>172
やはり専門外ですが多少調べてみましたよと。
まず142氏の指摘通り、War Powers Resolution (U.S.Code Title 50 Ch.33)はUnited States Armed Forces(=陸海空軍・海兵隊・沿岸警備隊)を一括して扱っており、海兵隊を特別扱いする規定はありません。同章によれば、大統領による軍の(危機への)動員は宣戦布告か特定の制定法上の根拠に基づく場合、または合衆国の領土・財産・軍隊に対する攻撃により生じた緊急事態に対処する場合にしか認められません(§1541)。危機が生じていない場合の護衛、あるいは実際に米軍が攻撃を受けたあとの「緊急事態への対処」は同法の範囲外だ、ということになります。
つぎ。同法の対象となる動員が行なわれた場合、大統領は48時間以内に議会に対して文書で報告する必要があります(§1543)。その後60日以内に議会が宣戦布告を行うか、立法により別に権限付与を行うか期間延長を認めない限り、大統領は動員を終了しなくてはなりません(§1544(b)1,2)。ただし、安全な動員終了のために必要不可欠である旨を大統領が文書で宣言した場合、最大30日の延長が認められます(§1544(b)3)。
続きます。
さて同法の有効性について。同法は上下両院で可決されたものに対してニクソン大統領が拒否権行使し、それを両院がそれぞれ2/3以上の特別多数決で覆すことにより成立しました。従って十分に法律としての有効性を持っていますが、ポイントはニクソン以降の全大統領が同法を憲法違反だと主張し、その効力を認めていないという点にあります。
その根拠は、合衆国憲法における(戦前日本の言葉を借りれば)軍政と軍令の分離にあります。同憲法上、宣戦布告を行うことと軍事(を含む)予算を決定することは議会の権限ですが、軍隊の指揮権は大統領にあります。大統領としては、軍令事項は憲法上大統領権限に属するので、宣戦布告にわたらない軍事行動に対して議会が制約を加えるWar Powers Resolutionは憲法違反だと主張しているわけです。なにやら統帥権干犯問題みたいですな。
さらに続きます。
この点からも、海兵隊を特別扱いする根拠はないようです。United States Armed Forcesのすべてについて、大統領は自らの権限で動員することができます(このこと自体はWar Powers Resolutionも否定していない)。議会はそれに承認を与える権限があると主張していますが、いずれにせよ最終的には予算的にコントロールすることができます。《法的には》海兵隊が特別だという理由は見出せませんでした。
他方、事実の問題として海兵隊が即応性・完結性を重視して編成されているために最初に動員されやすく、従って特別だという印象を持たれやすいというのは確かでしょう。また、ホワイトハウスなどの警備を海兵隊が担当していることも、「大統領の私兵」という印象を強めているのかもしれません。そういう慣習とか伝統のレベルでは違いがあるのかもしれませんが、さしあたり法的には以上のように思えるということでご理解ください。
長々と余計ごとで申し訳ありませんでした。
「議会の承認」の件を質問されましたが、大屋准教授の解説が的確なので紹介しておきます。
いつまでJSFさん起きてるんですか寝てください。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:03:47
その質問を突き付けられた時は、どう答えて良いのやら・・・困惑しました
ネットを探し回っても、『議会の承認が無くても動ける』と主張している所は沢山ありましたが、肝心なソースは一切無し
調べている内に、もしかしてこの話し自体がデマなのでは?
と思いました
実際にそうだったとは・・・
勉強になりました
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:07:01
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:18:27
JSF氏とおおや氏に感謝いたします。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:18:48
まぁ自分も間違ってたクチです。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:19:33
この段階で自分の中の誤解が解けて良かったです。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:33:38
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:36:18
…最初のパラグラフでちょっと疑問が。
>実際に米軍が攻撃を受けたあとの「緊急事態への対処」は同法の範囲外
この部分、どういう意味でしょう? なんだかその直前の文章と矛盾している様な。
私が読み取り方を間違えてるだけかもしれませんが…。
Posted by Crv at 2010年05月08日 03:38:11
そうなる。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:39:12
海兵隊に限定されない。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:40:22
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200803_686/068606.pdf
これも、そうなった経緯がよく解って参考になるかも
と思います
アメリカだけでなく、他国の事情についても詳しく書かれております
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:45:32
同法は以前読んだことありますが、ニクソン大統領以降の主張とその論拠を知れて、
勉強になりました
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 03:59:56
そうですよね!
