このカテゴリ「議論」の記事一覧です。(全164件、20件毎表示)

2007年08月11日
今月、講談社から出版された佐々木俊尚氏の著書「フラット革命」の276ページに、当ブログでの林信吾さんのコメントが紹介されていました。


▼フラット革命
フラット革命




もう一つ、例を挙げよう。二〇〇七年三月、あるノンフィクション作家は自著が軍事関連の著名ブログ『週刊オブイェクト』に批判されたことに腹を立て、このブログのコメント欄に次のような事を書いた。

<匿名ブロガーとプロ作家が対等だと考える、とんでもない思い上がり。作家の文章には商品価値があり、著作には値段が付いている。電話取材でコメントした場合でさえ、対価が生じる。つまり、俺が何らかの見識を披露し、報酬を得ないとすれば、それはボランティアだということになる。このブログに対してだけ、そのような奉仕をすべき理由など、どこにもない。「逃げたらネット中の笑いものですよ」など、ちゃんちゃらおかしい。ならば逆に尋ねるが、ここでJSF(筆者注:週刊オブイェクトの運営者)とやらを征伐したとして、それが俺のビジネスに、一体どんな利益をもたらすのかね?ヲタ(筆者注:オタク)は読者として想定してないと、一番最初に言ったろ?(中略)ともあれ、ネットウヨ(筆者注:ネットウヨク)やヲタがなに言おうが、実社会はとりあっちゃいない。思い上がりも、ほどほどにしとけ。>

しかしながら彼ら古い人たち―この元編集者やこの作家の期待に反し、いまやネットの世界は、リアルに限りなく接近しつつある。ネットの世界での評価が、そのままリアルの世界での評価とイコールとなる時代は、まもなくやってこようとしている。古い知識人やジャーナリストがさかんに「便所の落書き」「匿名は卑怯だ」とネットを攻撃しているのは、そうした新しい時代への不安であり、恐れでしかない。


「フラット革命」で紹介されたオリジナル部分はPosted by 林信吾 at 2007年03月15日 12:33:55になります。林信吾氏の名前を出さない為に「林信吾の文章には商品価値があり」→「作家の文章には商品価値があり」という改変がありますが、それ以外は全てそのままで引用されています。林信吾氏の件は、マスコミ人や著名人が批判に逆上する二つ目の例として取上げられていました。もう一つの例は「この元編集者やこの作家」とあるように、雑誌「Tarzan」元編集長の及川政治ブログ炎上事件です。及川政治氏も、直接名前は出されていませんでした。

ちなみに「逃げたらネット中の笑いものですよ」と言ったのは私ではなく、コメント欄での書き込みです。むしろ私は来訪編その四で「このブログでの投稿は林信吾さんのご好意によるものであり、林信吾さんには返答をする義務はありません。投稿するもしないも林信吾さんの自由です。」と返答しており、匿名ブロガーとプロ作家が対等ではないという、林信吾氏の主張をそのまま受け入れています。

ですが佐々木俊尚氏の「フラット革命」の内容は、インターネットのつくるフラットな空間では、属性や社会的地位によって評価が揺らいだりせず、会社経営者だろうがフリーター・ニートだろうが関係なく、匿名言論であってもロジックが説得力を持っていればきちんと評価される、とあります。それがインターネットが創る新たな世界の枠組みであり、革命であると。

佐々木俊尚氏はベルギーの女性政治学者シャンタル・ムフを引用してこう説きます。ラディカルな民主主義とは、お互いの意見を交換し、議論していく事によって本格的な民主主義を実現していく。「アゴニスティック・デモクラシー(闘技的民主主義)」。そこに友愛は必要無く、議論し、闘い続けるその上で、お互いの存在を許容し、向き合う世界。

友愛は必要ではない―ある意味衝撃的なこの言葉は、私(JSF)の頭に深く印象に残りました。民主主義の要件を分かり易く言うとすれば、フランス革命時の「自由・平等・同胞愛」の標語がそれにあたります。(同胞愛(Fraternite)は、日本語では「博愛」と訳される事が多いのですがそれは間違いで、より狭い範囲の同胞愛、友愛という意味に近い。)

新たなる民主主義では、それは要らないというのです。闘って闘って、お互いを認め合う。それは相手の意見を認めるという意味ではありません。相手の存在を認めるということ。意見の違いを認めるということ。議論の存在を、認めるということ。

以前、名古屋大学の大屋准教授は「議論とは相手の説得を目的にするものではない」と仰られました。そうです、相手を説得することは、必ずしも必要ではありません。何故なら、民主主義は多数決だからです。説得力のある主張が第三者の目に触れ、大勢がそれに賛同すれば、論争相手が納得していなくても構いません。議論の経過が可視化されていること、それが誰の目にも触れられる事に意味があります。

林信吾騒動は、序章を読めば分かりますが、発端は大屋准教授のブログからでした。私は林信吾氏との対話で、最初から相手の説得を意識していませんでした。見せるべきは、ギャラリーである第三者です。よく、説得できない相手と議論をするのは不毛だと言われますが、そんなことはありません。議論をする事そのものが、民主主義を育てていく意義のあることなのだと思います。
17時46分 | 固定リンク | Comment (71) | 議論 |

2007年08月09日
テクノバーンといえば、翻訳ミスや技術への無理解によるトンでもない誤報を連発するサイトとして知られていますが、とうとう今回、一体どういった人種が記事を書いているのか尻尾を出しました。どういうことかというと、見出しが日本語では、無かったのです。

テクノバーンはWeb魚拓で撮られる事を極度に嫌がっているらしく、最近になって魚拓避けのタグを入れているようなので、今回は証拠資料を画像として保存してあります。(法的な引用の条件は満たしてあります)



【早朝】Technobahn ニュース : 英国政府、2隻の大型航母の建造を正式決定


証拠画像


2chニュース速報+掲示板に2007/08/09(木) 05:55:51にスレッドが立つ。この時点でTechnobahn ニュースのタイトルは「英国政府、2隻の大型航母の建造を正式決定」となっている。


【昼前】2007年08月09日10:45 軍事板常見問題・mixi支隊

273: 井上@Kojii.net
見出しで「航母」って書いてるけれど、普通の日本人はこういう書き方をしないんじゃないかなあ…

中国人留学生のバイトに訳させたとか ?


【夕方】Technobahn ニュース : 英国政府、2隻の大型空母の建造を正式決定

「航母」→「空母」 何時の間にか説明も無く修正。


  ( ゚д゚)
__(__っ/ ̄ ̄ ̄/携帯電話_
   \/   /

  ( ゚д゚ )
__(__っ/ ̄ ̄ ̄/携帯電話_
   \/   /

こっち見んな。

・・・テクノバーンの中の人がmixi支隊に潜伏しているのか、それとも誰かが御注進に及んだか・・・普通に気付いたり他から指摘されて偶然に、ということなのかも知れませんが、前回の「またテクノバーンが誤報」の時とパターンが似通っているというか・・・大丈夫か、テクノバーン。

「航空母艦」の日本語での略称は「空母」です。そして中国には「航空母艦」が軍事用語として日本からそのまま伝えられました。しかし、略称は空母ではなく「航母」を使っています。つまり漢字で「航母」と書く人間は中国人である可能性が高いと言えます。今回の件は井上孝司さんの推測が正しければ、テクノバーンは中国人アルバイトに英文記事を翻訳させていたものの、日本語ではなく思わず中国語が出てしまった・・・という事になります。

もしそうであるならば、普段の記事の誤翻訳による誤報の連発の原因が判明した事になりますが、なんだか、ある意味納得できるオチというか何というか。


ところで今回の記事、見出し以外に本文中にも大変奇抜な誤報が記されているわけですが・・・



Technobahn ニュース : 英国政府、2隻の大型空母の建造を正式決定
全長は284メートルで、米国のニミッツ級航空母の333メートルと比べると小ぶりとなるが、艦満載排水量は約10万トンで、ニミッツ級航空母艦と同等で、米国以外が保有する空母としては世界最大級のものとなる見通しだ。



大嘘です。イギリスの次世代空母は満載排水量65000トンです。今回のイギリス国防省による公式発表にだって、ちゃんと書いてあるでしょう?


MoD to Order Two New Aircraft Carriers
(Source: UK Ministry of Defence; issued July 25, 2007)

Minister for Defence Equipment and Support, Lord Drayson, welcomed the announcement of the decision to build the two 65,000 tonne aircraft carriers, to be named HMS Queen Elizabeth and HMS Prince of Wales, and BAE Systems and VT Group's creation of a Joint Venture (JV) which will be a key part of the alliance of MOD and Industry constructing the ships.


そうでなくても、米空母より一回り以上小さいのに重量は同等という設定自体がおかしいと気付いて欲しいです。全長284m、全幅39mの英次世代空母(CVF)のサイズで10万トンの艦を造ろうとしたら、信濃以上の装甲空母が出来上がりますよ。満載時の喫水も12mを軽く超えてしまうでしょう。甲板に178ミリの装甲でも張るんですか。勿論、CVFにそのような重装甲を施す計画など無いですし、計画書自体に65000トンと明記されています。

タイトルをこそこそ書き換える暇があるなら、本文中の致命的な間違いを直すべきでしょうに。一体そもそも、何をどうしたらこのような勘違いが出来るんですか?
20時37分 | 固定リンク | Comment (80) | 議論 |
2007年08月08日
私は、以前は石田さんの事を応援していたのですが・・・面白い文章を書く人で、「普通の人が書けば嫌味ったらしくなる内容が、この人の手にかかると爽やかで軽快に仕上がる」とまで、褒めていたんですが・・・前言を全て撤回します。石田敏高さん、貴方の事を見損なっていました。本当に恥ずかしいです。

問題の経緯については25 o'clockさんの記事をご覧下さい。


「日本人でよかった」 → 「じゃあ朝鮮人は悪いのか!!」:25 o'clock

ブログ炎上の民主党議員秘書 「謝罪なんかしねーよwwwwww」:25 o'clock



「We'll live and die in these towns」:石田日記(通常版)
「We'll live and die in these towns」:石田日記(ブログ版)
お詫びと削除のお知らせ

 昨日の日記の記述の中に、参議院東京選挙区候補の丸川珠代さんのポスターのキャッチコピーに関しまして、不適当な表現がありました。丸川候補および関係者の皆様、またネットをご閲覧の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫びいたしますとともに、昨日の日記を削除させていただきます。何卒、ご了承ください。

 


 なーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんてね!そんなこと書くわけないじゃん。

 こういうもっともらしい「お詫び」みたいなことを載せたりすると、なんとなく事が収まったような気がするよね。あーー、日本人でよかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!


