このカテゴリ「政治」の記事一覧です。(全153件、20件毎表示)

2015年07月07日
回収騒ぎになった民主党の「徴兵制復活」リーフレットですが、一日経って結局こうなりました。

「徴兵制復活」の民主党パンフ 枝野氏「中身がいい」 一部修正し、拡大配布へ:産経新聞(2015年7月6日) 



民主党の保守系の議員、長島昭久氏などが差し止めようとして、結局は枝野幸男幹事長が押し切る形となっています。枝野幹事長(民主党憲法総合調査会長兼任)は以前から徴兵制に付いて誤った認識の発言を繰り返していました。

「集団的自衛権、必然的に徴兵制に」 民主・枝野氏:朝日新聞(2014年5月18日)
■枝野幸男・民主党憲法総合調査会長

世界の警察をやるような軍隊をつくるには、志願制では困難というのが世界の常識だ。従って集団的自衛権を積極行使するようになれば、必然的に徴兵制にいかざるを得ないと思う。(さいたま市のオープンミーティングで)

このような常識は聞いたことがありません。世界の警察をやっているアメリカは志願制軍隊であり、徴兵制ではないからです。そして前回の記事でも解説した通り、ドイツは海外派兵を積極的に行うようになって以降に徴兵制を廃止しています。「世界の常識」は、民主党・枝野幹事長の認識とは全く逆なのです。

今回は民主党内で間違ったリーフレットを差し止めようと自浄作用が働こうとして、結局は失敗したという残念な結果に終わってしまいました。
00時32分 | 固定リンク | Comment (491) | 政治 |

2015年07月04日
今の時代に現実味が全く無い徴兵制復活の恐怖を煽るような真似を、最大野党である民主党が行ってしまいました。

民主、安保法案反対のパンフ配布 子育て世代狙い:朝日新聞


激しい抗議を受けたのか、慌てて取り上げる方向になったようです。民主党公式アカウントのツイートも削除されました。

minnsyu.PNG
[保存していたキャプチャ画像]


安保法案リーフレット「子どもたちの未来のために・・。」:民主党

ただ、なぜ朝日新聞のせいにしようとしているのか分かりません。「民主党広報委員会」で作成したリーフレットである以上、責任は全て民主党が背負うべきものです。

民主党公式ページの言及は消えたようですが、ダウンロード用のPDFファイルはまだ残っています。 http://www.dpj.or.jp/download/22075.pdf

徴兵制とは基本的に総力戦争で必要になる制度です。海外派兵程度では必要ありません。その具体的な事例としてはドイツが挙げられます。ドイツは海外派兵を積極的に行うようになって以降に、徴兵制を廃止しています。

1999年、ドイツ連邦軍はNATOユーゴ空爆「アライド・フォース作戦」に参加。
2009年、ドイツ連邦軍はアフガニスタンで攻勢的な地上戦「オカブ作戦」に参加。
2014年、ドイツ連邦軍は徴兵制を廃止、志願制に移行。

徴兵制復活の恐怖を煽る方向とは全く逆の流れとなっています。
15時53分 | 固定リンク | Comment (105) | 政治 |
2013年07月21日
来月進水する平成22年度護衛艦(22DDH)に付いて、民主党の前防衛副大臣の長島昭久議員が以下のように述べています。



22DDHの予算を通した北澤俊美防衛大臣(2009〜2011)の出身地にちなんだ名前を艦名を命名してもらいたいという発言です。民主党は既に下野しているのでこの要求を通す権限は失われていますが、もしも民主党政権下であった場合はこのような要求が通っていたかもしれません。

この手の政治家による命名ゴリ押しは、自民党政権下の当時の金丸信防衛庁長官(1977〜1978)が護衛艦「しらね」で実際にやってしまった例が有り、金丸信の選挙区にあった白根山が護衛艦の名前に命名されています。「はるな」型の改良型なので本来は「こんごう」と命名される筈でした。また山中貞則防衛庁長官(1973〜1974)が74式戦車の制定の際に「山中式戦車」と命名するよう装備局に要請しましたが、こちらはあまりにも身勝手な話だった為に全力で阻止されて実行されていません。

こうも例が多いということは、命名ゴリ押しに付いて政治家は当然の権利であると思っている節が有ります。自衛官や国民から不満の声が出る可能性に付いて思い至って無いのでしょう。「しなの」自体は旧海軍の空母信濃を連想できる良い名前ですが、北澤議員自身がこのような要求をしたわけでもなく、長島議員の勝手な要望なのでしょうけれど、もしもこんな理由で命名された場合は「しらね」命名時のような禍根を生みかねませんでした。
20時52分 | 固定リンク | Comment (234) | 政治 |
2013年07月04日
エジプトで反政府デモを契機とする軍事クーデターが発生しましたが、以前からデモでレーザーポインターを使うのが流行していたようで、今回は万単位の群衆の一部が使用する事で何百本ものレーザー光が夜空を切り裂く事になりました。


Helicopter at Tahrir Square 30-6-2013

エジプト軍は装甲車で道路を封鎖し、上空にヘリコプターを飛ばしましたが、群衆は「軍が味方してくれる!」と大喜びで歓迎のつもりで何百本ものレーザーポインターをヘリコプターに照射しています。エジプト軍は夜間の飛行に暗視装備が充実しているアパッチ攻撃ヘリコプターなどを飛ばしましたが、いくら暗視装置が強い光を遮断する機能が有ると言っても、機体下部が緑色に染まるほど多数のレーザーを常時照射されてしまったら視界が不自由になりかねません。危ないなぁ・・・

