恫喝してくることについて、不快感を持っていない台湾人も、これまたリアルでは会ったことがない。それも当たり前の話だろう。急進的独立派ではない台湾人というのは、そうした状況を前提として、あくまでも現実の国際社会の処世術として「現状維持」を支持している、ということ。


この部分については概ね、同意します。ただしこのような世論調査もあります。2008年の調査です。


【台湾】大陸委員会:2008年両岸関係世論調査の分析
選択肢を3分類とした場合は、圧倒的多数(58%〜71%)の国民が「現状維持」を主張し、「台湾独立」(17.5%〜24%)を主張する国民の割合は、「両岸統一」(4.7%〜8%)より高かった。

「現状維持」の選択肢を提示せず、「独立」か「統一」かの二者択一とした場合、「台湾独立」に賛成が6割を超え(65%〜68%)、「両岸統一」に賛成は1割強(14%〜19%)に過ぎなかった。


「現状維持」「独立」「統一」の三択ならば圧倒的に現状維持を選んでいますが、「独立」「統一」の二択ならば独立派が大勢を占めています。

それではmojimoji氏の記事に戻って、今回のテーマにおける最重要部分です。



さらに、中国側にとってさえ、軍事侵攻する意味がない。経済的結びつきは急速に深化しているし、仮に統一するとしても、台湾に存在する経済インフラに傷をつけずに手に入れるのでなくては意味がない。


まず「経済的結びつき」は戦争を行わない理由にはなり得ません。典型例が我々の国、日本です。日本は戦前、アメリカとの経済的結びつきは現在よりも遥かに深く、日本の貿易はアメリカ相手で成り立っていたようなものでした。我が国は最大の貿易相手国に対して全面戦争を仕掛けたのです。

次に「台湾に存在する経済インフラに傷をつけずに手に入れるのでなくては意味がない」との事ですが、だからこその「斬首戦略」なのでしょう? 敵の頭脳(指揮中枢)を殺せば本体(経済インフラ)を傷つけずに手に入れることも可能です。もちろん戦争は相手があるものですから、成功する保障はありません。ですがそれを言い出せば真珠湾奇襲も投機性の高い作戦でした。

ですがそれ以前に、「経済インフラを傷つけずに」という点について、私には二つの疑問があります。先ず一つは、別に斬首戦略でなくても、普通に攻め込んだ場合でもそれほど経済インフラを傷付けずに大都市を攻略した戦例は沢山あるので、なぜ都市が灰燼に帰すかのような前提になっているのか、良く分かりません。太平洋戦争で日本軍は香港やシンガポールを開戦初頭に攻略しましたが、市街地にそれほど被害は発生していません。もちろん、独ソ戦のスターリングラードや現代ではチェチェン紛争でのグローズヌイなど、都市が灰燼に帰した例もあります。ですが、そればかりではないということです。

次に疑問なのは「台湾の経済インフラに傷付けずに手に入れないと意味が無い」という主張は、これはまだ中国の経済が発展する前によく言われていた主張でした。ですが今や中国自身の経済力が十分に付いて来たので、相対的に台湾の経済力が小さくなってしまい、無理に台湾の経済力を丸呑みしなくても別に良い、という域に達してしまっています。仮に台湾の経済インフラに傷が付いても、中国側にとってさほど構わないだろう、というわけです。

中国人の台湾に対する思いというのは、日本人が北方領土に対する思いよりも、むしろ南北朝鮮が片方の事を思うのに近いものです。それはもう金銭面での損得勘定ではありません。「中国は統一されなければならない」という強烈な欲求は、これが第一戦略目的になって軍事侵攻が行われれば、例え都市部が灰燼に帰そうとも気にしないでしょう。現代でもロシアはチェチェン独立紛争で、チェチェンの首都グローズヌイを破壊し尽くしました。ロシア軍は戦略爆撃機による絨毯爆撃さえを市街地に対して行ったのです。これはロシア軍の戦争目的がチェチェンの経済力などではなく、チェチェンの位置こそが重要であり、場所を抑える事に意味があったからです。中国にとっても台湾の「位置」はそれだけで重要な要素です。

また2008年にロシアがグルジアとの戦争で国際的な非難を浴びせられ、経済制裁が掛けられそうになったものの、結局は大した制裁もなく乗り切ってしまった事は、台湾有事を考える上で中国側が参考にすべき事例となるでしょう。



では、なぜ独立宣言はさせたくないのか。独立宣言されると、中国政府としても態度を「決定」しなければならない。独立宣言を容認すれば、国内の民族主義的な(損得勘定のできない)統一派の批判にさらされるし、かといって、軍事侵攻して得るものなど何もない。それよりは、中国の現政権も「現状維持」を望む、ということになる*2。よって、台湾が性急な独立宣言をしない限り、あそこで戦争が起こることはないし*3、台湾側にもそんなことをしなければならない喫緊の理由もないので、普通にあそこで戦争は起こりません。


お互いが現状維持を望むには、お互いが今の状況を維持できるかに掛かってきます。フォークランド紛争の発端の原因は、アルゼンチンが国内の不満を外に向けようとした為です。中国と台湾のお互いに言える事ですが、国内の政情が不安定になり、同じようなことをしてしまう可能性も有ります。僅か15年前です、台湾海峡ミサイル危機は。あの当時に「普通にあそこで戦争は起こりません」と説いても、説得力は無かったでしょう。



それでも、軍事的に抑止することは必要だ、と考えるならば。第一に、在韓米軍のように「有事には米軍がコミットすることの証」、ひいてはそれがゆえの抑止力というものであるならば、米軍が台湾に駐留するしかない。しかし、それは政治的に無理でしょう*4。第二に、純粋に軍事的なプレゼンスとしての機能を期待するのであれば、それに貢献しているのは嘉手納の空軍であり、横須賀の海軍であって、海兵隊ではない。あるいは、少なくとも、沖縄の海兵隊は九州に移設した方が軍事的プレゼンスが高まる。なにをどう考えても「県内移設」はありえない。


mojimoji氏の、海兵隊を九州に置いたほうが軍事的プレゼンスが高まるという主張は否定しました。

(2010/01/03)ヘリコプターの進化と沖縄海兵隊ヘリ部隊の合理性

佐賀空港案も非現実的です。

(2010/01/04)佐賀空港は「有明海の干潟」のせいで海兵隊基地として不適当

そして海兵隊は、中国の斬首戦略に対抗しなければなりません。

(2010/01/05)中国の斬首戦略と台湾侵攻シナリオ

故に、沖縄配備がベストとなります。

次回は最終章「中国側の識者?」編と纏め編の予定です。
22時27分 | 固定リンク | Comment (184) | オスプレイ |
2010年01月09日
それでは本編その3「中国側の識者?」編に入ります。


普天間基地県内移設に合理性は皆無 - モジモジ君の日記。みたいな。
それやって、中国側の誰が得するの?という話なわけですが。そんな作戦が実行に移された瞬間に台湾経済は壊滅的な打撃を受けるでしょうし、台湾を支配する意味そのものがなくなるでしょう。軍事それ自体が目的化した「大戦略」脳のトンデモ以外、こんなこと考えません。