こんな人を応援していただなんて、情けなくなってきました。

それと石田さん。ウッカリ屋さんな貴方の事だからもう忘れているかもしれないけれど、最初の炎上「日本人でよかった」の際にジャーナリストの方から取材を受ける話になっていましたよね、覚えていますか。



ジャーナリストで評論家の西村幸祐です。このエントリーに関して、質問があり、取材をしたいのでよろしくお願いします。
選挙後に、お時間をいただけないでしょうか?
今は非常にご多忙の時期だと思いますので、選挙後に改めてご連絡差し上げます。




石田さん、取材拒否して逃げたりせずに、今回の煽り記事の件も含めて、取材時に説明責任を果たして下さい。
02時36分 | 固定リンク | Comment (137) | 議論 |
2007年08月05日
助けようと思って擁護してみたら、逆に酷い事を言ってしまって傷付けてしまった・・・そういう事って、よくある事だったりします。そんな「親切心の逆効果」なお話です。


提督の野望 海軍広報:2007/8/2
週刊オブイェクトと大石英司の戦い。大石さんの論が中途半端なのはいつものことで、それは学者ではなく小説家というスタンスだから当たり前のことですが、そこに噛みついた週刊オブイェクトのJSF氏は、ただ噛みつきたかったというだけの狂犬に見える。オタクとしてみると、非常にいやな部類のオタク。噛みつくだけで芸がない。いや噛みつき芸なのか?


いやあの・・私の事を批判なさるのは別に結構なのですが、これは逆に大石さんに対してもの凄く失礼な物言いではないでしょうか。

「大石さんの論が中途半端なのはいつものこと」

これは、大石さんを馬鹿にしているようにしか見えないのですが・・・でも私と大石さんの両方を批判する気でいるようには見えませんし、本人は大石さんをフォローするつもりでこんな酷い事を言っちゃったのでしょうか。

「中途半端なのは学者ではなく小説家なのだから当たり前」という主張にしても、大石さん個人どころか小説家全体を馬鹿にしているように受け取れます。ですが小説家なら中途半端でいい加減な論でよいという免罪符が与えられているとしたら、それは小説のフィクション、演出という枠内での話だけの筈です。

もし問題となっている個所が小説の内容だというのであれば、私だって一々突っ込むような野暮な真似はしません。ですが、舞台は小説ではなくブログの話でしょう?

大石さんは自らのブログを「日々の事件を追ってマスコミが伝えないalternativeな視点を提供するブログです。」と紹介されています。そのスタイルはマスコミ記事に対し大石さん独自の視点から批評を加えるというものです。ブログを運営している時の彼は、小説家ではありません。評論家やジャーナリストとしてのスタンスで書かれています。(大石英司と言えば"田中康夫ウォッチャー"としても有名です)だから、小説家だからという言い訳は通用しません。そのような言い訳は、むしろ本人に対して失礼な事だと思います。

それだけではなく、小説で書く"嘘"にしても、知らずに間違った事を書くよりは、事実を知った上で"嘘"を書いた方が臨場感のある場面を書けるからこそ、取材に行って調べるんです。大石さんはマメに取材を行う方です、新刊の著者近影は何時も取材時のご自分を写された写真です。その努力の一部を、足元の基礎的な知識を固める事に使えば、よりよい作品が生まれると思います。


・・・と書いて傍と気付いたのですが、「小説の内容だというのであれば一々突っ込むような野暮な真似はしない」という場合に、田中芳樹の「創竜伝」はどうなるんだと考え込んでしまいました。


【珍説】「90式戦車はエアコン付き.岩に当たると穴が開く(田中芳樹)???
ちなみに,「車体の底は川底の石で穴が空く」というのは,小説家の田中芳樹氏が,自著「創竜伝」内で自衛隊の戦車を風刺した描写が,「真実」として広まったものです.


小節の内容を事実と混同して信じてしまう方がおかしいのですが、「銀河英雄伝説」で大ヒットを飛ばした田中芳樹の影響力は中高生に対し大変大きなものがあり、この「90式戦車の底は川原の石に当たると穴が開く」という話を本気で信じてしまう人が続出しました。その影響は韓国にまで及んでいます。

こういったデマを食い止める為に指摘する場合に、「小説に突っ込みを入れるだなんて野暮」と返されたらどうすればいいのでしょうか・・・難しいところです。


後日談

提督の野望 海軍広報: フォローするつもりで逆に酷い事を言っているような気がする
03時56分 | 固定リンク | Comment (110) | 議論 |
2007年08月01日
作家だからといって知識が完全なわけじゃない。それは当然の事ですが、軍事小説家、それも第二次大戦物ではなく現代戦を舞台にした小説を書く人が、「中国軍、空母建設」という格好のネタでここまで見当外れなことを主張しているのはどうかと思います。


中国は仏製武器で埋め尽くされる:大石英司の代替空港
※ 中国軍、空母建設に本腰か ロシアから着艦制動装置購入
http://www.asahi.com/international/update/0727/TKY200707270428.html

これは失敗します。何しろロシアが持っているというカタパルトの技術自体が、必ずしもバトルプルーフされたものじゃないですから。どの程度使えるかは、誰にも解らない。結局試行錯誤の挙げ句に失敗した頃、フランス人が揉み手で近づいて、空母の技術やあれこれとラファールをセットで売りつけるんですよ。

だって中国は水上艦用原子力エンジンの技術だって全く持ってないんですよ。原潜だってロシアからのお下がり技術でまともに動いていない。この後、半世紀使う空母を通常動力でやるはずもないから、どこかで原子力推進ということになる。必ずフランスと組むことになります。で、その姿をアメリカが指をくわえてみているはずもないから、どこかで対中武器禁輸も解除されることになるでしょう。


大石英司さんのこの記事からは、総じてロシア技術に対する根拠無き不信感と、フランス技術に対する盲目的な安心感が見て取れます。それでは例を挙げます。


・まず「これは失敗します」と断言している事。
・バトルプルーフどころか存在しないフランスの空母技術を採用する筈だと主張している事。
・「原潜だってロシアからのお下がり技術でまともに動いていない」とロシア技術を低く見ていること。
・しかも漢級原潜建造にあたってはロシアから技術指導を受けた訳ではないので、そもそもの認識が間違いである事。
・フランスの水上艦用原子力エンジンの技術は原潜用の転用に過ぎないのに、特別な技術か何かと思い込んだ挙句、中国はこれを採用する筈だと主張している事。
・ロシアは水上艦にも潜水艦にも原子力機関を採用している実績があるのに無視されている事。


コメント欄に先行して書き込んでいるシア・クァンファ氏がロシアの空母技術(サキ飛行場の蒸気カタパルト施設、及び蒸気カタパルトを搭載予定だった未完成空母ウリヤノフスク級)や原潜原子炉技術を中心にツッコミを入れているので、私はフランスの空母技術と原子炉技術を中心にツッコミをコメント欄に入れています。

実は、フランスは独自の空母技術を持っていません。現行の原子力空母シャルル・ド・ゴールの蒸気カタパルトと着艦制動装置はアメリカ製で、先代のクレマンソー級空母の蒸気カタパルトはイギリス製でした。持ってない以上出せる筈が無いので、この時点で大石さんの記事は意味を失います。

また、中国の漢級原潜は、中国とソビエトが断交状態に陥った中で建造が進められており、当然、ソビエトからの技術指導はありません。つまり「ロシアからのお下がり技術」ではないのです。原子力ターボエレクトリックという形式の機関の原潜を現在保有している国は中国とフランスだけです。

そして大石さんの記事で不思議なのは「空母は原子力でなければならない」としている点です。アメリカ海軍のキティホーク級は大型空母ですが通常動力(蒸気タービン)で半世紀近く稼動していますし、イギリス海軍の次期空母CVFも6万トンを超える大型艦ですが、ガスタービン駆動の統合電気推進で原子力ではありません。別に原子力でなくても空母は動きます。

其処に連動しておかしな部分なのですが、フランスの水上艦用原子力エンジンの技術は何も特別なものじゃありません。空母シャルル・ド・ゴールの原子力機関は、戦略型原子力潜水艦ル・トリオンファン級のPWR-K15加圧水型原子炉を2基、搭載しています。つまり潜水艦用の転用であり、同じ様に中国も潜水艦用の原子炉を転用すれば水上艦を動かせるわけです。一体何故、水上艦の原子力機関は潜水艦とは別物だ、と思い込んだのでしょうか? ちょっと理解できません。

しかもこの原子炉は曰くつきで、ド・ゴール建造中に地上試験を行っていた同型の原子炉の原子炉容器に亀裂が入り、原子炉の大幅な改修を余儀なくされド・ゴール本体も建造を中断して大改修を施し、建造計画の大幅な遅延を招いています。ド・ゴールは就役後も原子炉要員の被曝量が年間許容量の5倍と報道されており、フランスが設計した唯一の原子力水上艦ですが、フランス国内でも失敗作であるという批判が高く、フランスは2隻目の空母計画PA2でイギリスのCVF計画に相乗りしてCVFのCTOL機運用型を採用する予定です。つまりフランスは原子力空母を新たに保有しないと決めました。

フランスの原子力技術は低いんです。それは空母に限った話ではなく・・・




>総じてロシア技術に対する根拠無き不信感と

潜水艦の原子炉で事故をおこしたのはロシアだけじゃないの?

一度も海鮮をしたことのない国家の船舶技術を信用しろといわれてもねえ。

投稿 | 2007.07.31 07:20

>潜水艦の原子炉で事故をおこしたのはロシアだけじゃないの?

