2006年12月21日
安部政権になったら防衛予算が大幅増になる・・・という単純な話にはなりませんでした。中期防の見直しは先送りされ、小泉政権から続く軍縮路線は来年度予算でも維持される事となりました。

これで日本国は5年連続で軍縮中なのです。


防衛費ほぼ横ばい・来年度予算案4兆7980億円 [12/21 日経新聞]
 来年度予算案の防衛費は今年度の当初予算とほぼ横ばいの4兆7980億円となることが18日、固まった。5月に合意した在日米軍再編にかかる経費はとりあえず調査費中心に70億円にとどめる。「総額3兆円」との見方もある再編経費を確定する作業は遅れており、政府は予算編成と並行して検討してきた中期防衛力整備計画(2005―09年度、総額24兆2400億円)の改定を来年以降に先送りする。

 この通り決着すれば、防衛費は03年度から5年連続の減額。安倍晋三首相が掲げる歳出削減路線に沿った形だが、減額幅は0.3%と、今年度(0.8%)より小さくなる。防衛庁は北朝鮮のミサイル発射で緊急性が高まったミサイル防衛経費の確保に全力を挙げ、一部は今年度補正予算案に組み込みたい考えだ。

ただ、防衛予算全体が減額されていることを読み取れていない人も、中には居るようです。


2007年度予算でミサイル防衛費過去最高 カナダde日本語
一方、日本でも防衛費、特にミサイル防衛費が過去最高を記録したそうだ。

いいえ。ミサイル防衛費は上がりましたが、全体の防衛費(ミサイル防衛費も含まれている)は下がりました。

■ミサイル」過去最高の1826億円…07年度予算 (12/20 読売新聞)

この読売新聞の記事を見て勘違いされたみたいですが、この記事はミサイル防衛費の事は書いてあっても全体の予算には触れていません。それなのに「カナダde日本語」さんはこんな事を。


日本の防衛費の異常な延びを見ると、ふとそんなことを考えてしまう。

うーん、「異常な伸び」っていうのは、一体何処が異常なんですか?
19時17分 | 固定リンク | Comment (105) | 政治 |

2006年11月19日
19日の沖縄県知事選挙で与党推薦の仲井真氏が当選当確の模様です。(NHK開票速報) やはり逆神(森田さん、神浦さん)の誤神託は的中してしまった・・・以前にも説明したように如何に逆神といえど、ほぼ確定した事柄(例えば米中間選挙)を覆すほどの神通力までは持ち合わせていません。そこまでいくと洒落にならなくなってしまいます。つまり誤神託の判断を仰ぐ時は「これはどのような結果になるのか分からない」事例で、素人が適当に予測したら当たったり当たらなかったりするそれに対し、逆神はそのような場合に予測を全て外してしまいます。接戦となった沖縄知事選ではこの通りの結果となりました。特に森田神は「国内政治の森田」と呼ばれていますから、専門分野で堂々たる面目躍如です。

その一方で逆神とは別に、今回の選挙の予測で注目すべき人を紹介しましょう。


石田日記(ブログ版): 11月17日(金)「週末を挟んでの国会」
日曜日の沖縄知事選の結果次第なんだろうけど、今のところ調査では与党候補が数ポイントリード。野党候補の平和運動に寄ったアピールが、与党の補助金寄りのアピールに押されているという話だ。

ご存知、民主党の名物秘書石田敏高さんの日記です。ブログ版とは別に元祖石田日記もあります。この人の場合は根拠なき予想(妄想)ではなく情報のリークですので、無視できない存在です。(今までにも選挙のたびに色々と漏らしてきました)もちろんこれを逆手にとって情報操作の類を行ってくる可能性もありますが、私は石田日記をずっとチェックし続け、一定の信頼が置ける情報源としてきました。

だからこそ17日に日記を読んで驚きました。なにせ、どのメディアも沖縄知事選に関する情勢のどちらがどれだけリードしているかなど報道していませんでしたから。沖縄の現地新聞のサイトを見ても、朝日新聞や読売新聞を読んでも、大接戦であるとしか書かれておらず具体的数値は無かったのです。それなのに石田日記にはあっさり載っている。しかも「平和運動は補助金アピールに押されている」と、書き難いことまでバッチリと。(石田さん、相変わらず味方に厳しすぎです)

・・・今まで石田日記は数日置きにチェックする程度でしたが、今後はブログ版をRSSリーダーに入れて要チェックすべきだと思いました。石田さんの日記は文章自体も面白いので(普通の人が書けば嫌味ったらしくなる内容が、この人の手にかかると爽やかで軽快に仕上がる)政治抜きで読み物としても読めますし。

注;前言を撤回します。理由はこちらを参照してください。(2007/8/8)
23時34分 | 固定リンク | Comment (45) | 政治 |
2006年08月09日
ちょっと昔を思い出しながら。


「親韓」ムード、急速に冷え込む…日韓共同世論調査 [8/6 読売新聞]
読売新聞社と韓国日報社が実施した「日韓共同世論調査」で、日韓関係が「悪い」と見る人が日本ではほぼ6割に上り、調査を始めた1995年以来、5回の調査で最悪となった。

所謂「韓流」ブームはマスコミが作り上げた流行でしたから、一時的なものでしかなかった訳で。(韓流に限らずブームとは意図的に狙って作られたものが多いです)最近急速に冷え込んだのは、竹島問題もさることながら、北朝鮮のミサイル発射後の韓国政府の反応でしょう。韓国政府は「日本は騒ぎすぎ」などと北朝鮮の肩を持つ態度で、中国やロシアですら怒っているのに韓国だけが北朝鮮に対し甘かったのですから。(ミサイル発射直前まで「人工衛星打ち上げだろう」と世界で唯一の見解を取り続け、赤っ恥を掻く羽目に。)