妨害ではなく歓迎のつもりでレーザーを航空機に照射するケースが出て来るとは思いませんでした。アラブでこの歓迎が習慣化してしまわないように願います。
21時52分 | 固定リンク | Comment (53) | 政治 |
エジプトは1年前、「アラブの春」で立ち上がった民衆を軍が支持し、独裁体制だったムバラク政権を退陣に追い込みました。そして今、民主的な選挙で選んだ筈のムスリム同胞団を母体とするモルシ政権に不満を持つ民衆が再び抗議行動を起こし、軍は再び民衆を支持して介入。モルシ大統領は軟禁され政権は崩壊に追い込まれました。これではもう民衆革命と言えるものではなく、軍事クーデターそのものです。

そして今回、現地の様子を見ていて1年前と違う点に気付きました。戦車が出て来ていないのです。1年前の「アラブの春」ではカイロ市街に多数の戦車が姿を現していましたが、今回は全く見掛けていません。



POLITICO誌のホーンシェル副編集長によると、今回はエジプト当局が「戦車は出してない、兵員装甲車だ。」というアナウンスを行っていたとあります。



実際にM113装軌装甲車とファハド四輪装甲車は姿を見せていますが、戦車は出て来ていません。わざわざ「戦車は出していない」と説明するあたり、エジプト軍は政治的に戦車を出すのは拙いと考えている事になります。可能な限り軍事クーデター色を薄めたかったのかもしれません。

こういった状況では「戦車か装甲車か」を気にするのは軍事マニアくらいかと思っていましたが、今回は当局が気にしてメディアに説明するという事態になっています。戦車は来ていませんでした。



でも戦車おじさんは来ていました。(なんだこれ…
20時58分 | 固定リンク | Comment (85) | 政治 |
2012年12月01日
尖閣諸島は日本の施政下にあり日米安全保障条約の適応範囲である事は、これまでもアメリカ政府が何度も説明してきました。それに加えてアメリカ議会上院が、その事を法律に明記する事にしました。


尖閣防衛義務を再確認=国防権限法案に異例の明記−米上院:時事通信社
 【ワシントン時事】米上院は29日の本会議で、中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島について、日本の施政権下にあることを認め、「(米国の対日防衛義務を定めた)日米安保条約第5条に基づく責任を再確認する」と宣言する条項を、審議中の2013会計年度(12年10月〜13年9月)国防権限法案に追加する修正案を全会一致で可決した。
 国防権限法は国防予算の大枠を定めるもので、領土をめぐる他国同士の争いに関して米国の立場を明記するのは異例。法案全体は近く採決に付され、可決される。


2013年度の国防権限法(NDAA; National Defense Authorization Act)に追加される修正案の文章は、グアムのニュースサイトの記事で紹介されていました。

Senate Approves Webb Amendment to Reaffirm U.S. Commitment to Japan on the Senkaku Islands - Pacific News Center

The text of the amendment is as follows:

SEC. 1246. SENSE OF THE SENATE ON THE SITUATION IN THE SENKAKU ISLANDS.

It is the sense of the Senate that−

(1) the East China Sea is a vital part of the maritime commons of Asia, including critical sea lanes of communication and commerce that benefit all nations of the Asia-Pacific region;

(2) the peaceful settlement of territorial and jurisdictional disputes in the East China Sea requires the exercise of self-restraint by all parties in the conduct of activities that would complicate or escalate disputes and destabilize the region, and differences should be handled in a constructive manner consistent with universally recognized principles of customary international law;

(3) while the United States takes no position on the ultimate sovereignty of the Senkaku islands, the United States acknowledges the administration of Japan over the Senkaku Islands;

(4) the unilateral actions of a third party will not affect United States acknowledgement of the administration of Japan over the Senkaku Islands;

(5) the United States has national interests in freedom of navigation, the maintenance of peace and stability, respect for international law, and unimpeded lawful commerce;

(6) the United States supports a collaborative diplomatic process by claimants to resolve territorial disputes without coercion, and opposes efforts at coercion, the threat of use of force, or use of force by any claimant in seeking to resolve sovereignty and territorial issues in the East China Sea; and

(7) the United States reaffirms its commitment to the Government of Japan under Article V of the Treaty of Mutual Cooperation and Security that “[e]ach Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes”.


【関連記事】
(2010年05月08日)議会の承認なく動ける云々は別に海兵隊だけに限った話ではない
(2010年10月29日)米クリントン国務長官「改めてはっきり言うが、尖閣諸島は日米安保を適用する」
07時00分 | 固定リンク | Comment (534) | 政治 |
2010年11月07日
(2010/11/05)「尖閣衝突ビデオが流出」の記事コメント欄がSeesaaブログ表示限界の1000コメントに近付きつつあるので、この記事のコメント欄を継続して使って下さい。Seesaaブログのコメント欄は一度に表示できるのが1000コメントまでで、それ以上投稿すると最初の投稿から消えて行きます。その為、1000コメントが目前に迫って来たら書き込みを控えてもらう様にお願いします。
11時23分 | 固定リンク | Comment (621) | 政治 |
2010年11月06日
ベトナムのグエン・タン・ズン首相が「カムラン湾を外国の海軍が利用出来るように整備する」と発表、フン・クアン・タイン国防大臣がインタビューで説明しています。