1994年3月30日、ツーロン沖でフランスの攻撃型原潜リュビが蒸気爆発を起こして乗組員10人が死亡しています。これが西側の原潜で唯一、原子炉事故を起こした艦です。フランスの原子炉技術力の低さを実証した艦だと言えます。

・・・それにしても見事な墓穴を掘りましたね。

投稿 JSF | 2007.07.31 20:26


以上のように、大石さんの記事は根本から間違っており、中国がフランス式の大型空母をラファールとセットで買う、といった事態は有り得ません。ラファールも高いですから、購入できるとは思えないです。値段が高価というだけなら商談さえ折り合いが付けば可能性はありますが、空母技術についてはフランスが独自技術を持っていない以上、出せる筈がありません。もしアメリカ製の蒸気カタパルトを中国に横流しなんてしたら、フランスはアメリカの手で潰されてしまうでしょう。出来る筈がありません。リスクを犯すだけのメリットが無いのですから。
20時18分 | 固定リンク | Comment (173) | 議論 |
2007年06月26日
これは、三週間前のやりとりです。


6/7の時点では、メルマガ購読者は増えていたらしい


そして現在は、以下のようになっています。



日本の希少動物を救え!:太田述正通信ブログ版
1 始めに

本日1330前後の時点で、次期会費納入済みの方は、新規の方5名を含む60名(30万円)、カンパを寄せられた方は、カンパだけの方2名を含む28名38口(19万円)です。

設定させていただいた期限まで残り3日間だというのに、会費を納入された方がこんなに少ないのは一体どうしたのでしょうか。
2期連続して120名以上の有料会員を確保してきたというのに、残念でなりません。
コラムの質は、はばかりながらほとんど落ちていないはずです。
無料会員の数1,139名だって、E-Magazineで幽霊会員が200名以上いたことを考えれば、年初から現在まで決して減少していないと言ってよいでしょう。
ただし、一時的とはいえ、ホームページを閉鎖したのは大きかったようです。
ホームページと旧ブログで計1日1,000人以上の訪問者がいたのに、現在のブログには1日500人くらいがやっとです。

とにかく、カンパされなくたって全くかまいませんので、これまで有料会員であった方、お願いします。ぜひ継続してください。
太田述正という日本の稀少動物が滅びようとしています。
救えるのは皆さんだけです。
連絡のない有料会員については、7月1日からコラム配信を停止させていただきますのであしからず。


では三週間前のコメントは何だったんですか? ・・・このメルマガでも掲示板での議論が原因で購読者が減ったとは主張されていないようですから、そういうことでよいのですね、もう私は知りませんよ。呆れてものが言えない・・・。

それともこのメルマガ自体が釣りか何かですか。「2 読者が送ってくれた本」の部分は、自虐ギャグとしか受け取れません。
07時27分 | 固定リンク | Comment (122) | 議論 |
2007年06月17日
太田述正掲示板は、管理人しまだ氏の忠告を太田氏が聞き入れず、とうとう閉鎖web魚拓)することになったようです。

そこで掲示板閉鎖前にログを取って置く事にしたのですが、掲示板での太田氏とのやりとりの中で、一番不思議だったものを纏めてここに置いておく事にします。それは「老旧」なる言葉を巡るものなのですが・・・発端は太田氏のブログ記事の「なお、ホークは老旧機であるから戦闘機の中にはカウントされるべきでなかった、という批判も出ていますが」という記述からで、その後に掲示板で論争になりました。

掲示板の該当ツリーは閉鎖前の今なら閲覧できます。そして以下はコメントを個別に保存したweb魚拓と、その纏めです。



JSF 「誰が「老朽機だから」と言ったのですか? 「練習機だから」ではありませんか?」

太田 「「老朽」と「老旧」とは意味が全く違います、新品でも「老旧」でありうるのです。お分かりですね」

注:質問の主題「練習機だから」が無視されているような気がするのですが・・・。

名無し三等兵 「妙な造語作り出さんでください。大辞泉にも載ってませんよ>老旧」

太田 「これは失敬。防衛庁の職場用語でした。だけど、一般用語として普及させたいですね」

注:「老朽」と紛らわしいので止めてください。

hige 「現役幹部ですが聞いたことがありません」

太田 「「老旧」という言葉は、確か30年ほど前、陸海空幕僚監部の自衛官のどなたかから初めて、「老朽」と対比する形で教わった言葉だったと思います。現在使われていないとすると、昔使われていた言葉が廃れてしまったか、あるいはもともとその自衛官の方の冗談だったのかもしれませんね。私は、便利な言葉だと感心した記憶があります」

注:気になった部分を太字で強調してみました。

JSF 「私は「練習機だから」と言っていた筈です。「老旧機だから」などということは一言も言っていない。貴方の勝手な解釈で私の発言を改竄されるのは、許せません。ああ、ところで、私の知り合いの自衛官に聞いてもそのような防衛庁用語など存在しないと言われました。それと調べて見ましたが、「老旧」とは日本語ではなく中国語です」

注:Googleで検索してみたら「老旧」は漢文しかhitしなかったです。

太田 「あなたが、ホークを私の言う「老旧機」と考えているためではないか、と忖度してさしあげただけですよ」「差別用語と言われるかもしれないけど、女々しいぞ」

注:忖度(そんたく)と読みます。

JSF 「私が言っても居ないことを捏造したのだから、その点は謝罪し訂正してください」

hige 「OBの父に確認いたしましたが、そのような言葉はないそうです」

注:以下、太田氏からの返事はありませんでした。



結局、太田氏の言う「老旧」とは一体なんだったのか分からず終いでした。その具体的な用法、正しい日本語である「老朽」との意味の違い、出典元、今は何処で使われているのか・・・何も判明しておりません。私も初めて聞く用語です。もしかしたらごく狭い範囲内で使われている言葉かもしれませんので、ご存知の方はご一報ください。
17時37分 | 固定リンク | Comment (193) | 議論 |
2007年06月14日
さて前回の指摘に対し、太田氏はブログで以下のような反論を行ってこられました。


防衛庁再生宣言の記述をめぐって:防衛省OB太田述正ブログ
防衛庁再生宣言の記述をめぐって(続):防衛省OB太田述正ブログ


太田氏は掲示板で、「ミリタリー・バランス2000/2001」を参照し、著書「防衛庁再生宣言」での主張の根拠を提示してくださると仰られていたので期待して待っていたのですが…せっかく引用元のミリバラが手元にあるのに原文の該当部分を引用しておらず、きちんと確認のしようが無いやり方でがっかりしました。太田氏は恐らくミリバラの数値を誤読して日英を比較しているでしょうから、原典に直接当たらないとミリバラが間違っているのか太田氏が間違っているのか判別できません。

こうなると当方でも「ミリタリー・バランス2000/2001」を入手し、太田氏の主張を見比べていかねばならないなと思っていたのですが、当ブログのコメント欄に「ミリ原00−01コピって来ましたよ」と紹介してくださる方が現れたので、とりあえずはこちらで提示されたミリバラの内容と、太田氏の主張とを見比べて行きたいと思います。コメント番号122氏が紹介してくださった内容は戦闘機の項目だったので、まずそれから見て行きましょう。



防衛庁再生宣言の記述をめぐって:防衛省OB太田述正ブログ
ミリバラには、日本の航空自衛隊の戦闘機について、F-1(40機)、F-4E(70機)、F-15(170機)、RF-4E(偵察機。20機)と記されており(PP201)、合計すると300機になります。
他方、英国の戦闘機については、英空軍:トルネード(303機)、ジャガー(79機)、ハリアー(86機)、ホーク(141機)、英海軍:シーハリアー(48機)、と記されており(PP81、82)、合計すると657機になります。
どうやら、英国の方は、百の桁の数字が6であるべきところを、7と誤記してしまったとしか思えません。


この数値を見て、初見でまず「自衛隊は予備機や保管機を含んでいない数値で、英軍は全て含んだ数字だ」ということが分かります。122氏が「ミリ原00−01コピって来ましたよ」とそれ以降の発言で紹介されているミリバラの内容と照らし合わせてもそれが言えます。

ミリバラではイギリス軍の作戦機は詳しく内訳が書かれており、実戦部隊で配備し運用している数と、予備機の数を分けて数値を表示しています。しかし自衛隊作戦機に関する項目は簡素なもので、編成上の数字しか書かれていません。F-15が170機、F-4が70機という時点で、全保有機ではない事に気付かないといけません。(例えば自衛隊のF-15は全部で213機調達、事故で10機失われ現状203機保有という事は検索すれば直ぐに出てくる)

つまり太田氏の主張する数値では直接比較は出来ません。ミリバラ内で比較するのなら英軍も予備機無しの数値で比較するか、或いは別の所から自衛隊の全保有機の数を持ってきて比較するかをしなければいけません。

なお自衛隊の戦闘機数は、2001年の防衛白書にはこうあります。(ただしF-4EJは12機がモスボール保存機)

資料43 主要航空機の保有数・性能諸元
F-15J/DJ 203機
F-4EJ 104機
F-1 37機
F-2A/B 22機
RF4-E/EJ 27機

合計393機。(RF4-E/EJは太田氏が入れているので一応カウント)


また太田氏はホーク(141機)と、練習機のホークまで戦闘機扱いしてカウントしています。確かにホークT.1AはサイドワインダーAAMの運用能力がありますが、レーダーも搭載していない亜音速ジェット練習機に赤外線誘導ミサイルを積んだ所では、大したことは出来ません。練習機を戦闘機扱いして水増し行為をすること自体が褒められたことではありませんが、「141機」ということはT.1A型のみならずサイドワインダー搭載能力の無い機体までもカウントしてしまっています。ミリバラにはT.1Aは75機であると書いてある筈なのですが・・・。

そうなると、

トーネード 303機
ジャギュア 79機
ハリアー 86機
シーハリアー 48機
ハリアーT4 7機

303 + 79 + 86 + 48 +7= 523機が予備機を含めた英軍戦闘機の数値となります。ホークT.1Aをカウントしても598機です。これに比較されるべき自衛隊の戦闘機の数は393機です。

英軍が予備機を含めない場合はホークT.1A無しで365機、入れて440機であり、これに対応する自衛隊の数値は太田氏の言い分では300機となっています。

中距離AAMを運用できる機体数(自衛隊は300機以上に対し、英軍はその半数以下)を比較すれば、戦力はむしろ自衛隊の方が、少なくとも空対空戦闘力では上でしょう。更に言えばハリアーは亜音速機です。一方、日本側でカウントされている機体は全て超音速機です。

太田氏のカウントのやり方は、日本側をより少なく、英国側をより多く見せ掛けようとするものです。予備機や保管機の数を加えたり加えなかったり、練習機を戦闘機扱いしてみたり・・・ホークが戦闘機扱いなら、T-2練習機も戦闘機扱いできそうなものです。2001年当時だとまだ結構な数が残っています。T-2後期生産型はレーダー及びバルカン砲とFCSを標準装備しており、有事の際はレールを装着しサイドワインダー空対空ミサイルを運用することを考えて設計してあります。超音速でレーダー装備のT-2はホークT.1Aよりもよほど有力な戦力になるでしょう。・・・非武装のガゼルAHを攻撃ヘリ扱いする太田氏の理論に従うのなら、T-2も当然戦闘機扱いできる筈ですよね。

私は両方ともカウントしませんが。

そして自衛隊は、T-4練習機(練習機としてはホークと同クラス)では武装を施すのを止めてしまいました。亜音速の練習機に無理に武装させても、本格的な敵の侵攻の前には意味が無いと判断されたからです。
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2007年06月11日
前回に引き続き、元防衛庁審議官の太田述正(おおたのぶまさ)氏の著書、『防衛庁再生宣言』の内容に対する疑問点を述べていきます。前回はガゼルAHの件を「特におかしな点」と指摘しましたが、実はもっとおかしな点がありまして・・・orz.



