このカテゴリ「ミサイル防衛」の記事一覧です。(20件毎表示)

2012年05月01日
弾道ミサイルがMIRV(多弾頭独立目標再突入体)やバルーン・デコイ(アルミ皮膜の風船の囮)を使用して来た時にミサイル防衛側が対抗する為には、レーダーや赤外線センサーの囮識別機能の強化に加え、迎撃体を増やすMKV(多弾頭迎撃体)が計画されていました。MKVは初期試験まで行われたものの、ミサイル防衛の仮想敵である北朝鮮やイランの弾道ミサイルがまだMIRV化しておらず、当面は必要無いという事で、予算がカットされ計画は一旦中断されている状態です。


ABM Multiple Kill Vehicle (MKV)- Youtube


Missile defense multiple kill vehicle hover test - Youtube

当面は中止状態のMKVですがレイセオンでは更なる改良を加えた計画があり、特許で提出されています。アメリカでは"Patent US20040055498"、日本では"特許公表2006-515664"で登録されている「運動エネルギーロッド弾頭散開システム (Kinetic energy rod warhead deployment system)」というもので、MKVの子弾から更に多数の運動エネルギーロッドを散開させて目標をデコイ群ごと一網打尽に撃破しようという計画です。

運動エネルギーロッド弾頭散開システム
※運動エネルギーロッド弾頭散開システム

デコイを識別するのが困難であるなら全て破壊すればいいという考え方です。多弾頭には多弾頭を、群には群をぶつけます。本物が入り混じったデコイ群にMKVを向かわせ、それぞれのMKVが運動エネルギーロッドを散開させます。ミサイル防衛システムは将来必要になった時、MIRVに対抗する事が可能です。またこれは核弾頭より小型化できる化学弾頭や生物弾頭がクラスター化していた際に撃ち漏らさない為という目的もあります。

この運動エネルギーロッドはリサリティエンハンサーと同じ概念です。通常の爆風破片弾頭と異なり、運動エネルギーロッドを狭い散開角度で濃い密度を保ったまま展開していく方式です。運動エネルギーロッドを散開させ過ぎずに密度を保ったまま展開する設計は内装炸薬式では空間的な無駄が多く(例えばPAC3では炸薬をリング状にしている)、運動エネルギーロッドを大量に搭載しつつ等方的に展開する効率の良い新たな方式として、炸薬を外装した爆縮炸薬(imploding charge)による衝撃波のリバウンドにより内装された運動エネルギーロッドを展開していく方式が提案されています。爆縮された衝撃波は中心部分でぶつかり合うと跳ね返り、運動エネルギーロッドを外へ向かうように押しやります。また外装炸薬を一部パージした後に炸裂させれば望む方向へ運動エネルギーロッドを展開させる事も可能です。

外装炸薬爆縮リバウンド過程
※外装炸薬を均等に起爆し等方的に運動エネルギーロッドを展開

外装炸薬パージ
※外装炸薬を3個パージ後に反対方向の1個のみ起爆させた様子

アメリカのレイセオン社がこのような案を持っているという事は、現在の直撃方式(ヒット・トゥ・キル)の大気圏外迎撃体が将来的に運動エネルギーロッド弾頭(リサリティエンハンサー)を搭載していく方向にある事が分かります。
19時58分 | 固定リンク | Comment (88) | ミサイル防衛 |

2012年04月26日
弾道ミサイル防衛システムの試験には模擬標的を用います。退役した弾道ミサイルから改造転用したり、観測用ロケットを流用したり、地対空ミサイルを改造したりと様々ですが、イスラエルは狭い国土で試験を行う為に、戦闘機に搭載して海上から発射して自国の内陸部に撃ち込む空中発射式の模擬標的「スパローターゲットミサイル」を用意しました。なお名前が紛らわしいですが空対空ミサイルのAIM-7スパローとは関係がありません。

PICTURE: Israel reveals Rafael's Blue Sparrow target missile - Flightglobal (F-15への搭載例)


Youtube - Blue Sparrow missile / טיל המטרה של צה"ל "אנקור כחול"

[PDF] Sparrow Targets Air-Launched Ballistic Targets (イスラエル・ラファエル社の資料)

スパロー標的はイスラエルのラファエル社とアメリカのレイセオン社の共同開発で、イスラエルとアメリカ、それとフランスが購入して使用しています。大きさは三種類あり、ブラックスパロー(1,275 kg)、ブルースパロー(1,900 kg)、シルバースパロー(3,130 kg)と航空機から使うには非常に大きなミサイルとなっています。F-15戦闘機だけでなく、B-52爆撃機などでも運用できるようです。ブルースパローとシルバースパローは弾頭分離式で、弾頭はガス噴射による三軸制御で軌道変更が可能です。模擬標的弾頭は機動再突入体として振舞う事も出来ますし、わざと制御を失ってスピン状態にしてバレルロール状態で落とすことも出来ます。つまり弾道ミサイル防衛はそういった複雑な動きをする目標に対処する事を既に考えられているのです。