・・・ちなみに読売新聞と韓国日報による1995年第一回「日韓共同世論調査」は↓これです。

1995年、アジア各国でおこなった共同世論調査韓国症候群

ちょっと懐かしいですね。この調査内容は数年くらい前にはあちこちの掲示板に貼られていたものです。「アジア諸国」という言葉の使い方について考えさせられる内容です。

さて最近の韓国は、日本の対韓感情についてよりももっと深刻な問題が・・・

米国人60%「韓国は非友好的」 [8/4 中央日報]
統制権の委譲は韓米同盟の終わりのはじまり? [8/9 朝鮮日報]

どうやら、アメリカが韓国を見捨てる気なのではないかと・・・最近の韓国主要日刊紙、とくに最大手の朝鮮日報は、米韓同盟の危機と盧武鉉政権を激しく批判しています。
21時21分 | 固定リンク | Comment (50) | 政治 |
2006年08月02日
先月の7月14日に小倉さんの所で書いた私のコメントなのですが・・・



また改憲派への護憲派の反論として「集団的安全保障」の問題が使われる事がありますが、北朝鮮のミサイル演習でこれの風向きが変わるかもしれません。どういうことかというと、「改憲論は集団的安全保障の行使を狙っている」という反論が、今後は逆手に取られてしまうのではないか、という懸念です。今までは「ミサイルディフェンスは集団的安全保障に抵触する。違憲だ」という反論が行われて来ましたが、今後は「ミサイルディフェンスを円滑に運用する為、憲法を変えよ」という理由付けに使われる恐れがある、ということです。私は現状でもミサイルディフェンスは運用できると考えていますが、政治の世界ではそう利用されるでしょう。

ミサイルの脅威は日本国民に強い印象を与え、ミサイルディフェンスへの支持は増し、これを阻害する要因を排除する方向へと働くと予想します。これは改憲論に強い影響を与えるでしょう。
Rédigé par: JSF | le vendredi 14 juillet 2006 à 21:21


よく推敲せずに適当に書いたレスだった(集団安全保障と集団的自衛権をゴッチャにして書いてるし…)のですが、やはり影響はあったのかもしれないです。


集団的自衛権行使認め、憲法改正が必要 谷垣氏 [8/1 朝日新聞]
自民党総裁選に出馬する谷垣財務相は1日、国会内で記者団の質問に答えて「集団的自衛権(の行使)は認めていく必要がある。憲法改正の手続きをきちっと取って、国民の合意形成をしながら進んでいくのが一番オーソドックスな考え方ではないか」と語った。憲法解釈の変更ではなく、憲法改正によって集団的自衛権の行使を認めるべきだという考えをこれまでになく鮮明にした。


谷垣氏は北朝鮮のミサイルには何も触れていませんが、あのミサイル発射があったからこそ集団的自衛権について触れやすくなった、或いは触れなければならなくなってしまった(総裁選に向けての戦略)のかもしれません。これで、谷垣、麻生、安部の次期総裁候補全てが集団的自衛権の行使を憲法改正で容認する考えを示す事になりました。

とはいえ、実際の世論調査で集団的自衛権の行使を容認する国民が増えているというデータはまだありませんから、実際にどうなるかを判断するのは早計です。以前の各種調査では、集団的自衛権の行使に賛成する割合はせいぜい15〜30%程度のものですから、これが何処まで変化してくるか・・・注意してみたいと思います。
22時21分 | 固定リンク | Comment (36) | 政治 |
2006年02月11日
2月1日に民主党の政府対抗予算案が発表されていました。

平成18年度 民主党予算案

…なんでしょうねコレ。昨年や一昨年と比べたら中身はなんにも無いじゃないですか。前原代表は対案路線を取ると言っておきながら、こんな事でいいのでしょうか。私は民主党が防衛予算の扱いをどうするかで前原代表がどれだけ民主党を掌握できているか把握するつもりでしたが、これでは評価のしようがないです。

平成17年度 民主党予算案
平成16年度 民主党予算案

民主党は以前までは予算の細かい部分まで対案を出していました。(昨年は防衛予算を政府案よりも10%以上減らすという大胆な案です)どうして平成18年度の予算は概要と一部の予算しか提示できなかったのか…前原体制が9月に発足したばかりで、時間的に4ヶ月間では新体制としての案が用意できなかったのかもしれないですが、ちょっと残念です。

来年も前原体制が続いているかどうか怪しいですから、今のうちに示して欲しかったな、と思いました。
08時31分 | 固定リンク | Comment (48) | 政治 |
2006年01月29日
ホリえもん逮捕で最近元気になった亀井静香さんですが、確か元警察官僚でしたよね・・・


刑法で言うなら観念的共謀だ


<亀井静香氏>ライブドア事件「政府による詐欺」[1/28 毎日新聞]
国民新党の亀井静香代表代行は28日、テレビ東京の番組で、自民党が昨秋の総選挙でライブドア前社長の堀江貴文容疑者を支援したことについて「善意の投資家は、時の総理や幹事長が広告塔になれば投資する。この責任は(大きい)。戦後最大の詐欺事件だ」と批判。小泉純一郎首相らと堀江容疑者を「刑法で言うなら観念的共謀だ」と指摘した。

「観念的共謀」という法律用語は聞いた事がありません。もしかすると「観念的競合」と間違えたのでしょうか。しかしそれだと意味が通りませんが。

観念的競合[東奥日報ニュース百貨より]
1つの行為が2つ以上の罪に該当するケースを指す法律用語。例えば警察官に暴行して負傷させ、その職務を妨げる行為は傷害罪と公務執行妨害罪の観念的競合となる。刑法54条は観念的競合の場合、複数の罪のうち最も重い刑で処罰すると定めている。
ちなみに昨日、"観念的共謀"でGoogle検索した時には該当するページが見つかりませんでした。(今はこの記事自体が検索されます)やはり何かの間違いなのでは・・・と思っていたら、今はネット上の記事が修正されているようです。