まず冒頭のこの部分は前回の記事での反論で片付いていますので、再度詳しくは解説しなくて良いでしょう。そもそも中国は台湾の経済力の獲得を目的に戦争をするのではありません。また私は作戦計画の根拠をソース付きで紹介していますので、「大戦略脳のトンデモ」と言われましても、それは私へではなくソース先の国家の見解をそう言っているのに等しい事になります。かなり無茶な言い掛かりではないでしょうか。



ご丁寧に中国側の見解「普天間基地移設先は沖縄西南部への前進配備となるだろう」を紹介してますが、「人口密集地の名護市を避け、沖縄西南部の無人島を利用する」などというのは噴飯モノの見解です。第一に、「沖縄西南部の無人島ってどこやねん」という話です。第二に、「無人島に1万数千の兵士を駐留させるのに、どんだけコストかかる思ってんの?」という話なわけで。戦時の一時的なベースキャンプならともかく、平時の配備先として、ですよ?当たり前のことですが、兵士もまた人間なのであり、1万数千もの人間が生活するならそれなりのインフラが必要になるわけですが、それをゼロから作るコスト考えたら、これがどれほどバカみたいな話かわかるでしょう。

日本側でも、このレベルの中国脅威論をぶつトンデモ論客が大学教員であることは珍しくもないので、あちら側にもその類の人がいる、ってことでしょう。


mojimoji氏は私の書いた記事をよく読んでいないのでしょうか? 私は該当記事で中国の梁雲祥教授の主張に対し「無人島って何処?」「陸戦部隊はどうするの?」という疑問は既にぶつけた上で、「教授の意見には与しない」「沖縄県西南部への配備は問題が多い」と書いている筈でしょう? 私は細かい内容についてはちゃんと否定しているんです。

(2009/12/23)中国側の予想「普天間基地移設先は沖縄西南部への前進配備となるだろう」

ではこの記事で私が何を強調したかったというと『中国側の予想』という点です。mojimoji氏はこの個所をバラして紹介されていますが、実は其処が一番重要な部分だったのです。中国では複数の識者が普天間基地移設問題を予想しているのですが、誰も国外移転や県外移転を予想しておらず、現行の辺野古案かむしろ前進配備するだろうといった予想ばかりだという点です。

普天間問題と日米同盟の行方、中国専門家による分析―中国紙 - レコードチャイナ
・梁雲祥教授 「沖縄県西南部への前進配備」
・洪源事務局長 「国外移設は有り得ない」
「普天間、日米同盟への影響は限定的」 中国軍関係者ら:日経新聞
・江新鳳研究員 「現行案(辺野古)で解決するのではないか」
・于鉄軍教授 「日米同盟を安全保障政策の礎にする日本の方針は揺るがない」

中国の識者は日米同盟を高く評価し、普天間基地移設問題程度では揺らがないと分析しています。

それでは最後に。



なにをどう考えても海兵隊の沖縄駐留に軍事的理由なんかない。沖縄駐留が決まった最初の最初も政治的なら、その後の駐留継続もずっと政治的に決まっただけ。


軍事的理由は示しました。

(2010/01/03)ヘリコプターの進化と沖縄海兵隊ヘリ部隊の合理性

最初に沖縄駐留が決まったのは確かに政治的ですが、その後の駐留継続の理由は、敵味方双方のヘリコプターの性能が飛躍的に向上した為です。沖縄への海兵隊移転は結果的に、新たな時代の新たな兵器による新たな戦術に対応できる配備箇所となりました。



アメリカ政府としては、置けるところにおければいいし、日本政府としては、沖縄に押しつけ続けている限り他の国民大多数の批判を浴びなくて済むし。


最前線付近に軍事施設が集中してしまうのは、ある程度は仕方がない事です。mojimoji氏も嘉手納基地の位置的な有用性は認めているように、普天間基地も位置的な有用性が存在しています。なお、mojimoji氏の提案した佐賀空港案は無理があります。

(2010/01/04)佐賀空港は「有明海の干潟」のせいで海兵隊基地として不適当

他の地域の提案をお願いします。



そして、沖縄に押しつけ続けていることの差別性を隠蔽し、良心を慰撫するために、「地政学的重要性」なるものが捏造される。「東アジアのキーストーン」とかなんとか、ちょっとかっこいいキャッチコピーが作られたりする。そういうことまで含めて、すべては政治であり、差別である。


いいえ、地政学なんて大層なものでは無いと、最初に述べています。

(2009/12/21)なぜ普天間基地移設先は沖縄県内でなければならないのか

単純な戦術上の問題に過ぎません。政治ではなく軍事的要求です。



逆に、真面目に軍事的に考えたら、海兵隊の沖縄駐留だけはありえんよ。それだけはハッキリしてる。


いいえ、軍事的に考察しましたが、mojimoji氏の言うような結果には成りませんでした。

(2010/01/03)ヘリコプターの進化と沖縄海兵隊ヘリ部隊の合理性

九州駐留と沖縄駐留を比較した結果、九州駐留には台湾有事への対応で大きなデメリットが存在しますが、沖縄駐留で朝鮮半島有事への対応で目立ったデメリットは存在しません。これは台湾に駐留する米軍は居ないが韓国に駐留する米軍は居るという差が大きいです。

またその他に、韓国軍と北朝鮮軍を見比べれば韓国軍は単体でも北朝鮮に勝てるほどになりましたが、台湾軍と中国軍を見比べれば戦力差が中国優位になりつつあり、救援の重要性が増しているのは韓国ではなく台湾の方であるという点です。戦争に至る可能性は朝鮮半島有事の方が高いと仮定しても、いざ戦争になった場合の援軍の重要性は台湾有事の方が明らかに高くなっています。
23時21分 | 固定リンク | Comment (181) | オスプレイ |
数か月前から噂のあったCX年明け初飛行の話は本当だったようです。

空自次期輸送機CX、今月にも初飛行:東京新聞

月末に予想される初飛行まで、とりあえず地上をタキシングしている動画を置いておきます。散々既出ですけど。



これだけじゃ何なので、他のサイトでのCX輸送機についてどんなネタが上がっているか紹介しておきます。


CX、1月にも初飛行か? :清谷信一公式ブログ
今後CXが順調に生産に移るにしてもC−130あるいはC−27Jクラスの輸送機は依然必要だと思います。それはCXでは運用可能な飛行場が限れられているからです。


うん? 一体根拠は何なんだろう? ちなみにチビモサ氏は「もしYCXパンフの離着陸滑走路長を根拠として出してきたら盛大に吊るし上げてやるモサリ」とワクテカしながら待っているようですが、依然として清谷氏は具体的な根拠を提示して居られません。直接コメント欄で根拠を聞いている人も居るのですが・・・


CXでなければ駄目なのか?: 大石英司の代替空港
ただ、仕様の疑問は今でも残るわけです。空自はもともとスピード狂w。世界にあまり類を見ないC1なんていう高速輸送機を未だに運用している。その後継が自前で欲しかったのは解る。たとえそれが諸々の部分でKC−767より劣ったとしても。そりゃ私だって一飛行機ファンとして、国産の飛行機が飛べば嬉しいですよ。とても海外じゃ売れない代物だとしても。なぜか偶然にも、その要求性能に見合う軍用輸送機は海外には存在しなかったわけだしぃw。