スパロー標的

なお日本も昨年に「F-15戦闘機から空中発射模擬標的を使用して弾道ミサイル防衛システムの検証」を行いましたが、これは単に炸薬非搭載の99式空対空誘導弾(AAM-4)をそのまま使用しただけでした。実際に撃墜する実験ではなく、レーダーで捕捉して対処行動をシミュレーションする試験です。

模擬標的発射しデータ収集 BMD検証 - 朝雲ニュース(2011/9/26)
01時00分 | 固定リンク | Comment (59) | ミサイル防衛 |
2012年04月23日
イスラエルのアロー弾道ミサイル防衛システムはアロー1、アロー2が大気圏内迎撃用で爆風破片方式の大型2段ミサイルです。そしてアロ−3では大気圏外迎撃体を搭載する事になりました。アローシステムの開発はアメリカから技術支援を受けた共同開発で、資金も出して貰っていますが、アメリカは援助費用節約の為にアロー3の共同開発を止めてSM3地上型の購入を提案しました。しかしイスラエルはこれを拒否しアロー3の開発が決まっています。

つまり日米共同開発のSM3ブロック2Aはイスラエル向け輸出の可能性はありません。イスラエルは国土が狭く射程300kmもあれば全土を防衛できるので、SM3の長い射程は過剰で不必要でした。必要な能力的にはTHAADの配備でも良さそうですが、イスラエルはTHAADの能力に若干不満があったのと、配備システムの種類をなるべく少なくしたかったこと、そして大気圏外迎撃体の仕様コンセプトをイスラエルの独自要求に合わせた特殊なものにしたかったのです。

アロー

左がアロー2、右がアロー3です。アロー3はアロー2よりも小さくなっています。これはアロー3が大気圏外迎撃体を採用し弾頭炸薬が無くなった為です。SM3の場合は弾頭炸薬部分を第3段ロケット+大気圏外迎撃体に置き換えて射程を延ばしましたが、アロー3は射程を延ばす必要が無いのでロケットの追加はありません。ペイロードが軽くなった分だけでも射程は延びて加速も良くなります。

KV revealed

そしてアロー3の大気圏外迎撃体は非常に特徴的です。大気圏外の機動を推力偏向ノズル方式で行うのです。アメリカの大気圏外迎撃体はTHAADもSM3もGBIも全てサイドスラスター方式なので、イスラエルは全く別の方式を選びました。また赤外線シーカーも首振り式で広範囲を捜索できます。この首振りシーカー+推力偏向ノズルの利点は急激な軌道変更を行える事です。イスラエルは湾岸戦争での対弾道ミサイル迎撃戦闘の戦訓から、予想コースとずれて飛んできた目標を土壇場で対処、修正できる能力を要求しました。


Arrow3 Demo -Youtube

アロー3軌道変更

推力偏向ノズル方式は推進ロケットとしても機能し、急激な軌道変更が可能です。しかし特性としてサイドスラスター方式と比べると応答性や正確性が劣ってしまいます。

TVC

サイドスラスター

そこで正確性に劣る推力偏向ノズル方式を補完するために、大気圏外迎撃体にリサリティエンハンサーを搭載して命中範囲を増やそうという提案が出ています。それも炸薬を使用せずに膨張ガスでタングステンロッドを展開する方式です。下の図は使用前・使用後です。

Fragments Deploying System

New Approach in Lethality Enhancer Design for Exo-atmospheric "Hit to Kill" Interceptors
First Israeli Multinational BMD Conference
Haim Shuqrun, IAI/MLM Division
http://imda.org.il/images/upload/conf/media/Haim%20Shuqrun.ppt

このガス膨張トーラス式リサリティエンハンサーはコンセプトの提案のみが確認されており、実際にアロー3の大気圏外迎撃体に搭載される予定かどうかは分かりません。ただ、大気圏外迎撃体にタングステンロッドを搭載して展開する方式はアメリカ側でも考案されており、将来的にリサリティエンハンサーが大気圏外での弾道ミサイル迎撃で使用されるようになる方向にあるのは間違いないと思います。
00時13分 | 固定リンク | Comment (54) | ミサイル防衛 |
2012年04月21日
PAC3は終末段階で弾道ミサイルを完全に破壊する為に"Hit-To-Kill"と呼ばれる直撃方式を取ります。そしてPAC3は他にもう一つ、航空機や巡航ミサイルを撃墜するために「リサリティ・エンハンサー(Lethality Enhancer)」という方式も持ちます。通常の対空ミサイルは弾頭炸薬の爆風破片効果によって多数の破片を広範囲に撒き散らし目標を撃墜しますが、PAC3のリサリティエンハンサーは少量の炸薬で少ない数のタングステン・ペレット(ただし一発ずつが重い)を狭い範囲に展開する方式です。リサリティエンハンサーとは致死性強化(対物なので破壊確実性強化とすべきか)という意味です。

PAC3

このPAC3の図解は前方からミリ波アクティブレーダーシーカー、サイドスラスター、誘導装置、リサリティエンハンサー、ロケットモーターと続きます。リサリティエンハンサーの部分は小さく、重量も8.2kg(18lb)しかありません。これはタングステンペレット(1発225g、総数24個)と炸薬やケースなどを含んだ数字です。では炸薬だけではどれくらいの量になるかというと・・・