<亀井静香氏>ライブドア事件「政府による詐欺」[1/28 毎日新聞]
国民新党の亀井静香代表代行は28日、テレビ東京の番組で、自民党が昨秋の総選挙でライブドア前社長の堀江貴文容疑者を支援したことについて「善意の投資家は、時の総理や幹事長が広告塔になれば投資する。この責任は(大きい)。戦後最大の詐欺事件だ」と批判。

exciteに配信された記事だけでなく、毎日新聞自身のWeb記事についてもYahooの記事*も「刑法で言うなら観念的共謀だ」の部分が消えています。消したと言う事はやっぱり何かの間違いみたいですね。これは亀井さんが間違えた上で記事の該当部分の削除を頼んだのか、それとも毎日新聞側が発言を取り違えていて後から修正を加えたのか、一体どちらなのでしょうか。
22時51分 | 固定リンク | Comment (11) | 政治 |
2006年01月15日
ドイツ諜報機関BNDが2003年のイラク攻撃時にアメリカ諜報機関CIAへ協力していました。当初からイラクで作戦任務に入っていたそうです。


独人質は元スパイ? 情報機関に協力か [1/8 共同通信]
7日付のドイツ紙ウェルトは、昨年11月にイラクで誘拐され、先月解放されたドイツ人女性考古学者のズザンネ・オストホフさんが、ドイツの情報機関、(BND)に協力していたと報じた。

独、実は米を支援していた=イラク戦争で情報提供[1/14 AFP時事]
2003年のイラク戦争に反対したドイツ政府は13日、実は同戦争でドイツの情報工作員がイラク国内の情報を集め、米情報当局に提供していたことを認めた。


ドイツ南部バイエルン州出身の女性考古学者、ズザンネ・オストホフ氏はイラク人と結婚してイスラムへ改宗し、イラクで人道援助に携わってきた人物です。それが実はスパイ活動に協力していた…

ちなみにドイツ在住の日本人考古学者artaxerxesさんによると、ズザンネ・オストホフ氏はBNDへの協力が発覚する前からドイツ国内でマスコミからバッシングされていたそうです。(アルタクセルクセスの王宮)


昨年11月に人道援助活動中にイラクで誘拐され、三週間後に解放(状況は未公表)されたドイツ人女性考古学者ズザンネ・オストホフさん(43歳)へのマスコミによる「バッシング」が行われているという。「ドイツ人は私を憎んでいると思う。誰も私に味方せず、私を無鉄砲にも地雷や爆弾の間でイラクをうろうろする正気でない人間のように扱っている」と彼女は「シュテルン」誌とのインタビューで述べた。また在イラクドイツ大使館の彼女への対応も批判している。

彼女は解放直後に「イラクにまた帰りたい」と述べたと報じられ、その発言がナイーヴだと批判されたが、それについては「そんな事は言っていない。私が望んだのは娘と会う事だけだった」と反論。また解放直後のテレビ局とのインタビューでぞんざいな対応をして視聴者の反感を買った事については「人質になっている間の睡眠不足と、服用した薬の作用によるものだった」と述べた。また彼女の家族もバッシングの対象になっているという。

何処かで聞いたような話です。イラクでの誘拐事件といえば、イタリア女性記者ジュリアナ・ズグレナ誘拐事件の時も同じ様なバッシングが行われましたし、日本でも高遠菜穂子、今井紀明、郡山総一郎の三名が誘拐された時にバッシングがありました。何処の国でも同じ様な事件には同じ様な反応が返って来るものです。

しかしズザンネ・オストホフ氏の場合、自国諜報機関への関与という他には無い疑惑が浮上し、そしてこの情報機関が2003年の開戦当初から戦争に参加していた事が発覚。軍隊を出さなかったドイツは表で戦争を非難していながら裏で協力をしていました。これが外交というものなのでしょう。実は他にもドイツは国境警備隊の対テロ組織GSG9の隊員を大使館員の護衛としてイラクに派遣し、既に戦死者を出しています。GSG9の派遣については戦争協力ではないので最初から公表されていましたが、BNDの作戦任務は明らかに戦争協力となります。

BNDのイラク戦争協力が発覚し、ドイツ国内で政治問題へと発展しています。BNDのイラク投入は前首相シュレーダー氏の決断でしたが、昨年秋の総選挙で首相の座を追われ、親米派のメルケル氏が首相の座についた事がこの事の発覚を促したのかもしれません。


*)ドイツ諜報機関BNDは有力な組織で、冷戦期間中はヨーロッパ方面の対ソ連諜報任務を一手に引き受け、得られた情報をCIAに引き渡していました。BNDの前身、ゲーレン機関はナチスドイツ諜報機関の要員を多数抱え込んでいた組織で、親衛隊やゲシュタポ出身者が多数を占めていました。事の経緯は「ラインハルト・ゲーレンは自国の諜報機関をどのように守ったのか?」軍事板常見問題]を参照。
00時11分 | 固定リンク | Comment (20) | 政治 |
2005年12月27日
これは・・・この手の諜報戦ではっきりと分かる形で「犠牲者」が出る事は稀、でしょうね。それが報道される事は更に稀です。


上海総領事館員が昨年自殺、「中国が機密強要」と遺書 [12/27 読売新聞]
遺書の中に、「国を売ることはできない」などとも書かれており、館員は外交機密に関する情報は男に伝えなかったとみられる。

まるで冷戦期に戻ったかのようです。諜報戦。この事件のリーク自体も宣伝戦です。

スパイ事件は冷戦が終わった後も幾度か報道されてきました。最近10月にも東芝の機密情報漏洩でロシア人スパイが摘発されたばかりです。中国絡みの事件も今年4月に起きています。これは防衛庁元技官が潜水艦用の高張力鋼についての資料を持ち出して中国武官に渡した事件でした。こうした諜報戦は普段から行われていて、表に出てきて報道されるのは摘発された時くらいです。勿論、これらは氷山の一角に過ぎません。