しかし、納税者に対して、「C17じゃ降りられない基地があるし、日本列島は南北に長いから、ペラじゃ駄目なんです。だから独自開発しか無いんです」という理屈が通用するのか? C17で降りられない滑走路なら130JでもA400Mでも良いでしょう。遠くまで飛ばなきゃならない、というんなら、それこそ鹿児島以南の離島て何処もジェット化されているからC17すら要らん、今あるKC−767で十分ということになるじゃないですか。


ちょっと前にも紹介したこの記事。何度見ても理解が出来ません。パレット/コンテナ輸送しか出来ないKC-767を持ち出して「これで十分」と言い張るセンスはちょっと・・・大石氏は4年以上前には「驚異のCX輸送機」とCXの特徴的な仕様「高速巡航性能」を褒めていたのに、今ではその仕様に疑問を感じるそうです。恐らく、CXに何故そのような高速巡航性が求められたのか、ちゃんと理解していなかったのでしょう。

ちなみにC-17輸送機はランディングギアの接地圧が異様に高いので滑走路に大きな負担を与えるので、日本国内の基地では「降りられない滑走路」ばかりです。でもCXで運用可能な飛行場が限れられるという話は、特に聞いたことが無いですね。


PCがお亡くなりになった場合に備えて - CHFの日記
        ハ,_,ハ
       ,:' ´∀`; OS再インストール+HDD総換装の前に幾つか書き残しておくモサリ
       ミ,;    ッ  もしC-2が初飛行しても沈黙していたらPCが力尽きたことになるモサリね
Y⌒Y⌒Y  ゙"'''"


その場合はこちらでコメント宜しくですー。



せっかく初飛行したのにドイツメディアは御通夜モード、メーカーとユーザーは資金の問題で睨み合い、祝賀ムードも何処へやらなA400M。

重量問題がさっぱり解決する兆しを見せないことがメディアのネガティブな反応を招いてるようだが、さて具体的にA400Mの重量はどんな具合なのか。

AirbusMilitary公式サイトには最大離陸重量、最大着陸重量、最大燃料重量、最大積載重量の4つしか記載されていない。

ところが同サイトで公開されているゲームの中になんと運用自重が書かれているのだ。


このゲーム製作者は意図的なのかウッカリなのか・・・A400Mの秘密がごにょごにょされていました。詳しくはCHF氏の所でご覧下さい。
23時58分 | 固定リンク | Comment (450) | 軍事 |
2010年01月12日
もはや避けられないMD思想・・・ノーボスチ・ロシア通信が2年前に予見した記事は、やはり正しかったようです。今度は中国が独自のミサイル防衛システムの構築に乗り出しました。


ミサイル迎撃実験、中国が成功…異例の公表:読売新聞
【北京=関泰晴】新華社電によると、中国は11日、弾道ミサイルの迎撃実験に成功した。

実験に使った迎撃ミサイルは地上発射型のものと見られるが、形式や規模などの詳細は伝えていない。迎撃実験は国内で行われ、新華社電は「所期の目的を達成した」と成果を強調した。

中国がミサイルの迎撃実験成功を公表するのは異例。米国が台湾向けに、ミサイル防衛用の地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)の発注企業を選定したことを受けて、米国をけん制する狙いもあるとみられる。

ただ、中国外務省は「実験は防衛のためのもので、いかなる国に対するものではない」と表明し、中国に対する軍事脅威論が高まるのを警戒している。


しかしこれはPAC3台湾配備に対する牽制には全くならないでしょう。何故ならミサイル防衛は防御兵器ですから、弾道ミサイルを持っていない台湾への対抗策と成り得ないからです。このタイミングでの発表は、中国の国内世論向け(台湾だけじゃなく俺たちにもMDはあるぞ、という)といった感じでしょうか。でもアメリカは逆に台湾MD配備の正当性が得られて喜ぶんじゃないでしょうか。

取り敢えず・・・「実験は防衛のためのもので、いかなる国に対するものではない」・・・このフレーズは日米のMD実験にも使えますね。

なお、新華社電の元記事はこれです。簡素な内容で、詳しい事は全く不明です。

http://news.xinhuanet.com/world/2010-01/11/content_12792321.htm

anti_missile.GIF 
この文字がミサイル防衛を意味します。日本語の漢字で該当するのは「反導」で、この"導"とは誘導弾(ミサイル)の意味です。

gmd.GIF
この文字が意味するのは陸上ベースでミッドコース・・・つまりアメリカのGMD(Ground-Based Midcourse Defense)に相当するシステムだと主張したいようなのですが、中国が突如として其処までの性能のものを作れるとは思えないので、ハッタリでしょうね。それとも「陸基中段」の中段(Midcourse)という部分の意味を理解していないのか・・・

intercept.GIF
この部分は日本の漢字で表すと「迎撃技術試験」です。
01時55分 | 固定リンク | Comment (161) | ミサイル防衛 |
今の所この件を報道しているのは西日本新聞のみのようです。


関門衝突事故 「追突避けようと旋回」 韓国船長 「管制に従う」翻す:西日本新聞
関門海峡で昨年10月、海上自衛隊護衛艦「くらま」と韓国籍コンテナ船「カリナ・スター」が衝突した事故で、事故につながったとみられるコンテナ船の衝突直前の左急旋回について、韓国人船長が、門司海上保安部の調べに対し、減速しなかったため前方の貨物船に急接近し「追突を避けようとして行った」という趣旨の供述をしていることが11日、海保関係者への取材で分かった。事故直後は、急旋回について「関門海峡海上交通センターの管制官の追い越し誘導に従った」と主張していた。

門司海保は船長の供述が翻ったことから、事故の主因はコンテナ船にあったと断定。くらま側にも事故回避の努力を怠った疑いがあるとみて、業務上過失往来危険容疑でコンテナ船長とくらまの操縦責任者を書類送検する方針。管制官については誘導が事故に与えた影響は軽微とみているが、送検するかどうか詰めの捜査を急いでいる。

海保関係者によると、航跡の解析などから、コンテナ船は事故直前まで減速せず、貨物船の後方20−30メートルの距離まで近づき追突寸前になった。このため左に急旋回し、前方から航行してきたくらまと衝突したという。事故の数分前、管制官が「貨物船の左舷側を追い越してください」と無線で誘導していたが、コンテナ船は実際は、右側から追い越す進路を取ったことも分かっている。


これにより事故の主要因が韓国コンテナ船「カリナスター」にある事が確定しました。カリナスターは、門司港管制の誘導を無視して最後まで右側から追い越そうとしていたので、誘導の責任は問われようがありません。自衛隊側についても、突然曲がって突っ込んで来たカリナスターに対処しろと言われても、それは無理な要求です。護衛艦くらま側の航行速度について速過ぎたのではないかという報道もありましたが、続報があれから一切無く、今回の記事でも言及がありません。お互い動いている以上は0対100の過失割合は望めない(それどころか停船状態で突っ込まれても0対100はまず無い)ので、くらま側にも責任割合は生じるのでしょうが、一体どれだけの割合になるのでしょう。


護衛艦くらま、三菱長船で修理へ 10月に韓国船と衝突:長崎新聞
関門海峡で10月、韓国籍コンテナ船と衝突した海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦くらま(5200トン)が、年明けにも長崎市の三菱重工長崎造船所で修理に入ることが24日、分かった。