国防大臣、カムラン湾を外国軍艦のサービス拠点へ:HOTNAM! News

 ASEAN首脳会議を終えてNguyen Tan Dung首相は、ベトナムはCam Ranh湾に、潜水艦を含めたあらゆる国の海軍船舶にサービスを提供する総合港を建設する計画があると発表した。この計画について、Phung Quang Thanh国防大臣に話を聞いた。

 Cam Ranhは現在軍隊の管理下にあり、湾は広く、水深も深く、多数の大型船を受け入れる能力があるが、ベトナムの船舶は多くなく、能力に余剰が生じている。そのため民間の船舶、また外国の海軍船舶向けのサービスを結びつける必要がある。

■潜水艦・空母も除外せず

Q: Cam Ranhではどのような戦艦を受け入れるのでしょうか? 空母向けにサービスを提供する可能性は?

A: 潜水艦も船も含まれ、空母も例外ではありません。

Q: ベトナムと領土・領海で争いがある国の海軍船舶もサービスを利用できるのですか?

A: それも検討され、個別のケースで入港を認めることがあります。なぜならこれは、平等の精神を持ってすべての国に技術的な後方サービスを提供する基地だからです。入港したい船舶は許可を得て、経済的な契約を交わします。現在もわが国では、外国船を外交ルートを通じ港に寄港させています。

 この海軍技術・後方サービス区域は、わが国の船舶・潜水艦とは分離されますので、機密漏えいを恐れる必要はありません。さらにこれはサービスを行う場所であり、外国の軍事基地でもなければ、基地として利用するために外国に貸し出すものでもありません。


これは明確に中国を牽制する為の計画です。特定の国に貸し出す形ではないのは、恐らく「ロシア海軍もアメリカ海軍も来て貰う為」でしょう。ベトナムはロシアと関係が深く、アメリカとの関係は改善されたとは言っても嘗ての敵国です。しかしロシア海軍はソ連崩壊後弱体化しており、再建はようやく始まったばかりです。現状で抑止力として頼れるのはアメリカ海軍しかありません。しかし凄まじい犠牲を出したベトナム戦争の記憶は国民感情として残り、戦争で追い出したアメリカ軍の駐留という選択は難しいものとなっています。そこで名目上はどの国の海軍艦艇も利用出来る軍港をカムラン湾に建設する、ただ頻繁にアメリカ空母がやって来るかもね、という形を取ったのでしょう。主権はベトナムにあります。これは軍事同盟ではありません。しかし結果的にはシンガポールのチャンギ軍港のように、特定のバースを特定の国に貸し出すのと同じ状態になるでしょう。


■パートナーはロシア

Q: 事業はどこまで進んでいるのでしょうか?

A: ロシアのコンサルタントを雇う交渉を進めており、また審査、反駁、客観性、合理性、最大の効果の保障のため、他国の専門家を雇う可能性もあります。すべての調整が終わってから承認のため首相に提出し、それから建設となります。わが国の資本で、わが国が投資主となり、わが国が管理するものであり、完全にベトナムの主権に属するものになります。このような事業では、早くても完成までに3年はかかります。

Q: パートナーにロシアを選んだ理由は?

A: ベトナムが装備している武器は、主にソ連が支援していたものです。現在購入している、またこれから購入する武器も、主にロシアのものになります。ロシアは政治的に信頼たる戦略的なパートナーです。技術も近代的で、私たちは使用に慣れています。価格も妥当で、欧米のものと比べはるかに安いのです。そのためわが国ではコンサルタント、そして初期の運営にロシアの専門家を雇わなければなりません。

Q: この計画には多くの国が関心を持っているのでしょうか?

A: さまざまな国が関心を持っていますが、公式にはまだロシアしかありません。他国から公式に打診があれば、検討し、交渉します。Cam Ranh湾は風がおだやかで、水深も深く、国際航路にも近いため、船舶の出入りは便利です。


ベトナムはロシアとの関係を大事にします。その上でアメリカの抑止力を必要としています。そしてロシアがカムラン湾にアメリカ海軍を呼び込む事が確実なこの計画に協力しているという事は、ロシアは大っぴらにアメリカと組む気は無いが中国を警戒しているので結果的にアメリカに手を貸してもよい、という判断が見えて来ます。


Q: このような海軍向けサービスを実施することで、どこか懸念する国は?

A: これはわが国の主権の範囲内です。中国にも米国の戦艦を含め、各国向けの技術後方基地があります。ベトナムは現在世界との統合過程にあり、各国との交流を強化し、信頼たるパートナーであるため、このようなサービスを実施することは普通のことです。


これは「中国だってアメリカ空母の香港への寄港を受け入れているのだから、文句を言われる筋合いは無い」という言い分です。

中国からしてみれば香港は只の友好親善訪問で、チャンギやこれから出来るカムラン湾の施設とは全く意味が異なりますが、ベトナムの言い分に文句を言えない事も事実です。
04時15分 | 固定リンク | Comment (201) | 政治 |
2010年11月05日
尖閣諸島沖で日本の海上保安庁の巡視船と中国の漁船が衝突した事故の際に、巡視船側から撮影されたビデオがYoutubeに上がっています。日本政府は公式にはまだ一般には公開していない為、流出してしまった事になります。





これはアップロードされた4番目と5番目の映像で、衝突の瞬間が写っています。現時点で6つの動画がアップロードされています。(※最初の投稿者のアカウントが削除されたのでコピーと差し替えました。)