Lethality Enhancer explosive load

PAC3の炸薬量は僅か0.35kg(0.77lb)です。炸薬量350gは例えば57mm砲弾の炸薬量と同程度です。PAC3と同世代で近い大きさのESSM対空ミサイルが弾頭炸薬量41kgなのと比べると桁が二つ違います。リサリティエンハンサー全体でも8kgしかないので、この方式は通常の爆風破片方式よりも5分の1の重量で済みます。

PAC3は通常の対空ミサイルには無いサイドスラスターを多数装備しており、その分だけ機動性が高いのですが、炸薬を搭載するスペースと重量が無くなってしまいました。弾道ミサイルのみに対処する気なら直撃方式で炸薬は要りませんが、意思を持って回避機動を行う航空機に対処する場合は爆風破片方式が望ましいです。しかし通常通りの炸薬を積もうとすると重くなり機動性が鈍くなるので、重量が少なくて済むリサリティエンハンサーを搭載する事にしました。リサリティエンハンサーは効果範囲が狭いので機動性の低い対空ミサイルには不向きであり、つまりPAC3はサイドスラスターで得た機動性の代償にリサリティエンハンサーを選んだとも言えます。

極端に少ない炸薬は起爆後に重いタングステンペレットを遅い速度で展開させていきます。効果範囲が非常に狭いリサリティエンハンサーは「展開したタングステンペレットによりPAC3の見掛け胴径を大きくする」という、直撃方式の延長として考えられています。直撃を狙える機動性と精度を持つミサイルでなければ採用できない方式と言えるでしょう。そして一発が重いタングステンペレットは弾殻破片よりも「致死性が強化」されており、巡航ミサイルなどを確実に破壊できます。

リサリティエンハンサーの起爆タイミングはミサイル誘導用のミリ波アクティブレーダーシーカーで測ります。リサリティエンハンサーは目標から外れた場合の指令自爆処理用としても使われます。なお参考にした資料はPAC3の環境影響評価書です。

[PDF] PATRIOT Advanced Capability-3. (PAC-3) Life-cycle. Environmental Assessment. May 1997



【追記資料】
PAC3の前身「ERINT」のリサリティエンハンサーとサイドスラスターの図を追加。
※細かい仕様はPAC3とERINTでは異なる。

ERINT
※リサリティエンハンサー断面図。赤色が炸薬、緑色がタングステン。
タングステンペレットが二列で背後の炸薬量の厚みが違うのは、起爆後の飛散距離に差を付けて二重に展開する為。起爆後の略図。

ERINT
※サイドスラスターモジュール断面図。

[PDF] Subsystems for the Extended Ranger Interceptor (ERINT-1) Missile May 1992
14時41分 | 固定リンク | Comment (65) | ミサイル防衛 |
2012年04月12日
北朝鮮のロケット発射予告に対して日本はPAC3とイージス艦を配備して迎撃体制を整えました。この動きに対し、朝日新聞が社説で理解を示しています。

(cache)朝日新聞社説・2012年4月5日(木)付 「北朝鮮ミサイル―発射させぬ外交努力を」

 北朝鮮のミサイルは、沖縄県の先島諸島上空を通過するとみられている。

 日本の領土や領海に落ちてきた時に備え、自衛隊は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を積んだイージス艦3隻を日本海と東シナ海に展開する。さらに地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)を首都圏と沖縄県内にそれぞれ置く。

 こうした措置を取るのは、2009年以来、2回目だ。可能性は低くても、できる限りの準備をする。この対応には国民の理解も得られるだろう。

 国連安保理決議に違反する北朝鮮の行為には、日本政府として厳しく対処する姿勢を内外に示すという意味もある。

 自衛隊の迎撃態勢を整える一方で、外交包囲網を活用して発射中止を粘り強く働きかける。傍若無人な北朝鮮を抑え込む即効性のある妙案を見いだせない現状では、それしかない。


基本的には外交努力で解決すべき、しかし外交で解決出来る妙案が無い以上、万が一の備えとしての迎撃体制は当然ーそしてミサイル防衛という軍事力の誇示を以て日本政府の姿勢を内外に示すべきーこれは朝日新聞の主張です。

朝日新聞が社説でミサイル防衛の配備に賛同する日が来るとは、とても驚きました。迎撃体制を整えているのは日米だけでなく、韓国や台湾、ロシアも北朝鮮ロケットの迎撃体制を整えているとはいえ、朝日新聞のこれまでの論調とは大きく異なる方向転換です。
23時05分 | 固定リンク | Comment (102) | ミサイル防衛 |
北朝鮮のロケット打ち上げに対応するために自衛隊はイージス艦とPAC3を配備しています。アメリカ軍からも海上配備Xバンドレーダーや各種観測機、イージス艦などが日本周辺に出動しており、その中にハワイのパールハーバーを母港とするイージス駆逐艦オカーンの姿がありました。ちょうど1年前、イージス艦による弾道ミサイル迎撃実験FTM-15「星のカロン」で射程3700km級の中距離弾道ミサイル標的の撃墜に成功し、迎撃ミサイルSM-3ブロック1Aが優秀な性能を持つ事を証明して見せたのがこのオカーンです。現在、中距離弾道ミサイルを撃墜した実績を持つ世界で唯一の艦です。

