このカテゴリ「軍事」の記事一覧です。(30件毎表示)

2009年11月30日
永世中立国スイスは、一般的な平和な国というイメージとは裏腹に、世界でも有数の兵器輸出国の一つです。そのスイスですが、兵器輸出の是非を問う国民投票が11月29日に行われました。


永世中立国スイスが問われる、兵器輸出の是非 - swissinfo
11月29日に行われる国民投票では、兵器輸出禁止を求めるイニシアチブの是非について問われる。平和主義者、左派政党、緑の党、キリスト教教会などが参加するグループ「軍隊のないスイス」はイニシアチブを発足させるために必要な10万人分を9000人分上回る有効署名を集め、2007年9月に政府に提出した。
兵器輸出の禁止を求めたイニシアチブが国民投票で問われるのは、1997年以来2度目となる。前回は投票者の約8割が反対し否決された。今回も、政府や議会はイニシアチブの要求に反対している。


スイス国民投票、ミナレット禁止が可決。武器輸出は引き続き認められることに - swissinfo
11月29日に行われた国民投票で、イスラム寺院の塔「ミナレット」の建築を禁止するイニシアチブが予想に大きく反し、大差で承認された。イニシアチブが可決されるためには、過半数の賛成票と、賛成票が過半数を数える州の数でも過半数を取ることが必須で、極めて珍しい。現行憲法が発布された1874年以来、今回の承認は17番目となる。
一方、兵器輸出禁止を求めたイニシアチブは反対票68%の大差で、否決された。今回の投票率は50%を超え、スイスでは高い投票率となった。



兵器輸出禁止の提案が否決された事は予想通りです。前回の80%の否決と比べ今回は68%と数値が若干下がっていますが、果たして遠い将来にスイスの兵器産業の終焉の日が、やって来るのでしょうか。自国軍隊の規模が小さい(緊急時の動員兵力は多く歩兵装備は多いが、戦車や戦闘機などの大型機動兵器の類は少ない)為、兵器輸出が禁止されればスイスの兵器産業はお終いです。今のところは、スイス国民の間では「兵器輸出継続は当然」という認識が大勢を占めているようです。

ちなみにスイス国営兵器産業『RUAG』は、ヨルダン陸軍のアル・フセイン戦車(イギリス製チャレンジャー1戦車)の改修計画「Falcon2砲塔」に携わっており、自社製120mm50口径CTG滑腔砲を提供しています。砲塔自体は南アフリカのISTダイナミクスが開発しています。これは主力戦車に初めて搭載される低姿勢砲塔(Low Profile Turret:LPT)です。装甲車ではストライカーMGSが採用しているものです。

Falcon Turret | Military-Today.com
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2009年11月24日
Wikipediaの「F-X (航空自衛隊)」のF-35に関する解説では、以下のような記述があります。

F-X (航空自衛隊) - Wikipedia#F-35
「国際共同開発であるため、F-22以上にライセンス生産の可能性は低いとされていたが、ロッキード・マーティンは「全プログラムをロッキード・マーティンがコントロールできることになれば、F-35を、ライセンス生産を含めて提案することが可能になる」としている。」

また英語版Wikipediaの「F-35 Lightning II」の採用国トルコの解説では、以下のような記述があります。

F-35 Lightning II - Wikipedia#Turkey
「It is also anticipated that TAI after 2013 will also produce 100% of the F-35 under license from Lockheed Martin Corporation, as was also the case with the F-16 Fighting Falcon program Peace Onyx I and II.」

2013年以降にTAI(Turkish Aerospace Industries;トルコ航空工業)がロッキードの許可を受けて100%ライセンス生産を行う事が予期される、とあります。

そしてこれらの記述のソースを探していたら、英フライトグローバル誌にこのような記事がありました。今年の7月22日の記事です。

Japan and Lockheed mull F-35 assembly plant - Flightglobal
「Lockheed Martin executives have held initial discussions with Japanese government and defence ministry officials about building an in-country final assembly facility for the F-35 Joint Strike Fighter.

Sources close to Lockheed and the Japanese government say the proposal is similar to the final assembly and check out facility offered to Italy, and would fulfil Tokyo's wish to have a domestic production capability to support its indigenous industry as part of a next-generation F-X fighter procurement.」

しかしこれは最終組み立て工場に関する話ですね。ライセンス生産ではなくノックダウン生産という扱いになります。

色々と英語ソースを探して見ましたが、信頼あるソースでF-35のライセンス生産の可能性について触れた記事は見つかりませんでした。日米のWikipediaの元ネタは何処からなんだろう? 
posted by JSF at 02:06 | Comment(290) | TrackBack(0) | 軍事
2009年11月23日
航空自衛隊のF-4ファントム戦闘機の代替計画、次期戦闘機FXはF-35ライトニングUとなるようです。




防衛省、次期戦闘機F35採用へ 約40機の導入想定:共同通信

F-35は多国間共同開発戦闘機であり、今から購入するには開発資金を後から補充という形で出資する必要があります。開発に後から参加するという形になる為、武器輸出制限の緩和が必要となります。

そして多国間共同開発という制約により、F-35はライセンス生産をさせて貰う事が事実上不可能で、完成機の購入が前提となります。部品の一部生産に参加する事は可能かもしれませんが、全ての部品から製造する事は認められないでしょう。開発に最初から携わっているイギリスですら自由にならないのに、後から参加する日本に有利な条件は与えられません。

また、F-35の納入は開発参加国が優先され、後から購入を表明した日本は後回しにされます。どんなに早くても2015年以降、2010年代後半或いは2020年以降にならないと実機を手にする事は出来ないでしょう。その間の10年近く、戦闘機の新規調達が出来なくなります。

ロッキードに交渉して、F-2戦闘機のロッキード側の製造権を譲り渡して貰って、日本国内でF-2の製造ラインを再構築し、F-35配備までの空白期間をF-2追加調達の少量生産で埋めるという手立てもありますが、それをやるとその場合のF-2の調達単価は跳ね上がる事になります。後から言ってもしょうがないですが、F-35導入が前提ならF-2の調達を中止すべきではなかったかもしれません。一度止めた製造ラインの再開には新たな資金が必要になってしまいます。