自衛隊は空っぽの洞窟?(その5):防衛省OB通信〜軍事・文明・歴史と日本の国家戦略
日本の戦闘機の数は、英国の2.5分の1しかない。


明白に間違いである、と言えます。太田氏の執筆当時2001年では、まだユーロファイターが戦力化していない頃ですから、純粋な意味でのイギリス軍の戦闘機はトーネードF.3だけで、100機程度しかありません。これに対し自衛隊はF-15が200機あります。そしてF-4が90機、F-2が20機在りました。自衛隊は合計300機超の「中距離AAM(空対空ミサイル)が運用できる戦闘機」を有していました。しかしイギリス軍は当時、トーネードF.3の他に中距離AAMを運用できるのはシーハリアーFA.2が40機弱あるくらいで、合計しても150あるかないかです。

つまりイギリス軍の戦闘機の戦力は、自衛隊の半分以下でしかありません。もし有視界戦闘でしか使えない短距離AAM(サイドワインダー等)を運用できる機体(自衛隊はF-1戦闘機、英軍はジャギュア・トーネードGR.4・ハリアーGR.7)を含めれば数は逆転しますが、数の差は1割程度です。その程度の差はミサイルの射程の差で簡単に覆されてしまいます。自衛隊は戦闘機の空対空戦力に置いてイギリス軍を上回っていました。

ですが、これを指摘された太田氏は、以下のような反論を行っています。



自衛隊は空っぽの洞窟?(その5):防衛省OB通信〜軍事・文明・歴史と日本の国家戦略
さて、戦闘機の数の比較については、拙著37頁で、英国757機、日本300機、と明記しているのに、批判者が、この数字に即した批判を行っていない以上、議論になりません。


太田氏が著書内に明記しているその数値が間違いである、と申し上げているのですが・・・757機、大変、大きな数値です。イギリスの国防費で、どうやってそんなに多くの戦闘機を運用できるのか・・・まずこの時点でおかしいと気付いてください。

757機とはイギリス軍の保有する“固定翼機”全ての数です。つまり回転翼機(ヘリコプター)以外の、輸送機や哨戒機、練習機などを全て含んだ数値です。「UK Defence Statistics」で確認しました。757機とは戦闘機の数ではありません。

太田氏は最初に指摘を受けて動転してしまったのか、反論の後半部分は、「それにしても、次のような言葉が依然として大手を振ってまかり通っている日本で、以上のような議論をしてみてもむなしい限りであると思いませんか。」と切り出し、主題と何の関連性も無い意味不明の長文を三つも載せています。

冷静に、落ち着いて理解してください。

太田氏、貴方の著書の内容は間違っています。

・・・ミスを犯さない人間など居ませんが、元防衛庁官僚という肩書きを最大の売りにしようとしている人が、こんな素人レベルの資料の読み間違いをしているようでは話にならないと思います。しかし太田氏は、掲示板でのガゼルの件の対応を見ても、誠実に反論しているとはとても言えません。

せめて今回の件に対しては、誠実に対処して欲しいものです。
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2007年06月06日
元防衛庁審議官の太田述正(おおたのぶまさ)氏の著書、『防衛庁再生宣言』(日本評論社2001/7/5)p.38-42には、「自衛隊の戦力は見せ掛けだけ」という記述があり、軍板FAQでも以下のように疑問が呈されています。

「自衛隊の戦力は見せ掛けだけのもので,実質戦力はゼロに等しい,とする見解についてはどうですか?」

回答欄を見れば分かる通り多数の指摘が入っているのですが、特におかしな点と思われる「どうして英軍の対戦車ヘリコプターの頭数にガゼルAHがカウントされているのか?」という部分で、消印所沢氏の指摘に対し、太田氏が反論を行っています。


自衛隊は空っぽの洞窟?(その6):核武装と日本の軍事講座〜防衛省OB太田述正ブログ
いずれにせよ、英国において、かつてガゼルに対戦車ロケットを装備していたという以上、私が英国の「対戦車機動攻撃力」の中にこれをカウントをしたのは適切であったのではないでしょうか。


イギリス陸軍のガゼルAHヘリコプターには武装がありません。

http://en.wikipedia.org/wiki/Westland_Gazelle#Operational_history
British Gazelles were only armed when used in the Falklands, where they were fitted with machine guns and rocket pods, but these were not used. (イギリスのガゼルはフォークランドで使われた時だけ機銃とロケット弾ポッドで武装していましたがこれらは使われませんでした。)

実際にその後の湾岸戦争、アフガン対テロ戦争、イラク戦争といった実戦でガゼルAHに再武装が施される事はありませんでした。

それ以前の問題として、無誘導のロケット弾ポッドでは「支援攻撃」任務が基本の筈で、「対戦車機動攻撃力」とやらに分類する事は出来ません。無誘導のロケット弾で敵戦車に命中弾を与えるには接近を余儀なくされ、遠距離から撃てる誘導式対戦車ミサイルに比べると生存性が大きく下がります。

同じガゼルでもフランス軍のSA341MにはHOT対戦車ミサイルの運用能力がありますが、保有するガゼルの内最も多いタイプのSA341Fは対戦車ミサイルを運用できず、一部に機関砲を搭載し支援任務に充てています。イギリス軍のガゼルAH(SA341B)もフランス軍のF型と同様です。フランス軍のこの分類は最新鋭戦闘ヘリ「タイガー」でも同じで、対戦車用のタイガーHAC(HAD)は機関砲を搭載せず対戦車ミサイルの運用に特化し、偵察支援用のタイガーHAPは30mm機関砲とミストラル対空ミサイル、SNEB68mmロケット弾ポッドが基本装備となっています。

つまりガゼルの開発元であるフランスは、ロケット弾ポッドを搭載しただけのヘリコプターを対戦車用とは見なしていません。誘導式の対戦車ミサイルを運用するヘリを対戦車型としています。これはイギリス軍も同様ですし、各国軍もそうでしょう。イギリスの対戦車攻撃力の中にガゼルAHをカウントをしたのは明白に不適切である、としか言いようがありません。ましてやイギリス軍のガゼルAHは、太田氏の2001年執筆当時も、今も、非武装です。


しかし太田氏は掲示板で議論を続ける事を望みました。今の所、太田氏の見解は以下のようになっています。



タイトル : Re^17: ガゼルについて
投稿日 : 2007/06/06(Wed) 19:20
投稿者 : 太田 述正
英軍のガゼルを「対戦車ヘリ」にカウントしていたとすれば、その点は誤りであったと思いますが、ガゼルが対戦車能力をも有していた可能性に着目してそれを「対戦車機動攻撃力」にカウントしていたとすれば、その限りにおいては、明白に誤りであったとまでは言えないのではないか、と思います。


タイトル : Re^13: ガゼルについて
投稿日 : 2007/06/06(Wed) 20:57
投稿者 : 太田 述正
>そして貴方は執筆当時「ガゼルが非武装であることを知らなかった」のですよね?

フフフ。ガゼルを対戦車ヘリにカウントしたかどうか、ひいてはまた、対戦車機動攻撃力にカウントしたかどうか、すら記憶がない、という趣旨のことは前に申し上げましたよね。


如何にも「官僚的答弁」の典型を見た感じで、逆に感心した思いなのですが、流石にこれでは誠実な対応とは言えませんので、こちらも記事にする事にしました。また掲示板のツリーも大きくなって見難くなってしまった事ですし、論点を整理したいと思います。

対戦車ヘリ以外の部分、戦車や装甲車、海軍や空軍の話題も、ガゼルの件が片付けば今後のテーマにしていきたいと思います。
22時40分 | 固定リンク | Comment (142) | 議論 |
2007年05月03日
皆さん既にご存知かと思いますが、カリー君のブログ「カレーとご飯の神隠し」が4月2日から更新再開、復活しています。遅ればせながら、新たな大学生生活での大いなる躍進を期待しています。合格おめでとう。

カリー君はまだ未成年ながらも、政治と経済については並みの大人など問題にしないほどの深い知識と分析力で、尚且つ討論にも非常に強い。そして同い年のたれ君は軍事について造詣が深く、所有する軍事関連の書籍・資料の数は圧倒的です。(実は私はあまり持っていません)彼らの得意分野では、恐らく私では太刀打ちできないでしょう。つまり二人で掛かって来られたら勝ち目がありません。・・・ってあれ、じゃあ私はもう要らない子なのかも?

そこまで気付いた一年以上前、二人が高校を卒業するという時に、私はサイトの運営を止めて一介のROMに戻ろうと思っていました。こんなに優秀な若い子が出て来ているなら、もう後を任せてしまって自分は御気楽な生活をしてしまおうと、引退を決意したのです。高校生の時の自分なんて、本当に幼稚な考え方をしていました・・・それと比べて、彼らはあまりにも光って見えました。ところが二人とも浪人することになり、私はそのまま活動を続ける事となりました。

そして二人が合格した今も、何故かダラダラと続けているという状況です。どうも一年経って見るとあの時の心境と変わってしまって・・・というより、私でしか出来ないこと、そういうものを見つけつつある気がするので、もうちょっとだけ続けて見たいと思っています。


話が脱線して自分語りになってしまいました。それでは私と「カレーとご飯の神隠し」との出会いを紹介していきたいと思います。私がその存在を最初に知ったのは、以下の書き込みからでした。


旧週刊オブイェクト・コメント欄より
日記と関係ないけど…

http://blog.livedoor.jp/midnightpax/

イラク戦争を巡って高校生(T-72神教徒)vs新聞記者バトル中
(2004年12月06日 12時55分43秒)

恐らくこの書き込みが初出では無いと思います。(他にも幾つか同様の紹介コメントがあったように思う)自分はこの時に見に行ったのですが、「ああ…助太刀なんて必要無い、その高校生は相手の記者を完全に圧倒しているじゃないか」と思い、現場に書き込みに行くことはありませんでした。それぐらいに議論は一方的でした。しかし相手のN記者(実際には新聞記者ではなくTV記者)は無茶苦茶な主張を振りかざし、自らの負けを認めず、粘っていました。

これではグダグダで終わってしまう・・・もうN記者に何を言っても事態の進展は無いだろう・・・そこで私は、次のエントリーを投入し、終わらせることにしました。

「この悪しき世界」:旧週刊オブイェクト

ブログの記事→大手ニュースサイト→2chという流れは、そうなるであろうと予想していました。そして実際にそうなりました。当時私のところは頻繁に大手ニュースサイトに捕捉されており、そういった状況の中で面白いネタを記事に書けば、それも捕捉されるであろう事は必然でした。

これが2004年末、明けて新年2005年1月1日から始まる「連続記者ブログ炎上事件」の第一幕「midnightpax記者編」の始まりです。私が火を付けたようなもの・・・でも私が紹介しなくても他の誰かが気付いていたでしょうし、N記者の運命はどちらにしても同じだったでしょう。

この事件以降、「ブログ炎上」という用語がネット上に知れ渡りました。ちなみに第二幕「しがない記者編」(朝日新聞記者ブログ炎上)の仕掛け人は、この人です。

「くだらない話の余波」:切込隊長BLOG(ブログ)〜俺様キングダム

この事を小倉秀夫弁護士に「民主主義の敵」とまで評された切込隊長・山本一郎氏ですが、今では対ひろゆき裁判の弁護を小倉弁護士に任せている状況というのも、時が経つのは早いというかなんというか。


