ABM Multiple Kill Vehicle (MKV)- Youtube
Missile defense multiple kill vehicle hover test - Youtube
当面は中止状態のMKVですがレイセオンでは更なる改良を加えた計画があり、特許で提出されています。アメリカでは"Patent US20040055498"、日本では"特許公表2006-515664"で登録されている「運動エネルギーロッド弾頭散開システム (Kinetic energy rod warhead deployment system)」というもので、MKVの子弾から更に多数の運動エネルギーロッドを散開させて目標をデコイ群ごと一網打尽に撃破しようという計画です。
※運動エネルギーロッド弾頭散開システム
デコイを識別するのが困難であるなら全て破壊すればいいという考え方です。多弾頭には多弾頭を、群には群をぶつけます。本物が入り混じったデコイ群にMKVを向かわせ、それぞれのMKVが運動エネルギーロッドを散開させます。ミサイル防衛システムは将来必要になった時、MIRVに対抗する事が可能です。またこれは核弾頭より小型化できる化学弾頭や生物弾頭がクラスター化していた際に撃ち漏らさない為という目的もあります。
この運動エネルギーロッドはリサリティエンハンサーと同じ概念です。通常の爆風破片弾頭と異なり、運動エネルギーロッドを狭い散開角度で濃い密度を保ったまま展開していく方式です。運動エネルギーロッドを散開させ過ぎずに密度を保ったまま展開する設計は内装炸薬式では空間的な無駄が多く(例えばPAC3では炸薬をリング状にしている)、運動エネルギーロッドを大量に搭載しつつ等方的に展開する効率の良い新たな方式として、炸薬を外装した爆縮炸薬(imploding charge)による衝撃波のリバウンドにより内装された運動エネルギーロッドを展開していく方式が提案されています。爆縮された衝撃波は中心部分でぶつかり合うと跳ね返り、運動エネルギーロッドを外へ向かうように押しやります。また外装炸薬を一部パージした後に炸裂させれば望む方向へ運動エネルギーロッドを展開させる事も可能です。

※外装炸薬を均等に起爆し等方的に運動エネルギーロッドを展開

※外装炸薬を3個パージ後に反対方向の1個のみ起爆させた様子
アメリカのレイセオン社がこのような案を持っているという事は、現在の直撃方式(ヒット・トゥ・キル)の大気圏外迎撃体が将来的に運動エネルギーロッド弾頭(リサリティエンハンサー)を搭載していく方向にある事が分かります。
