F-35戦闘機は空対空戦闘よりも対地爆撃を重視した設計です。ただしステルス性能の為に兵装は機体内部に搭載する為、空気抵抗が少なく、加速性能はそれほど悪くは無いというデータもあり、現状では機体内兵装庫内に空対空戦闘では4本の中距離A空対空ミサイルしか積めませんが、短距離空対空ミサイルをもう2本、機体内兵装庫に積むように改修する計画もあるので、レーダー性能の高さとステルス性能を加味すればF-16戦闘機やF-15戦闘機を上回る空戦能力は有しているでしょう。

ただ、日本がF-35戦闘機を手にする頃には、ロシアや中国のステルス戦闘機が出てくる頃になります。航空自衛隊は次のFX、F-15PRE-MSIP機の更新にF-35を追加導入するのか、それとも国産戦闘機で行くのか、戦闘機の自国生産技術の維持が10年20年と空白が存在してしまう事になるのに、自国開発など果たしてできるのか・・・技術研究本部の「心神」はあくまで実験機に過ぎません。

F-22戦闘機の取得が不可能になったことで泥縄式の選定となった空自のFXはF-35戦闘機となりましたが、このように様々な問題を孕んでいます。選択自体は仕方が無いですし、悪いとも思いませんが・・・
posted by JSF at 20:08 | Comment(373) | TrackBack(1) | 軍事
2009年11月16日
以前書いた記事「護衛艦くらま炎上とUSSベルナップ炎上の共通点」は、この2隻の共通点が「衝突事故で火災が発生するも弾薬は誘爆せず、復旧可能」というものでした。ベルナップは上部構造物が全て崩れ落ちましたが復活し、くらまは艦首が大破しましたが、これから修理に入る模様です。

そして意外にも同じ状況に陥った軍艦の例が他に見当たらず、この2隻特有の事例となっています。あれから可能な限り軍艦が衝突事故を起こした際に炎上した例や弾火薬に引火爆発した例があるかどうか調べ直して見ました。ですがやはり他には見当たりませんでした。

近い事例として、第一次世界大戦中にアメリカ海軍の駆逐艦「マンリー(Manley)」が、対潜護衛任務中にイギリス海軍の仮装巡洋艦「モタガ(Motagua)」と衝突事故を起こし、爆雷が暴発した事故なら見付かりましたが、引火しての爆発ではなく衝撃で爆発し、その後に炎上(熱せられた弾片がガソリン缶とアルコールタンクを貫通、炎上)という事例なので、状況としては順序が逆になります。

マンリーとモタガの事故は凄まじい状況だったようです。


http://www.ussmanleydd940.org/Newsletter/Jan2009/ManleyNotesJan2009_1.pdf
The HMS Motagua had rolled down on a depth charge in the depth charge projector which was mounted on the port side of Manley’s after deckhouse. The charge blew up in a shattering detonation as the destroyer shuddered and lost way .


モタガが、マンリーの爆雷投射機の上に乗り上げてきた? 「had rolled down」とあるから爆雷が転げ落ちてきた・・・のではなく、爆雷の上に仮装巡洋艦がロールしながら乗り上げてきたという話のようで、その衝撃で爆雷が暴発した結果の事故のようです。

depth_charge.jpg

水上戦闘艦用の対潜水艦兵器である爆雷は旧式兵器で、今はもう主流ではありません。爆雷の設置はこのような方式で、剥き出しに並べてある場合が多くなります。写真は「爆雷投下軌条」で、「爆雷投射機」は若干の火薬で爆雷を打ち出す装置です。

剥き出しで並べてある上、艦の一番外側の低いところに置いてあるので、その上に他艦が乗り上げてきたら確かに危ないです。ただ、この種の事故例もこれだけみたいです。
posted by JSF at 23:58 | Comment(29) | TrackBack(0) | 軍事
2009年11月11日
最近のホットな中国軍ニュースとして、J-10戦闘機のパキスタン輸出の話と、新開発の第五世代戦闘機(ステルス戦闘機)J-14を近いうちに試験飛行させると、空軍副司令官の何為栄中将が認めた事です。J-10のパキスタン輸出については実は今年4月に合意済みで、パキスタン名「FC-20」という呼称まで決まっています。

J-10戦闘機には今年になって確認された改良型のJ-10Bというタイプがあります。目立った改良点はダイバータレスエアインテークによるステルス性能の向上にあります。J-10Aのロシア風で剛健な雰囲気のエアインテークから、J-10Bは柔らかい丸みを帯びた形状のエアインテークとなり、印象がガラリと変わっています。



J-10Aのダイバータ付きエアインテークが可変式だったのに対し、J-10Bのダイバータレスエアインテークは当然、固定式です。その為J-10Bの最高速度はJ-10Aよりも低下しているでしょうが、ステルス性の向上との引き換えとなります。

j-10a.jpg
※J-10A戦闘機

ダイバータは機体表面との摩擦による空気の遅い流れを吸い込まないように、インテークを浮かせて取り付けたものですが、強い電波反射を生む為、出来れば無くした方が良いです。しかし形状の工夫だけで空気の境界層を制御する事は大変で、アメリカはステルス機であるF-22戦闘機ですらダイバータレス採用を諦めてエアインテーク付近にRAM(電波吸収材)を貼り付けています。次に開発したF-35戦闘機でようやくダイバータレス化を行っています。研究自体はF-16戦闘機の頃からやっていますが、実戦配備用として採用されるのはF-35からです。

中国は先ずパキスタンと共同開発したFC-1戦闘機でダイバータレス化を行い、次いでJ-10戦闘機にも採用しましたが、本当の目的は完全なステルス戦闘機である第五世代戦闘機開発計画J-XXへの習作という意味合いなのでしょう。現在、J-XXはJ-14という名で呼ばれています。

j-xx.jpg

完成イメージCGは未来的過ぎるエースコンバット登場オリジナル機体のような姿ですが、実際に開発中のものとは姿形は懸け離れている筈です。J-14計画は近く試験飛行を行い8〜10年後に実戦配備とのタイムスケジュールですが、開発は恐らく難航して遅延するでしょう。しかし既にステルス技術を習熟しようと、実用戦闘機に少しずつですが反映させている中国は、決してフルスペックのステルス機開発が不可能なのではありません。中国の技術力は着実に進歩しています。