 沖縄県・尖閣諸島沖で海上保安庁巡視船と中国漁船が衝突した事件で、状況を記録したビデオ映像がインターネット上に流出したことが5日、分かった。海保が画像を確認した。海保によると、国会に提出したもの以外の映像も含まれているという。

尖閣の衝突画像、ネット流出=海保が確認、国会提出分以外も:時事通信社


本物である事が確認されました。このYoutubeにアップロードされた動画の一部が国会に提出されたものと同一であるようです。

Youtube投稿者 sengoku38 が何者なのか(※アカウントが削除されたようです)、どのような経緯で流出したのか、まだ不明な点が多いですが、問題となる事は確実で、我々の政府は一体どう釈明するのでしょうか。

Youtube動画には中国漁船が日本巡視船に体当たりを仕掛けて来る様子がはっきりと写っています。故意にぶつけて来た、それ以外の何物でもないです。

左旋回して体当たりを仕掛けて来る中国漁船

まようさ氏提供の検証画像。
01時19分 | 固定リンク | Comment (949) | 政治 |
2010年10月29日
前回の日米外相会談でのクリントン国務長官の発言を、前原外務大臣の捏造だと主張する根拠の無い陰謀論を唱える一部マスコミ及び一部ネット界隈をきっぱり否定するかのように、ヒラリー・クリントン国務長官が今度は共同記者会見で明言しました。

「改めてはっきり言うが、尖閣諸島は日米安保を適用する」


 ▽尖閣諸島

 クリントン氏 はっきりあらためて言いたい。尖閣諸島は日米安保条約第5条の(適用)範囲に入る。日本国民を守る義務を重視している。

日米外相会談の要旨:共同通信


何度も言う羽目になったのは、根拠の無い陰謀論や捻じ曲げた解釈を唱える一部マスコミ及び一部ネット界隈の言説を潰しておく必要があった為です。18日にフロノイ国防次官が「尖閣諸島が占領されても日米安保を適用する」と明言したのも、一部マスコミ及び一部ネット界隈が「占領されたら施政下から外れたと見做されて適用されない」という捻じ曲がった解釈を唱えていたので、打ち消す必要があったからです。

そろそろ「アメリカは守ってくれない」論は説得力が無い事に気付いて下さい。

ところで最近、米韓演習と体験航海を連続キャンセルして待機中の空母ジョージ・ワシントン戦闘群に加え、日本近海に空母エイブラハム・リンカーン戦闘群が来て居るようです。


駆逐艦モムセンに続き、10月27日夕方、駆逐艦シャウプ(DDG 86)が横須賀基地に寄港した。マスターピア・ウェストに2隻が並んで 停泊中だ。

シャウプもモムセンと同じDESRON-9所属で、現在任務航海中の空母エブラハム・リンカーンの随伴艦だ。随伴艦が2隻同時に 寄港すれば、近くにエブラハム・リンカーンが居る可能性が高い。

2隻目のリンカーン随伴駆逐艦も横須賀に:リムピース


2個空母戦闘群が日本近海に居ます。エイブラハム・リンカーン戦闘群は母港のワシントン州エバレット軍港に戻る途中なのか、それとも暫くこの近辺に居るのか分かりませんが、ジョージ・ワシントンの体験航海中止と関連している可能性もあります。
02時23分 | 固定リンク | Comment (999) | 政治 |
2010年10月25日
これは一体どうして・・・10月下旬から予定されていた黄海での米韓合同空母演習が中止されて空母ジョージ・ワシントン(GW)が暇になったので、11月上旬に横須賀で市民参加イベントとして空母体験クルーズが企画されていたと思っていましたが、その体験クルーズが急遽中止になってしまいました。


11月上旬に予定されていた、空母ジョージ・ワシントンの「フレンズ・アンド・ファミリー・クルーズ」は、急な作戦運用上の変更により、実施することが出来なくなりました。これは「ご招待が中止」となったのではなく、「クルーズ自体が中止」となったことを意味します。less than a minute ago via HootSuite



10月下旬の米韓演習中止で、空母GWは11月下旬から12月上旬の間に計画されている日米演習まで暫く暇になる筈でした。其処へ「急な作戦運用上の変更」になるとは、軍事演習や体験航海ではない準戦体制での出動あるいは待機が必要になったと解釈が出来ますが・・・一体何処で、何を対象に? 何が始まるというのしょう?
17時32分 | 固定リンク | Comment (93) | 政治 |
2010年10月24日
尖閣諸島は日米安全保障条約の対象であり、占領された後でも発動し、奪還作戦が実施される事になります。


 会談に同席した小野寺五典党外交部会長が、尖閣諸島の領有権をめぐって日中間で武力紛争が発生し、同諸島が中国に占領された場合の米国の対応について尋ねたのに対し、フロノイ次官は「(米国の対日防衛義務を定めた)日米安全保障条約第5条により日本を助ける」と説明した。
 米政府は、安保条約は日本の施政権下にある領域に適用されるとの立場だが、尖閣諸島が中国に占領・掌握されても、そうした考え方は変わらないとの認識を示したものだ。 

尖閣、占領されても安保適用=米国防次官:時事通信


ですが、勘違いをしてはいけません。領土紛争では当事国が先頭に立って対処する事が当然であり、それが出来なければ国際的な恥を晒す事になるでしょう。日本自衛隊が真っ先に行動して、あくまでアメリカ軍は後ろで控えている構図でなければなりません。もし日本政府に奪われた領域を奪還する意思が無ければ、自衛隊が動こうとしないのであれば、アメリカ軍も動きません。

アメリカは態度を明確にしました。では日本は?