O'Kane
(2011年4月18日)イージス弾道ミサイル防衛が中距離弾道弾の迎撃実験に成功

イージス艦弾道ミサイル防衛の大気圏外迎撃用ミサイル「SM3ブロック1A」は最大射程1200km、迎撃高度500km、速度4km/sを目標に開発されています。※PDF資料 AEGIS TMD: Implications for Australia 18ページ
"The SM-3 Block 1 missile is being developed to achieve exoatmospheric intercepts of medium to long range ballistic missiles at ranges to 1,200 km and altitudes of 70–500 km. Based on the SM-2 Block 4 design, the SM-3 also employs a third stage dual-pulse rocket motor as well as a fourth stage autonomously manoeuvring 23 kg kinetic warhead to impact the target at a speed in excess of 4 km/s." 

欧州ミサイル防衛の配置場所からも、SM3ブロック1Aと1Bは迎撃高度500kmは上がれると推定できます。イラン西部から射程3000km級の中距離弾道ミサイルを発射するとドイツのベルリンやイタリアのローマに届きますが、ルーマニアの地上配備SM-3や地中海、黒海のイージス艦から迎撃するにはそれだけの能力が必要です。

欧州ミサイル防衛

北朝鮮は今回のロケット発射で人工衛星を高度500kmの地球周回軌道に乗せると発表しています。つまりロケットは正常に飛行した場合でも高度500kmまでしか上がりません。

「衛星、高度500キロを周回」=資源探査にも活用と主張−北朝鮮:時事通信

テポドン2改造ロケット「銀河3号」は、本来2段式ミサイルであるテポドン2の弾頭ペイロードを第3段ロケット+小型人工衛星に置き換えたものです。弾道ミサイルとして弾道軌道を飛ばせば最大到達高度はもっと高く上がれますが、人工衛星を軌道投入する必要上、目的の高度以上に上がる事はありません。

イージス弾道ミサイル防衛は2008年に、制御を失って落下してくる人工衛星NROL-21をイージス艦レイク・エリーのSM3ブロック1Aで撃墜しました。この時は速度17,000mph (7.8km/s)のNROL-21を高度247kmで破壊しています。"DoD Succeeds In Intercepting Non-Functioning Satellite"

能力的にSM-3は正常飛行する銀河3号に届きます。ただし正常飛行する場合は日米のイージス艦は迎撃を行わない方針です。万が一、沖縄方面に落下する場合は韓国の西を飛行中に何らかの不具合が発生した場合です。この場合は済州島の西あたりで弾道頂点を迎える射程1500km級の準中距離弾道ミサイルと類似した軌道になります。不具合が起きた後は弾道ミサイルとして軌道を計算し、領土に落ちてきそうなら迎撃します。なお大気圏外ならば空気抵抗が無いので、不具合発生して以降は再突入するまで複雑な動きはしません。

テポドン

赤い四角は北朝鮮が発表した第1段ロケットと第2段ロケットの落下区域です。ロケットの燃焼はそれぞれの落下区域より前に止まります。第2段ロケットの燃焼途中で不具合が起きた場合、済州島の西あたりで弾道頂点に達し、沖縄周辺に落下してきます。東倉里から沖縄本島まで約1500km、石垣島まで約1700kmです。第2段ロケットに問題無ければ日本周辺には落ちてきません。第3段ロケットは成功すれば衛星と共に軌道に乗ります。なお衛星フェアリング落下区域については北朝鮮から通告がありませんでした。
04時19分 | 固定リンク | Comment (51) | ミサイル防衛 |
2012年04月11日
北朝鮮のロケット発射予告を受け、アメリカ軍は海上配備XバンドレーダーSBX-1を監視に投入する事を決定、ハワイから移動させました。SBX-1は石油採掘リグの上に大型レーダーを搭載したもので、自走も可能ですが、長距離移動の際は重量物運搬船に載せるか外洋曳船で曳航してやる必要があります。

そのSBX-1を曳いて移動する目的でアメリカ海軍海上輸送司令部にチャーターされている外洋曳船DOVEが、4月9日にグアムのアプラ港に入港とあります。AIS(自動船舶識別装置 )の情報からです。

外洋曳船: DOVE
目的地: APRA, GUAM
入港予定日時: 2012-04-09 05:00


image-20120411215949.png

AIS情報はDOVEのもので、SBX-1を実際に曳いて来たかは断定できませんが、DOVEはSBX-1を曳航する目的で海上輸送司令部に所属していること、移動のタイミングからSBX-1を曳航してきた可能性が高いでしょう。DOVEはSBX-1を展開海域まで曳航し、アメリカ海軍の戦闘艦に護衛を任せた後、グアムのアプラ港に入港したものと思われます。
22時07分 | 固定リンク | Comment (25) | ミサイル防衛 |
2011年10月5日、ハワイのカウアイ島でTHAAD弾道ミサイル防衛システムが2連続発射された弾道ミサイル標的を同時に撃破する実験に成功しました。THAADが複数目標を同時に撃破する事に成功したのはこれが初です。