一方で我が国のステルス実験機ATD-X「心神」はダイバータ付きエアインテークです。

atd-x.jpg

日本でもダイバータレス化の研究を行うべきではないかと思います。
posted by JSF at 03:48 | Comment(259) | TrackBack(0) | 軍事
2009年10月29日
ハワイ沖で海上自衛隊のイージス艦「みょうこう」が弾道ミサイル防衛のSM-3発射テスト「JFTM-3」に成功しました。これで海上自衛隊のMD改修艦は3隻目です。来年は「きりしま」による試験が予定されています。



なお「JFTM」とは「Japanese Flight Test Mission」の略語です。



MDA公式から凝った編集の動画も上がっています。

それと微妙に関係のあることですが、10月27日のテレビ朝日「報道ステーション」に置いて、その日に発生したヘリコプター護衛艦「くらま」と韓国コンテナ船の事故に関連して、昨年のイージス艦「あたご」の漁船衝突事故が引き合いに出されていましたが、大きな間違いがありました。

古舘伊知郎アナウンサーは「あたごの事故はMD試験の帰りで・・・」と、間違った事をま〜だ言っていたのです。

(2008/02/20)イージス艦事故で報ステが捏造報道

そうですか、昨年に行った間違いをまだ理解せずに報道し続けていた訳ですか。誰も古舘アナを正さなかったのですか。電話取材の田岡俊次氏も頷いていたそうですが、軍事ジャーナリストがそこで正さないと一体誰が正すんですか?

昨年、「あたご」がハワイの演習海域で試射したのは通常型の艦対空ミサイル「スタンダードSM-2」であって、MD用のSM-3ではありません!

ああ、その場に居合わせたのが岡部さんだったら即座にツッコミが入っていた筈なのに、元帥使えないな、もう。

誤報垂れ流しの報道ステーション、いい加減にしてくれませんか? あたご型にはまだSM-3搭載改修の予算は組まれていません。自衛隊は、恐らく開発中のSM-3Block2が出て来てから搭載する気です。今のところは、あたご型にSM-3発射能力はありません。
posted by JSF at 01:44 | Comment(86) | TrackBack(0) | 軍事
2009年10月22日
鍛冶俊樹という軍事ジャーナリストは、元航空自衛隊で情報関連任務に携わっていたそうなのですが・・・その経歴を疑ってしまうような軍事分析の数々が見受けられます。日経ビジネスオンラインに鍛冶俊樹氏の記事が幾つか掲載されているので、紹介して見ます。


米露中で渦巻く核の“微妙な均衡”:日経ビジネスオンライン
米国のミサイルは新式で、その性能は旧式のロシアのに比べ3倍優れている。
つまり米国の核兵器は1発でロシアの3発分の効果を発揮する計算になる。
従ってロシアは事実上、米国の3分の1の核弾頭しか持っていない勘定になる。


これについての感想は、現役軍事ライターである某氏が漏らした一言が全てでした。

「微妙な均衡とか言いながらすごい丼勘定ですね。」

他にも記事のそこかしこに妄想的断言が頻繁に見られますが、一番笑えたのがこの丼勘定です。

ところで鍛冶氏は、アメリカの主力ICBM「ミニットマン」は50年前の設計の古いミサイルだということを、知らないのでしょうか? 新式ICBM「ピースキーパー」はロシアとの核軍縮交渉で先に退役させているのですが。・・・どうも核戦力に関する基礎中の基礎を把握していないまま記事を書いているように見受けられます。殆ど空想で書いていらっしゃいますね。何の根拠も無しで。

では次は最近の記事です。米GMがハマーブランド(ハマーH1は軍用ハンヴィーの民生版)を、中国四川省の騰中重工に売り渡した事についての話なのですが・・・


「トヨタハマー」はなぜできない?:日経ビジネスオンライン
いつ中国に移転するかもしれない工場に留まりたいと思う米国人労働者はほぼ皆無だろう。 当然、中国企業としては、この事態を予想しているはずであり、生産技術の獲得に全力を尽くすだろう。しかしこれはさらに問題を生む。ハマーの技術が中国に流出し、軍事転用される公算が極めて高くなるのである。たかが自動車技術、軍事転用とは大げさだなどと思うなかれ。ここにこそ問題の本質があるのだ。なぜならハマーはもともと軍用車両なのだから。


ああ鍛冶氏は、人民解放軍のEQ2050多用途車を知らないんですね。



米GMがハマーブランドを中国四川省の騰中重工に売り渡す前から、中国の三大自動車メーカーの一角である東風汽車はハマーH1の中国バージョンを造っています。ハマー開発元の米AMゼネラルから技術支援を受け、主要コンポーネンツ(シャーシ、ギアボックス、エンジン)の部品供給を受けて生産しています。

つまりアメリカはとっくにハマーの製造技術を中国に教えているわけです。そんなものは軍事機密でも何でも無いからです。以前、人民解放軍はBJ212多用途車という車両も使っていましたが、こっちはジープXJチェロキーがベースの車両です。製造元の北京汽車はアメリカとジープ生産用の合弁企業も作っています。アメリカは中国に対して、昔からこの種の車両の技術支援は行ってきました。所詮は民間車両と同じ線上の物でしかないので、特に軍事的政治的な制限など置かれていません。チャイニーズジープ、チャイニーズハマー、どちらもアメリカの製造元から正規に許可を得て技術支援を受けながら製造されているものです。中国は他にロシアの自動車会社GAZからも技術支援を受けており、最新型のBJ2022多用途車はGAZベースです。



ここまで書けば、もうお分りだろう。米国がハマーブランドを中国に売るより、トヨタがハマーとハンヴィーを買い取って、日米共用の軍用、民生用自動車を生産、販売した方がはるかに望ましいのだ。


丸っきり的外れです。アメリカはハンヴィー後継車両の選定に入っており、時代遅れになったハンヴィー、ハマーの技術を中国に提供しただけです。日本のトヨタもそんなもの、今更要りません。というか自力で作れます。今のハマーブランドというのは、高級RV車ブランドとしての価値しかないのです。ラグジュアリーで馬鹿でかいハマーH2こそがその頂点でした。



