マガジン九条で山田朗教授の回答が来ました。
『教えて!山田先生 -短期集中軍事講座-番外編』では早速、主な回答内容をチェックして見ましょう。
◆兵器の改修期間と航続距離について
A:兵器の改修に時間がかかるのは当然のことですが、一般に新機種の導入(選定)あるいは機種の開発そのものよりはずっと短期間でできるわけで、別にあっという間に新しい兵器を搭載できるということではありません。
また、航続距離と実際に戦闘行動の際の航続距離とは当然のことながら大きく異なります。どのような作戦飛行をするかで航続距離は大きく変わってきます。上記の発言は、単純にF15戦闘機の計算上の航続能力を示したもので、給油なしに2往復の作戦行動ができるとしたものではありません。
>別にあっという間に新しい兵器を搭載できるということではありません。では「手っ取り早く」「ミサイルを積むだけで」
「やろうと思えば半年以内に敵基地攻撃用の装備を応急的に完了させることができるでしょう」などと書かないで下さい。また、全く新しいFCS(射撃装置)のインテグレーション(統合)を一から行う事は非常に手間が掛かることです。ぶっちゃけF-15Eストライクイーグル(F-15戦闘爆撃機型)を買った方が時間的には早いです。ちなみに現在アメリカ軍ではF-15CにもJDAM(GPS誘導弾)を運用できるように改修する計画がありますが、まだ決まってもいない事なので、今すぐに航空自衛隊がこの改修計画に相乗りする事は無理です。
>上記の発言は、単純にF15戦闘機の計算上の航続能力を示したもので、給油なしに2往復の作戦行動ができるとしたものではありません。そのような素人を騙すような行為は慎んでください。説明の趣旨(北朝鮮空爆)からしても、作戦行動が可能かどうかではないと示す意味がないでしょう。
◆ミサイルへの改良・改修について
A:宇宙ロケットが改良によって大陸間弾道ミサイルになってしまうというのは、すでに多くの指摘があるところです。軍事技術の微細なところに気を取られていると危険な流れを見落としてしまいますので要注意です。
H2Aのような、燃料に液体水素、酸化剤に液体酸素を使う宇宙ロケットは軍事用には不向きです。燃料の取り扱いが面倒で、発射準備から打ち上げまでに多大な時間が必要なので先制攻撃用にも報復攻撃用にも使い物になりません。日本に宇宙ロケットを弾道ミサイルに転用する計画はありません。ですが対艦ミサイルを対地用に改造する計画は確かにあります。しかし山田先生御自身は「対艦ミサイルも使い方や改良の仕方によっては地上攻撃用に使えます。」と仰られているにも関らず「どのような使い方をするのか」「どんな改良の仕方なのか」といった点について丸で理解されていない御様子なので、その点に付いて御自分で調べられてはどうかと思います。
そもそも対艦ミサイルの対地化が主題なのにそれに答えず、オマケ的に聞かれた宇宙ロケットのミサイル転用の方に答えるのは本題から必死に逃げまわっているとしか・・・◆「航続距離の制約」という表現について
支援戦闘機(戦闘爆撃機)についても、いわゆる「攻撃的兵器」と「防御的兵器」の境界線にあるものではないかとの指摘がなされており、上記の解釈にもとづく配慮が必要な兵器とみなされています。
航空自衛隊の機体で開発当初から航続距離に制限のかかった機体は、輸送機のC-1の方です。F-2支援戦闘機で制限されていたのは搭載兵器です。対地攻撃用の誘導弾をこれまで装備してきませんでした。(最近、GPS誘導弾JDAMの導入を開始)
ところでF-1は諸外国の同クラスの機体と比べても航続距離は普通だし、F-2はF-16と航続距離は同じだというツッコミに対する返答は無いんですか?◆飛行機を載せた空母や飛行機を四六時中待機させておくことについて
A:自国付近で航空機を四六時中空中待機させることはできるでしょうが、いつ発射するかもわからないミサイルに対処するために、相手国に近いところに常時、攻撃用の航空機を空中待機させておくことは、外交上もきわめて危険なことで現実的な選択肢ではないでしょう。
いえ、砲艦外交はアメリカに限らずあらゆる国が行っていることであり、別に珍しい事ではありません。領土・領海・領空を侵犯しない限りは外交上の問題になりにくいです。
またミサイル対処用で空中待機させる攻撃兵器となるとAL-1A空中レーザー砲のことだと思いますが、別にこれは地上を掃射する兵器ではなく弾道ミサイル迎撃用であり、相手が弾道ミサイルを撃たない限りは出番の無い兵器です。これが周辺をウロチョロしている事に文句を付けた場合「お前はこれから弾道ミサイルを撃つ気なのか」と逆に突っ込まれ薮蛇状態になるでしょう。