11-12月には日米両軍が共同で尖閣諸島を想定した離島奪還演習を行います。そして来年の1月下旬に行われる日米共同図上演習(山桜)では九州沖縄が侵攻された状況でのシミュレーションを行います。仮想敵が何処かは言うまでも無い事です。

次は日本が態度を明確に示す番が来ています。
20時29分 | 固定リンク | Comment (496) | 政治 |
一週間前くらい前に、Twitterで在日米海軍司令部が「11月6日に横須賀で市民参加イベントとして空母ジョージ・ワシントン体験航海を行う」と企画しているのを見て、日程的に10月末から予定されていた黄海での米韓合同空母打撃演習は中止になったのかなと思っていましたが、やっぱり中止のようです。


 韓国と米国が、今月末ごろ黄海での実施を検討していた連合空母打撃群演習を取りやめたようだ。政府筋が24日に伝えた。米国の空母(航空母艦)が参加する演習は、年内には実施されない見通しだという。

韓米の空母打撃群演習を取り止め、政府筋伝える:韓国聯合ニュース


この数ヶ月の間、「黄海で空母演習するよ⇒やっぱり取り止めるよ」を3〜4回繰り返している気がします。


 中国政府が、米政府に対し、南シナ海を台湾やチベットと並び領有権で絶対に譲らない「核心的利益」と位置付けると表明したこれまでの発言を否定し、核心的利益とする立場を事実上取り下げる姿勢を示していたことが22日、分かった。

 中国がこの新方針を表明後、米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)の関係国が強く反発。中国国内では強硬姿勢を続けることは外交全体の柔軟性を損なうとの議論もあり、米国などに配慮する形で対外的な立場の変更を決めたとみられる。

中国「核心的利益」を取り下げ 南シナ海権益で:共同通信


恐らくこれとの引き換えの意味合いもあったのかもしれません。
19時45分 | 固定リンク | Comment (52) | 政治 |
2010年09月28日
9月25日の記事で「アメリカ政府は尖閣諸島の日米安全保障条約の適用について、間接的ではなく、直接的に適用を認めるよう、政府の応答要領を変更した」という読売新聞の記事を紹介しましたが、その方針がはっきりと現れて来ました。


「日本を全面支持」=尖閣周辺、抑止力維持を強調−米国防次官補:時事通信
 来日中のグレグソン米国防次官補(アジア・太平洋担当)は28日午後、都内の米国大使館で記者団と懇談し、尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件について、「日本の立場、行動を全面的に支持する」と表明した。その上で、「中国の海洋活動の活発化は懸念材料だ。この地域で米軍の能力を堅持する」と述べ、抑止力維持に全力を挙げる考えを強調した。
 これに先立ち、同次官補は首相官邸で仙谷由人官房長官、防衛省で北沢俊美防衛相と個別に会談。漁船衝突事件をめぐり、日本支持の方針を伝えたとみられる。
 23日の日米外相会談でクリントン国務長官は、尖閣諸島が米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だとの見解を表明したが、同次官補はその根拠について「尖閣諸島は1972年の沖縄返還時に(米国から)日本に戻された」と記者団に説明、同諸島は沖縄県の一部との認識を示した。


これによりクリントン国務長官の「尖閣諸島はアメリカの対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象」という発言をグレグソン国務次官補が補強した事になります。「尖閣諸島は沖縄県の一部」という説明は領土問題に置いても日本の見解を肯定するもので、従来の間接的な言い回しから大きく踏み込んで来ました。

これまで一部では「前原外務大臣がクリントン国務長官の発言を捏造した」等と騒ぎ立てる人も居たようですが、今回のグレグソン国務次官補の補足説明でクリントン国務長官の発言は確かにあった事が確かめられました。これで衝突事件の後、アメリカの尖閣諸島の日米安全保障条約の適用については、クローリー国務次官補、マレン統合参謀本部議長、ゲーツ国防長官、クリントン国務長官、キャンベル国務次官補、グレグソン国務次官補と、複数名が公言しています。

なお本日、横須賀港にアメリカ海軍の巡航ミサイル原潜SSGN「ミシガン」が入港しています。

米海軍オハイオ級原潜「ミシガン」、横須賀基地に入港/神奈川:カナロコ(神奈川新聞)

154発のトマホーク巡航ミサイルを搭載するオハイオ改型SSGNは、空母に準ずる戦術打撃戦力として、砲艦外交の一翼を担っています。また来月末に予定されている黄海での空母演習も控えています。


韓国聯合ニュース:韓米軍合同の対潜水艦訓練開始、黄海で来月1日まで
米第7艦隊所属の原子力空母「ジョージ・ワシントン」は今回の演習には参加せず、10月末に黄海で実施される空母演習に参加すると伝えられる。


現在行われている対潜演習には空母は参加せず、来月の演習で空母を投入する予定です。
21時47分 | 固定リンク | Comment (489) | 政治 |
2010年09月25日
今月7日に尖閣諸島近海の日本領海に侵入し不法操業の上に、日本海上保安庁の巡視船に衝突し拘留されていた中国漁船の船長が23日、釈放されました。