何が言いたいかと言うと、今普天間問題で在沖縄海兵隊の駐留する意義をしきりにいろんなところで議論していますが、結局米台湾関係法で定められた台湾防衛を実施する為に、日本は米側に日米安保に基づきしかるべき場所に基地を提供する義務があるという事ですよね?
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 04:24:59
JSFさん・おおやさん、ありがとうございます。
個人的にですが、
Q.アメリカ海兵隊といえば?
A.First in Last out 常に最前線で戦う!
という認識です。
わが国の大勢の無関心な人の中の印象はどうなんでしょうね?アンケートとってみたら、ルーピーと同じく「抑止力と(ry」なんでしょうかね?
政府報道・マスコミ共に、数年前から政局作り(揚げ足取り)に必死で、何が本質的問題なのか提示していない事が一番の問題なんでしょうね・・・
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 04:30:05
石破たんも間違っちゃう?位なんだから、しょーがないんじゃないでしょかw
http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-dbeb.html
┏┫ ̄皿 ̄┣┓<あ、俺、わざわざ指摘しに行ったりはしないスよ。石破たんには、以前に要らんこと言ってメーワク掛けたような気もするんでw
PS.
おお、認証コードが1941だw
Posted by ナナシ=ロボ at 2010年05月08日 04:35:57
あれ?どんな解説してたっけ?
見てたはずなんだがはっきり思い出せない・・・
前トピックで出てた、
「ワンセットでそろってるので動きやすい」
みたいな話だけだったような気も。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 04:37:25
(ハトヤマの退却:英フィナンシャルタイムズ)
http://www.ft.com/cms/s/0/d88f2e04-5877-11df-9921-00144feab49a.html
This leads on to the central charge against Mr Hatoyama. He failed to understand the nature of the US presence in Japan. Unlike the American bases in Germany, for instance, this is not a relic of the cold war. It is a counterweight to China in the Western Pacific and preserves a broader balance of forces in the region. Futenma may not be the keystone in this strategic architecture. But it should not be cast away for electoral plaudits.
(この失態で責めの主役を担うのは鳩山氏である。彼は在日米軍の本質を理解し損ねた。比較するとわかるが、在独米軍とは異なり、在沖米軍は冷戦の名残ではない。太平洋西部における対中国の抑止力であり、この地域の軍事力の境界のバランスを取るためにある。普天間飛行場については、その戦略的な要石とまでは言えないだろうが、選挙受けのために投げ捨ててよいものではない。)
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 04:43:28
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 04:56:43
大屋准教授に感謝
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 05:40:36
何で信じていたんだろう。海兵隊のイメージ(即応性等)があったにせよ、ほかに何か合理的な理由があったのだろうか?
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 06:16:07
例の朝ズバでもゲル長官が「海兵隊は大統領の命令のみで云々」と言ってましたね
「あれ?」と思ったけどちゃんと調べなかった自分にorz
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 06:30:27
大屋さん、丁寧な解説ありがとうございました。
私ももう少し自分で調べる癖をつけていきます。
まずは英語を努力して読めるようにしないと……
JSFさん、脱線コメントを書いてすいません。
この記事で正しい認識を持てました。ありがとうございます。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 07:07:01
>>8
私なりの解釈ですが
・米軍が攻撃を受けたら、議会の許可を得る前に反撃してもよろしい
・敵からの米軍への攻撃に反撃、鎮圧後に「敵の根拠地」を攻撃する場合には議会の許可を取れ
という意味ではないかな?