今回の上海総領事館員の事件は、自殺と言う形で発覚しました。単純なスパイ事件とは違い、大問題に発展する恐れがあります。証拠が遺書では外交問題にはならないでしょう。しかしマスコミを大きく賑わせ、世論に影響を及ぼす事は確実です。

もし日本に本格的な対外諜報機関があれば・・・領事館員は救えたかもしれない。この領事館員は機密を漏らさなかったが・・・他の者はどうなのか。こうして情報機関の設立とスパイ防止法の制定を求める声が強くなるでしょう。当然の事ですが日本人の対中感情は更に悪くなります。

情報戦。この記事自体も、情報戦の一環にあります。
05時48分 | 固定リンク | Comment (63) | 政治 |
2005年12月18日
新聞記事の見出しだけで判断してはいけない、という事を痛感しました。

授業で「赤紙」配布 戦争拒んだ生徒に「非国民」 福岡 [12/17 朝日新聞]

この題名を見た瞬間は右翼国粋主義者の教師が馬鹿な事をしたな、と思いましたが、記事の内容を良く見るとなにやら違う様子。

 「コメントは当時の大多数の日本人を代弁して書いた」
 「紙切れ1枚で戦争に駆り出された悲惨さを感じてほしいと思った」
 「戦争を美化しようということではない」
 「学校によると、教諭は人権学習に熱心という」


これって反戦主義の教師が赤紙の恐怖を子供に植え付ける為に暴走した結果では・・・と思い始め、もうちょっと調べてみる事にしました。 すると時事通信の記事では教諭の釈明がより詳しく載っていました。

 「当時の人の立場で書くように指示し、当時の状況でコメントすると説明した」
 「コメントが足りなかった」


やはり反戦教育目的だった模様です。これって、ショックを受けた生徒が説明を良く聞いていなかっただけでは? プリントにも説明を書いていれば何の問題も無かったと思います。教師の暴走とか、そういう大袈裟な話ではないような気がしてきました・・・

ところが毎日新聞の記事によると、ショックを受けた女子生徒の保護者らが「社会科の教諭を代えてほしい」と訴える騒ぎになっています。女子に赤紙を配ってどうするんだというツッコミは置いておいて、もしかすると保護者の方はこの教諭の立ち位置を分かっていないのかも。

他の新聞、読売新聞の記事中日新聞の記事共同通信の記事を読んでみても、この教諭がどういった主旨で授業をしたのか掴み難い内容です。(産経新聞と日経新聞は記事にしていない模様)しんぶん赤旗が記事にしていればもっと詳しい事が分かりそうなんですが。


結局この事件は「当時の状況を踏まえて考えて見よう」という主旨に過ぎなかったのだと思います。新聞に載せて大騒ぎにするような事ではないのでは、と思いました。しかもどの新聞記事の見出しを見ても見出しだけを見たら誤解されかねず、内容を読んでも真相を把握し辛くて、幾つか記事を読んでみても何となく分かる程度。

この教諭が軽率な事をしたのは確かですが、こんな報道の仕方は無いのでは。

23時29分 | 固定リンク | Comment (47) | 政治 |
2005年11月27日
明日にも弁護士法違反事件で西村議員が逮捕されるそうです。「郵貯でトマホーク」など数々の迷言を生み出してきた西村議員は、実は軍事屋さん達の間では以前から評判の悪い人でした。軍事的に間違った事を根拠にプロパガンダを張るやり方は、左右を問わず嫌われるのです。

どのぐらい嫌われていたかというと・・・



402 :名無し三等兵 :2005/11/27(日) 01:42:36 ID:???
俺達はシャンペンを用意して待つ。そして伝説のセリフを言うのだ。

「当番、シャンペンを持ってこい。ブタめが死んだぞ」
ttp://www.mirai.ne.jp/~ittaka/meigen4.html

そして軍板の某スレはトマホーク男逮捕記念のシャンペン祭りに突入。酷過ぎw

               _____
    トマホーク!  ≡≡     ノ斧\
(ノシ゚∀゚)ノシ              ⌒


小町AA


しかも何故かこのAAが貼られてるしw
漢ちゃんスレでも美鈴AAが貼られてるし、行きつけのスレで東方人口が増えているのだなぁと実感。(ちなみにSeesaaだとAAが崩れちゃうので貼れない)

・・・しかし伝説のセリフは逮捕祭りには酷過ぎるような気が。死んでないってば。
22時03分 | 固定リンク | Comment (39) | 政治 |
2005年11月05日
『生まれはよいが育ちは悪い』(本人談)

現在、急速にブレイクしている麻生外務大臣ですが、やはり私の一番好きなエピソードはこれでしょうか。今年の2月にライブドアによるフジテレビ買収問題が表面化した時に、総務大臣として電波法の外資規制問題(ライブドアの資金源は外資系リーマンブラザーズ証券)について答弁したときのものです。


第162回国会 予算委員会 第18号 平成17年2月24日
○小泉(俊)委員 諸外国の状況を見ると、これは昭和二十五年にできた法律ですので、私は十分予想できたと思うんですよ。こういうものは極力事前に時間をかけてやっておけば、慌てて今やることないんですよ。
 これは、どうしてそういう法的整備が昭和二十五年から何もされなかったんでしょうか、大臣。

○麻生国務大臣 やはり試験の前にならないと勉強しないというのと似たような心理だったんだ、多分基本的にはそうなんだと思うんですね。
〜以下略〜

大臣!!あまりにも庶民的な例えで非常に分かりやすいです。
国会予算委員会の答弁でこんな受け答えをサラリとやってのける麻生太郎という男は、只者じゃありません。いや、試験前の一夜漬けや夏休みの宿題を8月31日まで溜め込むのは褒められた事じゃないですけどね。私もよくやりました。w
16時27分 | 固定リンク | Comment (18) | 政治 |
2005年11月03日
新外務大臣・麻生太郎氏の過去に衝撃的な事実が判明しました。