この件で中国は海空戦力を出して威嚇する様子が無かったので、軍事以前の段階であると記事にしていませんでしたが、日本海上保安庁の撮影した中国漁船との衝突の瞬間のビデオが有るというので、それが公開されたら記事に書く予定でした。しかしそれはもう公開されなさそうです。

こちら側に強力な手札が有る状態で使わずに幕引きを図る行為は、それに見合う対価が得られる取引が見込める場合のみ通すべき話であり、相手が事件後に起こした対抗措置を放棄させる目的で行う事は、相手の元手がゼロでこちらに益が無く、釣り合いが取れません。レアアース輸出規制はWTOに提訴出来ますし、フジタ社員拘束は遺棄化学兵器処理事業の存続自体を揺るがす行為です。人質を取るような行為は人権問題とも関わってきます。相手側の手札はそれ自体に問題を抱え、それほど強くはありません。それに対しこちら側には漁船体当たりの証拠の他に、最も強力な手札を持っていました。それは日米の軍事戦力です。

元々、この件で私は武力衝突に発展する可能性は無いと見ていました。日本自衛隊だけでも強力な戦力であるのに更にアメリカ軍が背後に控えて居ます。アメリカは今回の事件が起きる前の先月にクローリー国務次官補が「尖閣諸島は日米安全保障条約の対象」と明言しており、事件発生後はマレン統合参謀本部議長、ゲーツ国防長官、クリントン国務長官、キャンベル国務次官補が立て続けに同様の発言を行っています、いえ、同様ではなく、これまでより更に踏み込んで来ました。


読売新聞9月24日朝刊1面:「尖閣に日米安保適用」
キャンベル米国務次官補は22日、読売新聞と単独会見し 〜中略〜 尖閣諸島への日米安全保障条約の適用について、前提条件を付けずに「イエスだ」と明言。米国が尖閣諸島の防衛に関与している立場をこれまでよりも鮮明にした。


読売新聞9月24日朝刊2面:「日米同盟 中国に示す狙い」
米政権の高官はこれまで、日中間で外交問題化している尖閣諸島に日米安保条約を適用するかどうか尋ねられると、領土紛争には中立の立場だと強調したうえで、「日米安保条約は日本の『施政下にある領域』に適用される」「尖閣諸島は日本の施政下に置かれている」と"2段階論法"で説明し、安保条約が尖閣諸島に適用されることを間接的に示してきた。

ところが、次官補は22日、安保条約を適用するかどうかとの質問に対し、「あなたが言った通りだ。イエスだ」と即答。安保条約の適用を直接的に認めた。

米政府筋は「最近の中国の動きを踏まえ、この問題では間接的ではなく、直接的に適用を認めるよう、政府の応答要領を変更した」と打ち明けた。


もちろん、国土防衛は日本自衛隊が先頭に立って対処する事態ですが、そのすぐ後方にアメリカ軍が控えているとなれば、中国が仕掛けるにはあまりにもリスクが大き過ぎる上に得られる対価が少なく、南沙諸島のように侵攻するのは難しいでしょう。中国側にも軍事戦力を動かす意思は見られず、現状では余裕を持って事態の推移を見守る事が出来た筈でした。

7月にベトナムのハノイで開かれたASEAN地域フォーラムで、アメリカのクリントン国務長官は南シナ海の南沙諸島問題に介入する意思を宣言し、その後にアメリカ海軍は原子力空母をベトナムのダナンに入港させ、ベトナム軍とアメリカ軍の合同軍事演習を行いました。そのすぐ後に発生した東シナ海の尖閣諸島事件は、連動していると見るべきです。逮捕された漁船の船長が中国政府に命令されていたかどうかは分かりませんが、意図的であろうと偶然だろうと中国政府はこの事件を「南シナ海で動きを見せたアメリカが東シナ海でどう出るのか」を知るために利用する事が出来ました。この事件で中国が得た目当ての成果は日本相手のものではなく、アメリカの意思の再確認にあったのだと思います。

10月末、アメリカ海軍は韓国軍との合同演習を対北朝鮮を名目に黄海で行い、原子力空母を参加させる予定です。中国は黄海に空母が入ることについて極度に拒否反応を示しており、米中間で緊張が高まる恐れがあります。

12月には日米合同離島奪還演習が行われる予定です。中国側はこれを尖閣諸島を意識したものと受け取るでしょう。日米側もそのつもりです。

9月末の現在、米韓合同対潜演習が始まっています。もし10月末の空母演習が今始まっていたら、かなり複雑な事態になっている筈でした。今回の尖閣諸島漁船体当たり事件は、中国側にとって非常に絶妙なタイミングで発生し、終息しています。しかし、もしも日本が漁船の船長の拘留をもっと伸ばしていたら、中国側は大変に頭を抱える事になっていたでしょう。

だからこそ日本政府はもう暫く様子を見るべきだったと思います。
22時17分 | 固定リンク | Comment (991) | 政治 |
2010年09月05日
鳩山さん以下の認識というか、そもそも基礎的な事を何も知らずに発言してるのじゃないかと思います。

在沖海兵隊、小沢氏「2千人」 岡田外相は1万人と反論:朝日新聞

【民主代表選】小沢氏「海兵隊不要」に防衛省困惑 事実誤認も数々:産経新聞

  ( ⌒ )
   l | /
  ∧_∧
⊂(#・д・) また最初からかよ!
 /   ノ∪
 しー-J |l|
         人ペシッ!!
       __
       \  \
          ̄ ̄
小沢さんは普天間基地移設に付いて「特に腹案は持ってない」と言っているので、例え次期民主党代表=首相となっても、結局最終的には鳩山さんと同じ道を辿りそうです。