THAAD Weapon System Achieves Intercept of Two Targets at Pacific Missile Range Facility | Lockheed Martin


TD_2011_FTT-12 - YouTube

この実験で使用された弾道ミサイル標的は、発射地点を自由に選べる空中発射型標的と海上発射型標的の2種類で、発射コースも発射時刻も事前予告されない不意打ちで行われています。空中発射型標的は恐らくイスラエルと共同開発したスパロー標的(まぎらわしいですが空対空ミサイルのスパローとは別物の大型標的ミサイル)で、海上発射型標的は退役したヘリコプター揚陸艦トリポリを発射台にしたものです。

200km以上の防護範囲を持つTHAADシステムは広域防空を可能としており、アメリカ以外ではアラブ首長国連邦に売却が決まっており、サウジアラビアも興味を示しています。
19時33分 | 固定リンク | Comment (29) | ミサイル防衛 |
2011年04月18日
アメリカ軍はイージス艦によるMD実験「FTM-15 星のカロン」で射程3000km以上の中距離弾道ミサイル(LV-2標的)を使用し、迎撃ミサイルSM-3Block1Aによって撃墜する事に成功しました。この実験によりSM-3Block1Aは北朝鮮のノドンの迎撃だけでなくムスダンやテポドン、中国の東風3といった本格的な中距離弾道ミサイルを迎撃可能である事を証明して見せました。そして欧州ミサイル防衛構想の実現(イランが開発中の5000km級中距離弾道ミサイルを迎撃)に向けて最初のステップを踏み出しました。これは開発中のSM-3Block2Aの実験を始める前の準備実験です。

April 15, 2011 Sea-based Missile Defense Flight Test Results in Successful Intercept : Missile Defense Agency


Aegis BMD (FTM-15) Stellar Charon Mission Success

使用された標的ミサイル「LV-2」は退役したトライデントC4水中発射弾道ミサイルの1段目と2段目を再利用したもので、3000〜5500kmの射程を持ちます。マーシャル諸島クェジェリン環礁のメック島にあるロナルド・レーガン弾道ミサイル防衛試験場から発射され、11分後にハワイ西方の海域に居たイージス駆逐艦「オカーン」がSM-3Block1Aを発射、LV-2標的を破壊しました。実験の一部始終は新型早期警戒衛星「STSS」が記録しています。この実験の特筆すべき点は標的ミサイルの射程だけではなく、ウェーク島に前進配備された車載移動式Xバンドレーダー「AN/TPY-2」からのデータをC2BMC(指揮管制戦闘管理通信システム)を介してイージス駆逐艦「オカーン」へと送られた事です。弾道ミサイルは非常に高速なので対処時間が少なく、迎撃には各種センサーからの情報を統合し、可能な限り早期に迎撃態勢を整える事が求められます。システム全体としての完成度が高くなければ幾ら高性能な迎撃ミサイルがあっても機能しません。これこそが最重要点と言えます。

FTM-15推定経路

米ミサイル防衛局はイージス艦の位置や迎撃高度といった詳しい数値は発表しておらず、上の図は推定です。撃墜時のLV-2標的は秒速4km以上、高度は300〜400kmと予想されます。これまでの迎撃実験では高度160〜180kmで行われてきたものが2倍以上となり、3年前に制御不能となり落ちて来る人工衛星を撃墜した時の高度240kmすらも上回っています。遠隔レーダーからの情報はSM-3Block1Aの迎撃能力を著しく高め、「目標をヘッドオンで捉えられたら中距離弾道ミサイルでも撃墜可能」と実証しました。これが開発中のSM-3Block2Aとなるとヘッドオンせずとも横からでも迎撃が可能となり、SM-3Block2Bになると大陸間弾道弾とも交戦が可能となるでしょう。

(2010年02月06日)「ルーマニアSM-3地上型配備から推定できるBlock2の最大射高」

開発中のSM-3Block2Aは最大射高1000km級になると1年前に推定しています。つまり今回の実験でSM-3Block1Aが示した性能の更に2倍以上を目指しています。
18時00分 | 固定リンク | Comment (767) | ミサイル防衛 |
2010年10月31日
ハワイ沖で実施されて来た日本海上自衛隊イージス護衛艦ミサイル防衛システム発射試験JFTM(Japanese Flight Test Mission)はシンボルマークが設定されて来ました。これまで「JFTM-1 キジ」 、「JFTM-2 ハヤブサ」、「JFTM-3 ライチョウ」、そして今回は、「JFTM-4 タカ」です。ミサイル防衛局のYoutubeAegisBMD公式にPV動画がUPされました。



ちなみにアメリカ海軍のイージスMD迎撃試験でも同様のシンボルマークがあり、FTM-13ではグリフォンでした。
09時29分 | 固定リンク | Comment (205) | ミサイル防衛 |
2010年10月29日
海上自衛隊イージス艦「きりしま」がハワイで弾道ミサイル迎撃テストを実施し、標的をスタンダードSM-3ブロック1で撃墜する事に成功しました。

Joint Japan-U.S. Missile Defense Flight Test Successful :Missile Defense Agency

ついさっき動画も上がったようです。(イージスMDギャラリー)

今回はノドン級の射程1000kmで弾頭分離型の準中距離弾道ミサイルを想定した試験でした。 Japanese Flight Test Mission (JFTM-4)、無事に成功しました 。



21時18分 | 固定リンク | Comment (187) | ミサイル防衛 |
2010年10月22日
弾道ミサイル迎撃用の空中レーザー砲が迎撃テストに失敗しました。以下は米ミサイル防衛局の公式リリースです。


The Terrier Black Brant target missile was launched successfully. Preliminary indications are that the system acquired and tracked the plume (rocket exhaust) of the target, but never transitioned to active tracking. Therefore, the high energy lasing did not occur.