具体的に言おう。ハンヴィーは米AMゼネラルが生産し、米軍に納入している。海外にも輸出しており、軍用品としてはヒット商品だと言える。だが先に述べたように、性能は今ひとつ物足りない。もしこれをトヨタが作れば、かつてのジープのように世界各国の軍隊で採用されることは間違いない。


関係者が聞いたら鼻で笑われます。



ここで再びハンヴィーを原型として、トヨタがハマーを作れば売れる余地がある。というのもハンヴィーのような車両は、実は軍隊だけではなく、警察や消防あるいは国境警備や災害行政などでも需要が高いのだ。しかもそこではGMのハマーよりもトヨタのメガクルーザーの方が評価が高かった。


寝言は寝て言いましょう。



中国の企業に売却すれば、数年後にはハマーブランドは消えてなくなるかもしれない。しかしトヨタが引き継げば安泰だろう。また中国に売られれば軍事技術の流出が問題化するのは目に見えているが、トヨタが作れば日米安保の強化、さらには日米関係の良好化に役立つのである。


いちいち突っ込むのも面倒だな、もう。



だが現実には、「トヨタハマー」は実現していない。不況の影響もあるだろうが、それでも北米トヨタは米国では優良企業だ。見込みのある事業なら銀行は喜んで金を貸すだろう。米国の指導層もハマーを中国に売るか、日本に売るかの選択を迫られれば、日本を選んで不思議はない。

にも関わらず・・・。その理由を突き詰めていくと、日本政府が掲げる武器輸出3原則に突き当たることになる。


要するにクソ長い前振りは「武器輸出3原則の撤廃」を訴えたかったわけですか。残念ですがそのクソ長い前振りの全てが的外れですので、もう何の説得力もありません。

軍事に関して勉強し直して来てください。鍛冶氏、貴方はとても「軍事ジャーナリスト」を名乗れるレベルにはありません。
posted by JSF at 22:32 | Comment(193) | TrackBack(0) | 軍事
2009年10月14日
首藤信彦本人の反論やクライン孝子、田岡俊次の弁を紹介しておきます。


江畑謙介「自民寄り」と発言 民主党代議士ブログ炎上‐J-CAST
これに対し、首藤議員本人が、取材に応じ、ブログのエントリーを撤回することも、お詫びをすることもないことを明らかにした。その理由について、こう説明する。

「この分野に関係ない人が、内容を曲解して書いているんだと思います。現実を知らない人の話ですよ。イラク戦争のときも1日5000件来ましたが、同じような人が同じようなキーワードで書いているのでしょう」。


911同時多発テロやイラク大使館員射殺事件などで、根拠の無い陰謀論を信じ込んでいる妄想家の首藤信彦が「現実を知らない」と相手を批判しても、苦笑するしかありません。現実を知らないのはどちらでしょうか。

過去に首藤信彦は戦車不要論を唱え、戦車の代わりに装輪装甲車を導入しろと主張していました。カナダ陸軍が戦車を廃止し代わりにストライカーMGS(LAV装輪装甲車の機動砲型)を導入しようとしていたのに影響されたのでしょう。しかし当のカナダ陸軍は実際にアフガニスタンに展開して戦闘を経験した上で、歩兵が相手でも重装甲の戦車がやはり必要だという認識に達し、カナダ本国のレオパルト1A5戦車(レオパルトC2)をアフガ二スタンに運び、それでも足りないとドイツからレオパルト2A6M戦車を緊急リースし、今ではアメリカ軍の次に多くの戦車をアフガンに展開している有様です。



今は実戦での戦訓を踏まえて、戦車が再評価されている時代です。カナダ国防省は自国政府に対し、ストライカーMGSの調達を止め、戦車を存続させるように要求しています。しかし首藤信彦は、以前に自身のサイトの掲示板で戦車不要論を追及された時に、議論を強制的に打ち切って逃げました。その程度の人が軍事・安全保障問題の専門家を自称しているのですから、困ったものです。


クライン孝子の日記 2009/10/13 (火) 日本のメデイアの不思議!
2)訃報:軍事評論家・江畑謙介さん死去
http://mainichi.jp/select/today/news/20091013k0000m040012000c.html
イラク戦争開始直後たったかな、確かNHKでこの戦争に関して
解説されていたのをちょうど帰国して視聴しました。
即座にこれ英国のプロパガンダに巧みに乗せられているなと感じ、
外国人特派員協会でスイスのジャーナリストにそう感想を
もらしたら、彼「まさに正解」といっていました。
日本の軍事評論家ってその程度ではないかな、と思いました。


江畑氏の解説のどの点がイギリスのプロパガンダに影響されているのか何の説明も無い上に、スイスのジャーナリストが何処の誰かすらも示されておらず、一切何の根拠も示さずに印象論だけでこの言い草ですか・・・クライン孝子氏のやっている事こそ、程度の低い印象操作ではないでしょうか。


江畑謙介「自民寄り」と発言 民主党代議士ブログ炎上‐J-CAST
一方、専門家には、首藤氏の議論にも理解を示す向きがある。

軍事評論家の田岡俊次氏は、こうコメントを寄せている。

「江畑氏は本来、政治色がなく、技術的に精密でデータの豊富な記事を書かれ、感服することも多かった。ただ、首藤代議士のような中東・アフガニスタン問題の専門家から見れば、米国のアフガン戦争、イラク戦争などに関する江畑氏の論評には得心のいかない点が少なくなかったのもうなずける。首都を取ったから戦争はアメリカの勝利で、その後、治安維持に苦労した、という江畑氏の論評には私も首を傾げた。戦争は総合的なもので、首都を取っても負けた例は多い。ソ連のアフガン侵攻は初日に首都カブールを制圧したし、日中戦争でも日本は首都南京を攻略したが、戦争には勝てなかった。江畑氏は晩年、外務省等の政府の委員を委嘱されることが多かったためか、『米軍再編』などの著書もよく調べてはあるのだが、沖縄などの基地返還の可能性について否定的結論が多く、実際には米側がその後返還を申し出たため、食い違いが表面化したこともある。江畑氏の記事、論評はあくまで理科的であり、社会科的(歴史、民族性、政治、経済など)な観点で戦争を見る首藤代議士は不満だったのだろう。実際には、理科、社会の両面からの観察が必要なのだ」