卒業生インタビュー麻生太郎事務所
--アメリカやイギリスヘの留学は成り行きだったと語る麻生さん。さらに仕事で西アフリカやブラジルへも行かれることになる。

(麻生)当時勤めていた家業の石炭工場の関係で、西アフリカのシエラレオネというところに2年くらい住んでいました。電気も何もないようなところでしたので、自分達で発電機を持って行きました。そこでダイヤモンドの採掘をささやかに始めて、これは間違いないって採掘の規模を拡大させようとした時に、その国で革命が起きてしまったんですよ。マシンガンや手榴弾の飛び交うあぶなっかしい世界でした。面白かったですね、ある意味じゃ。もう一回行ってみたいですね。

ギネアアブラヤシ王国のシエラレオネ!

 .vWv
  ´||゜  †
( ゜∀゜)ノ  ←ギネアアブラヤシ教団

日本釣り振興会会長職の次は、ギネアアブラヤシ教団名誉顧問に就任の噂が。(マテ)



『マシンガンや手榴弾の飛び交うあぶなっかしい世界でした。面白かったですね、ある意味じゃ。もう一回行ってみたいですね。』


ちょwwwwwおまwwwww待てwwwww


・・・と思ったら、現地では上手く立ち回っていたようです。


これからの日本の協力を担う「ボランティア」麻生太郎事務所
(小渕)まるで協力隊そのものだったわけですね。そこで学ばれたことは?

(麻生)ダイヤモンドを掘っている現場だから、マシンガンで襲われたりするのは日常茶飯事。でも、僕らのところはまったく襲われなかった。周辺の部族の長老にはきちんと挨拶をして回ったし、電気が必要なところにはモーターで電気を起こしてあげたりもして、喜ばれていたからね。それにちょっとした病気なんて、僕らの常備薬で治るから、近隣の人たちに良い人だとすっかり頼りにされるようになっていた。そういう人間を襲ったりしたら、襲ったほうが大変なことになると、いくら悪(ワル)でも知っているんですよ。

麻生太郎氏は平和的でとても仁義に厚い方ですね。(マテ)
12時07分 | 固定リンク | Comment (56) | 政治 |
2005年11月01日
小泉第三次内閣の布陣は、内閣の顔である官房長官に安倍晋三氏、外務大臣に麻生太郎氏を起用する非常に攻撃的なものとなりました。これで北朝鮮や中国、韓国に対する外交路線は更なる強行路線へと向かいます。

「容易ならざる事態」を懸念=町村氏 [10/31 時事通信]
町村信孝前外相は31日夕、退任に当たって外務省で記者会見し、安倍晋三官房長官が靖国神社参拝継続の意向を示唆したことについて「首相以下、官房長官、外相が打ちそろって靖国参拝という事態は、なかなか容易ならざる事態になってくる恐れがある」と懸念を表明した。

町村氏は外相在任中に靖国参拝を控えた理由について「(首相だけでなく)外相が行くとなると、実務的な日韓、日中の話し合いすらできなくなる恐れがあると懸念した」と説明した。
安倍氏の官房長官就任は、次期総理候補として経験を積ませるという意味である程度予想の範囲内でしたが、外務大臣に麻生氏とは少し意表を突かれました。麻生氏の事は「日本釣り振興会」の名誉会長だった頃から注目していましたが、生まれは良いのに育ちが悪いのか実に庶民的な喋りでとても面白い人です。就任会見からして早速、太郎節を全開発揮。


麻生太郎2005年10月31日外務大臣就任会見地球のイロハ

記者の「麻生大臣にとってのライバルはどなただとお考えですか?」という問に対し、「マスコミかな?」と返答できる人はそうそう居ないと思います。以前は福田官房長官(当時)とマスコミのやり取りが一部で熱心に注視されていましたが、これからは麻生外務大臣とマスコミのやり取りが熱を帯びること間違いありません。外務大臣という特性上、当然外国の反応もダイレクトに返ってきますから、凄い事になりそう。


谷垣禎一氏はそのまま留任で、福田康夫氏は入閣せず。恐らく福田氏はポストを自分から求めず辞退したのでしょう。元々権力欲の無い人で、今まで一度も「○○という役職がやりたい」とは一言も公言してこなかった人ですから。(外務大臣をやりたがっているという憶測は周囲やマスコミの勝手な言い分に過ぎなかった)もう重要な役職に就くことはありえず、一部マスコミがどんなに期待しようと福田氏が次期首相になることは有り得ません。・・・しかしやはり、早急に対外諜報機関を創設して福田氏に無理矢理、初代長官をやらせるべきだなと思いました。彼もまた麻生氏とは違う意味で有能且つ面白い人材なので。

そして新しい防衛庁長官は以前にも防衛庁長官職を経験したことのある額賀福志郎氏に決定。これまで在日米軍移転問題を担当してきましたから、氏の長官としての役割はその一点のみに集約されていると言えます。2001年のKSDスキャンダルなど色々と隙の多い人なので、あまり目立たないように努めるんじゃないでしょうか。この方は二年前に専守防衛の見直しを提言していますが、今回の在職中に再びそれを言うのか注目です。



一方、民主党の前原代表はこれまでの野党代表とは一線を画しているようです。

<内閣改造>野党反応 前原氏「エール」共社はこき下ろし [10/31 読売新聞]
民主党の前原代表は「実力者が多く、奇をてらう人事もあまりない。首相の本気が出ているのではないか。真の改革を競う形で負けないように頑張りたい」と好意的に評価した。
・・・これは凄い。日本の野党党首からこんな発言が聞けるとは思わなかった。
01時24分 | 固定リンク | Comment (39) | 政治 |
2005年10月26日
民主党の中の人達はどうなってるんでしょう・・・