菅首相、南西諸島へ自衛隊配備「検討」=小沢氏、尖閣の領有権強調:時事通信

こんな事も言い出してますし。
16時03分 | 固定リンク | Comment (213) | 政治 |
2010年08月14日
日米同盟コミック(U.S. - Japan Alliance Manga )の漫画家さんに嫌がらせのメールが送られて来た様です。出版社やアメリカ軍ではなく仕事を請け負った個人の漫画家さんに嫌がらせするという、卑劣な手口です。


ちょっと悲しいおしらせ。日米同盟コミックの件で、参加絵師さんに誹謗中傷のメールが来たようだ。いちおう言っておくが、絵師さんはノンポリです。物語とテキストを書いているのは俺なので、言いたいことがあるなら当方まで!less than a minute ago via web



苦情はこの担当編集さんか、アメリカ軍に言いなさい。勿論、名誉毀損や業務妨害にならない範囲でです。

漫画家さんへの誹謗中傷メールは、法的に処置すべきと思います。誹謗中傷メールを送った犯人が漫画家さん個人を狙ったのは、出版社やアメリカ軍に嫌がらせすれば訴えられる可能性が高いから・・・というヘタレな理由なのでしょう。反米目的の嫌がらせなのに在日米軍に直接言う事は尻込みするような人間は、マトモな反米派に取っても要らない人間でしょう。

本当に、レベルが低過ぎます。
21時08分 | 固定リンク | Comment (385) | 政治 |
2010年08月13日
ハワイ沖でのリムパック演習を終えて帰投中の韓国海軍イージス艦「セジョンデワン」で急病人が発生。日本近海まで来ていたものの、艦載ヘリコプターの航続距離が陸地まで足りなかった為に、日本に救援を求めました。


海自が韓国兵を急患搬送 宮城・金華山沖、災害派遣で初:共同通信
 防衛省は12日、宮城県・金華山沖を航行中の韓国海軍のイージス艦に乗り組む男性兵士(22)が急病となり、災害派遣要請に基づき、海上自衛隊がUS1A救難飛行艇で海自厚木基地(神奈川県)に搬送したと発表した。災害派遣で自衛隊が外国兵を急患搬送したのは初めて。兵士に命の別条はないという。

 防衛省によると、在日韓国大使館が同日午前3時15分ごろ、海上保安庁に急患搬送を依頼。第2管区海上保安本部(塩釜)から災害派遣要請を受けた海自が、金華山沖東約880キロの太平洋で兵士を収容した。胃に穴が開き出血した状態という。

 イージス艦は、ハワイ周辺海域で行われた環太平洋合同演習(リムパック2010)を終え、韓国に戻る途中だった。


海上自衛隊の救難飛行艇は以前にもアメリカ空軍のF-16戦闘機が洋上で墜落した際にパイロットの救助を行った事が有ります。今回の韓国水兵救助は「災害派遣」という手続きを取った上で行った初のケースになります。二つのケースは共にヘリコプターでは到達が困難な距離で、救難飛行艇があればこそ迅速な搬送ができたと言えます。ただしかし、今回の韓国水兵急患搬送のケースは、行おうと思えばもっと早く出来た筈です。

日本防衛省:韓国海軍艦艇からの急患輸送に係る災害派遣について(最終報)
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2010/08/12c.html

8月11日23時30分、関東東方1000海里沖の韓国イージス艦で急病人が発生。
8月12日03時15分、在京韓国大使館から海上保安庁へ急患輸送の要請。
8月12日10時10分、第二管区海上保安本部長から海上自衛隊航空集団司令官に対して災害派遣要請

防衛省に要請が来る迄に10時間も掛かっています。これは墜落機の捜索救助とは異なり、軍医も乗っている軍艦での急病人なので、そこ迄一刻を争うほどの状況では無かったのかもしれません。ですが韓国海軍としては出来るだけ早く患者を届けたかった筈です。

10時10分 第二管区海上保安本部長から海上自衛隊航空集団司令官に対して急患輸送に係る災害派遣要請。
10時49分 第3航空隊のP-3C×1機が厚木基地を離陸。
11時02分 第71航空隊のUS-1A×1機が厚木基地を離陸。
15時35分 第71航空隊のUS-1A×1機が現場(宮城県金華山沖東方約476NM)に着水。
15時51分 US-1Aの救助ボートにより患者収容。
16時07分 第71航空隊のUS-1Aが現場を離水、厚木基地へ搬送。
18時31分 第3航空隊のP-3C×1機が厚木基地に着陸。
19時50分 第71航空隊のUS-1A×1機が厚木基地に着陸。
20時11分 患者引渡し後、撤収要請。
※第71航空隊(岩国)のUS-1Aについては、厚木基地に前進待機中の航空機が対応。

韓国イージス艦セジョンデワンは15時間で1000ー476=524海里(970km)も日本に向かって接近しています。なんと平均時速64km(35ノット)。実際にはセジョンデワンのスペック上、ここ迄の速度は出せませんので、大まかな距離が正確では無いのでしょう。ですが30ノット以上の最大速力を発揮していた事は間違いありません。彼等は一刻でも早く患者を届けようと努力していました。それでも艦載ヘリコプター「スーパーリンクス」を陸地まで届かせるには、更に3時間以上は艦を走らせる必要がありました。其処からヘリコプターの巡行速度を考えれば、飛行艇を使って稼げたのは4〜5時間という事になります。