海自佐世保地方総監部によると、防衛省が随意契約で修理を発注。費用は約9億4千万円の見込み


昨年末の報道で、修理費用は9億4千万円ということが判明しています。修理費用よりも修理中に使えないことが最大の損失ですが、出来る限り韓国船主側の保険金から払って貰わない事には・・・完全な貰い事故ですからね。くらま側が幾ら気を付けていても、避けようが無い事故でした。

今回の関門海峡くらま衝突炎上事故で、多くのマスコミは自衛隊側を悪く言おうとしたり、海上保安庁の門司港管制側を悪く言おうとしましたが、結果がこうなると報道自体が殆ど無くなってしまいました。それは、あまりにもおかしい態度だと感じます。何故、主要マスコミは韓国船側が悪いとハッキリと報道しないのでしょうか。別にカリナスター船長の名前を出せとか、韓国船を糾弾しろとか、そういう事ではありません。どうして自衛隊や海上保安庁に無実の罪を擦り付けようとしたのですか? 今回の事故は、ほんの少しでも海の交通のルールを知っていればどちらが悪いかなんて誰にでも判別の付く話です。自動車で言えば対向車線から突然飛び出してきたに等しい状況です。それが分からない筈がありません。

今後、西日本新聞以外に報道が続かないような事は流石に無いでしょうが、おざなりな報道になってしまうでしょうね・・・
20時44分 | 固定リンク | Comment (209) | 軍事 |
2010年01月13日
アフガニスタン対テロ戦争は今や「オバマの戦争」と呼ばれ、アメリカ軍は兵力の増派を行っていますが、それについてのアフガン民衆の世論調査が出ました。


外国軍増派、6割が支持=タリバン批判広がる−アフガン世論調査:時事通信
米英独のテレビ局がアフガニスタン国民を対象に実施した世論調査の結果が11日公表され、米軍や北大西洋条約機構(NATO)軍の増派を支持する人が61%に上ることが分かった。早期の治安回復を望む声を反映したものとみられ、反政府勢力タリバンに対する反発の広がりがうかがわれる。

調査は米ABC、英BBC、独ARDが昨年12月、アフガン国民約1500人を対象に面接方式で実施。国が正しい方向に向かっていると考える人は約1年前の前回調査より30ポイント増の70%、今後1年間で生活が改善されると期待した人も同20ポイント増の71%に達した。

米軍駐留を支持する人は約7割に上ったが、戦闘が激化している南部や東部での支持は約4割にとどまった。


70%が「正しい方向」と回答 アフガン世論調査:産経新聞
英BBC放送などが11日に公表したアフガニスタンでの世論調査によると、同国が正しい方向に向かっていると考えるアフガン人が1年前の40%から70%に上昇した。

オバマ米政権が昨年12月に公表した米兵3万人の追加増派についても61%が支持すると回答、アフガン国民の間で、当面は米軍などの駐留の下で治安の回復などが進められることへの期待が広がっていることを示しているとみられる。増派反対は36%だった。

米軍の駐留は、支持が68%と1年前から5ポイント増加。2001年の米国によるアフガン攻撃については、良かったとする回答が1年前に比べて14ポイント増の83%となった。

今後1年間の先行きについては、良くなるとの答えが1年前に比べ20ポイント増の71%で、悪くなると答えたのは5%だった。(共同)


アフガニスタンでタリバーンは決して支持されておらず、特にカブールなどの都市部ではタリバーンへの反発が広まっている様子が分かります。結局のところペシャワール会の中村哲医師の言うような「アフガン民衆はタリバーンを支持している」というような報告は、都市部から離れた農村の、パキスタン国境に近い部族地域に限定されたものでしかありません。

(2008/11/15)大多数のアフガニスタン民衆は外国軍の駐留を望む‐カナダの世論調査

以前に別の世論調査でもこのような結果が出ています。

ところで・・・


【松浪健四郎が語る】(2)「アフガン問題はおれしかできない」:産経新聞
「対米政策も絡んでくるが、アフガン問題の第一の解決策は、米国が大人になってイランと国交を回復することなんですよ。それを米国はやろうとしないから。で、パキスタンだけではタリバンやアルカーイダの掃討作戦は成功しない。アフガンとイランの国境線がどれだけ長いか。そして、そこに峻険(しゅんけん)な山岳が横たわっている。イランの方にも本気でやってもらわないと、彼らを温存させることになるという現実を米国はもっと理解しないといけないですね」


アフガニスタンのタリバーンがイラン領内に逃げ込んで戦力を温存とか、有り得ない想定をされてもなぁ・・・イラン(シーア派原理主義)とタリバーン(スンニ派原理主義)は犬猿の仲で、過去にイラン外交官殺害を発端として戦争寸前までに至った事もあるし、イランはアフガニスタンのタリバーン政権が健在だったころは一貫して対抗勢力の北部同盟を支援していたことも知らないのかなぁ・・・つまりイランはアメリカから頼まれなくてもタリバーンが自国に侵入してきたら積極的に掃討する筈で、タリバーン自身もイランに逃げ込もうなんて真似はする気も起きないでしょう。松浪健四郎・元議員にアフガン問題を任せてはいけないと思いました。

あと、それとはまた別の話ですが・・・

(2009/06/03)イラン、タリバーン打倒でアメリカと利害一致、共闘の可能性

半年前に書いたこのエントリーで、毎日新聞テヘラン支局の春日孝之記者が「アフガン対テロ戦、イランに補給路要請」と書いた記事を紹介しましたが、あれ以降、後追いの続報が全く無く、毎日新聞以外の報道機関からの情報も、アメリカやNATOからの公式発表も無い為、毎日新聞の春日孝之記者によるトバシ記事であると現時点では判断せざるを得ません。

なお春日孝之記者が2006年に出版した著作「アフガニスタンから世界を見る」は、消印所沢氏によると疑問点・不審点が多く、情報の信頼性は低いとの事です。
00時18分 | 固定リンク | Comment (120) | 平和 |
2年前にもこの手のネタが流れていましたけど、信憑性は無さ過ぎて・・・


海自補給活動 中国が“後釜”を検討  政府に広がる警戒感:産経新聞
15日で海上自衛隊がインド洋での補給活動から撤収することを受け、中国海軍が代わりに補給活動を引き継ぐことを検討していることが10日、複数の政府関係筋の話で分かった。原油の9割を中東に依存する日本にとって、そのシーレーン(海上交通路)でプレゼンス(存在)を失うだけでなく、中国にエネルギー政策の根幹を左右されることになりかねず、政府内に警戒感が広がっている。


給油孔の規格が合わないし、アタッチメントでも新たに用意するのか知らないけど、こんな話は中国側でも全然聞いたことが無い・・・と思っていたら、中国側からは「可能性は全くない」と否定されてしまいましたとさ。


インド洋補給交代、可能性ない=中国紙:時事通信
12日付中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、15日に期限を迎える日本の海上自衛隊によるインド洋の補給活動を中国海軍が引き継ぐことを検討しているとの一部報道について、「可能性は全くない」との軍事専門家・尹卓氏の見解を紹介した。


パキスタンは中国との数少ない同盟国だから、パキスタン海軍艦艇に中国海軍が給油するのは無理がない・・・とでも産経新聞は考えたんですかね? でもパキスタン海軍艦艇はイギリス製やオランダ製のものばかりで、NATOの規格と中国海軍の規格では合わないですし、技術面や練度の問題もさる事ながら、そもそも政治的に非常に考え難い話です。

なお約2年前にも産経新聞は同様の記事を書いています。その時の軍板での反応は以下のようなものでした。



  【質問】 
 以下の話の信憑性は?