「反対派の論理破綻」民主・野田氏[10/26 産経新聞]
民主党の野田佳彦国対委員長は、首相の靖国参拝に関して政府に提出した質問主意書で、「『A級戦犯』と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない。戦争犯罪人が合祀(ごうし)されていることを理由に首相の靖国神社参拝に反対する論理はすでに破綻(はたん)している」と主張した。A級戦犯合祀を理由に、首相の靖国参拝を批判する前原誠司代表らと一線を画し、波紋を呼びそうだ。


ええ〜、と思って野田議員の公式サイトに行ってみると、本当でした。


「戦犯」に対する認識と内閣総理大臣の靖国神社参拝に関する質問主意書及びそれに対する10月25日答弁書
野田よしひこ公式サイト


野田氏と前原代表は二人とも松下政経塾出身でかなり近い関係(思想的にも安全保障ではタカ派的だが内政面では左翼リベラルと共通)だと思ってたんですが、その二人が正反対のことを言い出してしまっては民主党の結束って一体何なんでしょう。前原代表の後釜を狙っての発言ならこんな早い時期に言い出すのは意味がないし、そもそもポスト前原の最有力候補である野田氏が無理をする理由がありません。意図が見出せない、もしかしたら意図など無く自分の思うところを述べただけなのでしょうか。

今回の野田氏の主張はもっともな意見だと思いますが、前原代表がA級戦犯の合祀を理由に首相の靖国参拝を否定していながら、党内の側近である実力者が正反対の事を言い出す・・・本当にてんでバラバラで、びっくりしてしまいます。
21時41分 | 固定リンク | Comment (27) | 政治 |
2005年10月24日
韓国の来年度防衛予算額は今年に比べ9.8%増の22兆8632億ウォンと決定しました。そしてなにやら、この伸び率をずっと維持していく計画のようです。


日本、韓国に国防改革案の説明を要請 [2005/10/17 朝鮮日報]
2020年まで進められる国防改革は、現在およそ68万人の常備軍の兵力をおよそ50万人に大幅に削減する一方、各種の陸海空の先端兵器を補強することを柱としている。このため、向こう15年間、合わせて693兆ウォンが投入される上、このうち先端兵器の開発と購入など、戦力の増強だけで289兆ウォンが投じられる見込みだ。


15年間で693兆ウォン。韓国の来年度防衛予算が約23兆ウォンなので、毎年10%近い伸び率を15年間続けるということです。日本の防衛予算がずっと据え置かれていると仮定した場合、10年経たずにこれを追い抜き、15年後の韓国防衛予算は80兆ウォンを超えます。

日本の防衛予算がずっと据え置きということも有り得ないでしょうし、韓国が15年間も軍拡路線を維持できるとも思えませんが、もし彼らが本気で実行するつもりなら日本の次期中期防衛計画(現中期防は昨年に軍縮型で改訂したばかり)はマイナス伸び率を許されなくなります。故に日本側も、彼らの防衛計画を詳しく聞く必要があったのでしょう。・・・しかし本気で自主国防を目指し国内の米軍に撤退して貰うつもりならば、これだけ軍拡してもまだ足りないとも言えます。韓国の周辺国はロシア、中国、日本と全て大国ばかりで、そもそも北朝鮮問題も片づいていないのですから。

ですがこの軍拡路線を実行した場合、向こう15年間の経済成長率が5%を維持できると仮定しても、15年後の防衛費対GDP比は5%近くになってしまいます。韓国は既に高度成長期を終えていますので成長率が3%程度に留まる可能性すらあります。(今年の成長率予測は3.5%)その場合、防衛予算対GDP比は8%近くになりますし、アジア通貨危機の時のようにマイナス成長した場合はその時点で全ての計画を見直さざるを得ないです。この軍事力拡大15ヵ年計画は、15年間の間に一度も修正が入らないという事態は考え難く、5年以下の短い単位で修正されていくでしょう。

経済成長率が10%あるならば防衛予算伸び率10%でも国力への負担にはなりません。しかし経済成長率以上の伸び率で軍拡をするわけですから軍事費増大のための増税が不可欠になります。しかし増税をすれば経済成長率は鈍るという悪循環。ただ、しかし・・・



北核影響か…「韓国も核兵器持つべき」67% [2005/10/14 中央日報]
この調査(中央日報・EAIアイデンティティ調査)では他国との協力を強調する「国際主義的認識」と軍事力の大切さを強調する「軍事主義的認識」、国家経済と世界経済の関係に対する認識、主要周辺国に対する認識などを調査した。

国際主義的認識に関する質問では、多くが否定的回答だった。

貧しい国への援助を増やさなければならない(40.7%)、外国人の韓国国籍取得を簡素化しなければならない(30.0%)、韓国の見解と違っても国際機関の決定に従わなければならない(37.5%)など、肯定的な回答は半数を超えなかった。

政治、軍事的側面では、韓国は国際舞台でまともに待遇を受けることができないという認識が高く(67%) 国際社会で生き残るためには軍事力が強くなければならない(72.7%)という人が多かった。

核兵器を保有しなければならないという回答者も 66.5%にのぼった。


韓国世論はこんな様子ですから、『軍事力を増大するために増税』という政策を納得しやすい土壌ではあります。それにしても昨年度の同じ調査に比べると『核兵器を保有すべし』とした割合が(51%→66.5%)と大幅に伸びているのが気になります。
19時01分 | 固定リンク | Comment (67) | 政治 |
2005年10月11日
9/18の総選挙から一ヶ月近く経ち、ようやくドイツ新政権が誕生した模様です。夏頃まではCDU/CSU優勢が伝えられていましたが選挙戦終盤でCDUメルケル党首の失策が目立ち始め混戦に。選挙結果はCDU/CSUが辛うじてSPDを上回るも、互いに過半数を取れなかった両者は大連立政権を組み、シュレーダー氏は退陣する事になりました。彼の博打ともいえた解散総選挙という賭けは、後一歩のところで及びませんでした。