Airborne Laser Test Bed Exercise Conducted | Missile Defense Agency


第一段階の標的ミサイル熱源探知は出来たものの、アクティブトラッキング(測距用レーザー照射と追尾用レーザー照射)が上手く行かずに、破壊用レーザーを発射する事が出来ませんでした。

2月に行われた迎撃テストでは成功していますが、レーザー砲の実用化はそう簡単には行かないようで、実験を積み上げていく必要があるようです。
19時50分 | 固定リンク | Comment (128) | ミサイル防衛 |
2010年09月15日
民主党の長島昭久防衛大臣政務官がTwitterで爆弾発言を行いました。


もちろんです。当該紛争が解決するまでは禁輸ということになります。 RT @21century_po 中曽根政権以降、米国は武器輸出三原則の例外とされました。では米国が国際紛争の当事国である場合どうするか。オリジナルに戻す=対米武器輸出全面禁止。実行していただけますね長島さん?less than a minute ago via web



日米共同開発のスタンダードSM3 block2の部品も供給停止する、そういう解釈で宜しいか? RT @nagashima21: もちろんです。当該紛争が解決するまでは禁輸ということになります。less than a minute ago via Echofon



長島政務官は武器輸出三原則を原則通りに運用する事を主張し、日本の武器輸出に道を開こうとすると共に、原則通りに紛争当事国には禁輸する、それはアメリカであっても同じだと仰られました。

そうすると、日米共同MD開発計画(スタンダードSM3ブロック2A)について日本生産担当分が輸出停止、共同開発はご破算となってしまうでしょう。そしてアメリカは報復として日本向け武器輸出を補修部品を含めて全て停止する可能性があります。自衛隊の兵器が稼働しなくなる最悪の事態が想定されます。

長島政務官は其処まで考えた上で発言されているのでしょうか?

昨年9月19日、FNNのインタビューに軍事評論家の岡部いさく氏はこう答えています。

「SM-3ブロック2Aの開発における日本政府の責任というのは、これはもう技術的にも、政治的にも非常に重いものになりますね。もし、このミサイルの開発が遅れれば、オバマ大統領のミサイル防衛構想にまで波紋が広がっていくわけです。」

これは昨年オバマ政権が新欧州MD構想にSM3ブロック2Aを中心に据えた事で、日米共同MD開発計画が日米間のみならず欧州にも配備される巨大な計画となっているからです。

長島政務官のTwitterでの発言は、非常に重大な国際政治問題に関わるもので、もし考え無しに発言したのであれば、うっかりでは済まされない軽率な行為だと言えます。
20時18分 | 固定リンク | Comment (450) | ミサイル防衛 |
2010年07月03日
試験成績も安定してきて成功するのが当たり前になりつつあるTHAADです。

THAAD System Intercepts Target in Successful Missile Defense Flight Test - The Missile Defense Agency



開発が難航していた2000年より前が嘘みたいですね。6年間の実験凍結・再設計期間を経て2006年に試験を再開してからは、迎撃失敗は有りません。THAADは技術的に信頼できる兵器へとなっており、グアムのアンダーセン空軍基地の防衛用に配備される事が決まっています。これは目標をヘッドオンで捉えられるなら中距離弾道ミサイルが相手でも迎撃戦闘が可能と評価されている事になります。
12時08分 | 固定リンク | Comment (92) | ミサイル防衛 |
2010年06月13日
米ミサイル防衛局は二段式GBI(通常型は三段式)の飛行テストを行い、これに成功しました。

Modified Ground-Based Interceptor Completes Successful Flight Test - The Missile Defense Agency



この二段式GBIは元々、欧州に配備する目的で用意する筈だったものでしたが、オバマ政権の方針転換により欧州へはSM-3Block2地上配備型を置く事になり、当面は配備する予定が無いにも拘らず開発は続行されています。万が一SM-3Block2の開発が失敗した場合の保険なのか、それとも欧州以外への友好国への配備(日本、オーストラリアなど)を考えているのか、或いはグアムやハワイの防衛用なのか、今のところは少し意図が掴めません。幾つかのアメリカの報道を見ると、SM-3Block2の保険として開発されているという論調がありますが、保険の方が高価で巨大な迎撃ミサイルというのはどうなのでしょう・・・もしかしたらまだ二段式GBIをヨーロッパに配備する事を諦めていないのかもしれません。
21時29分 | 固定リンク | Comment (47) | ミサイル防衛 |
2010年05月19日
MITのセオドア・ポストル教授、まだMD反対で頑張ってたんですか。2年前に「偵察衛星をMDシステムで撃破成功」して以降は音沙汰無かったので,
もう熱意を失ってたと思っていましたが・・・何と今回は「迎撃実験で標的の弾頭ではなく胴体に当たったケースは失敗扱いだ」と言い出して命中精度の下方修正を主張しています。教授、暫く見ないうちにセコい事を言い出すようになったんだな・・・

