先月、アメリカの電子フロンティア財団（EFF:Electronic Frontier Foundation）が「個人ブログ運営は匿名で」と提言しました。ブログ運営を理由に解雇されないように気を付けましょう、という主旨のものです。

とはいえ日本では匿名運営が当たり前になっており、実名系ブロガーは芸能人やスポーツ選手などの有名人や、弁護士やブリ―ジャーナリストなど実名で運営する事がそのまま稼業の宣伝になる職種などが殆どです。

それらとは別の、一般人が実名をだして運営している所はあまりありません。仮に“鈴木一朗”と名乗られてもそれだけでは本名なのかHNなのか確認は出来ませんし、そうなると経歴や職種など、本人確認用の情報を詳しくプロフィールに載せて公表する必要があります。

そういう条件をクリアしているとなると・・・「余丁町散人の隠居小屋」の橋本尚幸氏くらいしか寡聞にして知りません。しかし橋本尚幸氏は定年退職して隠居生活中の身であり、EFFが懸念するような個人情報を公開する場合のリスクを殆ど背負っていません。もはや世間体を気にする必要は無いわけですから、匿名系ブロガーとあまり大差が無いのです。

↓ブログに本名を載せたばかりに可哀想なことになってしまった余丁町散人

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今朝から憂鬱である。たまたま自分の名前で検索を掛けてみたのだが、上位にずらずら小生への悪口が出てくる。いや、参りました。

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ちょっと凹んでいる御様子、と思ったら。

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隠居の身だからあまり評判は気にしなくてもいいのだが、社会で仕事をしている人だったら、困るだろうな〜。

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あ、やっぱりそんな感じなんですね。

さて、Google検索で“橋本尚幸”と打ち込んだ場合に上位に来る橋本尚幸氏批判エントリーは以下の三つです。


Letter from Yochomachi （橋本尚幸氏）のとこでバトルが起きている［切込隊長BLOG（ブログ）〜俺様キングダム］

元住友商事の鋼管マンの売国発言。やっぱりね（蔑） ［殿下さま沸騰の日々『てめーらなめんなよっ！』］

余丁町散人（橋本尚幸）氏こと、ご隠居さんへの悪口って私のこと？ ［玄洋日誌］


相手が「切込隊長」に「殿下」ですから、確かに凹みたくなる気持ちも分からないでもありません。そこで橋本尚幸（余丁町散人）氏はGoogle検索結果を何とかしてしまおうと作戦に出ました。

↓ブログに本名を載せたばかりに可哀想なことになってしまった余丁町散人

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散人は開き直ることにした。ブログに堂々と本名をだし、散人について「いいこと」をたくさん書いて貰って悪口を薄めればいいのだ。散人は意地悪爺さんだから、人はそうは簡単にはいいことを書いてはくれないだろうが、中には奇特な人もいるかも知れない。ぜひ小生の名前をリファーして好意的なことを書いてほしい、と都合のいいお願い。フシテオネガイモウシアゲマス。

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なんとも直接的な方法ですが、これが作戦その一。
作戦そのニは↓コレ。

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タイトルに特定キーワードを記載し、本文にまた数回それをリピートさせると、そのキーワードでのページランクが上がる。そのキーワードに探し当てた散人の本名を使えば、みごと散人への悪口が、検索結果の上位に表示されるという仕組み。

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これを逆手に取り、橋本尚幸（余丁町散人）氏はgoo、Yahoo、Seesaa、Exciteなどに別館ブログを次々と開設。こうして作戦開始から１ヶ月が経過し、Google検索結果の１ページ目から切込隊長と殿下の記事が押し出されています。しかし両者の記事は１年前の古いものであり、最近書かれた［玄洋日誌］の水産大国さんの記事は依然として１ページ目に残ったままです。

結局、おかしな言動が批判されるのに実名匿名という区分は関係がありません。実名系ブロガーは実名を出すことで何らかのメリットがある方なら批判されるリスクを負ってでも出す価値があるわけですが、一般の方だと実名を出したところで特にメリットは生じず、リスクばかり増えてしまいます。そこでEFFは匿名の奨めを行っているわけです。一般ブロガーが実名で運営していくならば、メリットとデメリットをよく見極めてから行う事が求められると言えるでしょう。



【PS】

橋本尚幸（余丁町散人）氏といえば、ブログ「愛を知らなければ」の福原閣下の熱烈応援サポーターとしても知られています。そういえば福原閣下も実名系ブロガーの一人と言える存在でした。

馬鹿が世界をウロウロするな……ブログ「愛を知らなければ」

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これ面白い！　ブログのタイトルは「大甘」なんだけれど、今日書いている内容はいい！　この調子でどんどん「馬鹿」をやっつけろ！

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ところが・・・先週末の土曜日から閣下のブログにパスが掛かり、閲覧できなくなりました。先々週の水曜日からネット上で「福原閣下が亡くなられたらしい」という未確認情報が飛び交っていたので少し心配です。


【追記】
閣下はご存命の模様。良かった。