外交上、ド壷に嵌るのはアメリカではなくむしろ相手の方だという罠◆レーザー光線に関する質問
A:この点は私が技術的な進歩を十分に考慮していなかったといえますので、「必ずしも飛行機が向かっている方向でなくてもレーザーは発射できる」と訂正します。
そもそもAL-1Aに限らずレーザー砲で固定装備というものは今までありませんので、技術的な進歩も何もありません。レーザー砲は機関砲のような長く重い銃身ではないので、激しい機動でも砲軸振れが少ない為。◆射程と射高に関する質問
A:ご指摘の通りで、500kmというのは射程距離で、射高とは異なります。この場合、500km(以上)という数字が現実に意味をもつのは、高さではなく、SM3ミサイルを搭載するイージス艦がどれだけの範囲を1隻でカバーできるかということです。SM3の射程距離が500kmと仮定すると概ね迎撃範囲が1000kmにも及ぶということです。
米軍発表の「500km“以上”」とは、実際には1000km近い射程を示す事は理解していますか?(イージス艦のレーダーや移動式Xバンドレーダーの性能表示も同じ) この場合イージス艦を基点とする迎撃範囲は半径1000km、つまり直径で2000kmです。◆PAC3の命中率について
A:アメリカ発表の撃墜率をそのまま信じるのは危険です。検証可能な信頼のおけるデータがなく、成功・失敗の母数も限られている以上、命中するかしないかは両者のデータが存在する以上、とりあえず50%程度と仮定しかありません。第4回のコラムでの命中率についても同じ理由です。
アメリカの発表を鵜呑みにするなというのはまぁ良いとして、命中率50%という仮定が何処から出てきたのか分かりません。丁半博打と勘違いして無いですか?
>当たるか当たらないかで五十%。
じゃあ今日買ってきた年末ジャンボ、当たるか当たらないかなので当選確率50%なんですね!
・・・んなわきゃ〜ない。しかし山田センセはそれと同じ事を主張している。
正気とは思えないよ、ママン・・・。
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年12月10日 20:36◆イラク戦争で弾道ミサイルは発射されたのかどうかにについて
A:イラク戦争ではやはりスカッド級のミサイルは使用されていないのではないでしょうか。ご指摘のミサイルはスカッド級よりも短射程のものだと思われます。
防衛白書について
>既に03(平成15)年のイラク戦争でも実戦投入され、飛来する地対地ミサイルを撃破し、成果をあげています
と書かれている箇所に山田先生が
>そもそもこの間のイラク戦争でイラク側がミサイルをそんなに発射したのか、という疑問があります。(略)スカッドミサイルが使われたという報道を私は聞いたいことがありません。
とツッコミを入れているので
>イラク戦争ではアバビル、アル・サムードという弾道弾が使用されています。
とツッコミ返すと
>イラク戦争ではやはりスカッド級のミサイルは使用されていないのではないでしょうか。ご指摘のミサイルはスカッド級よりも短射程のものだと思われます。
えーっと…論点は迎撃実績でしょ? 意図的にミサイルの種類の話にすり替えてるのか、書いた内容を忘れてるのか…その場凌ぎの反論ならやめた方がマシですよセンセイ。
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年12月12日 21:26◆迎撃ミサイルと住民の安全について
核弾頭が破壊された場合、その衝撃で核爆発が起こることはないと思われますが、核弾頭に詰められた高濃度のプルトニウムなどが飛散したり、ある程度まとまったものが地上に落下することは考えられることだと想定しておいた方がよいでしょう。
迎撃したら核爆発が起こる、なんて回答をしなかった事は安心しました。しかし核物質が単に落ちてくる場合と核爆発が起きた場合のどちらがマシなのか、また核物質(核弾頭の場合は数kg〜数十kg)が核爆発せずにばら撒かれた場合の汚染はどのレベルなのかという考察も欲しい所です。
北朝鮮の核兵器について、このコーナーで取り上げることを予告しておりましたが、未だ情報が錯綜している状態です。
いずれ機会を見て行いたいと思いますが、現段階での拙速な対応は避けたいと思いますので、ご理解ください。
山田朗先生を時間を掛けて改修作業するよりも、新しい先生を投入した方が早い気もしますが・・・
*12/12、コメント欄の内容を記事に反映させました。黄色字が追加部分です。