 【湯浅博の世界読解】中国は海自の穴を埋めるか(産経新聞)
 11月1日に日本のテロ対策特別措置法が期限切れになると,海上自衛隊の補給艦が撤収しなければならない.
 その穴を中国艦が埋める可能性が現実味を帯びてきたというのだ.

 【回答】 
 馬鹿げている.政治的,軍事的に有り得ない.


なおこの時、私も「馬鹿らしい。産経の煽り記事もここまで来たか」とコメントしたのを覚えています。

また似たような件ではこのようなものも・・・



 【質問】
 『WEDGE』10月号,
「Point of View
 谷口智彦(前外務副報道官・慶應義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授)
 海上自衛隊の給油活動 実はローリスク ハイリターン」
に書かれていた,
>何かと不安定なパキスタンを,反テロ戦線に繋ぎとめてきた役割は,
>海自が果たしたと断じていい.
ってのはどうなんでしょう?

 【回答】
 断じていいですが,それは思い上がりです.

 パキスタンは自国内でタリバーン勢力と激しい戦闘を行っており,それを継続するか和平を行って停戦するかは,日本の給油活動の如何とは全く関係が無い次元の話です.

 で,つい最近まで和平路線を模索していましたが,先月末に打ち切り,タリバーン運動を非合法化し全面対決路線に入りました.
 怒った相手は大統領と首相を纏めて暗殺しようと,ホテルをふっ飛ばしましたが目標は殺せず,ってのが最近の出来事です.

 どうも保守派政治勢力の思い込みは,
「日本が給油活動を止めたら中国海軍が入り込んでくる!」
という妄想といい,妥当性が何も無いというか・・・


こっちは1年ちょっと前の話です。

日本が給油活動を止めたら中国が後釜に座ってしまう、と懸念する主張は、日本の産経新聞ぐらいしか見当たりません。もし本当にそんな動きがあるなら中国側からの報道があって当然なのに、一切見当たりません。対テロ戦争で支援を受ける側のアメリカ側からの報道も一切見当たりません。幾ら中文ソースや英文ソースを探してみても見つからないのです。

これはあまりにも不自然です。情報の出所が産経新聞のみで、他所からの後追い情報が一切無い、それも2年間もずっと・・・産経新聞は「複数の政府筋」「防衛筋」から情報を得たと主張していますが、全く信用できません。現状のままでは産経新聞のトバシ記事、デマ記事と判断するしかありません。
19時34分 | 固定リンク | Comment (177) | 報道 |
2010年01月14日
これは驚きました、中国が「陸基中段反導迎撃技術試験」と称していたのは、実際に中段(Mid-course)で行われた迎撃実験だった模様です。アメリカ側も大気圏外での二つのミサイルの衝突を確認しました。


China did not notify US before anti-missile test: Pentagon | AFP
"We did not receive prior notification of the launch," said Pentagon spokeswoman Major Maureen Schumann.

"We detected two geographically separated missile launch events with a exo-atmospheric collision also being observed by space-based sensors," she said after China announced a successful test of its missile intercept system.


アメリカ国防総省のシューマン報道官は、中国のミサイル防衛実験は大気圏外(exo-atmospheric)で行われたと発言しています。しかし具体的な高度は示しませんでした。ただ大気圏外であることは明言されており、そうなると、初期報道で各国が予想していた地対空ミサイルHQ-9(ロシア製S300PMUのコピー)による実験ではない事が確実となりました。HQ-9はパトリオットと同様、大気圏内でしか使用できません。つまり実験に使われたのは別の何かです。

中国側の報道でも、依然として当局からの公式発表の追加はありませんが、識者の見解では「PAC3やHQ-9のような終末防御系統ではない」「今回行われた実験は中間段階防御系統である」「陸基中段反導の核心技術は確定することは出来ない」といった内容のものが見受けられるようになりました。

果たして中国は本当にアメリカのGMD(Ground-based Mid-course Defense)に相当するものを作成できたのでしょうか? GMDの使用ミサイルGBI(Ground Based Interceptor)の弾頭部分EKV(Exo-atmospheric Kill Vehicle)に相当するものを作り得たのでしょうか?

私は懐疑的に思えます。というのも、実はミサイル迎撃実験はインドも実行済みなのですが、2006年11月27日に行われた最初の実験は、単に弾道ミサイル2つを飛ばして空中で衝突させる実験で、迎撃ミサイル実験というよりは2つのミサイルが交差するように飛行させただけの空中衝突実験といった趣向のものでした。インドはその後に2007年と2009年にミサイル防衛実験を行い、こちらはちゃんとした迎撃ミサイルを使用したものでした。


インドが短距離ミサイルの迎撃実験に成功 (2006年11月28日 朝日新聞)
インド国防省は27日、東部オリッサ州沖で短距離弾道ミサイル「プリトビ2(射程250キロ)」を使ったミサイルの迎撃実験をし、成功したと発表した。時間差で発射した同型の二つのミサイルを、敵のミサイルと迎え撃つ自国のミサイルに見立てて衝突させた。迎撃実験はインドでは初めてで、ミサイルを使った防衛能力の強化のためとしている。

プリトビ2は核弾頭の搭載可能なミサイル。隣国のパキスタンへの対抗上開発され、96年1月に初めて実験に成功した。すでに軍は実戦配備をしているが、「軌道の正確性にはまだ課題がある」と言われてきた。


つまり、インドが2006年に行った最初のミサイル防衛実験のように、迎撃実験というよりは衝突実験といった感じのものならば、特別な技術が無くても実行可能です。これはむしろ人工衛星破壊実験に近い内容のもので、二つのミサイルの軌道を正確に計算し、適切なタイミングで交差させればよいわけです。そして中国は既に2007年に宇宙空間での人工衛星破壊実験を成功させています。ならば大気圏外で二つの弾道ミサイルを交差衝突させる事も可能だと思われます。インドのプリトビ2は短距離弾道弾なので大気圏外での衝突ではありませんでしたが、中国ならば中距離弾道弾を使用して実行可能でしょう。

勿論、インドがその後にちゃんとした迎撃ミサイルを使用した実験へと進化させているように、二つの弾道ミサイルを衝突させるだけの実験はそれだけでは迎撃ミサイルとは成り得ません。本格的な迎撃実験の前の下準備、あるいは単にデモンストレーションでやって見せただけ、どちらかの可能性があります。

もちろん、これは私の勝手な憶測であり、中国が今回行ったミサイル防衛実験はちゃんとした迎撃ミサイルである可能性も有り得るのですが、大気圏外で自律機動する迎撃体の制御が最先端技術であることを考えると、ロシアですらまともな実験すらできていない物を、中国が一足飛びに作ってくるとは考え難く、このような予想となりました。

もし中国がミサイル防衛でミッドコース迎撃能力を本当に取得した場合、将来的にICBM迎撃能力を獲得してくる事になります。そうなればミサイル防衛という軍事技術の持つ意味が、劇的な変化を迎えることになるのは間違いないでしょう。