ここを明確に規定しておかないと「自作自演で敵の攻撃を受けた後で、
敵の根拠地を潰すという名目で部隊を勝手に移動」という関東軍みたいな
シビリアンコントロールから外れた行動を法律が許容することになりますから。
この辺は法治の国らしく、軍隊の行動にも法律で明確に根拠を持たせてますね。
日本も見習いたいものです。
Posted by 名無しRPG7信者 at 2010年05月08日 08:14:51
最初に海兵隊云々を聞いたのは、ノリエガ、パナマ侵攻の時の新聞かテレビ解説だっかな。
だから、結構以前かつ広く浸透している誤解でしょうね、海兵隊の独断使用。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 08:23:38
いやむしろ、そのような自衛戦闘の延長or拡大解釈としての敵基地攻撃は、
同法(=議会の承認)の範囲外→議会承認なしで可能
という意味では?
文民統制については、もとより文民の大統領が最高司令官なわけですから問題ないですし。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 08:51:28
ああ。「議会報告の適用外」だから、そういうことになるのか。
すみません。結果として嘘書いちゃってorz。
Posted by 名無しRPG7信者 at 2010年05月08日 09:10:17
もちろん、大統領による自作自演の恐れはあるわけですが、
攻撃を受けた直後の情報が錯綜している状況で、議会が自作自演を見抜けるとも思えません
(そのような状況下で自作自演説を唱えたところで、陰謀論者か非国民と見なされるのがオチでしょう)
結局、議会としては、もし自作自演なら、それが明らかになってから事後的に、
大統領を弾劾するくらいしかできないでしょうね
(逆にそのためには、下手に議会が御墨付きを与えるようなことはしない方がいいかも)
Posted by 25 at 2010年05月08日 09:23:06
私も他の方と同様に「海兵隊だけ」と思っていたので、至らなさを痛感しています。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 09:37:27
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 09:59:15
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 09:59:17
そもそもUSSOCOMの特殊部隊の作戦行動に議会の承認が必要と発想する方がおかしい。特殊部隊は隠密作戦も多いのに発動前からバレバレとか有り得ないから。軍事常識で考えようや。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:08:46
普段から記事違いの話しはやめろと言い続けてるからああなっても仕方ないぞ普通は
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:13:12
いや、それ以上の何かを感じた。大屋准教授に詳しく解説されると困る輩なのだろう。そもそも迷走するだ脱線に終止符を打つ解説だぞ? 拒む方がおかしい。
私はあの反応に「大屋さんに真実を語られると困る」というエゴを感じ取ったよ。コメントの流れを見れば分かる。見苦しい、往生際の悪さだった。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:16:52
今までの解釈だと、普天間からヘリが単独で飛び立つとき、嘉手納の空軍機からのエアカバーがない??みたいな感じでしたから。
大屋教授ありがとう。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:20:18
管理人は以前から「楽しい話の流れでついつい脱線してしまったという状況なら問題にしません」と言っている。
http://obiekt.seesaa.net/article/139079503.html
今回の場合は楽しいというより「勉強になる話」だが、これも問題にされないケースの範疇に入っていると見ていいだろう。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:21:08
>嘉手納の空軍機からのエアカバーがない??みたいな感じでしたから。
これまでの解釈だと岩国の海兵隊戦闘機を呼び寄せないと駄目だったからな。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:22:16
Posted by 空気黄泉力0 at 2010年05月08日 10:48:00
海軍の揚陸艦(や空軍の輸送機)での戦略機動が必要な距離には緊急展開できないじゃんとか、
陸軍空挺師団が議会承認待つ間に海兵隊が展開しちゃうぞ?軽装備の空挺は海兵隊より先に展開できなきゃ意味なくね?とか、
冷静に考えればおかしな話でしたねぇ…
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:48:01
空軍機を海兵隊指揮下に貸し出すとか
空軍基地に海兵隊機を貸し出しておくとか
抜け穴はありそうだけど
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:48:25
JSF氏に感謝!!