イラク戦争の際に、田岡俊次氏は「アメリカ軍はイラク軍相手に苦戦し戦争は長期化する」と唱えていました。しかしこれは正規軍同士の戦闘でアメリカ軍が大打撃を受けるというもので、その後の治安維持で手こずる事になるという予測ではありませんでした。その為、バクダッドが簡単に陥落した時には田岡氏は厳しい批判に晒されています。また田岡氏は治安維持面では「スンニ派とシーア派が一体となってアメリカ軍に抵抗する」と予測しましたが、実際には両宗派間の対立は増しており、それどころかスンニ派内部、シーア派内部の対立と離反が目立つようになっている為、田岡氏の予測とは逆の結果となっています。

イラクでアメリカは勝ったのか負けたのか。軍事的には2008年にアメリカ軍の損害が急減しており、この傾向がこのまま続けば段階的に撤退して、一応は「勝った」と言い張れるでしょう。第二次チェチェン紛争がロシアの勝利で終わり、今年4月に対テロ作戦指令を解除して、撤退しつつあるように。それなのにこの田岡氏の書いたJ-CAST記事の文章を読んでいると、まるでアメリカはイラク戦争で負ける、いや負けて欲しいという願望が滲み出ているように見えます。アフガニスタンに比べれば、イラクの戦況はもう峠を越した時期に差し掛かっているのですが・・・

田岡氏はJ-CAST記事で、「首都を取っても戦争に負けた例」としてソ連のアフガ二スタン侵攻を挙げていますが、これは完全に例として不適当です。当時、アフガニスタンでは反共産党武装勢力がほぼ全土を覆い、アミン共産党政権はソ連に介入を要請しました。しかしソ連政府は反共勢力を鎮圧できない役立たずのアミン革命評議会議長の処分を決定し、特殊部隊で襲撃し暗殺、これに呼応して地上軍の大部隊を雪崩れ込ませ、一気に首都カブールへ進駐しました。要するにソ連侵攻時のアフガニスタン首都カブールとは、ソ連にとっても本来の敵である反共産党武装勢力の支配を逃れていた一角であり、カブールを取っても反共産党武装勢力との戦争に勝てない事など当たり前の話なのです。あれは負けそうになった友好国の首挿げ替え手術であり、敵勢力の中枢部を制圧した話ではありません。田岡氏の例話は完全に不適当です。

また日中戦争で日本は首都南京を攻略しましたが、蒋介石は重慶を臨時首都として戦い続けています。敵国の首都が新たに出現して、それは攻略できなかったのですから、これもイラク戦争とは状況が違い過ぎており、結び付けようとするのは全く不適当です。

『米軍再編』の件にしても、沖縄のアメリカ軍の基地返還は県内移転ばかりですし、主要な機能は維持したままです。大筋で江畑さんの主張は間違っていない筈ですが、田岡氏の主張する「食い違い」とは、一体何を指すのでしょうか。

そして「実際には、理科、社会の両面からの観察が必要なのだ」という主張に関しては、これはこちらの解説を参照して下さい。


江畑氏への哀悼と、氏への誹謗中傷に対する批判 - ミリ屋哲の酷いインターネット
江畑氏が「理科的」立場で発言していた、そのこと自体に意義はない。しかし、江畑氏はそのような自己のスタンスをしっかりと自覚しており、意見を求められるときは「『理科的』見地から分析した一意見」であることを明確にしておられた。そして、当然ながら「社会科」的見地からの意見の重要性も認識し、それら意見を総合的に判断して決断を下す責任は国民にある、という事を常に口にしていた。このような態度が、彼を「良く」知る人々が「知的誠実さを持ち合わせていた」と評する所以だろう。


誠実さからは程遠い首藤信彦の態度と見比べると、その差は歴然としている筈です。
posted by JSF at 23:55 | Comment(218) | TrackBack(0) | 軍事
J-CASTが首藤信彦ブログ炎上を記事にしました。その際に江畑謙介氏の妻、裕美子さんが首藤信彦に対し反論していたのですが、今は何故か反論が消されてしまい、逆に「仲良くさせて頂いていた」という真逆の内容に入れ替わっています。

↓削除前、http://www.j-cast.com/2009/10/13051574.htmlの2009年10月13日 22:31に記録された魚拓


江畑謙介「自民寄り」と発言 民主党代議士ブログ炎上‐J-CAST
実際の江畑氏は、どうだったのか。妻の裕美子さんは、取材に対し、自民寄りとの指摘について次のように語る。

「主人に思想はあったと思いますが、まったくどちら寄りということはないですね。政府の委員を引き受けますので、中立でないといけません。委員会では自民党の政治家の方とも親しくしていましたが、主人は政治家があまり好きでなく付き合いを避けていた方なんです。ブレーンになるなど政治に首を突っ込んだこともありません。仕事でも、中立的な解説を心がけていました」
また、現場を知らないとの指摘については、こう反論する。

「若いころは海外に取材に出かけていましたが、ここ数年は体調が思わしくなく、出られませんでした。しかし、そうしない方が、外から客観的に見ることができますし、情報も入りやすくなります。主人は、ジャーナリストと申しておらず、評論家として客観的に分析するのが仕事でした。理工学部出身なので、飛行機の性能などメカニックな形の評論を得意としていたわけです」


↓削除後、現在。


江畑謙介「自民寄り」と発言 民主党代議士ブログ炎上‐J-CAST
妻の裕美子さんは、取材に対し、「私どもは、仲良くさせて頂いたのでショックです」と話している。


これは一体どういう事なのでしょうか。裕美子さん自身が後から差し替えるように頼んだのか、それともJ-CASTが裕美子さんの発言を捏造して抗議されて差し替えたのか、あるいは・・・政治的圧力を受けて差し替えられてしまったのか。

差し替える前の裕美子さんの反論が、具体的で内容が濃いので、とてもJ-CASTが取材を取る前の予定稿を間違えてUPしたようには思えません。何も知らない記者が書けるようなものではないです。