以上が、私と「カレーとご飯の神隠し」との出会いです。当時彼が「超高校生級ブロガー」と称されるようになった記者との議論を、もう一度読み返してみる気になりました。

【案内 特集記事まとめ:カレーとご飯の神隠し

この記事の「記者との議論」の部分です。記者を論破していく高校生。その高校生がこれから大人になって、どのように成長していくのだろう? とても楽しみです。
23時11分 | 固定リンク | Comment (36) | 議論 |
2007年05月01日
特に2chに限った話ではありませんが、インターネット上の掲示板等で議論を交わすときには、きちんとした情報ソースを提示することが重要な事だといえます。

「嘘を嘘と見抜けないと使うのは難しいですね」 byひろゆき

だからこそ、「情報ソース至上主義」という考え方が生まれました。流言蜚語が飛び交う場所だからこそ、証拠の提示が重要となります。近年この考え方がもっとも強かったのは、実は2chのハングル板でした。2chでのソース至上主義の発生地とされ、それはこの掲示板のモットーであり、代名詞でした。(ハングル板 - Wikipedia

ところが日韓サッカーW杯と北朝鮮拉致事件により急激に人口が多くなったハングル板では、そのソースが文献や報道機関ではなく、何処そこの掲示板のスレッドでこう書かれていたと、掲示板に書かれていたことのみでソースとする人が増え、それを信じてしまう人が増えだし、それはニュース速報掲示板や外へ向かって広まっていく事が始まったのです。

そのハングル板の変質が始まった初期段階で、以下の二つのデマがまことしやかに唱えられていました。


・『韓国がF-16のブラックボックスを割り、コピーして輸出しようとした』
・『朝鮮戦争の勃発原因は、韓国軍が対馬侵攻の為に戦力を南部に集中した為』


私は当時、このデマの流布を食い止める為に現場で間違いを指摘し続けました。また消印所沢氏の軍板常見問題でも、このデマを否定するFAQがすぐに載せられています。




 【質問】
 2chニュース速報板で,「かつてF-15だったかのブラック・ボックスを勝手に複製して売り捌こうとしたとか言うので,えらくアメさんが御立腹だった話があった」と,まことしやかに語られております.
 どうも該当記事等見当たりません.
 これはガセネタなのでしょうか?

 【回答】
「韓国がF-16をコピーして輸出しようとした」
というデマがありましたが,そのことではないでしょうか.
 言っておきますが,この話は根も葉もない噂に過ぎません.

 ブラック・ボックスと言っても,本当に黒い箱が入っててシールで封をしてあるようなものではなく,実際は機体のフライト・コントロールのソフトウェアの事です.
 物理的なシステムで,開封と再密封の偽造を行われたらマズイ様なモンは輸出しませんし,ソフトウェアの類は解析だけでも無茶苦茶難しい上に,仮に解析して同じシステムをコピーできるなら,それはもう自力で同等の能力のソフトを開発できるような技術が無いと不可能な話なんで,こういう形のブラック・ボックスの輸出は行われております.



 【珍説】
 戦後,韓国政府が日本の対馬に侵攻するため,軍を南下させて侵攻の準備をした.
 これにアメリカが激怒,朝鮮半島の防衛を拒否してアメリカ軍を朝鮮半島から撤退させた.
 これが原因で,朝鮮戦争が勃発した.

 【事実】
 朝鮮戦争勃発時には,韓国軍には第1,2,3,5,6,7,8,そして首都師団がありました.
 その内,38度線付近に配備された師団は第1,6,7,8,首都師団であり,予備が第2師団,南部に配置されたのは第3,第5師団のみです.
 日本侵攻など行える戦力配置ではありません.

(軍事板)


 また,児島襄「朝鮮戦争1」(文春文庫)によれば,
「韓国軍八個師団のうち,三八度線に配置されている五個師団には定数のM1小銃,カービン銃が支給されているが,後方の三個師団の主要銃は旧日本陸軍の九九式小銃である.
 火器の一五%,車両の三五%が老朽化し,弾薬,燃料の備蓄は戦時必要量の一〜二日分しかない」
という状況だったそうです.
 これでは侵攻作戦など……

(極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS)



私は初動の段階でこのデマの流布を食い止める事に成功したと考え、安心していました。ところがその考えは全く甘かった事が、最近になって分かりました。



韓国ってたしかブラックボックス開けて
アメリカの逆鱗に触れたんじゃなかったでしたっけ?

二ヶ月前、某所でこのような発言を目にした時は、我が目を疑いました。しかもそれは見ず知らずの人ではなく、mixiでのマイミク関係の人だったのです。

デマは叩き潰せていなかったのです。根絶する事が、出来ていませんでした。

『2chソース』

ただそれだけでこのデマは、数年もの間、生き続いていた事になります。

こういった場合、どうすればこのデマを根絶できるのでしょうか。デマの流布を食い止めるには、デマを流している大元を叩き潰してしまう事が手っ取り早いのです。しかし発生源が書籍や個人サイトではなく、不特定多数が利用し、さまざまな利用目的のある掲示板では根本から叩く事が出来ずに、流されているデマへの逐次対処しか出来ませんでした。

やはり結局のところ、情報ソースが確認できないものは安易に信じ込んだりしない、という事を皆が認識し合っていかないと、いけないのでしょうね。



【追記】
 【伝説】
 北アフリカ戦での一こま。
 ドイツ軍に隣の戦区のイタリア軍から
「水が不足して戦闘不能になりそうだ! 至急水の救援を!」
って要請が来た。
 ドイツ軍が急いで水を運んで行ってやったら、イタリア軍は将兵総出でパスタを茹でる準備してて
「よかった、これでパスタが茹でられるよ」
と言って、ドイツ軍を唖然とさせたことがある。

 【事実】
 う〜ん、まあ、話としては面白いのですが、それは都市伝説の一種で、イタリア兵も最前線では食事と言えば缶詰めレーションがほとんどでした。

 イタリアはドイツ軍ほどフィールド・キッチンの配備が進んでいなかったので、暖かい食事は兵舎以外はなかった様で、当時の記録を見ても、砂漠の真ん中での食事は、レーションも配備されていましたが補給が滞り、わずかな牛肉缶詰めの配給とビスケットと水だけです。


イタリア軍パスタ伝説がデマだった事は、何だか(´・ω・`)ショボーン
09時34分 | 固定リンク | Comment (217) | 議論 |
2007年04月26日
・・・なんだこりゃ。苦笑するしかないなぁ。


記者の目:石原・都知事の阪神大震災発言=小園長治(豊岡支局) [4/26 毎日新聞]
もっとも、石原知事ならご存じだろうが、自衛隊は、自己完結型の出動が鉄則だから、出動準備に数時間はかかり、大規模になればなるほど、現場展開までに時間を要する。だから地震発生直後から、自衛隊の災害派遣部隊が組織だって救出活動にあたるというようなことは困難で、期待してはいけないのだ。

小園記者の「石原都知事の言う2000人という数値に根拠は無い」という主張は正しいでしょう。しかし上記引用部分の認識は、間違っているとしか言いようが無いですね。

海外の被災地に救援に行く訳でもない、基地のある地元の部隊が地元へ行う災害復旧支援に、なんで自衛隊だからという理由で時間を要する事になるのだか分かりません。「自己完結型の出動が鉄則」って、一体誰に聞いたのですか? この主張自体が意味不明です。

言葉の意味も理解せず、「自己完結型」って言ってみたかっただけのようにしか・・・

結局、小園記者は「自衛隊に期待してはいけないのだ」と結論付けたいようですが、その主張の根拠が勝手な思い込みにしか過ぎないようでは、石原都知事の2000人説を批判する資格があるとは思えません。


【追記】
コメント欄での指摘によると、2000人とする根拠はあるみたいです。


【追記】
自己完結型についての詳しい説明は以下の通りです。



・・・なんですぐそばのご近所さんを助けに行くのに、自己完結型の装備を準備してからじゃないと出動できないとか、無茶苦茶を言うワケ?

自己完結能力が必要とされるのは遠くからの増援部隊に対してであって、地元の部隊は消防や警察などと一緒にすぐ出動できるだろ。

>自衛隊は、自己完結型の出動が鉄則だから、出動準備に数時間はかかり

馬鹿過ぎる。

例えばもし北朝鮮の特殊工作員によるテロ攻撃が市民に対してあって、即座に応戦する必要があるというのに、自衛隊は一々数時間も掛けて出動準備をするのか? 出動命令が降り次第、現場の近くにあるすぐ動ける部隊をなるべく早く投入するに決まっている。

この記者は簡単な想像力も無いのか。それとも最初に結論あり気で、馬鹿な事を書いてしまったのか。

自衛隊には自己完結型行動能力がある。だが「自己完結型の出動が鉄則」などという決まりは無い。出来る事と、しなくてはならない事とは、意味が違うのだ。
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年04月27日 01:21:58

というわけでポン吉さんのような指摘は、「軍隊の基本」という意味を誤解しており、的外れです。自己完結型とは能力の基本ですが行動の基本ではありません。
23時59分 | 固定リンク | Comment (407) | 議論 |
2007年04月14日
補完計画というより保管計画でしょうか。ネット上その他でのホホイ語さん及びその眷族のコメントを回収する計画です。当ブログでは既に連載シリーズの序章で「おおやにき」「Because It's There」「Letter from Ceylon」でのコメントを紹介済みです。「眷族」としたのは、回収目標の別名による投稿の疑いが濃いものの証明ができない場合も含める為です。当ブログではIPチェックにより自作自演行為を証明できましたが、doblogのようにコメント投稿者のIPがチェックできない所もあるからです。その場合、眷族には単なるファンの応援投稿が含まれる場合があります。

doblog「Letter from Ceylon」の匿名発言統計によると、「戦記ファン」「吾輩は茶帯である」「サッカー不安」「勇敢富士」「扶桑社・佐藤」などが眷族に該当すると見られています。「Letter from Ceylon」での本人の初登場はブログ主の FRANK LLOYD 氏が「日本で確実に進行中 階級社会の恐怖」の書評を行ったことから始まります。初登場は2006年4月19日及び4月20日、本人名義での書き込みはこの二件だけです。その後、7月まで眷族と見られる来訪は続いています。

「戦記ファン」コメント集
「吾輩は茶帯である/黒帯になりたい」コメント集
「サッカー不安」コメント集
「扶桑社・佐藤=勇敢富士」コメント集

それでは FRANK LLOYD 氏が纏めておられるコメント集より、注目すべきものをピックアップしていきます。(なにしろコメントが多すぎるので全ては紹介できません)



[ 戦記ファン ] [2006/04/27 11:50]
林信吾さんの本は、50册くらい出版されてます。
一時帰国して、まとめ買いしたらどうですか。
特にすごいのが「真・大東亜戦争」(全17巻)という小説。
日教組御用達の教科書でどうのこうのなんて、
なにも知らずに書いたアナタ、とても恥ずかしいです。
レスしたのは、案外、本人じゃないかと思います。
ワルと兵器で「バカ」とか書く人ではありますので。
戦史や日本史にも詳しいし、少林寺拳法の黒帯だし、
どのみちアナタがケンカして勝てる相手じゃないとおもいます。

[ 戦記ファン ] [2006/06/05 11:02]
久し振りですな。
林先生が、日刊ゲンダイで、格差問題についての連載をはじめました。
その中で、
「日教組御用達の教科書で育つと、林氏みたいなにんげんができるんでしょうか」
などと書いた馬鹿ブログの話題がありました。
アナタのことでしょうか。
おめでとうございます!
誰からも認められない糞ブロガーから、国民的笑いものへと、
一挙に大出世じゃないですか。
林先生に、御礼の手紙でも書いたらどうですか。

[ 勇敢富士 ] [2006/06/11 10:17]
林信吾、ねえ。業界屈指のケンカ好きとは聞いていたが、素人のブログにまで乱入するとは。よほど虫の居所でも悪かったかな。
本名を名乗ってるコメントは、まず間違いなく本人だな。
相手を最初から見下げて、ズバッと斬るようなことを書く。それを痛快と受け取る読者もいるわけで、言わば彼の芸だな。
それに引き替え戦記ファンの方は、ねちねちと慇懃無礼な書き方をしてる。これは全然、同一人物とは思えない。
おそらく、林のケンカを自分のケンカにしてしまってるんだな。よくあるファン心理だ。
ところで、なんだってまた林信吾にケンカを売ったりしたんだい?