あとは特殊部隊を載せた中国のヘリが、台湾の防空ミサイル網をどう突破するのかが気になる。
>>15
俺も俺も。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:54:23
そうかな。単純にルール原理主義みたいな感じに見えたけど。
今回みたいにためになる脱線は有用だけど、それかどうかという線引きが必要になるね。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 10:59:08
海兵隊総司令官も実質は参謀総長であって部隊指揮権があるわけではないから、
軍種間で運用に法的な差があったら困るわな。
結局最低レベルに合わせることになる。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 11:05:43
誰か教えてやれよw
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 11:07:57
認証コードは全員同じです
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 11:38:08
これは勘違いしてた人が多くてもしょうがない
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 11:44:19
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 11:48:10
http://www.tv-asahi.co.jp/manaberu/
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 11:51:34
>>36.38
俺だったら部隊or基地ごと一時的に海兵隊隷下にして丸投げを狙うよ
整備も丸ごとゲットでらくちーん
>>40
ヘリじゃなくてもいいんじゃない?
民間船偽装しての上陸とか・・・これだと海兵隊でも対処難しいかな?気付いた時には首が無いのが中国サイドの理想だからやりそうだけど
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 11:52:42
>民間船偽装しての上陸とか・・・これだと海兵隊でも対処難しいかな?
だからこそ、海兵隊は速やかにヘリで駆けつける必要がある訳で。
相手が上陸し既に事を起こしている時点からどれだけ早く現地に駆けつけ対応するかが肝になる。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 12:15:27
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 12:18:31
しかしまあそもそも書いた通り合衆国憲法上大統領には軍の指揮権があるので、たとえば(戦争権限法が対象にしていない)「警察行動」のために出動を命じることに議会の承認が必要なわけはなく、そしてどこまでが軍の「警察行動」でどこからが「軍事行動」かは必ずしも明確ではない。と書くとまた戦前の日本みたいですが、もともと軍事的合理性からは指揮官のフリーハンドがある程度必要で、議会は主に予算面から事後統制を担うのだという考え方は多くの国に共通だと思います。日本がまずかったのはその事後統制がぐだぐだであったという点にあるわけで。
>20さん
《当事者はそう信じている》というのは結構ありそうなことです。ホワイトハウスや国務省、キャンプデービッドなどの大統領保養地は海兵隊が警備していますし、大統領と副大統領の使うヘリコプターも海兵隊のものです。ホワイトハウスの音楽隊も海兵隊で、トマス・ジェファスンに「大統領のもの」(President's Own)というあだ名をつけられたりしている。このあたりから、海兵隊の中の人たちが「俺たちは特別」と思うようになっても不思議はないかと。実際にはトルーマン大統領にはすごく嫌われてノケモノ扱いされてたりとか、単純ではないわけですが。
あと一つ考えられるのは、U.S.Code Title 10の各軍の任務を定めた部分で、海兵隊にだけは「大統領の命じるその他の義務を果たすこと」(perform such other duties as the President may direct)という部分があるのですね(海兵隊につき§5063(a)、海軍§5062(a)、陸軍§3062(b)、空軍§8062(c))。他の軍については、たとえば「陸上の作戦のための即時および持久的な戦闘行動」(prompt and sustained combat incident to operations on land; 陸軍)という規定だけなので、たしかに特色はある。私はどちらかというと三軍との権限争いを避けるために任務を明確化しなければならなかったことの帰結じゃないかなと思いますが、当事者はやはり「大統領の命令に服するのだ」と思ったかもしれません。
Posted by おおや at 2010年05月08日 13:27:07
台湾関係法(U.S.Code Title 22 Ch.48)の§3302(c)は以下のように定めています。
「大統領は、台湾人民の安全または政治経済システムに対するいかなる危機、もしくはそこから生じる合衆国の利益に対するいかなる危険についても、議会にただちに通知すべきである。大統領および議会は、憲法上のプロセスにのっとり、その種の危険に対応するための合衆国の適切な措置について決定することとする。」
なので、議会の側としてはあくまでもフリーハンドは与えていないという主張にも思います。この点、いわゆる台湾決議(1955)が「大統領が必要と認める場合に、軍隊を使用すること」、トンキン湾決議(1964)が「あらゆる必要な措置をとるとの大統領の決定を議会は承認」するという書き方になっていることとも対比してください(両決議は11さんご紹介の文書から引用)。
おそらく議会側としては、危機発生後に初期対応のための措置をとることは台湾関係法からも・軍最高指揮官としての大統領の憲法上の権限からも認められるが、一定の時点で議会の承認を(合同決議などの形で)得るべきだという立場と思います。
>Crv (8)さん