01時00分 | 固定リンク | Comment (143) | ミサイル防衛 |
2010年01月15日
15日で終了する海上自衛隊のインド洋補給活動は、アメリカを中心とする有志連合が行っているアフガニスタン対テロ戦争を支援するものでした。海上自衛隊の高速補給艦による有志連合軍艦艇への燃料補給活動は、作戦開始当初はともかく、近年では補給実績は大きく減少し、日本の民主党政権は補給活動を中止しても問題は無いと判断しました。新政権発足直後に閣僚の中から「海上自衛隊の給油活動は国際的な評価が低い」との発言まで飛び出しました。

しかしこの直後、パキスタンのクレーシ外相は「補給活動に大変感謝している。新政権でも支援継続を希望する」と伝えてきました。そしてアフガニスタンのスパンタ外相から「日本のインド洋補給活動は大きな貢献だ。継続して欲しい」と要請され、カナダのハーパー首相からは「日本の補給支援活動は非常に有益だ」と述べられ、イギリスのミリバンド外相からは「インド洋の給油活動は非常に重要で継続をお願いしたい」と頼まれました。これ等は全て新政権発足直後の9月中の出来事です。

初めての外遊で、次々と日本のインド洋補給活動が高く評価され継続を強く希望された事に岡田克也外務大臣は困惑の色を隠せず、9月30日に『給油支援「絶対ノー」とは言わず』と給油継続に含みを持たせる発言すら行いました。一体この民主党の計算違いは何だったのでしょうか。どうして各国は日本の補給実績が大きく低下しているにも関わらず、その活動を高く評価し、補給活動の継続を訴えたのでしょうか。

(PDF)日本の補給支援活動に対する評価・感謝の言葉:日本外務省

アフガニスタン、パキスタン、サウジアラビア、オーストラリア、シンガポール、カナダ、バーレーン、フランス、アラブ首長国連邦、ドイツ、イギリス、アメリカ、インド、ニュージーランド、EU、国連・・・多数の国が、機関が、日本の補給活動を高く評価し、継続を求めています。「海上自衛隊の給油活動は国際的な評価が高い」と言うことが出来ると思います。これ等の評価は、日本の給油実績が大きく低下し、現状ではあまり仕事をしていない事を十分に把握した上で、その上での評価なのです。

実はこの事は、インド洋に日本の艦隊が存在している事に大きな意味があり、実際に補給活動をしているかどうかは関係が無い、どうでもいいと国際社会がそう認めていると、読み取る必要があるのです。日本が対テロ戦争に参加しているという事実、それが重要なのであり、たとえ日本の給油活動が有志連合軍の役に立たなくても、アフガン民衆を救う役に立たなくても、実用的な役割を果たさずとも、政治的に日本がアフガン対テロ戦争に参加している事実だけで十分な支援が得られていると、国際社会は認めてくれているのです。日本の民主党はそれがまったく読めていませんでした。前政権の自民党は、それが読めていたからこそインド洋補給活動の継続に拘っていました。

インド洋補給活動はリスクが少ない上に国際社会が認めてくれる、実に割のいい仕事だったのです。なにしろ実際に仕事をしなくても其処にいるだけで構わない、それこそが重要なのだと言われているのですから。日本はアフガニスタンの陸地で血を流して戦わなくてもいい口実を、インド洋の海上に存在するだけで得られるのです。アフガニスタンでの戦闘がいくら激化しようと、インド洋上は安全なままです。無料ガソリンスタンドと揶揄されようと、必要経費は少なくて済み、地上派遣や資金援助に比べると大変に安上がりです。はっきり言って日本は甘やかされていると言われてもおかしくないくらい、美味しい役割を与えられてきたのです。それを自ら捨て去った民主党政権は、せっかくの国際社会の好意を受け取らないという決断をしました。それは果たして熟考した上での判断だったのでしょうか?

民主党政権はインド洋補給活動の停止の代わりに、アフガニスタンの地上へ自衛隊を派遣することも決断できず、民生支援に5000億円を提供する事だけを決めました。これは給油活動の費用よりも年間当たり10〜20倍の金額となり、遥かに高額なものですが、国際社会の評価は芳しくありません。治安維持が出来ていない状態でお金だけ渡されても、民生支援に有効活用することは決して出来ないからです。そして「日本はお金を出すだけで血も汗も流そうとしない」と批判されることになります。インド洋補給活動は、血は流していませんが汗は流していました。お金を出すだけの状況とは、国際社会の評価は大きく異なってきます。

私は、海上自衛隊の補給活動は継続すべきだったと思います。リスクが少ない割に得られる評価が高く、国際社会に申し訳ないくらいの好条件での活動だったからです。しかしこれは幾ら理屈は正しくても、正義と言えるものではありません。何故ならこれは、

『日本がやっている補給活動はアフガン安定の為には全然ならないが、国際社会がそれを望み結果として日本も利益を得られる"政治的儀式"であるので継続すべき、アフガンの陸地に人員を派遣するのはリスクが高過ぎ、今のままインド洋でお茶を濁した方が安全で得策、日本はアフガン民衆のために血を流したくないしアフガンの陸地がどう地獄になろうと知った事ではない』

という独善的なものだからです。しかし国際社会(当のアフガン政府ですら!)がそれで納得しているのでそれに乗っかれ、ですからね。 このような事を政治家が表立って言うのは自殺行為です。言えば政治生命は終わりです。 大手マスコミもこのような主張を行って意義を説くべきではないでしょう。良心を捨てたマスコミは存在する価値がありません。

結果として日本の前政権である自民党政府は、インド洋補給活動の本当の意義を国民に説明して来ませんでした。言えるわけがないのです。日本の国益となる本当の意味を、説明したくても出来なかったのです。こんな事を説明してよいのは、どこぞのシンクタンクやブロガー等の責任のない立場の者しか出来ない事です。日本はアフガンを本当に助けようとする気が無いけど、アフガン支援と称して一番楽で国際的評価の高い仕事を継続したいなどと・・・国益の追求と言えば聞こえは良いですが、正義とはとても呼べません。選択が損得勘定の上で正しくても、それは利己的で独善的なものです。

そして民主党政権はここまで理解した上で「アフガン民衆にとって本当に役にたつ支援をしたい」と言っているわけではありません。そのような主張ができるのであれば立派なものですが、それを言ったが最後、お金だけ出してお茶を濁すような真似は国際社会が認めてくれません。日本に対し、共に血と汗を流せと要求してくることになります。今、アフガンで最も求められているのは治安の安定化です。治安が安定せねば効果的な民生支援など出来る状況にはなりません。では陸上自衛隊をISAFに参加させるという事を、今の日本政府は決断できるかと言うと、それは困難な事でしょう。小沢幹事長は以前、陸自ISAF参加を唱えていましたが、それが実行出来るとは今の政府の状況からは到底思えません。

アメリカはアフガニスタンへの戦力増派を行いました。各国もそれに続き、春が来て雪解けが始まったら、東南部のカンダハル方面は激戦が始まるでしょう。パキスタンもそれに呼応し、トライバルエリアでの攻勢を始めるでしょう。昨年終盤、パキスタン軍は攻勢を強めており、タリバーンの聖域(サンクチュアリ。訓練と休養ができる安全区で、ゲリラ戦で必須の場所)に手を掛けようとしています。アフガニスタン東南部からタリバーンを叩き出し、パキスタン・トライバルエリアでも圧迫を強めれば、アフガニスタン北部(元々、北部同盟の支配地域)や西部(イラン国境であり、イランとタリバーンの仲は非常に険悪)へ逃れる事の出来ないタリバーンは息の根を止められます。しかし、カンダハル方面のアメリカ軍はともかく、パキスタン軍が対テロ戦争にどこまで本気で全力を出して攻勢を強められるかは未知数で、この大攻勢が成功するかどうかは、何の保証もありません。しかしアメリカのオバマ大統領はアフガニスタン駐留に期限を設けました。この2010年中に片をつけなければ、有志連合軍は敗北することになります。あるいは、オバマ大統領が撤退の期限を撤回する羽目になります。