生前の江畑謙介さんは、自身の政治思想がどうであるか語る人ではありませんでした。自身の事を右派であるとも左派であるとも、中道であるとも言いはしませんでした。江畑さんの視点は「軍事」であり、軍事情勢の判断に自分の政治思想的な好みを入れないように常に努力されてきた方です。これは言うほどに簡単な事ではありません。情勢の判断にはどうしたって自分の願望が滲み出てくるものです。それが江畑さんには殆ど無かった。そんな軍事評論家は、江畑さん唯一人でした。

◇下心のない男 軍事評論家・江畑謙介

そして此処に書かれてあるように、政治家になろう等と言う下心や、お金を沢山儲けようとする事も無く、自分の趣味と仕事が一体化している事に幸せを感じ、それで十分だと満足されていたのです。政治的野心なんか何も無い人でした。

そんな素朴な人だったのに・・・首藤信彦のやった事は本当に度し難いです。
posted by JSF at 12:17 | Comment(107) | TrackBack(1) | 軍事
2009年10月13日
亡くなられた途端に誹謗中傷をするんですか。それも内容は全て勝手な思い込みによる妄想・・・どうして江畑謙介さんがこのような最低の人間に辱めを受けなければならないのですか? 

卑劣な真似を行ったのは首藤信彦(すとうのぶひこ)という民主党議員です。

ある軍事評論家の死 - すとう信彦 & his band

内容を引用するのも気分が悪いです・・・出鱈目な話を並べ立てて、勝手な思い込みだけで誹謗中傷を行っている・・・江畑謙介さんの人となりを知る人なら、誰もがこの首藤信彦の日記を否定するでしょう。◇下心のない男 軍事評論家・江畑謙介

私は4年前に、首藤信彦の事を記事にしたことがあります。

(2005年3月24日)説明責任を果たすべき国会議員「すとう信彦」

国際連合安全保障理事会決議1718という根拠があるのに「対北朝鮮経済制裁は国際法違反だ」と出鱈目な主張を行い、嘘を吐いてまで北朝鮮を庇う一方、イスラエルに対しては経済制裁を主張するような人物でした。このような色眼鏡であらゆる物事を見ているのですから、騒動ばかり引き起こしています。

イラクでの外務省職員射殺事件を米軍の誤射だと言い出したり、機甲師団を解体し戦車を廃止してストライカーMGSを配備しろと言ってみたり、中国と仲良くすべきという根拠を「遠交近攻の策」だと解説して見たり・・・

私は首藤信彦がちゃんとした安全保障論を唱えているのを見た事がありません。何時も何時も肥大化させた妄想電波の産物ばかりです。そんな首藤信彦が、傑出した軍事評論家の江畑謙介さんを「擬似専門家」呼ばわりして辱めているだなんて・・・自身の程度も理解せずに、あまりにも愚かな行為としか言いようが無いです。
posted by JSF at 04:04 | Comment(375) | TrackBack(5) | 軍事
2009年10月12日
そんな・・・まだ60歳だったのに・・・お悔やみを申し上げます。

NHKニュース 軍事評論家 江畑謙介さん死去

江畑さん以上に、軍事戦略を総合的に的確に解説できる評論家は、日本には居ませんでした。代わりとなる人なんて居ません。知識だけでなく評論に対する真摯な姿勢は特筆すべきもので、日本で最も尊敬されていた軍事評論家でした。

Amazon.co.jp: 江畑 謙介 - 和書: 本

江畑さんの書かれた著作は初心者が読んでも分かりやすく、どれもお勧めが出来ます・・・ああ。

もう二度と新たな本は出ないし、テレビで解説するその姿も見れないのですね・・・
posted by JSF at 18:28 | Comment(202) | TrackBack(1) | 軍事
CRSさんのmixi日記でその存在を拝見。



IMI Introduces a new design for the Wildcat Armored Vehicle | Defense Update

15トン級の4輪装甲車です。

「なんか猫バスみたいなデザインだ」
「ガンポートはどこの国もやめてるのになぜ採用」

イスラエルの車両らしく耐地雷を十分に考えた底面V字設計ですが、この設計で最低地上高をある程度確保しようとすると、やっぱり腰高にならざるを得ないですね。逆にどうせ腰高になるのならと車高の方も十分に取って、後方ランプだけでなく側面にもランプを付けて、搭乗歩兵が乗り降りし易いようになっています。でもこれ重心が高くなって引っくり返りそう・・・。

そして問題は防弾ガラス覗き窓と一体化したガンポートです。

wc1.jpg

wc0.jpg

搭乗歩兵は車両の上部ハッチを開放して射撃も出来るのに、ガンポートまで用意されています。これはガンポート復活の狼煙になるんでしょうか? 脅威レベルの高い所では増加装甲を付けてガンポートは使えなくなるみたいですが、脅威レベルの低い所ではガンポートが十分に有効であるとイスラエルは判断している模様です。市街地の警備用ということを重視しているのでしょう。4輪ですからかなり小回りが効きますし。
posted by JSF at 07:40 | Comment(83) | TrackBack(0) | 軍事
2009年10月10日
以下は日本ビジネスプレスに掲載された、宮家邦彦氏の記事です。


中国が軍事力で米国を圧倒する日 正面装備だけに目を向けると見誤る :JBpress(日本ビジネスプレス)
軍事に詳しくない中国専門の記者はミサイルの射程など攻撃能力の向上ばかり書いている。しかし、日米の軍事専門家は正面装備よりも、中国軍の戦略の変化、戦術の高度化、統合運用、訓練、通信など解放軍部隊の実際の作戦能力に関心があるはずだ。


このように宮家邦彦氏は「軍事に詳しくない中国専門の記者」を馬鹿にしています。ではこの人は戦略や戦術、作戦能力について詳しいのかと言えば、そうではありませんでした。


中国が軍事力で米国を圧倒する日 正面装備だけに目を向けると見誤る :3ページ目
これら膨大な資料を分析した米軍関係者が危惧するのは、次のような中国の「非対称型」戦術能力だと思われる。