戦争権限法の目的は、軍事行動について可能な限り議会の事前承認を得させること、作戦上の必要・機密保持などによってそれが不可能な場合でも無制限な拡大を不可能にすることです。上でも書いたとおり、特に敵側の行為によって危機が勃発してしまった場合、それに対応することは憲法上の権限としてすでに大統領に認められているということでしょう。もちろんこれが(満洲事変のように)悪用されかねないので一定の枠をかけようとしたと、そういうことだと思います(そしてもちろん大統領の側ではそれを背負いたくはないわけであって)。
>50さん
見直しましたが、ご指摘通りです。当該部分は「合衆国の領土(territories)・占領地(possessions)・軍隊に対する」と訂正します。ありがとうございました。
Posted by おおや at 2010年05月08日 13:32:06
日本がまずかったのは「行政権と統帥権(軍事指揮権)が分離していたから」では無いでしょうか? 総理大臣に指揮権があるわけでもなく、かといって勿論元首たる天皇が実際に指揮するわけでもなく、行政府と軍部の関係が微妙なまま。まぁ大正期の政治主導と満州事変の際の政府の対応を鑑みるに、それは問題の本質ではないような気がしますけど…。
考えてみれば戦前の日本で行政権と統帥権、あと軍令と軍政を統一したのは、総理大臣兼陸軍大臣兼参謀総長になった東條英機なんですね…。海軍は別枠ですけど。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 13:38:27
いいものだろうか?
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 13:59:02
ある将軍が「このままバグダッドに攻め込んでやるぜぇ!」
「それ言ったらマズイんじゃね?」
みたいな件があったような。
>>54
どうぞどうぞ議論を深めるのは良い事ですよ。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 14:20:04
http://www.fas.org/sgp/crs/natsec/R41199.pdf
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 14:20:42
これはどうも、私の疑問に付き合っていただいて恐縮です。
ご説明いただいた内容をふまえて原文の§1541にも目を通してみまして、まず納得できた様に思います。
(昨夜は眠くて原文に挑戦する気力がなかった…)
どこの国でも同じ様な問題で悩んでいるのだなあ、とちょっと感慨深くなりました。
ありがとうございました。
Posted by Crv at 2010年05月08日 14:33:03
JSFさん、長々と記事とは違う話をして申し訳ありませんでした。大屋先生、調べていただきありがとうございます。
ひょっとしたら議会の許可云々で海兵隊が特別であるという法、判例、あるいは慣例が他にあるのかもしれませんので、知っている方がいれば是非教えてください。
根拠のない発言をしているジャーナリストを批判している記事で、根拠のない発言をするのはどうかなぁと思って聞いてみた次第です。
デマかどうか自信がなかったので質問するだけになってしまい、全く記事と関係ない話になってしまいましたが…
(しかし、根拠となる法を、内容を読まずに提示する人はどうかと思います。岩上安身や有田芳生と変わりません)
言い訳がましくなっていますが、反省してます。
以後気をつけます。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 15:50:05
海兵隊も一応AV-8意外にも自前の戦闘機持ってるよ。
FA-18(しかも旧型のレガシィ)だけども。
米軍が海外に展開するときに問題になってるのは
州知事権限で動かせる州兵と両立してるから折り合いが悪くなるからじゃないだろうか。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 16:02:04
と書いては見たものの陸軍以外はそんなに関係ないか。>州兵
海兵隊は兵器運用が軍内で自己完結しているから特別視されてるように見えてしまうんだろう。
(といっても現場までの足となる遠征打撃群は海軍との合同編成なわけだけれども。)
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 16:15:03
でもどうする、明日朝になったら「ゲルです」ってコメントがあったらw
おれもう書き込めねえよ。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 19:14:59
個人的にはゲル長官をそれなりに買っているので、こういうミスを認められるかどうかはかなり気になる。
もし素直に訂正できるなら株はかえって上がると思うけど。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 19:23:32
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 20:38:47
私としては勉強不足の分野ですので大いに勉強になります。
ちなみに米海兵隊は大使館の警備も重要な仕事の一つ。ブルーの綺麗な軍服を着て仕事をしていたりする。
Posted by 90式改 at 2010年05月08日 20:58:16
仮に見に来たとして、軽々に書き込むかどうかは別問題だ。
そして、TV番組か何かで、敵方に突っ込まれたわけでもない限りわざわざ自分の間違いに言及する必要もないだろうし。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 21:13:45
いや、どう考えても相手に間違いを突っ込まれてから弁解するより、自分から間違いでしたって言い出した方が印象が良いだろ。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 21:43:10
>58氏
「海兵隊が特別」と言われていた内容が、海兵隊だけでなくすべての軍に適応されるのですから、やっぱり「最初の60日」に行動する機会が海兵隊に突出して多いからじゃないですかねえ?