深夜0時に患者が発生、午前3時に韓国大使館から海上保安庁に救難要請、午前10時に海上保安庁から海上自衛隊に要請。しかし夜間の洋上着水は無理でも夜明けと共に出動していれば、飛行艇の航続力ならば1000海里先でも行けたのですから、もっと早く急患を運べたのではないでしょうか。それが出来なかったのは「災害出動の手続き」というお役所仕事だったのだとすると、少し残念に思います。深夜の要請だったので伝達が手間取るのは、ある程度は仕方の無い話ではありますが・・・海上保安庁で7時間も伝達が止まってしまったのは、長過ぎると思います。
13時48分 | 固定リンク | Comment (766) | 政治 |
2010年08月11日
連日40度近い異常な猛暑が続くロシアでは森林火災が頻発し、泥炭層まで燃え出した為に手が付けられない状態です。ロシア非常事態省は保有する消防飛行艇ベリエフBe-200アルタイルをフル稼働させています。湖や川に着水滑走して水を一気に貯め込み、消火活動を素早く反復して行うのです。

その現場にあの男がやって来ました。


プーチン首相が消火機で出動、ロシア森林火災に放水:AFP通信
 森林火災の被害が広がるロシアで10日、核施設を火災から守ろうと懸命の消火活動が続く中、「タフガイ」ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が飛行艇「Be-200」に乗り込んで消火活動を行った。

 モスクワ(Moscow)南部のリャザン(Ryazan)州は森林火災の被害が最も激しい地域の1つ。リャザン州を訪問したプーチン首相は、Be-200に乗り込み、付近の池から水を汲み取って、火災現場に放水した。

 国営テレビは、機体が池から上昇する中、ロシアの「タフガイ」がヘッドホンを装着して自信満々に副操縦士から操縦を受け渡される様子を放映した。放水後に、水がターゲットに命中したことを告げられると、プーチン首相は「命中したぞ!」と叫んだ。




何故プーチンは平然と操縦桿を握っているのか? ちなみに一年前の話・・・


ベルルスコーニ伊首相、タフガイ・プーチン露首相に張り合う:AFP通信
 休暇でロシアを訪問中のイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相が23日、タフガイぶりを内外にアピールするウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の外出に同行し、水陸両用機「ベリエフBe-200(Beriev Be-200)」の操縦かんを握る一幕があった。

 国営テレビの映像によると、サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)のプーチン首相の私邸近くにある湖で、両国首脳はオレンジ色のライフジャケットを着用し、スピードボードから「ベリエフBe-200」に乗り込んだ。

 プーチン首相を差し置いて機長席に座ったベルルスコーニ首相は、歯を見せてにやっと笑ってみせた。ロシア通信(RIA)によると「並々ならぬパワーを感じるね」とご満悦だったという。

「ベリエフBe-200」は、ロシアの緊急救援隊が使用する飛行艇で、ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)首相報道官によると、イタリアの山火事の鎮火にあたったこともある。


休暇中に別荘近くの湖へ飛行艇を呼び寄せて、この日の為に訓練していたのです? イタリアのベルちゃんにも操縦桿を触らせてあげました。

森林火災の被災現場に視察に行くだけでなく、実際に消火活動に参加して見せる、それも最高に格好良く演出して。こんな政治パフォーマンスが出来るのはプーチンだけでしょう。

我が日本には菅直人首相が過去に行った「お遍路」と「カイワレ」という政治パフォーマンスが有ります。プーチンとは別の路線で話題を掻っ攫う新ネタの投入に期待しています。
21時53分 | 固定リンク | Comment (231) | 政治 |
2010年08月10日
元外交官の宮家邦彦氏の専門は当然、外交問題についてであり、軍事知識は素人レベルで信用が置けなくても、流石に専門の外交ならば分析も的確だろう・・・そう思っていた時期も私にはありました。



○米韓、北朝鮮への牽制として黄海での軍事演習に空母の参加を検討。

○中国、自国近海での空母演習に激しく反発。米国、空母参加を取り止め。

●宮家邦彦、「お粗末な米と韓、中国の肘鉄で一目散」

○米国、「やっぱり黄海での演習に空母を参加させるよ。それと、南シナ海で中国を抑え込む為にベトナムへ空母を送り込んだよ。ASEANの会合でも中国にメッセージを送ったよ」

●宮家邦彦、「大失態演じた中国外交、米中対立どこまで」


・・・やっぱりこの人の分析は当てにならないかもしれない。

(2009/10/10)「非対称戦」という言葉すら理解していない宮家邦彦氏

(2010/07/13)米海軍公式発表すらチェックせずに勝手な妄想で煽り記事を書くJBpress宮家邦彦

以前から宮家氏は安全保障問題では基礎レベルの知識の欠如によりトンデモな主張を繰り返していますので、明らかな事実の確認ならともかく、軍事的考察部分、彼独自の主張に付いては眉に唾をつけて見る必要があるでしょう。

代わりに、こちらを参考にして下さい。

南シナ海領有権問題に関わる中国と米国:極東ブログ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2010/08/post-40bb.html

finalvent氏も軍事は専門ではありませんが、知らない事を思い込みで解説する事はあまり無いので、軍事よりも政治に比重が置かれた案件の分析では参考になると思います。
21時51分 | 固定リンク | Comment (174) | 政治 |