1.前方展開基地や空母機動部隊に対する同時多発的ミサイル攻撃

在沖縄米軍基地、特に空軍関係者の悪夢は中国による何十発もの通常弾頭中距離ミサイルによる同時多発型攻撃だ。最近中国製ミサイルの命中精度は飛躍的に向上しており、一発でも滑走路に命中すれば、空軍基地としての機能は一瞬にして麻痺する。

この点は中国沿岸に近づく空母機動部隊についても同様だ。一度に数十発ものミサイルを発射されたら、今のミサイル防衛システムではとても対応できない。弾道ミサイルであろうと、巡航ミサイルであろうと、完全な防御が不可能な点に変わりはないのだ。



「同時多発的ミサイル攻撃」とは普通は同時飽和攻撃と呼ばれ、非対称型戦闘ではなく、ミサイル戦術としては古くからある正攻法で、当たり前の戦法です。これは何十年も前にソ連軍が巡航ミサイルを用いて考案していた戦法です。ソ連軍のそれは、海中・海上・空中の様々な種類の発射プラットフォームを用い、異なる方向から大量に巡航ミサイルを発射しますが、全てがなるべく同時に着弾するように発射タイミングを調整することが肝心な作業で、これにより防御側の迎撃システムの処理能力を上回る事を狙っています。

どうも宮家邦彦氏は「弾道ミサイルを用いている点が相手の意表を付いており、非対称戦術なのだ」と言いたいようですが、どのような種類の兵器を使おうとも、基本となる使い方が一緒であるならば同じ戦術です。巡航ミサイルであろうと弾道ミサイルであろうと「同時飽和攻撃」という戦術は同じものです。しかし宮家邦彦氏は「同時多発テロ」と同種のものだと勘違いしている恐れが高いです。しかしミサイルによる同時飽和攻撃とテロによる同時多発事件は、両者は全く意味が異なる代物です。

そして弾道ミサイルの場合は巡航ミサイルとは違い、発射プラットフォームの種類が限定され、廻り込むような機動も出来ない為、単純に沢山発射するという事しか出来ず、弾道ミサイル防衛で強力に守られた陣地を攻撃する事は有効では無くなる可能性が高いでしょう。何故なら、狭い陣地に目掛けて飛んで来る敵弾道ミサイルを迎撃するということは、自動的にヘッドオンで目標を捕捉できるという事を意味しており、市街地を広域防空することの困難さに比べれば、遥かに簡単になるからです。しかも僅かに逸らしさえすれば任務成功なので、直撃による完全破壊すら必要ありません。

在日米軍の嘉手納基地に配備されているパトリオット部隊は1個大隊で、これは4個中隊で構成されており、1個中隊6基編成で計24基のランチャーがあります。1基のランチャーは最大で16発のPAC3を装填する事が出来るので、384発まで即応弾を準備して置けます。レーダー管制システムの処理上限があるので384発を全て一度に発射できるわけではありませんし、現在はPAC3とPAC2の混成で、なおかつ24基のランチャーに普段からミサイルをフル装備しているわけでもありませんが、有事の際には当然、予備弾を含めて弾薬の補給は行われます。

PAC3は本来は対短距離〜準中距離弾道弾用ですが、ヘッドオンでの迎撃が確約されているなら中距離弾道弾相手にも対処は可能です。それでも不安があるというのでしたら、既に米フォートブリス基地ではPAC3よりも能力の高い「THAAD」を装備した部隊が編成されています。嘉手納展開のパトリオット部隊はフォートブリス基地からの出向であり、将来的にTHAAD部隊と入れ替える、あるいは追加で増強配備すれば、嘉手納基地は世界でも最高の密度で弾道ミサイル防衛が存在する事になります。数十発程度の弾道ミサイルぐらい、処理しまうことがそれほど困難であるとは思えません。なにしろ基地配備のMDに加え、MD能力のあるSM-3搭載イージス艦が沖縄近海を遊弋している筈なのですから。

なお「通常弾頭」の弾道ミサイルはMIRV(複数個別誘導突入体)のものはありません。核弾頭ならある程度小さくても威力は約束されていますが、通常弾頭は炸薬量をなるべく確保しないといけないからです。クラスター弾のような意味での多弾頭はありますが、これは拡散し過ぎるのを防ぐために高度が十分下がってから子弾を撒く為、対空ミサイルが命中すれば拡散前に破壊できます。また、核弾頭のMIRVにしても同じ地点に複数の弾頭を落とすものではなく、複数の目標に個別に落とすものです。これは同じ場所に複数の核弾頭を落とした場合、最初の核爆発の電磁パルス放射で味方の核弾頭の起爆装置がショートする為で、「兄弟殺し」効果と呼ばれています。

それと宮家邦彦氏は「一発でも滑走路に命中すれば、空軍基地としての機能は一瞬にして麻痺する」と書いていますが、核弾頭ならともかく、中距離弾道弾の弾頭重量1トン程度の爆発孔ならば直ぐに復旧できます。たかが1発の通常弾の命中程度で軍事基地が無力化されると本気で思っているなら、考えが甘過ぎますし、理解した上で書いているなら素人を騙す行為で話になりません。

また滑走路が使えなくなったらどうする、というのでしたら、アメリカ軍は次期主力戦闘機F-35ライトニング2に垂直離着陸型のF-35Bを用意する予定であり、海兵隊がハリアーの後継に、空軍がA-10の後継に導入する予定です。嘉手納基地配備のF-15戦闘機は将来的にF-35Aに更新される予定です。F-35Aは通常の滑走離着陸機ですが、岩国基地の海兵隊のF-35Bや米本土の空軍のF-35Bを何時でも嘉手納に呼び寄せる事が出来ます。垂直離着陸機ならたとえ滑走路が穴ボコだらけになろうとも、運用には関係有りません。また嘉手納どころかもっと西方の先島諸島に展開させることも可能です。地方空港どころか道路を滑走路代わりに運用可能です。

そして対艦弾道ミサイルについても、移動する空母を狙い打つ場合、巡航ミサイルならば目標を発見するまで燃料が尽きるまで探し回る事が出来ますが、上昇段階で燃料を消費し尽くす対艦弾道ミサイルではそれが出来ません。発射してもその多くが目標を捉えきれずに無意味に海に落ちることになるでしょう。幾ら固定目標に対する命中精度が向上しても、それが移動目標に対する命中精度の向上には直結しません。弾道ミサイルと巡航ミサイルでは兵器としての本質的な違いがあり、命中精度の差は覆せません。