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 21:58:37
いったい何処で初出なんでしょうね?
だいぶ前から聞いてたような気が・・・
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 22:17:22
知ってる人にはな。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 22:53:36
バレた時の被害を考えれば、知らない人にもだろ。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 22:59:32
わざと嘘ついたわけでもないし。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 23:01:47
最初にこれをウソ付いた奴は一体誰なんだ?
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月08日 23:30:40
まさか最高のタイミングで大屋氏が解説してくれるとは思ってもいない行幸でした。
Posted by ペッパー(thedukeofcambridge) at 2010年05月09日 00:21:17
米国では、大統領の別名は「Commander in Chief」つまり、合衆国軍最高司令官。これは、合衆国憲法にも明記されている(記憶モード)。
つまり、合衆国軍の統帥権は大統領にあるということは憲法上明らかとなっている。そして、正規の命令権者以外の「命令」には従ってはいけないというのが、
「統 帥 権 の 独 立」 の本源的意味
さらに言えば、たとえ、国民の代表である連邦議会(議員)の「命令」であっても、軍人は聞いてはいけない。
ということで、田母神閣下の「そんなの関係ねぇ」という発言も、本人の意図はともかく、
「自衛隊は正規の命令発出権者の命令が無ければ動けない」
という意味では、結果的に正しかったということです。
かつては、太平洋軍司令官などの統合軍司令官も「Commander in Chief」と呼ばれていたが、憲法上「Commander in Chief」という語は大統領に限られるべきという意見が出て、それら統合軍の司令官は、現在、「COCOM:Combatant Commander」と呼ばれているようです。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 00:53:02
田母神さんのことについてはほんとにその通りだと思った。
「そんなんの関係ねえ」発言を叩く人は、現場の判断で勝手に動けとでも言うのかと。
たぶん本人もそう意味でいったと思うよ。論文は論外だったが。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 01:11:07
良いオチが付いたなw
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 01:24:14
>>海兵隊に突出して多いからじゃないですかねえ?