米ミサイル防衛に重大な欠陥、「技術的な神話」と米研究者:AFPニュース


ミサイル防衛:SM3の命中率は低い!?:朝鮮日報
米マサチューセッツ工科大(MIT)のセオドア・ポストル教授とコーネル大のジョージ・ルイス先任研究院は、軍縮専門誌「アームズコントロール・トゥデイ」最新号(5月)に発表した研究報告書で、「米国防総省が“命中した”と発表した過去10件のSM3迎撃実験の資料を分析した結果、実際にミサイルの弾頭に正確に命中したケースは1−2件に過ぎなかった」と主張した。残りの迎撃ミサイルは、最も小さなミサイルの弾頭ではなく、胴体に命中したもので、事実上の失敗だ指摘した。

ミサイルの弾頭を正確に迎撃した場合、上空で爆破され消滅するが、胴体に命中すると、ミサイルが当初の軌道を外れ、不特定の場所に落下する。このミサイルに、破壊力の弱い通常型の弾頭が積まれていても、大きな問題にはならないが、核弾頭が搭載されていた場合、ミサイルが墜落した地域では、核爆発による大規模な人命の損失が生じかねない。


ポストル教授は失念しているようですが(何でこんな基礎的な事を忘れてるのかさっぱり不明だが)、SM-3は海上配備型で迎撃も海上で行われます。仮に敵弾道ミサイルの弾頭を破壊できずに胴体に当てて軌道が狂って変な所に落ちて来ても、大抵は海上に落ちてポチャンです。だから別に被害は生じません。

・・・何か問題でもあるんですか?

それに、最近の迎撃実験では弾頭と弾体(胴体)が分離する新型の標的ミサイルで行っていますし、更にトライデント弾道ミサイルを改良した長射程の標的ミサイルも新たに用意されています。ポストル教授の今回の発表、ちょっと遅過ぎたんじゃないでしょうか。数年くらい周回遅れのような気がしますね。

Togetter - まとめ「MITのセオドア・ポストル教授のMD批判論文雑感」
23時56分 | 固定リンク | Comment (91) | ミサイル防衛 |
2010年04月18日
ロシア国営通信であるRIAノーボスチは2年半前の2007年12月に「もはや避けられないMD思想」という記事を出しています。ピョートル・ゴンチャロフ(Петр Гончаров)政治解説員はその中で、日本がミサイル防衛を取得する事に理解を示し、専守防衛の域を超えてはいないと明言、ロシア-アメリカ間以外で広がり出したミサイル防衛(日本、イスラエル、NATO)はもはや避ける事が出来ず、国際的にも現実的に考える必要があると説きました。ゴンチャロフ政治解説員の予測は後に正しかった事がはっきりと判明します。記事から1年以上経った2009年4月にアメリカのオバマ政権が新しいミサイル防衛体制の方針を発表し、今後も推進していく事が確認されました。そしてその1年後の2010年4月には、新たな米露核軍縮交渉でミサイル防衛に付いて特に制限が設けられる事はありませんでした。

そして当然ロシアも独自のミサイル防衛体制を構築する必要性が出て来ています。



そうなれば当然、中国も独自のミサイル防衛体制を構築する事になります。



今年1月11日に中国が大気圏外でのミサイル迎撃実験に成功したと発表し、実際にアメリカが大気圏外での爆発を確認すると、世界に衝撃が与えられました。事前情報が何も無く、当局による事後の詳しい説明も無く、一体どのような迎撃方式だったのか様々な推測が為されました。当初はHQ-9(ロシア製S-300の模倣品)が迎撃に使用されたと推測されていましたが、大気圏外ということでHQ-19(ロシア製S-400)に大気圏外迎撃体を搭載したのではないかという推測が行われています。今のところ有力な予測は、

「中国が2007年に実施した人工衛星破壊(ASAT)実験で使用されたSC-19衛星破壊ミサイルを今回のMD実験でもそのまま使用した」

というものです。SC-19はミサイルの打ち上げ準備と軌道計算に12時間も掛かる代物で、人工衛星を攻撃するならともかく弾道ミサイルの迎撃には実戦では役に立ちません。つまり今年1月11日の実験は実はミサイル迎撃実験ではなく低軌道衛星破壊実験だった可能性があります。ただ、インド軍がミサイル迎撃実験を始めた当初は手始めに弾道ミサイル同士を空中で衝突させる実験を行っており、中国もまた本格的なミサイル迎撃実験に入る前の予備実験としてSC-19を使用した可能性があります。