アフガニスタン情勢の大勢が決まる最後の決戦が行われようとする直前に、日本は対テロ戦争から逃げ出した事になります。あまりにもタイミングが悪い話で、もし有志連合軍が敗北しアフガニスタンの治安維持がままならない状況になれば、日本の民生支援用5000億円の資金提供も、まともに有効活用できないままで終わってしまいます。その事をちゃんと理解しているのでしょうか・・・アフガニスタンはこれから激戦が展開される、これまで以上の熾烈な戦場と化すのです。
21時47分 | 固定リンク | Comment (780) | 政治 |
2010年01月16日
無防備宣言運動・・・まだやってたんですね。下手な鉄砲数撃ちゃ当たると言いますが、忘れた頃にどこかの自治体がうっかり条例化してしまうこともやりかねないので、一度ちゃんと国家政府がきっぱりと警告した方がいいかもしれません。「地方自治体が勝手に無防備宣言を行った場合、中央政府への反乱行為と見做す」と。

那覇市議会、無防備条例を賛成少数で否決:琉球新報

認識に差 理解進まず 無防備宣言、那覇市議会否決:琉球新報

無防備宣言運動についてはカテゴリー『無防備』をご覧下さい。この運動の問題点は「ジュネーブ条約を根拠として謳っているにも拘らず、ジュネーブ条約に違反した宣言を標榜している」という事に尽きます。赤十字による同条約の解説では、困難な状況に無い限り地方自治体が勝手に無防備宣言を出す事は出来ないとされています。「困難な状況」とは例えば、中央政府が先制核攻撃で全滅してしまった場合など、自分達だけで判断しなければならない状況を指します。そもそもこの宣言は、戦時に置いて敵軍が自分達の目の前に迫った状況でないと宣言できない代物です。なお革新政党である日本共産党がこの運動に反対しているのは、敵対的な左翼セクト「MDS」がこの運動の推進母体であるからで、これが判明する以前は賛成の立場に居ました。

なお那覇市での無防備条例運動の推進者には、あの方も居ました。

(2009/08/11)暗黒邪神トートーメー・破壊神ジュゴン・大海獣ウミセドン、南海の大決戦

(2009/08/13)トンデモ古代史を根拠に非武装を訴える沖縄反戦平和運動の怪

えーっと・・・沖縄の反戦平和運動は、これから何処へ向かっていくのでしょうね。
23時59分 | 固定リンク | Comment (132) | 平和 |
2010年01月17日
反戦平和運動は、それは大いにやって貰って結構なことなのですが、軍隊にも応じられることと応じられないことがあるので、その線引きについてはある程度、了承して欲しいものです。

新社会党の浦田秀夫・船橋市議会議員は、陸上自衛隊の第一空挺団や特殊作戦群が駐屯する習志野駐屯地の、習志野演習場新火薬庫建設に反対しているわけですが・・・


新弾薬庫建設問題、説明は地区連会長へ:浦田秀夫(うらたひでお) 通信
防衛省は、火薬庫の設計図面や設置場所の正確な位置を示す地図、火薬の種類や砲弾の数・量など具体的な資料を提示し、住民に直接説明すべきである。


そんな資料を提示したらテロリストやスパイに貴重な情報を与える事になってしまいます。

普通に利敵行為ですよ、それは・・・浦田議員に自覚が有るのか無いのか知りませんけど、これはとても応じられない話です。ある程度の大まかな情報は出せても、細部に渡って具体的に詳しい情報までは説明できません。軍隊が「軍事機密だから」と情報を開示しない場合があるのは、何も周辺住民に意地悪しているわけじゃありません。敵に知られたくない情報だから隠しているだけです。新弾薬庫の位置はどうせ直ぐ分かる事です。ですが設計図面を提示しろって、施設の内部構造を晒してどうするんですか? 破壊工作員が喜ぶだけじゃないですか。というかなんで周辺住民や議員がそんな情報を欲しがるんです? 火薬の種類の細かい情報を提示するのも、スパイが大喜びするだけで、そんな危険を冒して住民に知らせる意味が分かりません。第一、貴方たちが弾薬の細かい種類を知ったところでどうなるのです? 別に核弾頭やDU弾があるわけじゃなし・・・。

この問題は、蔵量21トンの弾薬庫を新設するというものです。現有施設は1トンまでの小規模なものです。いや21トンでもかなり小さいんですが、しかし反対派の皆さんは「大規模火薬庫」と称していているので、なんというか、やれやれな話です。
10時56分 | 固定リンク | Comment (321) | 平和 |
2010年01月18日
夜戦に必須の暗視装置ナイトビジョン(Night vision)。私も詳しいわけではないのですが、大きく分けて三種類があります。

■第1世代・・・アクティブ赤外線方式。不可視光である赤外線を照射して赤外線カメラで捉えるが、相手が同じ装備を保有して赤外線ライトを付けずに待っているとこちら側はバレバレなので、廃れていく。

■第2世代・・・可視光増幅装置。スターライトスコープとも呼ばれる。光電子増倍管を使用するもので、原理上、高解像度の像は映し出せない。強烈な光を浴びるとリミッターが作動して使用不能になる。

■第3世代・・・パッシブ赤外線方式。物体から放出される赤外線を捉えることの出来る高感度赤外線カメラ。絶対零度以上の物体は全て自ら赤外線を放射している為、これにより外部から何らかの光を照射する必要が無い。民間での流通が規制されている。

※)上記と異なるアメリカ政府による暗視装置の世代分類があります。こちらの方がより正式な分類となります。Night vision device#Generations

また最近ではデジタル式のCCD(Charge Coupled Device)を用いた「蓄積型高感度カメラ」というものも出てきています。「冷却CCDカメラ」とも呼ばれます。

[PDF] 高感度カメラの原理と技術:浜松ホトニクス株式会社

これはCCDを冷却し、熱雑音を減らして高感度映像を得るものです。スターライトスコープはアナログ式の光電子増倍管を使って可視光を増幅するものでしたが、これは解像力の方を上げて像を得ます。解像度は(第2世代と比べれば)こちらの方が上になります。

そしてアクティブ赤外線方式とは異なる照射タイプの暗視装置として、レーザー光線を使用するものが出てきています。レーザーレーダー(Laser radar)とも呼ばれますが、電波を利用したレーダーとの混同を避けるために「ライダー(LIDAR;Laser Imaging Detection and Ranging)」という用語が使われています。

レーザ光を利用した悪環境下での長距離・高分解能監視システム技術の開発:三菱重工技報

これは極短パルスのレーザー光を照射して反射信号光が到達する瞬間のみ画像として撮像する事で、ノイズを大幅に減らし従来の高感度カメラや赤外線暗視装置を上回る高解像度を実現しています。夜間において車のナンバープレートや船の船名まで綺麗に読み取ることが出来るので、警察や海上保安庁が採用しています。