その「事実」をもって、そう 「誤 解」 したというのが、おそらく真相なのだろう。少し、頭を働かせれば、空母航空団で航空攻撃を行なうとか、艦艇から巡航ミサイルで攻撃をするという状況を考えれば、海兵隊「だけ」例外扱いされるのはおかしいと気づくはずだか。
個人的な経験で言えば、私はこのエントリに接するまで、海兵隊「のみ」を例外扱いするという解説に接したことがなかった(つまり、この規定は陸海空軍と海兵隊とに対して平等に適用されると思い込んでいた:結果的にそれが正解だったわけだが)ので、このような 「誤 っ た」 解説が出回っていたことに驚いている。
かつて、30ノット以上出ないと空母起動艦隊の直衛として行動できないから、金剛級が・・・という 「定 説」 があったのと同じといったところか。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 01:36:59
>かつて、30ノット以上出ないと空母起動艦隊の直衛として行動できないから、
おっと、アーレイ・バーク提督の悪口はそれまでだ
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 05:51:44
文字の開け方がキモいです。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 07:47:55
うん、強調したいのはわかるけど無駄に文字間隔あけると見難いね。
お願いだから>>77の人は無駄に文字間隔を空ける様な事は次から控えてもらえるとありがたいっす。
言ってる内容自体に対しては言う事はありませんけど。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 07:54:09
>ここまで広く流布してる話だと、元ネタが気になりますねぇ
この件、誰がウソついたというより、
「海兵隊は議会の承認なしで動ける」という情報が独り歩きして「議会の承認なしで動けるのは海兵隊だけ!」
という思い込みにつながったのでは、と思います。
似たような思い込みを他でもしていないかどうか只今点検中。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 10:42:14
「行政権と統帥権の分離」につき、補足に蛇足で、あの時の日本のまずかった点をもう一つあげると、それは「御前会議」です。
明治憲法上、国軍の統帥権者たる天皇は、軍隊を指揮することができます。当然、天皇の命令で軍隊の軍事行動を止めることができます。
一方、行政権の総覧者たる天皇は、立憲君主の立場から、内閣の承認がない限り、勝手に行政権を行使することは出来ず、事実上、内閣の決定はそのまま追認するのが慣例になっていました。
すると、内閣と軍首脳の「総意」としての「御前会議」という形式だと、軍の要求がそのまま内閣の要求であり、その決定に天皇は事実上拒否できない、という仕組みが出来上がってしまいました。そういうわけで天皇は軍部の暴走を阻止できなかったわけです。
これを作ったのは近衛文麿で、後世、選択を誤った、と認識されている意思決定は、殆ど御前会議に持ち込んで為されています。
以上、行政権と統帥権の関係についてでしたがスレチ失礼しました。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 11:22:20
で検索すれば、そのように勘違いしてる所が、かなり大量に出てくるな・・・
まぁ議会の承認云々は法律の方なんで、軍事に関してはそれほど関係無いとは思うけどな
ただ知らないよりは知ってる方が良いに決まってるけど
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 11:27:44
公費を使って言っているんでしょうね。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 11:38:36
つまり満州事変や日支事変のような事態は、必ず政治が主導しているんだというのが米国人(あるいは欧米人)の理解(常識)であり、軍が勝手にやっただなんてのは政治指導者が責任逃れするための幼稚な詭弁だということなんでしょう。
なるほど、東京裁判で日本政府に侵略の共同謀議ありとした判決の根拠はここにあるんですねぇ。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 11:38:37
書くところを間違えているだろう。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 11:46:17
おおや先生の米に関東軍に絡んだ記載がどこにありましたっけ?
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 12:05:11
失礼しました。
関東軍との言及はありませんでしたね。
>>51のコメントから敷衍したものです。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 12:15:03
持論の補強をするのは敷衍とは言えませんよっと。
この説が広範に流布されてるのって、映画の影響じゃないかなーと邪推。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 14:15:42
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月09日 20:09:35
>(#^ω^)ビキビキ →■軍事研究 2010年6月号31ページ「海兵隊だけが大統領の直轄部隊として議会の承認を経ずして出動できるということ」
なんとまたタイムリーなw
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月10日 23:30:56
ツイッター記事の個別リンクは「〜時間前」の部分をクリックするといい。
http://twitter.com/obiekt_JP/status/13729513738
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月11日 00:54:01
ありがとうございます
以後気をつけます
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月11日 01:00:24
う〜ん
ここまで出回ってるとなると、戦争権限法以外に何か元ネタがあるんですかね?
国防総省ができる前、陸海軍省に分立していた時代には、
陸軍と海軍海兵隊とで、似たような役割の法律でも別々に制定されて、
相違点が結構あって、その頃のイメージが引きずられているとか?
