ペシャワール会:パキスタンでの難民医療支援から撤退 [10/4 毎日新聞]
パキスタンを拠点に、隣国アフガニスタンからの難民の医療支援などを続けているNGO「ペシャワール会」(福岡市)が、パキスタンから11月にも撤退する方針を固めた。アフガン、パキスタン両国間の関係悪化が背景にあり、今後はアフガンに拠点を移す方針。会の活動はパキスタンで始まり、会の名前の「ペシャワール」はパキスタンの地名に由来するが、そのパキスタンから活動開始24年目に撤退を余儀なくされることとなった。
どうしてこうなったかというと、記事の後半にこうあります。
アフガン難民はパキスタン国内に約215万人とされるが、同国政府が今年5月、09年までに全員を帰還させることを決定。アフガン難民の救済活動を続けてきた会に対しても今春からパキスタン政府の態度が硬化した。さらに、今まで黙認してきた、病院のアフガン人スタッフの資格の有無も問題視し、日本人スタッフのビザの滞在許可期間も短縮した。同会は「改善命令は事実上の閉鎖要求で、難民強制帰還に伴う国家方針」と受け止め、撤退を決めた。
パキスタンはアフガン難民を強制退去させるので、ペシャワール会にも一緒に出て行って貰おうというのが、パキスタン政府の意向です。
【追記】ペシャワール会について詳しい消印所沢氏によると、ペシャワール会の撤退理由は公式発表とは別に、何か裏の理由がある可能性が高いそうです。
37. このペシャワール会の撤退理由が,「アフガーン難民を帰国させるため」というのは,理由としてはこれまでの会の活動と整合性がありません.
なぜならばPSMは難民のための病院なのではなく,ペシャワールにおける貧困な医療全般を支援するためのものだったはずだからです.
事実,アフガーン難民が初めて出現するのはソ連侵攻後からですが,中村医師の本の記述に寄れば,それに対してぺ会が行ったことは,
「疲弊したアフガーンの農村の支援」
であり(それが「医者,井戸を掘る」),
「難民救済」
ではありません.
むしろ本当の撤退理由は,
>今まで黙認してきた、病院のアフガン人スタッフの資格の有無も問題視
といったところにあるのではないかと愚考いたします.
また,これまであからさまに他の援助団体を批判してきましたから,逆襲を受けた可能性もありますね.
さらに(憶測半分で言えば),公表されているペ会の会計と,中村医師との記述との間に矛盾点がありますので,これまでのターリバーンとの結びつきから考えて,何かやらかしたのではないかという可能性もあります.
ちなみに現在,反ムシャラフ・テロが激しくなっているのは,周知の通りです.
まあ,真相はこれから調べてみるとして,記事は中村医師の言い分をそのまま伝達しているに過ぎず,信頼できるものとはあまり言えないようです.
Posted by 消印所沢 at 2007年10月05日 02:49:34
元々、アフガニスタンのターリバーンはパキスタンが育て上げた組織です。インドと対峙する時に備え安全な後背地を確保する為に、後方の隣国を事実上の支配化に置く必要があったからです。そしてそれは成功し、パキスタン子飼いのターリバーンはアフガニスタンの政権を掌握したわけですが・・・911テロ後のアメリカによるアフガン対テロ戦争でターリバーンは潰されました。そしてパキスタンはアメリカの半ば脅迫に近い要請で対テロ戦争に協力させられ、ターリバーンの掃討作戦に協力する羽目になりました。パキスタンは自ら育て上げたターリバーンを、捨て去らねばならなくなったのです。そうしなければパキスタン自体がテロ支援国家としてアメリカに潰され、そしてインドが漁夫の利を得る事になるのです。
そんな中、ペシャワール会の中村哲医師は対テロ戦争以前、その後も、ターリバーンを擁護する発言を繰り返していました。確かにそうすればターリバーンに襲われる心配は無くなるでしょう。しかし中村哲医師のターリバーンに対する擁護はあまりにも度を越したものとなっています。
現地に居た専門家の情報が正しいとは限らない
最早、中村哲医師はまるでターリバーンのスポークスマンと化しています。そんな中村哲医師とペシャワール会は、ムシャラフに疎まれパキスタンでの居場所を失ってしまいました。しかし活動拠点をアフガンに移しても、カルザイから好かれるとはとても思えません。彼等はターリバーンの手先と見られてしまうからです。今までが今までですから、ずっと目を付けられてしまいます。しかし、それはしょうがない事でしょう。
そんなペシャワール会ですが、最近、日本の民主党の小沢代表と何やら連絡を取り合っている様子。
国会:代表質問スタート 攻める民主、かわす首相 [10/4 毎日新聞]
このころ、小沢氏は国会内の控室。アフガニスタンで活動する福岡市のNGO(非政府組織)「ペシャワール会」に電話していたという。
恐らく、以下の件について話し合いです。
アフガンに調査団派遣へ 給油継続問題で民主党 [9/28 朝日新聞]
誰が行かされるのか知りませんが、ペシャワール会に現地案内を頼む気なんですね。それなら確かにターリバーンから襲われる心配は少ないです。現地アフガニスタン政府とISAFからは疎まれてしまうでしょうが。
小沢民主党代表:アフガン部隊参加に意欲…海自給油代替案 [10/3 毎日新聞]
小沢氏は国連決議に基づく国連の活動であれば、海外での武力行使でも憲法に違反しないという立場。2日の記者会見でも「ISAFは国連の活動で、参加は憲法に抵触しない。派遣するかしないかは時の政府の判断だ」と語っていた。党幹部は「小沢代表の持論から言えば、武力行使を含むISAFへの参加は当然だ」と指摘した。
ターリバーンと関係が深いペシャワール会と関わりがある、日本の民主党をISAFが快く思うとはとても思えないのですが。ISAFに参加したければペシャワール会との繋がりは切るべきです。そうしないと情報漏洩の可能性が有り得ます。ISAFはターリバーンの残党を相手に掃討戦をしていることを、忘れないで下さい。
そして、日本政府の海上給油活動に反対する為の代替案(政権奪取後の条件付としても)がISAFに参加する事であるならば、その任務はサマワ派遣などよりも遥かに危険である事を、民主党は国民に説明して下さい。例えば、アフガンに展開しているドイツ連邦軍はこの数年間で20人以上の戦死者を出しているのです。
民主党はそれだけの覚悟を踏まえた上で、言っているのですか?