[ 勇敢富士 ] [2006/06/18 10:55]
なるほどね。海外に長くいるし、林信吾についてなにも知らなかったわけか。
中央公論社から何冊か本を出してたんだが、あの読売のナベツネを手厳しく批判して、中公が読売傘下になった時、版権の移転を拒否して有名になった。
林望みたいなイギリスびいきとか、「戦争論」の小林よしのりなども、クソミソにやっつけている。もちろん、名指しで。
今時みんな、ケンカはしたくない、という風潮なのだが、林はその点、ケンカ好きと言われようが、作家としての存在を賭けて言論戦を展開する男であることは確かだ。
これに引き替え、ネットで書く人達は、自分はなんのリスクも背負わずに、誰かを名指しで批判できるからね。君自身、本名や出自は明かしていないわけだし。
林の肩を持つ気もないが、多分、そのへんが腹立たしかったんだろう。それにしても、バカとまで言われたんだから、たしかに痛み分けだな。

[ 勇敢富士 ] [2006/06/18 11:01]
それはそうと、どうして林信吾と戦記ファンが同一人物だと思うのかな?
まさか、自分のブログの悪口書く人間なんて、林くらいしかいない、などと思い込んでるわけじゃあるまい?
それこそ林の著作を読めば分かるが、戦記ファンとは理論の水準が全然違うよ。
読め、とお強要する気はないがね。
それに、今の林の売れ方だと、おそらく400字あたり1万円くらいの稿料はとってるだろう。1円にもならない書き込みを、こんなにしつこくやるとは思えない。
本人も、付き合うヒマはない、みたいなことを書いてたじゃないか。
戦記ファンへ→このブログに、マスメディアで活躍する人間に対する、屈折した感情が読み取れるのは確かだ。けど、格が違うと言ったって、プロと素人じゃないか。
イソップの狐だとか、ミもフタもないこと言いなさんな。可哀想だよ。

[ 勇敢富士 ] [2006/06/21 14:14]
ああ、そうそう。
林信吾の最近の言動に興味がわいたので、業界の情報を集めてみたんだが、彼は今ドイツにいるらしいよ。サッカー・フリークだからねえ。
それにしても、ブログの敵を日刊ゲンダイで討ったとは、呆れた話だ。
木刀構えて粋がってた程度の相手に、ミサイル撃ち込んだようなもんだよ。この点では、君に同情するわ。
戦記ファンがしつこく「書き手としての格」というが、これは「書いた文章が持つ影響力」と「文章表現力」を混同してしまって、こんな表現になったんだろうな。だから俺は、プロと素人の「格」を比べても仕方ない、と言ったまでのこと。
俺は無責任な傍観者だが、自分の言論にあくまで責任を持つ覚悟があるなら、実名で書くべき、というのも、ひとつの見識であると思うが、どうかな?

[ 勇敢富士 ] [2006/06/23 17:39]
ああ、そうだ。実は、戦記ファンの正体については、俺も疑念を抱いていた。
こういった、言っちゃ悪いが注目度が高そうには思えないブログが、批判された作家本人と、その熱狂的ファンに、相次いで読まれるなんてことがあるか、とね。
同一人物説は、俺はとらないが(理由は、前に書いたよな)、戦記ファンは、案外、林の身近なところにいて、舎弟気取りの若いライターとかじゃないかな。
林くらいになると、こういった若い者がいても不思議じゃない。林自身、かつては猪瀬直樹に目をかけられていたわけだし。で、代理戦争を買って出たんじゃないか、と。
そりゃそうと、評論家風の文章より、香港の日常とか、そういったブログを書いてみる気はないの?俺は、そっちの方が読んでみたいなあ。


[ 扶桑社・佐藤 ] [2006/06/29 13:12]
前略。今まで「勇敢富士」を名乗ってコメントしていた者です。
まずは、謝罪します。最初から意図したことでないとは言え、匿名で貴殿をテストするような結果になってしまいました。林信吾を叩けるような書き手がいたら面白のに、などと考えていた矢先、偶然このブログがヒットしたもので。
ネットにおける匿名・実名論争は、それなりに楽しめましたが、私の真意は、貴殿の表現力、論争術、挑発に対応するセンスetcといったものを見極めることにありました。
そして、残念ながら「駄目だ、こりゃ」と言わざるを得ませんでした。
林信吾には到底太刀打ちできないばかりか、そもそも活字にすべき水準に達しておりません。
黙って去ったのでは、またぞろマナーをとがめられかねませんので、コメントの意図を明かした次第です。悪しからず。


[ 扶桑社・佐藤 ] [2006/06/29 13:17]
私が読んでみたいと思った、香港の日常・身辺雑記は、別のブログで書いているわけですか。
本当に、書くことがお好きなのですね。
そうであればなおのこと、文章を書くという行為に対して、もう少し謙虚になるべきだと思います。特に、ネガティブな反応にどう斬り返すかで、書き手の度量が分かります。
戦記ファンにまで、悪ふざけはやめろ、などとたしなめられるようでは……
もちろん、最初に乱入してきた「林信吾」にも問題はありますが、日刊ゲンダイでこのブログをからかった、というのが本当ならば、あれはあれで、名刺代わりだったのかも知れませんね。
要は、いかに乱暴な表現でも、プロレス的なスタンドプレーなのか、本当に逆上してしまっているのか、ということです。

[ 佐藤です。 ] [2006/06/29 13:19]
貴殿のエントリーを読むと、勉強好きであることはよく読み取れます。
また、海外生活が長く、理系の教養があるというのは、大いなるアドバンデージです。
今後の精進に期待して、私のコメントを終わらせていただきます。
非礼の段は、重ねて陳謝します。

[ さ、佐藤さん! ] [2006/06/29 17:46]
これはきつい。いや、久々の笑撃でした。マジで、戦記ファンは腹の皮をよじって討ち死にするところでした。
そうだったのかぁ、なにげに業界っぽいこと言ってるな、とは思ってたけど。
……あ、なるほど。HNで気づけよ、って話だったんですね。
夕刊フジは日刊ゲンダイとはライバル関係。扶桑社は同じフジサンケイグループの出版社ですもんね。そうでしたか、いやはや。
それにしてもご老体、なんにも知らんと、中学生並みの語彙だとか、才能のない者の努力は虚しいだとか、天に向かって唾吐いちゃいましたねえ。
もはや収拾がつきませんな。
ご冥福をお祈りします。

[ 佐藤さん、無茶っす! ] [2006/06/29 17:52]
そりゃそうと、佐藤さん。
彼を試してたって、もしかして、なんですか?この無知でひがみっぽい熟年ブロガーを、夕刊フジあたりのライターに取り立てて、林先生のネオ階級社会論を叩かせてみようとでも?
冗談は吉岡美穂、正気のサタデーナイトにアクセルホッパーでしょう。
彼が林先生にしつこく噛みついた理由なんて、どだい作家とかジャーナリストといった肩書きに対するやっかみだけですよ。私は、最初から気づいてました。
「駄目だ、こりゃ」まで、時間がかかりすぎてやしませんか?
見ててご覧なさい、そんな過当なメディアに書きたくないとか、すねちゃいますから。
とかなんとか言いつつ、毎日新着コメントをチェックしてる私って……
虚しい…顔文字。ワンパターンですね。

[ 日本語ファン ] [2006/07/02 14:09]
相変わらず、コメント来ませんねえ。林先生の名前が乗らない限り、誰も注目しないことがよく分かります。仕方ないから、カキコしてあげましょう。
アナタ、恐ろしいことを言ってますよ。
娘をどこの学校にやろうが、そりゃあアナタの勝手ですがね。娘が日本語を覚えると、喫煙とかミニスカート、援助交際と言ったカルチャーがなだれ込むとは……
ここまで日本語と日本のカルチャーに対するひどい侮蔑を、あまり聞いたことがありません。
そんなアナタは、日本語で日本社会に対して物言いをする基本的資格を、どうして自ら放棄しないのですか?英語でなにか発言しても、白人社会の仲間に入れて貰えないからですか?私には、差別に対して黒帯の実力で立ち向かった某先生の方が、恣意団立派に思えます。脱糞してお休みなさい。

子供でも「あ、成り済ましだ」と分かるような、あまりにも痛々しい工作活動で、涙が出てきますね・・・この時「Letter from Ceylon」での撤退作戦がまがりなりにも成功したのは、単にIPチェックができなかったdoblogというブログサービスに起因するものです。この時に正体が暴かれなかったからこそ、数ヵ月後に当ブログで串も刺さずに工作活動を行ったのでしょう。こういうことをしても大丈夫なんだと、勘違いしちゃったんでしょうね。でもSeesaaはコメント投稿者のIPが記録されますので・・・。

「Letter from Ceylon」に登場した本人名義の書き込みは、日刊ゲンダイで「Letter from Ceylon」の話題が紹介されたということで本人確認が為されています。これは最新著作「ネオ階級社会を待望する人々」の著者後書きで「おおやにき」の件が紹介されたことと同じパターンですし、当ブログで潮匡人との対談が週刊朝日に載るという予告とも似ています。その後「Letter from Ceylon」での本人名義以外の支援投稿の数々も、当ブログでの「関係者ですよ」と名乗る自作自演パターンと似通っています。また、夕刊フジや扶桑社など自分と敵対する対象に罪を擦り付けるパターンも、nomad氏の「●林信吾の壮絶なる最後の瞬間」に登場した「林望」名義での書き込みと同じ行動様式です。



他人の褌で相撲取ってんじゃねえよ、ヴォケ。しかも、左だの右だのと政治ごっこかよ。

内弁慶のネットごっこ。どうせ現実社会へ戻ったら、ただのもやしっ子だろう。

大衆迎合で楽しいか?