ただその場合、「陸海(空)軍」と「海兵隊」、ではなく、
「陸(空)軍」と「海軍・海兵隊」という対比になるはずですけどね
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月12日 01:10:42
「海兵隊は特別」説には「海兵隊だけ議会承認不要」説の他(というか亜種というか)に
「海兵隊だけ大統領直属」説がありますね。
アメリカの行政機構で大統領直属と言ったら、中央情報局とか行政管理予算局とか、各省に属さない機関のことで、
海兵隊は軍政的には国防総省下海軍省所属、軍令的には部隊ごとにバラバラにされて各統合軍(太平洋軍とか中央軍とか)所属で、
他の三軍と変わらないはずですが…
この「海兵隊特別説」、沖縄に海兵隊が必要という人も不要という人も、どちらも自説の根拠にしてる観があります。
p.s.軍事板常見問題集も海兵隊特別説のようですね。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月12日 02:25:55
ゲル長官の訂正入りました。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月14日 21:53:56
以前「海兵隊だけが議会の決議なく大統領の承認のみで出動できる米国唯一の軍隊」と書いたことにご注意をいくつかいただきました。
「合衆国軍隊はすべて議会承認を経ずに大統領の命令によって行動できるが、実際の運用を考えれば、議会との調整を必要とするほどに長期間の準備を必要とする陸軍とは異なり、海兵隊は命令後直ちに行動に移ることが出来る事実上唯一の軍種」というのが正確のようです。
今回改めて合衆国憲法、戦争権限法の条文に当たってみた限りそのようなことで、空軍・海軍との整合性も含めてもう少し精査をしてみなければなりません。孫引きは絶対に避けねばならないのですが、注意が足りなかったことをお詫びいたします。
(引用終わり
今日うpされてたもの。やっぱりゲル長官は偉かった。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月14日 21:59:32
Posted by 97 at 2010年05月14日 22:03:18
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月14日 23:00:01
ゲル長官は、海兵隊の即応性と独立して戦闘を遂行できる能力のことを言おうとしたのではないかと。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月14日 23:07:06
それは分かるんだが、即応性云々なら陸軍空挺の方が早いのでは
そもそも陸軍を展開する度に議会と協議してるとは思えん…というか、
議会と協議するとしたら4/5軍全体についてであって、その中には海兵隊も当然含まれるだろうに
傷口を小さくしようとして、結局、往生際が悪い印象になってる
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月16日 09:03:20
海・空→それぞれ単独でそこに行けるが展開する陸上兵力に限りがある
陸→陸上兵力はあるが単独でそこに行く能力が限られる
なので 統合作戦立てないと協調して動きづらくなる
そこで議会がでてくるんじゃねの?
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月16日 09:16:12
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月16日 11:03:58
揚陸艦は海軍なんだし。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月16日 12:32:55
どっちにしろ摺り合わせに時間食うと思うのだが。
エアカバー無しに突撃しろと言い張るならまあアレ。
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月16日 13:01:08
擦り合わせに議会は関係ない(ってのがこのエントリ(というか大屋先生の投稿)から読み取れる結論でしょ)
それに何のために統合軍・JCSを常設してるんだか
>>105
海兵隊だって単独ではロクなエアカバー持ってないでしょ(米軍基準では)、
AEW/AWACS持ってない(と思ったけど)から海空軍のお世話にならないと
そもそも陸軍にエアカバーがないなら空軍にやらせればいいだけの話、そのための擦り合わせなら
台湾有事・半島有事含め、想定しうる範囲の有事については事前にできてないとおかしい
米軍は、人事教育や調達面では陸海空軍海兵隊に分かれてるけど、
指揮運用面では戦域別(+特殊作戦軍とか)に別れているんであって、
大統領→海兵隊総司令官→海兵遠征軍みたいな指揮系統があるわけじゃない筈、
「大統領の私兵」とか言う人はそう思ってるのかもしれないけど
(基地反対派のブログを見ると、そういう言い方で言外に「海兵隊はまともじゃない」
みたいに臭わす人も多いね、「じゃあ陸軍なら反対しないの?」と突っ込みたくなる)
長文失礼
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月17日 09:40:14
アメリカ軍自体が駄目なんだろう・・・
じゃあ自衛隊なら良いのって突っ込みたくなるw
でも自衛隊も反対なんだろうな
とにかく軍って物自体が駄目なんだろうね
沖縄に軍事基地があると、中国にとって都合悪いから
Posted by 名無しОбъект at 2010年05月17日 09:50:45