参考までに、普通に1本ずつ差し込んで装填する方式の、ロシアの多連装ロケットランチャー「BM-30 スメルチ」は、300mm12連装ロケットを再装填するのに36分掛かります。
それではMLRSの場合は・・・
M270 MLRS Self-Propelled Loader/Launcher (SPLL) :GlobalSecurity
M270 MLRS Self-Propelled Loader/Launcher (SPLL) :FAS
M270 Multiple Launch Rocket System - Wikipedia
上記英語サイトはどれも元の資料は同一のようで、全て「Reload Time 9 minutes」とあります。 再装填時間は9分です。
MLRS - Wikipedia
日本語版ウィキペディアでは「再装填時間: 8分」とあります。
MLRS - Weapons School
>乗員1名でも3分以内に再装填を完了できる。
こちらでは3分以内となっています。・・・随分と数値が違いますね。
MLRS自走多連装ロケット・システム - 戦車研究室
>全弾発射後の再装填時間はわずか93秒で終了する。
>〜中略〜
>M270A1 AVMRLでは、射撃統制装置が近代化されると共に、
>発射機のメカニズムの改良で、ロケット弾の再装填時間が
>従来の93秒から16秒に短縮されている。
こちらではM270発射機で93秒、M270A1で16秒としています。
16秒は幾らなんでも有り得ないんじゃ・・・抜いて挿して抜いて挿して、4行程を16秒と言う事は一つの作業を僅か4秒で? ランチポッドは2トン以上あるのに?
そこでMLRSに関する、93秒ないし16秒の記述がある英語サイトを調べてきました。
M270A1 LAUCHER - FAS
The ILMS provides a tremendous capability as well. It is designed to reduce fire mission and reload cycle times. This is achieved by providing a faster drive system that moves simultaneously in azimuth and elevation. The ILMS will decrease the traverse time from stowed position to worst case aim point by approximately 80 percent (from 93 to 16 seconds). The ILMS also decreases the mechanical system reload time over 30 percent. The reduced time spent at the launch and reload points increases the survivability of the launcher crew and associated rearm personnel.
M270A1 an MLRS launcher with leap-ahead lethality - BNET
M269A1 ILMS. This materiel change dramatically improves responsiveness. ILMS allows the launcher to move simultaneously in both azimuth and elevation. It reduces the stow-to-aim point time of 93 seconds (worst case) to just 16 seconds--a reduction of 83 percent. Additionally, reload times improve nearly 38 percent, decreasing from 260 seconds to approximately 160 seconds.
Multiple Launch Rocket System - Army Technology
The IFCS provides additional capacity to accommodate complex munitions and modern computer electronics, including video display, onboard navigation with global positioning system, architecture for ultrafast signal processing and advanced mission software. ILMS reduces the time to aim the launcher to 16 seconds (compared to 93 seconds). The reloading time is cut from four to three minutes.
どうやら93秒や16秒といった数字は、全弾再装填時間の事を意味するのではなく、照準に要する時間の事を指していることが見て取れます。ここまで何となく理解したのですが、詳細をよく理解できなかったので、プロのライターの井上孝司さんに説明して貰いました。
>The ILMS will decrease the traverse time from stowed position to
> worst case aim point by approximately 80 percent (from 93 to 16
> seconds).
旋回・俯仰を同時にこなすことで、発射位置に指向するためにかかる時間を短縮。最長のケースで 93 秒 (つまり、もっと速い場合もある) だったのが、16 秒になったと。
>The ILMS also decreases the mechanical system reload time over 30 percent.