ミサイル防衛初期段階完成 中国軍系企業が報告 2010年4月13日 産経新聞
13日付の中国紙、北京青年報によると、中国人民解放軍系の大手国有企業「中国航天科工集団」は12日、2009年度の年次報告を発表し、多様な形式を備えた先進的なミサイル防衛システムの初期段階を完成させたと明らかにした。

報告は、ミサイル防衛システムにより、複雑な情勢や突発事件に対応する中国軍の能力は大幅に向上し、未来のハイテク条件下の防衛作戦に勝利する能力を得られるとした。(共同)


「初期段階」ということは、まだ「実用段階」には達していない事を意味しており、「多様な形式を備えた」とあるので、ミッドコース迎撃やターミナルフェイズ迎撃など複数の迎撃手段を研究していることが分かります。
13時50分 | 固定リンク | Comment (97) | ミサイル防衛 |
2010年03月20日
2月中に実験すると言っていたのに音沙汰ないのでどうしたんだろうと思っていたら・・・


India's missile shield test fails: officials | AFP
India's homegrown interceptor defence shield developed to detect and destroy incoming ballistic missiles failed during a test on Monday, military officials said.

The test was abandoned when the radars following the target, a nuclear-capable missile, lost track of it after it blasted off from a site 200 kilometres (120 miles) from Bhubaneswar in eastern India.

"The 'hostile' missile went off the radars after it took off and deviated from its trajectory and so the interceptor was not launched," an official from Defence Research and Development Organisation (DRDO) said, asking not to be named.


失敗してました。標的ミサイルが逸れてレーダーからロスト、迎撃ミサイルを発射できなかったみたいです。迎撃ミサイルを発射した上で外すよりはマシですが、事前にあれだけ「中国のMDよりもインドのMDの方が上だ!」と豪語しておきながら失敗していたとは・・・中国は中国で「成功した時だけ」発表する方式ですから、一概には比べられませんけれども。
09時22分 | 固定リンク | Comment (28) | ミサイル防衛 |
2010年02月14日
インドの弾道ミサイル防衛システムの実験が今月中に行われる予定とあります。


India readies propulsion system design for new cruise missile : Deccan Herald
India has completed the propulsion system design of its new cruise missile 'Nirbhay' which will have a strike range of 800 kms, DRDO chief V K Saraswat has said.

〜中略〜

Saraswat said the country is also gearing to test its indigenous Ballistic Missile Defence (BMD) shield in near future, a programme, he claimed, is more sophisticated than the Chinese one.

〜中略〜

He said the Indian programme had started in 2006 and had 60-70 per cent indigenous content in it.

Saraswat said Indian BMD development programme would have two phases.
"In the first phase, which goes upto 2,000 km range, we will carry out exo-atmospheric, endo-atmospheric and high altitude interceptions and in the second phase, we will take care of targets beyond 5,000 km range."

On the dates of test of the BMD shield, he said it was expected to be carried out within this month.



インドDRDO(国防研究開発機構)の主任V.K.サラスワト氏によると、射程800kmの新しい巡航ミサイル『ニルバイ』の推進力システム設計を完了。また近い将来、国産の弾道ミサイル防衛(BMD)のテストを行う、その計画は中国のものより精巧(我々の方が先に着手したのだ)である。インドのBMD開発計画は2段階に分かれ、第一段階は射程2000km、大気圏外と大気圏内の高高度で迎撃を行い、第二段階は射程5000km以上の目標を対処する。BMDテストは今月中に行われる、とあります。

インドは大気圏外(exo-atmospheric)での弾道ミサイル迎撃テストを計画していると見るべきでしょう。先月に中国がやって見せたようにです。しかしまさか、中国やインドが大気圏外迎撃を試みて来るとは・・・
22時53分 | 固定リンク | Comment (116) | ミサイル防衛 |
2010年02月13日
弾道ミサイル防衛システムの空中レーザー砲による目標ブースト段階でのレーザー照射破壊実験が成功しました。米ミサイル防衛局(MDA; Missile Defense Agency)の2月11日の発表です。

Airborne Laser Testbed Successful in Lethal Intercept Experiment
[PHOTOS & VIDEO]



昨日の私の書き込みの時点ではまだ動画はUPされておらず静止画だけだったので、ずっと待っていました。2月3日の記事で「今月中に破壊実験が行われる」と伝え、2月10日の記事で1月10日に行われた予備実験の動画を伝えていたので、そろそろ行われると思っていましたが・・・実に感慨深いものがあります。エアボーンレーザー(空中レーザー)砲の迎撃破壊実験成功の報は、兵器の新たな時代の幕開けを告げるものとなるでしょう。レーザー兵器による弾道ミサイル迎撃の可能性が開けた事は、将来の技術革新によって弾道ミサイルが完全無力化される未来すら有り得るのです。今の技術では射程や威力の関係から、国境線より奥深くに配置されたICBMを迎撃する手段にはなり得ませんが、SRBMやIRBMを完封する力を与える事は夢物語ではありません。遠い将来では無く、近い未来で実現可能です。

今回の実験では2月3日に固体燃料型の弾道ミサイルを実験で撃墜済みで、2月10日に液体燃料型の弾道ミサイルを実験で撃墜に成功しています。
22時36分 | 固定リンク | Comment (239) | ミサイル防衛 |