しかしSPDとしてみれば解散せずに総選挙を迎えて完全敗北するよりはマシなわけで、首相の座はメルケル氏に譲る代わりに外相や財務相といった重要職を得ました。CDU/CSUは首相の他に国防大臣のポストを確保。これで現任の国防相ペーター・シュトルック氏は退任するということになりました。CDU/CSUは誰を国防相にするかまだ決めていませんが、再編の真っ最中であるドイツ連邦軍へどのような影響が出て来るでしょうか。


只今、ドイツは軍縮中なのです。

ソビエト連邦が崩壊し、東欧諸国がNATOに加盟するようになりました。敵正規軍が本国に侵攻してくる可能性は大幅に減り、隣国ポーランドが味方になることで盾も得たのです。冷戦時代ずっとNATOの盾であったドイツは、ようやく自らの盾を手に入れました。一方、極東では中国や北朝鮮が健在で、味方となる国が増えてもいない日本とは大きな違いがあります。そこでドイツは思い切った軍縮を始めました。まずは冷戦期には50万人を擁していたドイツ連邦軍(旧西ドイツ軍)を削減しつつあり、あと7年間の間に総兵力25万人にまで減らす計画です。徴兵の比率も大幅に減らし、今や8割が志願兵で構成されています。今年イタリア軍が志願制に移行し、今や先進国で徴兵制を残しているのはドイツだけになりましたが、ドイツも近い将来に志願制へ移行することになるでしょう。

そして当然、主力戦闘兵器群も大きく削減されることに。



At 50 Years, Bundeswehr Struggles With IdentityDefenseNews
How dramatic the Armys transformation really is can be seen in Structure 2010, to be adopted as of 2007. The service will reduce its fleet of main battle tanks from 2,528 to 350, infantry fighting vehicles from 2,077 to 410, artillery pieces from 1,055 to 120 and helicopters from 530 to 240.

Within the Air Force, the same radical reductions are planned. The number of combat aircraft is to be reduced from 451 to 262 in 2015 ? about 180 Eurofighter Typhoon and 85 Tornado aircraft. There will be three Luftwaffe divisions instead of four.

The Navy has managed, with the exception of the naval fighter-bomber, to retain all capabilities even though it has fewer platforms. In 2006, the Navy takes on a new fleet structure. The current five flotillas will be merged into two operational ones. The main platforms will include about 12 frigates, five or more K130 corvettes, six U212 submarines, fewer than 20 mine warfare units, three task force supply vessels and four tenders, 30 MH-90 helicopters and eight P-3C maritime patrol aircraft.


主力戦車(MBT)は2528両から350両へ削減、歩兵戦闘車(IFV)を2077両から410両へ削減、火砲(Artillery)を1055門から120門へ削減・・・ヘリ(530→240)や戦闘機(451→262)の削減幅に比べると、陸上戦力の大幅な削減が目に付きます。ポーランド軍を味方として盾として使えるといっても、かなり大胆な削減計画です。実行された場合、削減した兵器群は世界の武器市場で「お買い得中古品」として流れることになるでしょう。

ただこの計画数値はまだ決まったわけではなく、メルケル内閣へと政治体制が変わった為にまた見直しがあるかもしれません。しかしドイツ連邦軍再編の大きな流れは変わる事はないでしょう。


『独軍改編へ、介入・平和維持・後方支援の新3軍に』 [2004/1/17/ 読売新聞]

ドイツ軍の主任務は「専守防衛」から「国際紛争への対処」に切り替わり、今後は必要あらば全世界へ展開すると宣言。彼らは祖国防衛の心配をあまりしなくてもよくなったので、国がガラ空きでも安心して軍隊を派遣できると、軍縮をしながら派兵に乗り出しているのです。既にユーゴ、コソヴォ、アフガンと実績を積んでいます。
22時33分 | 固定リンク | Comment (26) | 政治 |
2005年10月08日
日本は今、軍縮をしています。

昨年に閣議決定された今後5年間の防衛力整備方針を示す次期中期防衛力整備計画(2005〜2009年度)は、計24兆2400億円(予備費除く)で、現中期防の25兆100億円(同)より7700億円の減額となっています。

ここ数年間も防衛予算は縮小傾向で、更にまたこれから5年間、防衛予算は減らされ続けます。ところがこのことが一般には浸透していないみたいで、あちこちで『軍拡を許すな!』という声が聞かれます。

日本国は小泉政権になってから、ずっと軍縮しています・・・それなのに。



公務員削減計画ごみかきのうち
なんで自衛官だけ減らさないの???

以前の日記に書いたが、防衛関係費は4兆9,030億円(平成16年度の一般会計当初予算)で歳出全体の6.0%である。
これは決して少ない割合ではないと思う。

こういうことをやると、実質的に軍備増強しているのと同じわけで、「ついにしっぽを出しやがったな」という感じが否めない。


どういう意味で「軍備増強」と言っているのでしょう? 国の予算比率的に軍事費の割合が高くなっていると主張したいのであれば間違っています。軍備とは外敵に備える為のものである以上、外から見て強くなっていない限り増強とは呼べません。それに既に述べたとおり自衛隊の軍備は予算的にも縮小されて続けています。人の数は減っていませんが、多くの戦車や火砲、航空機が削減されています。

そして自衛官だけを減らさない、というわけではありません。例えば警察官は逆に増員が決まっています。既に2002〜2004年度計画で1万人増員しており、2005〜2007年度計画で更に1万人増員する予定です。自民党、公明党は選挙公約に『警察官の増員』を掲げ続けて来ました。これからも、治安回復とテロ対策の観点から増やされる事になるでしょう。