↑だから、それに加えて再装填の時間も 30% ほど速くなったのですね。
つまりFASの記述を基準にすると、M270の再装填時間が9分掛かるとすると、M270A1 AVMRLは6〜7分で再装填できるということのようです。ただ装填に要する時間と、其処から発射位置に指向するのに要する時間は別物ですから、厳密に考えると若干違ってきます。また「4分→3分」 (Army-Technology)は、ランチポッド1基分の抜き差しの話だと考えれば理解できます。左右両方で8分→6分ならMLRS1基分の再装填時間なのでしょう。「260秒→160秒」(BNET)も同様。FASの30%という数値よりも若干高い38%ですが、これは元の資料が違っていた可能性があります。
そうなると日本語サイトの「Weapons School」「戦車研究室」は、MLRSの再装填時間を誤まって記述していた事になります。・・・2つとも著名なサイトで皆が良く引用しているだけに、数値の間違いは影響が大きいです。実を言えば私も今回調べてみるまで、勘違いしていました。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 21:53:43
なんてエロ(ry うっかりMLRSを擬人化してしまっ(ry
……しかし9分としてもMLRSは再装填速いですなあ。ランチポッドの威力って素晴らしい。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 22:23:34
その代わり、装填できるロケット弾の数が少なめになっちゃうけどね。それを補って余りあるリロード速度を得るわけだ。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 22:25:55
湾岸でイラク兵が泣きを見た理由が良く判る気がする。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 22:51:22
でも戦艦の主砲が40秒くらいで装填−照準できることを考えると、現代ならもっと早くても、とか思っちゃったりする可能性はあるのかな。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 22:51:57
常に眉唾じゃないと駄目だな・・
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 22:52:20
Posted by KY at 2008年06月19日 22:58:35
戦艦の主砲は砲等内部で完結した自動装填システム。でも多連装ロケットは野戦で使用するわけだからね。しかもロケット弾は嵩張って大きい。
だから感覚としては戦艦の主砲よりも、駆逐艦の魚雷の次発装填に近い。1本再装填するのに機力装填で数分掛かったから、やっぱりそんなもんだと思うよ。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 23:23:38
射撃して装填して次のミッションに対応するまで20〜45分みとけってことかなこれは。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 23:34:56
そんな貴方に
つオトマティック対空戦車
護衛艦も積んでるオットー・ブレダ製76mm速射砲をレオ1の車体に載せたもの。
機関銃みたいな勢いで砲弾を撒き散らす凶悪な代物なので、マトモに狙われたら主力戦車でも危ない(汗)
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月19日 23:41:46
下手に手動装填出来るとそれに頼ってしまう。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 00:25:27
話がずれるんだが、「OTOメララ」と「OTOブレダ」、今はどっちが正しいの?
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 02:26:18
http://www.youtube.com/watch?v=Dj5F4WRCK-c
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 03:20:15
現在の名称はOTOメララに戻っている
公式サイト
ttp://www.otomelara.it/OtoMelara/EN/index.sdo
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 03:23:06
手動装填にこだわって砲の大口径化が遅れた事例もあったりね…
あと旧軍がパンツァーファウストをコピーしたが、
「元のままの寸法では非力な日本兵には使い辛かろう」と
微妙に縮小掛けてみたら全然貫通力が足りなくて、結局元の寸法に戻して…という次第で戦線投入が遅れたって話もございます。
Posted by ハインフェッツ at 2008年06月20日 06:48:29
そんなあなたにメタルストーム!
1分間に数100万発の銃弾を発射可能!
今なら、ポケットに入る拳銃タイプもお付けしてっ
****円!****円のご奉仕ですっ
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 11:29:17
ニュースで見たことありますが、イメージする限り、
弾幕が凄そうと思うものの、散弾とは違うようなので、
逆に活用方法が想像できませんね。無駄弾を撃つのを減らすために、
アサルトライフルの連射機能をなくしてる今日ですし。
Posted by アハト at 2008年06月20日 12:55:32
>話がずれるんだが、「OTOメララ」と「OTOブレダ」、今はどっちが正しいの?
乙女ララァがもっとも正しい。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 13:54:33
伊オットー・メララ社(伊ブレダ社と合併しオットー・ブレダとなったが、再びオットー・メララと改称)
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 16:34:04
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 17:16:31
赤い人に注意を(ロリコンでマザコンで3倍の人の方)
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 19:12:01
フィンメッカニカ傘下「フィアット イヴェコ オート・メラーラ」連合体の一員。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月20日 22:51:41
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月21日 02:58:20
でも、何故か採用した国はない。
やはり維持費のせいなのか、はたまた超兵器故の機械的欠陥が有るのか・・・
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月21日 11:31:53
そりゃあ発射速度が毎分120発だから、会敵する度に弾庫が空っぽに…。
市街戦でなら火点潰しに便利……とか思ったけど、76mm砲じゃあ普通に考えてオーバーパワーだよなぁ…
Posted by 10 at 2008年06月21日 13:48:28
オトメティック対空戦車なら購入する国もあったかも知れない。
単にシステム単価が高すぎて相手にされてないのだろうけど。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月21日 16:27:10
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月21日 17:07:50
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月21日 19:29:44
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月21日 19:43:38
>赤い人に注意を(ロリコンでマザコンで3倍の人の方)
ヨシフ・スターリンのことですね!!1111
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月22日 01:41:44
馬鹿者、ロリコンはベリヤ様だ!