あーあ、アホらしい。しねや雑魚。
Posted by: 林望 | 2007年03月25日 00:29

この書き込みは本物の林望氏に直接聞いた結果、偽者と判明しています。一体何者が、どういった理由で騙ったのか・・・考えるまでも無いでしょう。何もかも「Letter from Ceylon」で昨年4月から7月にかけて行われたことの、再現なのです。

私は連載期間中、このことを詳しく紹介しませんでした。それはdoblogではIPによる照合が出来ず、自作自演と断定できなかった事もありますが、何よりも逃げられる事を警戒していた為です。今回の一連の騒動は、ほぼ予想の範囲に収まっていました。それは当然です、過去の先例と同じ足跡を辿るようなものだったのですから・・・。
22時17分 | 固定リンク | Comment (94) | 議論 |
2007年04月13日
テクノバーン・・・またですか?


テクノバーン大誤報:Kojii.net ココログ別館
テクノバーンが、大誤報をやらかしました。なんと、意味を正反対にしてしまっています。

以前から翻訳記事の間違いが多く、顔を顰めていましたが、まさか意味を正反対に取って記事を垂れ流すとは・・・これは酷い。この手の間違いを何度やっても直らないんですね。写真付き記事は興味深い記事も多く紹介されているのですが、常に英文の元記事を確かめて、自分で訳して見比べないと使えないというのは面倒です。

参考までに今年の1月初頭に、当ブログのコメント欄で交わされていたテクノバーンに関する話題を以下に載せておきます。


【Xバンドレーダー】FBX-T2号機、米ミサイル防衛局に納入。早速、日本に配備の打診。あと朝日新聞の印象操作記事。(コメント欄より)

F-117「退役」記事
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200611201521
とU-2の記事が「見つかりませんでした」になってるんだがw
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年01月03日 00:53

生まれ変わったU-2偵察機のコックピット
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200612212001&ts=98f9ea0e0c5f1ad0d80ff0bc0f3042b1d87755b1
>ERR: 該当記事( 200612212001)は見つかりませんでした。

さっきまであったのに! 担当者はここを見ているのか?
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年01月03日 01:01

カテゴリー「航空機」からも消えている。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?category=%B9%D2%B6%F5%B5%A1
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年01月03日 01:02

・・・というか以前はカテゴリー「軍事技術」っていうのがなかったっけ?それ自体が消えている。

もしかして担当者が粛清されちゃったのか・・・
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年01月03日 01:15

テクノバーンは、結構カテゴリ変更やってるよ。
しっかし、あれだけアホな誤報やってりゃねぇ。
いい加減にして欲しいよ。
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年01月03日 11:22

大丈夫。井上さんの記事「テクノバーン大誤報」を見る限り、担当者さんは粛清されてないよ。だって同種の間違いをまたやってしまっているのだもの。
19時46分 | 固定リンク | Comment (24) | 議論 |
2007年04月08日
2月25日に「序章」を書き始めてから一ヶ月以上続いたこのシリーズも、そろそろ終わりにする事になりました。

「林信吾:反戦軍事学」(2007/02/25〜2007/03/11)
「林信吾:反戦軍事学」(2007/03/16〜2007/04/08)

このエントリーを含めて20エントリー、連載期間43日。思ったよりも大長編になってしまいました。本来ならば3月19日の「自作自演暴露編」の時点で大勢は決し、数日間を置いて纏め記事を書き上げ終わらせるつもりでした。元々の計画では10日以内に目標を誘出、状況(来訪編)開始後10日で決着をつける予定だったので、スケジュール的にはギリギリながらもほぼ予定通りだったのです。エントリー数も他の人の書評紹介を除いて、ちょうど10個に収めるつもりで組んでいました。

ところが「書評を続けて欲しい」という声が思いの他多く、また潮匡人氏との対談が週刊朝日に載るまではと、暫く続ける事となりました。その為、連載期間は当初予定の倍、エントリー総数も倍となり、少し冗長に過ぎたかもしれません。

私は本題を、自分の主張したいことを真っ先に言う癖があるので、実は「反戦軍事学」について言いたい事は「徴兵制編」で全て済ませていました。他にも突っ込み所が沢山あるのは分かっていましたが、私でないと・・・というより、私が言わなければならないのはあの箇所であると、そう思いました。それは単なる思い込みなのかもしれませんが、徴兵制シリーズの作者としても、義務であると思ったのです。イラク戦争での負傷兵人種別統計を知らしめるよい機会でもありました。実はこれとは別に、その後の論戦に備えて某シンクタンクの報告書を敢えて紹介せず、温存していたのですが、それを提示する機会は遂に訪れませんでした。

こうして3月中盤に決着を付けて、その後の2週間は書評を続け、週刊朝日に対談が掲載されるのを待ちました。掲載直前に独自に情報を得て「公開予定日編」を投入し、その後に2回を費やして対談の様子を紹介。そうしたら今度は「オーバーキルだ」と言われてしまいました。ですがこれは3月7日の時点で林信吾さんご本人が宣言していた以上、不可避な結果です。私にはどうしようもありません。(「書評を続けろ」と言ったり「やり過ぎだ」と言ったり、皆さん勝手です。いやいいですけど)


私の「反戦軍事学」に対する書評は、今まで書いてきた分量は全体に対してまだ三分の二も行っていません。この本には徴兵制とは別に主題があり、核武装論や靖国神社なども主要テーマに挙げられています。しかし靖国問題などは軍事学の領域ではなく、宗教問題ですらなく、政治の領域となるべきものです。林信吾氏は「これだけ書き込みがあって、小林よしのり氏や上坂冬子さんを擁護する人間が現れないのは、どういうわけだ?」と不思議がっていましたが、それは当たり前のことです。

軍事屋にとって小林よしのり氏は問題外の存在であり、上坂冬子氏に至っては存在すら全く認知されていないでしょう。彼らは軍事的に語れるものを何も持っていないのですから。小林よしのり氏に至っては著書で軍事的な間違いばかり繰り返しています。私は(コメント欄の人達も含めて)、軍事的な解説を行おうとしています。軍事学を名乗る本を、軍事的に書評する。ならば軍事以外の問題は扱いません。

「反戦軍事学」は、第三部上級編、第四部応用編から軍事学という代物ではなく、他人を批判する批評本となっており、軍事というものを体系的に解説する努力を放棄しています。まだ関係あるとすれば核武装論についてくらいですが、それですら批判対象の実態を大きく歪める手法を用いており、シャドウボクシング(最近では藁人形論法とも言うらしい)をしているだけにしか思えませんでした。



『その日本において、軍事問題や核問題に関する議論のレベルが、これほどまでに低く、およそ軍事常識を無視した「徴兵制復活論」「核武装論」等々が幅を利かせているという事態は、私には不可思議で仕方ない」』 p142〜p143

徴兵制については既に指摘済みですが、核武装論についてもおかしな話です。日本では今まで核武装論は唱えることすらタブーだったのが、唱えるだけなら排除されないという状況に変化しただけで、核武装論が幅を利かせるような事態にはなっていない筈です。(実際に近年の各種世論調査では、「議論は容認」すれど「核武装には反対」という勢力が最も多いという調査結果になっている)私自身も「議論は容認、その上で反対」という立場です。



『手元に、『ニッポン核武装再論』(兵藤二十八著 並木書房、二〇〇四)という本がある。

再論と題されているのは、あとがきによれば、以前から『諸君!』や『SAPIO』といったメディアで、「こうすれば日本の核抑止は現実的になる」といった話を一通りしているからだそうだ。

実際、この人は「軍事学者」を自称していて、いわゆる軍事オタクの間ではカリスマ的な存在である。インターネットで核武装論を展開している人は、この本から影響を受けている例が少なくないという。

と言うことは、この本に展開されている議論を粉砕してしまえば、巷の核武装論も、少しはおとなしくなるのだろうか』 p143

これは兵頭二十八氏に対する林信吾氏の評価ですが、嘘です。兵頭氏が軍事オタクの間でのカリスマ的存在だなんて、聞いたことがありません。これは批判対象を実体より遥かに大きく見せ、それを論破した様に見せて、読者を騙す行為です。

そして元々私は核武装論について上記で示したようなスタンスですから、もう何も語るべきことはありません。後はAmazonの書評を参考に、この本の評価を判断して下さい。




表紙裏表紙書籍の詳細
表紙裏表紙

反戦軍事学
朝日新書: 021
著者: 林信吾
出版社: 朝日新聞社
新書: 242ページ
発行日: 2006/12/30
価格: \756(税込)
ISBN: 9784022731210

Amazon.co.jp
23時58分 | 固定リンク | Comment (158) | 議論 |
2007年04月06日
それでは4月3日火曜日発売の週刊朝日4月13日号、対談企画「なぜいま「軍事学」の時代なのか 『反戦軍事学』林信吾 ×『常識としての軍事学』潮匡人」の感想を書いていく事にします。

それでは先ず最初に目に付いたのが170ページの三段落目。テーマは、日本国民に軍事的知識が欠けている事について。



『戦後民主主義教育の中で、自衛隊は発言権を奪われた状態でした。その一方で日教組と朝日新聞を中心とした勢力に、一貫して差別され、批判されてきたという思いが、制服組にはある。学校の教師に親が自衛官だというだけで悪く言われたり、成人式に参加できなかったり、転入届が受理されなかったという経験をしてきている』

『それは問題ですが、日教組や朝日新聞がそれほどまでに世論を動かしていたかは疑問です。むしろ政府自民党の方が、冷戦構造の中でアメリカの軍事力を下支えする自衛隊、という構図を見えにくくするために、意図的に国民から遠ざけてきたのではないでしょうか』

林信吾さん、朝日新聞をフォローするつもりが「朝日新聞の影響力なんて大したことない」と、逆に酷い事を言っちゃっています。それはちょっと朝日新聞さんが可哀想な気がするのですがどうなのでしょうか。

さてこの「政府自民党が意図的に国民から遠ざけてきた」という主張に類するものを、林信吾氏は他の場所でも既に行っています。


【著者インタビュー】「反戦軍事学」林信吾氏 [1/17 ゲンダイネット]
今、憲法改正や自衛隊軍隊化を目指す連中が一番怖いのは、国民が軍事に関する正しい知識を持ってしまうこと。ならば私はぜひ皆さんに正しい軍事知識をお届けすべきだろうと、この本を書いたわけです。

どうもこの主張は林信吾氏の持論のようですが、「反戦軍事学」という本自体に誤った軍事知識が山のように詰め込まれている以上、まるで説得力がありません。それに「連中が一番怖いのは」とする根拠が何も示されていません。「政府自民党が意図的に国民から遠ざけてきた」という主張にしても、何も根拠が語られていません。