公務員削減計画2ごみかきのうち
「信長の野望」という戦国時代のシミュレーションゲームで自分が選択した方法は、他国と戦って膨大な維持費のかかる兵力を減らすこと。


「信長の野望」で軍事を語られても、なんともはや・・・ひょっとしてギャグで言っているのだろうか。
03時12分 | 固定リンク | Comment (130) | 政治 |
2005年09月28日
菓子折持ってお宅訪問〜

「刺客じゃなくて同志」 片山氏が防衛庁訪問 [9/27 共同通信]
自民党の片山さつき衆院議員は27日、防衛庁を訪れ、大野功統長官らに初当選のあいさつをした。片山氏は財務省の防衛担当主計官として、昨年の防衛大綱策定などをめぐり同庁と激しく対立した因縁の関係。大野氏が「まさか刺客じゃないでしょ」と問い掛け、片山氏が「同志です」と切り返す場面もあった。

これに先立つ定例記者会見で大野氏は「防衛庁は片山氏とすさまじい戦いをしたが、今や同僚議員になった。現場の自衛官の姿を見てほしい」と注文を付けた。

片山氏は記者団に「防衛庁に対しては、共に戦った戦友みたいな意識がある。10年に1度の防衛大綱を担当して得た膨大なノウハウをいかし、国防政策の面で頑張りたい」と抱負を述べた。

お願いですから国防政策以外の面で頑張ってください。(きっと本人も本心ではそのつもりでしょうし)それにしても自ら和解ムードを演出にやって来るとは驚きました。選挙戦の際に県連へ土下座までして支援を要請した件もそうですが、プライドの高い人間であるにも関わらず目的のためには手段を選んだりしない生き方は、とても強かです。願わくは、自己の目的の達成が国家の利益と重なっていることを望みます。(ズレだしたら手に負えないぞこの手のタイプ)

それはそうと大野防衛庁長官もこういう冗談が言える人だったとは、これも意外でしたね。
01時42分 | 固定リンク | Comment (25) | 政治 |
2005年09月18日
昨年に陸上自衛隊に特殊作戦群が創設され、次はいよいよ・・・


対外情報機関設置を提言 有識者懇、英MI6「参考」に [9/14 asahi.com]

対外情報部の創設。折しも決まったばかりの民主党新代表前原氏も以前からこれを提唱していますから、実現に向けて障害は存在しないに等しい。なんて良いタイミング。・・・是非とも初代スパイ庁長官には「エージェント福田」こと福田康夫を推してみたい。


■在任期間が歴代トップに並んだ日の会見 (福田語録より)
 記者「森内閣の時は自らのことを『弁明長官』などとおっしゃられたこともありましたけれども、今は何と?」
 福田「秘密主義長官」
 福田「『影の外務大臣』、『影の防衛庁長官』だなんて、いろいろ名前がありますね。まあ所詮、影ですから」


いいなぁ・・・適任だよなぁ・・・
23時57分 | 固定リンク | Comment (46) | 政治 |
2005年09月17日
民主党の代表選で菅直人氏を二票差で破り、若手の前原誠司氏が新代表に選ばれました。「チャンスをピンチに変える迷党首・ミラクル☆カン」こと菅直人氏の方が端から見ていて面白そうではありましたが、今までネクスト防衛大臣だった前原誠司氏をウォッチするのは軍事的に興味深い面があります。

前原氏はガリガリの保守なのかというとそうではなく、防衛問題以外では革新的な政治思想を持っています。外国人参政権賛成や靖国神社参拝反対を訴え傷害福祉や同和問題に取り組む一方で、憲法九条改正に賛成し核武装を肯定し自主防衛を目指す。さて、彼は右なのか左なのか。鳩なのか鷹なのか。・・・強いて言うなら左で鷹。こういった存在は、実はそんなに別に珍しい訳でもありません。私の友人にも『共産主義者で軍事マニア』というソ連兵器好きの人間は居たし、著名人でも『左翼思想に傾注されながらもずっとドイツ軍マニアだった』という御仁も居ます。(ぶっちゃけていうと宮崎駿氏)


ちなみに2年前の石田日記の情報によると前原氏の人となりはこんな感じ。


昨日はネクストキャビネット安全保障大臣の前原誠司議員が法案の説明をしたが、別の事務所のある秘書によれば「(軍事)おたくが嬉々として説明しているという感じ」だったそう。確かに有事法制は前原先生のライフワークっぽいんだよなぁ、何故だかわからんが。

そう、民主党を有事法制賛成で纏め上げたのは前原氏です。・・・しかしなんだこの感想はw 前防衛庁長官の石破茂氏と気が合いそうな感じ。(両者とも軍事マニアかつ鉄道マニア)


さて、前原氏が今後民主党を纏め上げる事に成功したならば、憲法九条改正の道が早まることでしょう。どこまで彼が党を掌握できるか見物です。ですがその前に注目すべき事があります。

 ・政府対抗予算案で防衛費の民主党案をどのように設定するのか?
 ・小沢一郎氏が提唱する国連待機部隊構想をどう扱う気なのか?
 ・旧岡田執行部のメンツをそのまま起用する気なのか?

以上の三点をまずは注視したいですね。来年の一月には恒例の民主党独自の予算案を出すのでしょう、その時に前原氏がどれだけ党を掌握できたかが分かります。今年のように「防衛予算5000億円削減!」等という無茶苦茶な数値を出して来るようなら、見限るしかないでしょう。国連待機部隊構想にしても小沢氏への手前、完全否定は無理でしょうが積極的に主張してくるようなら・・・。最後の懸念については近日中に判明します。民主党前原体制執行部のメンツがどうなるのか、まずは其処からです。
21時55分 | 固定リンク | Comment (53) | 政治 |