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月22日 02:58:08
,,.'''"¨ ̄ ̄¨""''=、、
/ ヾ:、
/ ミ、
/l ミミ,
f,'! _,,_ _,,,_ ニl
lミ| '', = `、 ,,''´= 、` キl_
/` l ,‐oヽlュ−tl ,.-o 、、l '' ヘ
|| , ヽ 二 ノ l lヽ 二 ノ l'ヽ,リ
||! / 丶 l イ l 呼んだかね
ヽJ ノ ーヽノ‐ヘ、 ,、,ノ
l ' _ ' ;,_ l
、 ´` ‐ ニ ‐ ''` , ,/
ヽ /:l
∧` ー ''-- − '' ,,:‐^‐::l_
 ̄/:::::ヽ、、:::.:..... ,,,/、ヽ'^’/::::::: ̄
::::':::!イr,\::``, 、":::/、ヽ '::;/:::::::::::::
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月22日 12:35:34
なんという恐ろしいことを書くんだ。シベリアで木を数えることになるぞ。
Posted by 90式改 at 2008年06月22日 13:07:10
で、パルプを分析にかけると燐が出てくんの。
Posted by ハインフェッツ at 2008年06月22日 19:18:04
弾薬車は発射筒の近くには置いておけない(後方爆風の関係で)
16秒というのは、次弾の照準から、発射までに必要な時間なのでは?
実際は2〜3秒で勝手に機械がやってくれるはずなのだが、
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月23日 03:26:21
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月23日 03:32:12
記事本文に既に書いてあるが。
「どうやら93秒や16秒といった数字は、全弾再装填時間の事を意味するのではなく、照準に要する時間の事を指していることが見て取れます。」
>36
モジュールは左右で2つある。入れるだけで3分掛かるなら、抜き差しで左右、12分かかってしまうぞ。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月23日 05:20:44
>16秒というのは、次弾の照準から、発射までに必要な時間なのでは?
違う。
The ILMS will decrease the traverse time from stowed position to worst case aim point by approximately 80 percent (from 93 to 16 seconds).
積み込んだ後の時間。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月23日 05:39:26
認識自体は早いだろうけど、旋回や角度調整を機械的にやる部分でかかるのでは?
装填時固定位置があるとしたらそれでも余計に喰う事になる。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月23日 05:46:28
打ち込む事を考えると一回の発射後に8分で再装填であっても
それなりに優秀かな。
特に人員が少なくて良いというのが大きい。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月24日 21:23:45
そりゃ203mm榴弾砲は廃れるわ・・・中国もWS-90を作って見たが持て余し気味だし。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月24日 23:52:04
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月28日 14:27:59
http://spikemilrev.com/news/2008/6/28-2.html
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月28日 15:56:35
実用性が全くないのが問題だが
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月28日 16:09:42
どう見てもまた自爆だな、こりゃ。さすがはスパイク、期待を裏切らない。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月29日 03:26:06
135mm砲搭載と噂されるT-95には浪漫があるのだろうか。
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月30日 18:12:33
あれは次世代神なので浪漫とかそういうレベルの問題ではない
Posted by 名無しОбъект at 2008年06月30日 20:30:48
Posted by 名無しОбъект at 2008年07月01日 18:06:11
最新型の155mmは連打力や人員数は申し分ないが、その分推進弾にした時の弾薬量や通常弾の射程、
大量の弾薬を搭載する給弾車が必須なあたりが。
MLRSはそれ自体が大量の弾薬を満載した状態ってのが大きい。
なんだかんだで砲兵分野は人員やユニット規模が大きくなりがち。
Posted by 名無しОбъект at 2008年07月01日 21:08:29
発想が逆。ロケット弾というのはブースター部分が大きくなるから、弾薬の補給は通常榴弾砲よりも大変な事だよ。既に装填してある分だって、MLRSじゃ12発に過ぎない。
Posted by 名無しОбъект at 2008年07月01日 22:27:39
弾薬重量の話だよ。榴弾砲だと給弾車必須になる。
あと、装填時間を考えても弾薬重量あたりでの必要時間で考えると
そこまで差は無いし、1システムに携わる必要人数が砲側は増える傾向にある。
ロケット側で不利なのは継続した攻撃を続ける場合のトータル費用や
総輸送量、小規模な攻撃を断続的に行う等の作戦上の問題。
Posted by 名無しОбъект at 2008年07月01日 23:08:55