これでは全く説得力が無いです。

そして潮匡人氏が「そうは考えません」と深く突っ込もうとすると、林信吾氏はこれに答えずに「話を進めましょう」と、無理矢理に次の話題に移っています。もうこのやり取りを見た時点でゲンナリしてしまいました。


これから中盤にかけての話し合いは、平行線のまま行われていきます。幾つかの箇所を抜き出して感想を書いてみましたが、特に意味があるとは思えないので載せるのは止めておきます。終盤までの流れの雰囲気は、前のエントリーの"みんなの声"を参照して下さい。


そして最後のページ(p173)の中ほどで、以下のような問い掛けが唐突な形で出されます。



『最後にぜひ聞いておきたい。潮さんは自衛隊のあるべき姿についてどう思いますか』

『理想の軍隊は英国です。理由は簡単です。英国にも日本にも、王族と皇族がいるからです』

こういう話題を振れば潮匡人氏がこう返答するだろう、という読みがあったのでしょう。これは常々、潮匡人氏が主張している持論なのですから。そこでイギリスに10年居た林信吾氏が、得意のイギリス論を駆使して迎え撃つという筋書きです。この対談で林信吾氏が仕掛けた「作戦」らしい作戦は、これくらいです。つまり、



折角だから、もうひとつだけ。
近々発売される『週刊朝日』に、俺と潮匠人氏との対談が載る。
「論戦」とは具体的にどうやるものだか、これでも読んで勉強しなさい。
Posted by 林信吾 at 2007年03月07日 22:11

この発言における「論戦とはどうやるものか」とは、まさにこの対談の最後の問答を指し示していると言えます。

しかしなんとこの一番肝心な部分が、致命的な間違いだらけで目も当てられない状況となっています。出典:週刊朝日4月13日特大号(4月3日発売)p173



『英国と日本では軍隊の存在感も違いますが、もっとも大きいのは軍隊の性格です。英国の軍隊のうち、空軍、海軍、海兵隊は「ロイヤル」の名を冠している。つまり王家の軍隊です。でも、陸軍だけは「ブリティッシュアーミー」という名称になっている。これは議会制民主主義を確立する過程で、国民ないし議会が王権と戦った歴史が背景にあって国土防衛にあたる陸軍だけは「国民軍」を名乗っている』

【事実】
林氏の言い分ですと、英国空軍、英国海軍・海兵隊は国王の私兵であるがごとくの言い分ですが、そんなコトはありません。大体、宣戦布告だけ行ったって、戦費の調達は議会の議決が無ければ行えないのですから。戦費の調達のみならず、平時の予算も議会を通さねばなりません。

王権そのものがクロムウェル死して後の王政復古により、議会が王へ保障した物であることを考えれば、議会に無関係に国王が軍をどうのこうのできるはずが無い。

この後、対談の中で潮氏に対して、「やはり潮さんの発想はどうも古い感じがする」と言ってますが、英国軍が国王の私兵であるかのような認識を持っている林氏は17世紀で止まってますね。

(ゆきかぜまる)




『英国の国王は、議会に諮らずに宣戦布告することができるし、麾下の空軍、海軍、海兵隊に対して解散を命じることすらできます』

【事実】
何十年住むより、ちゃんと資料読んだ方が有効ということですね。年の功より亀の甲。

以下英国大使館(日本語版)より。

『条約を締結する権限、宣戦布告と講和を行う権限、外国の国家および政府を承認する権限、領土を併合・割譲する権限は、女王の大権の下で『政府』が有しています』

(斜め下の山田 )



続々・ひたぶるにうら悲し (おおやにき)
というわけで、軍事からはじまった話のはずなのにイギリス研究のイロハの部分にまで疑いが及ぶという仕儀になった。そもそも組織が誰のものかを問題にするのに設置根拠たる法令でも予算でも人事でもなくて名前を根拠にするあたり、学部学生のレポート以下と評価するべきだろうか。なんかもう「うら悲し」というか、どうにもならん話だな、という感想で終わる。どっとはらい。

・・・林信吾さんからイギリス論を取ったら、一体何が残るのでしょうか? これはちょっと悲しすぎます。
02時07分 | 固定リンク | Comment (132) | 議論 |
2007年04月05日
さて、「対談公開予定日編」で予告したとおり、4月3日火曜日発売の週刊朝日4月13日号に林信吾氏と潮匡人氏との対談、

「なぜいま「軍事学」の時代なのか

『反戦軍事学』林 信吾 ×『常識としての軍事学』潮 匡人」

上記の記事が掲載されていました。この事と「本人確認&自作自演暴露編」を併せてご覧頂ければ、一連の林信吾名義での書き込みが全てご本人であることが確定された事と思います。

なお、当ブログでの林信吾さんの書き込みは、以下の3月21日のものが最終となっています。



まあ、こんなもんでしょう。
ネット中、大爆笑。でも世間一般では誰も気にしていない。
ネットの破壊力がどんなもんか、数日様子を見てみたが、大先生も業界もビクともしてません。

木曜夜にコメント(いわゆる勝利宣言)書いてから、なんか虚しくなった。こんなん相手にしてるヒマに、少しはまともな本でも読めたのに……
そこに、あの大見得だ。
「私を理論的に打ち負かせば、ネット上で箔が付きますよ」
笑った。つまり、こういうことだ。
「たとえJSFが林信吾をギタギタに論破しようとも、それはネット上という、いわばバーチャルな世界の出来事に過ぎず、現実世界の作家活動にはなんの影響も与えない」
……だろ?
それなら、乗りかかった船で、もう少し盛り上げてやろうか、ってんで、「突然のヘタレから自爆」というシナリオを、自作自演。
皆さん、ハマったでしょ?
「これがケンカに勝つテクニックですか」
などと、鬼の首取ったようにヨロコブJSFの姿が、目に浮かぶようだった。
もっとも、自分のやってることがマスターベーションに過ぎないと、おそらくは死ぬまで気づかないのかと思うと、いささか哀れだが。

JSFよ、この理論が理解できるかね?
今ここにいる林信吾とは、あくまでも
「ネット上だけのハンドルネーム林信吾」
に過ぎず、『反戦軍事学』『ネオ階級社会を待望する人々』などの著者である作家・林信吾との同一性は、IPなどで証明できない。
それとも、本のどこかに「著者IP」が明記されているかね?
だから、「著者自身の言葉で(本の内容が)否定された」「著者に質問がある」などとは、全部独り相撲に過ぎなかった、ってこと。だって俺、著者じゃないから。

今日はお彼岸。
ネットだけが世界だと思っている亡者の皆さん、どうか成仏して下さい。
合掌。
Posted by 林信吾 at 2007年03月21日 08:30

林信吾さん、お疲れ様でした。

さてそれでは、「論戦とはこれでも読んで勉強しなさい」と言われたとおり、週刊朝日の対談の話を勉強の為に考察すべく、感想を書いていきたいと思います。先ずは私の感想は次回に廻すとして、既に読まれた方の声を紹介しておこうと思います。(また体調を崩してしまったので、取り敢えず"皆の声"で時間稼ぎお楽しみ下さい)

それでは以下は全て引用です。…続きを読む
04時29分 | 固定リンク | Comment (76) | 議論 |
2007年04月04日
それは知らなかった。


Because It's There:今日から「防衛省」が発足〜日本の防衛政策が転換する可能性も
>他人のサイトを安易に迷惑サイト呼ばわりするのは感心しませんね。

なにも「週刊オブイェクト」を貶めようというのではありません。こうして、無記名で文句をつけてくるとなると、通常、「荒し」と認定されてしまうでしょう。
「週刊オブイェクト」は、ただでさえ国の監視つきなのです。その読者が他のサイトで度々「荒し」をしていたら、本当に消滅してしまいますよ。良いサイトだったら、「荒し」は控えたほうがよいと思います。

2007/03/05(月) 21:55:58 | URL | 春霞 #Gu2JBjds[ 編集]


名無しで批判したら荒らし扱いという主張も論理的にまるで脈絡が無いのですが、私の所が「国家の監視つき」とか酷い妄想ですね・・・大丈夫ですかこの人。それに「国家の監視つき」なのはむしろ、過去に過激派を名乗り郵便局襲撃事件を起こした人物の方だと思うのですが。

>その読者が他のサイトで度々「荒し」をしていたら、本当に消滅してしまいますよ。
>良いサイトだったら、「荒し」は控えたほうがよいと思います。

単なる批判、批評行為は「荒らし」ではないので控える必要がないですし、ブログの読者が外で何をしようとそれ自体は「自己責任」です。ブログ主が責任を取る範囲を超えていますし、ましてやそのような理由でブログが消滅する事などありません。(楽天広場ですら有り得ない)また、仮に消滅したとしても直ぐに復活しますので問題ありません。(楽天広場時代が懐かしい)
23時17分 | 固定リンク | Comment (69) | 議論 |
2007年04月01日
皆さんは、先月3月7日に当ブログのコメント欄で、林信吾氏からこのようなコメントを頂いた事を覚えておられるでしょうか。



折角だから、もうひとつだけ。
近々発売される『週刊朝日』に、俺と潮匠人氏との対談が載る。
「論戦」とは具体的にどうやるものだか、これでも読んで勉強しなさい。
これも繰り返しになるが、著作をちゃんと読んだ上での批判は、俺は基本的に歓迎する。マチガイの指摘も、当然ながら歓迎。
そのことと、逐一答えるヒマがあるかどうかは別問題。今日はたまたま、出張明けだったので、このブログはある意味、ラッキーだったのかな。
Posted by 林信吾 at 2007年03月07日 22:11

注:「潮匠人」とあるのは潮匡人(うしお まさと)を誤記したものと思われます。

潮匡人氏といえば、「正論」2月号で林信吾氏の「反戦軍事学」を「朝日新書の“大冒険”」の例として痛烈に批判しています。その流れで朝日新聞社が設けた企画なのでしょう、潮匡人氏はアウェーに乗り込んで林信吾氏と直接対談を行います。これは是非とも要チェックです。二人の「論戦」の様子はきっと勉強になるでしょう。

ところが「近々発売」とあるのに、一ヶ月近く経ったこれまで載っていなかったので、何時頃掲載されるのだろう?と思うようになりました。しかしこういった対談形式の場合、対談が行われてから結構な日数が経ってから掲載されることはよくあります。編集者は録音したテープから文字起こしの作業をしなければなりませんし、週刊誌などでは時事ネタの方を優先的に取り扱い、速報性の優先順位が低いものは後回しになるからです。

そこで気になったので、林信吾氏の対談相手である潮匡人氏ご本人に直接連絡を取って見ました。メールの返事によると、二人の対談の様子は来週発売の「週刊朝日」に掲載される予定だそうです。ということは4月3日火曜日発売です。期待して待ちましょう。
02時17分 | 固定リンク | Comment (232) | 議論 |