国内初の「テロ対策特殊装備展」開催:ASCII.jp

2007年のイベントで三菱重工は「SLC-750」というレーザーレーダー監視システムを出品していました。

なおこちらはカナダL-3ウェスカム社製MX-20可視光/赤外線画像センサーシステムです。



MX-20 | L-3 Communications WESCAM

これは可視光カメラ、赤外線カメラ、レーザーレンジファインダー、レーザーイルミネーターを一つに纏めたシステムです。レーザー照射が単なる照射なのか、パルス発振のライダーなのかはよく分かりませんでした。


現在、暗視装置の専門書は和書では見当たらず、商業誌では存在しないようで、簡単な解説が書かれている同人誌しかありません。

眼鏡っ娘MAGAZINE 表表紙眼鏡っ娘MAGAZINE 裏表紙
■眼鏡っ娘MAGAZINE

発行:Gewalt
商品番号:212001027448
ジャンル/属性:ミリタリー
備考:B6/36ページ
作家:EXCEL
指定:一般
発行日:2009年12月30日 [コミックマーケット77]
価格:735円 (本体:700円+税:35円)
委託:メロンブックス

これが日本初の暗視装置解説書です。過去にもあったかもしれませんが、全国通販できる存在の本としては初となるようです。需要は一部にはあるのだから、商業誌で出せばいいと思うのに・・・なにしろ競合者が居ないのだから、最初にやった者が独壇場になるのですから。

ちなみに私はサバイバルゲームは殆どやらないので、夜釣りに使えないものかと模索中なのですが・・・



■DVD「鯰 キャットフィッシュハンター」ナイトゲームの真実

視野が狭いので危ないから止めろと皆に諌められました。うーむ・・・普段の視界の他に、魚を取り込む時に可視光ライトを当てなくて済むのであれば、魚が暴れることも無く楽に取り込めるかとも思ったのですが。

実は船上で使う水中カメラに、赤外線を使うものもあります。

水中カメラ「FISH EYE」:GPS魚探専門店

これは夜釣り用ではなくて、昼間用です。深々度や濁った水中で視界を確保したいが、可視光ライトでは魚が怯えてしまう為、赤外線ライトを使うという発想です。
01時03分 | 固定リンク | Comment (181) | 軍事 |
2010年01月19日
Kojii.netのテクニカルライター・井上孝司さんがマイコミジャーナルで持っている連載コラム「ビジネス視点で防衛産業ウォッチング」は今回で第16回を数えています。その最新記事の第16回目に、懐かしい話が紹介されていました。


国益を左右する武器輸出管理制度 - 米国編:マイコミジャーナル
数年前、「米国が日本にイージスBMDシステムを輸出しているが、何をどれだけ、いくらで輸出しているかといった情報は教えてもらえない」と、不平を言っている人がいた。たまたまそれを知った筆者が、米国政府の公開情報を引き合いに出して「そんなことはない」と御注進に及んだところ、こう言い返された。

「日本人が英語の文献を読めると思いますか? 日本語の文献がないのだったら、秘密裏にやっているということじゃないですか?」

このコメントを読んで卒倒しそうになったのは秘密である。


この誰にも真似できないコメントを行った人は「カナダde日本語」の美爾依(みにー)さんです。もう3年前の話になるんですね、初出はここです。

ちゃんと公表されてるんだが: Kojii.net ココログ別館

あまりに懐かしいので、3年前のこのコメントをきっかけに始まった私と美爾依さんとのやり取りを纏めて置きました。

(2006/12/26)美爾依さんの最後の質問に答える
(2006/12/23)美爾依さんとカナダde日本語
(2006/12/20)仮定を証拠だと言い張る美爾依さん
(2006/12/16)根拠を言えず印象操作に終始する美爾依さん
(2006/12/14)ミサイルの値段で間違った解釈をした美爾依さん
(2006/12/14)公表されている事を秘密裏に行われていると言い張る美爾依さん

アメリカからFMS(Foreign Military Sales)経由で引き渡される兵器は、何がどれだけ契約されたか数量や金額がオープンになっているので、「教えてもらえない」という美爾依さんの愚痴はただ単に自分で調べようとする努力を怠っただけ、という事が言えます。それを指摘されたら「日本人は英語の文献が読めない!」「日本語で書かれていなければ秘密裏にやっているということだ!」と強弁するのは、ちょっと滑稽なものでしたね。
18時43分 | 固定リンク | Comment (157) | 議論 |
2010年01月20日
SPA!で記事になり話題となった現役陸自幹部のトンデモ妄言の数々。

[PDF]総力特集 大マスコミが報じない隠された真実|新型インフルはウイルステロだった!ホメオパシージャパン株式会社

これに対するツッコミは、幻影随想の黒影さんが最もよく纏まっています。

SPA!のトンデモ記事および池田一等陸佐の免疫学に対する無知を切る:幻影随想

ホメオパシーについてはこの記事も読んでおくとよいでしょう。数あるトンデモ疑似医療の一つです。

ホメオパシー - Wikipedia
ホメオパシー - Skeptic's Wiki
幻影随想: ホメオパシーヤバイ

自衛隊も24万人近い人が居るのですから、中にはトンデモな人が混じっていても仕方が無いかもしれませんが、幹部、それも隊内で教育に携わる人がトンデモだったら、その害悪の影響が隊内に広まってしまう事になり、看過できる問題ではありません。池田一佐は陸上自衛隊小平学校の教官です。以前紹介した「平和宇宙戦艦」でも同じような問題が起きています。自衛隊は、こんな事を続けていたら隊全体の正気が疑われてしまいます。

即座に人事的な処理を行うように、願います。

なお現役のある一尉に池田一佐の事を聞いてみたところ、以下のようなコメントが返ってきました。



語りたくない人物が話題にw

昔自衛隊内の機関紙(幹部自衛官用)に、
「水は話しかけると美味しくなるのですよ」
という内容のすさまじい投稿を載せて以来、注目していた。

つか、そういう類の投稿しかしていない。
科学・実証を第一と考える小官からしたらある意味アンタッチャブルな人<池田1佐


・・・池田一佐は「水からの伝言」の信奉者だった模様。トンデモ疑似科学のオンパレードでくらくらして来た・・・隊内では以前から有名人だったみたいです。

水からの伝言 - Wikipedia
「水からの伝言」を信じないでください
水はなんにも知らないよ (著)左巻 健男


【追記】
1月23日に産経新聞が書評で池田整治氏の著作を好意的に紹介。


【書評】『マインドコントロール』池田整治著:産経新聞
GHQ(連合国軍総司令部)による自虐史観の刷り込み、宗教を隠れ蓑(みの)とした謀略、水道水の塩素を巡る米軍との衝撃的なやりとり、添加物(化学物質)で汚染された食卓、インフルエンザなどのウイルス兵器で脅される世界、大和王朝成立の本当の背景、戦争のたびに儲(もう)ける支配層による仕組み作り、江戸の素晴らしさを否定された日本人への罠(わな)など、これまで普通の日本人が陰謀史観だと思い込まされていた事象の一つひとつを、独自のコメントで引っくり返していきます。


内容は憂国ネタで陰謀と電波に塗れた代物です。
21時21分 | 固定リンク | Comment (298) | 平和 |
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