対艦弾道ミサイルは、発射されたその中の一部が目標に辿り着けます。しかし終末誘導能力でも巡航ミサイルには大きく劣る上に、外れたら旋回して戻って来て再突入が出来る巡航ミサイルと違い、一回こっきりです。少数の対艦弾道ミサイルが突入して来ても、MDがあれば防がれてしまいます。しかも対艦弾道ミサイルの終末突入体は移動目標を捜索・誘導攻撃する為に速度を大きく落とさざるを得ない為、MDどころか通常の対空ミサイルシステムまでもが迎撃に参加できます。都市防空ではないので直撃による完全破壊は必要なく、近接爆破により僅かな損傷を与えるだけで無力化させることが可能です。

宮家邦彦氏は「弾道ミサイルであろうと、巡航ミサイルであろうと、完全な防御が不可能な点に変わりはないのだ。」と言いますが、100%防げる保証が無ければ意味が無いとする極論はマトモな意見と言えません。はっきり言ってしまえば中国軍の企図する通常弾頭の弾道ミサイル同時攻撃は、往年のソ連軍による巡航ミサイル同時飽和攻撃と比べれば、脅威レベルはまだまだ低いものです。将来的にどうなるかは、それはまだ分かりませんが、現状のミサイル防衛も格段の進歩を遂げており、更に現状のPAC3とSM-3Block1が、THAADとSM-3Block2に更新されれば、中国の中距離弾道ミサイルをほぼ完全に封じ込める事も不可能とは言えなくなるでしょう。少なくとも予定されている性能は、それを可能とするだけのものがあります。

なお念の為に言っておきますが、嘉手納基地へのPAC3配備は対中国ではなく対北朝鮮を名目にしていることをお忘れなく。
posted by JSF at 15:09 | Comment(152) | TrackBack(0) | 軍事
2009年10月08日
台湾陸軍の次期主力戦車調達計画は、台湾に武器を供給できる国が限られている為にアメリカ製のM1A2エイブラムス戦車が予定されていました。しかし、高価な攻撃ヘリコプターAH-64Dアパッチの購入費用が嵩み、次期主力戦車調達計画は延期される事になりました。

そして延期が決まって直ぐに、次期主力戦車調達計画を根本から見直さざるを得ない事態に陥りました。今年、台湾を襲った台風8号「モーラコット」は未曾有の大災害を引き起こし、その際に台湾の道路インフラが想定していたよりも遥かに脆弱だった事が分かり、重量級の戦車を配備する事には無理があると判明してしまったのです。

以下は台湾・自由電子報の記事からです。


風災斷橋效應/陸軍戰車夢 「重量級」幻滅:自由電子報
〔記者許紹軒/台北報導〕八八風災吹醒陸軍的重戰車之夢!據表示,陸軍下一代主戰車原本鎖定美陸軍現役的M1A2戰車,也認為台灣道路橋梁應能負荷近七十噸的車重,但這次風災上百座橋梁應聲而斷,陸軍才發現原來高估橋梁堅固程度,正重新檢討作戰需求,下修車輛重量。

陸軍現役的主戰車為M60A3與M48H兩種,服役年限都將近卅年,早已面臨需要汰換的情況;美軍M1A2戰車幾乎篤定是陸軍下一代戰車的選項,由於車重六十餘噸,在國就有許多質疑的聲音,但是軍方初研究認為台灣的道路橋梁應能負荷,不影響採購。

但這次風災後,救災主力的陸軍官兵到災區救援,發現許多原本認為安全係數較高的大橋照樣保不住,更不要次等或更小的橋梁,幾乎是不見蹤影,這才知道原來按照造橋標準進行的評估,實務上卻有不小落差。

軍方人士指出,交通要道上的大橋在戰時都可能因敵軍空襲而毀損,部隊的移動與部署必須仰ョ次要道路、橋梁或甚至要水而過,這次風災顯現出橋梁確實高度易毀,M1A2的車重未來可能會有困難。

也因此陸軍部重新評估M1A2是否真的完全適合台灣地形。有軍官指出,台灣需要的是四十到五十噸之間的戰車,或許陸軍可借鏡南韓在技術移轉下發展小一號M1戰車的模式,找到適合台灣的戰車。



八八風害(台風8号は8月8日に上陸した)で100基の橋脚が寸断されましたが、強度に問題がある事が判明してしまいました。設計強度は70トンを確保していたのにそれ以下だった為、60トンを優に超えるM1A2戦車では橋を通れない恐れが出てきました。そこで、陸軍当局は延期された次期主力戦車調達計画を一から見直し、M1A2戦車が適当かどうか再評価する、とあります。ある軍の将校は、台湾の求めているのは40〜50トンの戦車であるとし、韓国がM1戦車の小型版(K-1戦車)を調達したように、台湾に適合した戦車を探し出す、と言っています。

偶然かもしれませんが、日本や中国が次期主力戦車で40トン台の軽量な戦車を調達する予定(日本「TK-X」、中国「0910工程」)と同じ路線を、同じ理由(国内インフラ事情)の為に台湾も歩もうとしています。政治的な制約が無ければTK-Xを売り込みに行きたいところですが無理なので、台湾はアメリカと共同でM1戦車小型版を開発する方向になりそうです。台湾陸軍は今はアパッチの購入に資金を使っているので、次期主力戦車調達は10年以上先送りされます。新型戦車を開発する期間の余裕はあるわけです。

しかも・・・実はアメリカ側にもM1戦車軽量化の話が、台湾の話とは全く別個に持ち上がっており、渡りに船の話になるのかもしれません。

以下はコメント欄の常連投稿者「利緒」さんからのメールです。



こんばんは。いつも楽しく、記事を読ませていただいてます。

 今回、私が主催しているチャットルームで、M1A3なる車両の話題が上がったので、記事のネタになれば・・・と思い、メールさせていただきました。
http://www.armytimes.com/news/2009/09/SATURDAY_army_tanks_092609w/

http://www.network54.com/Forum/211833/thread/1254543107/last-1254631359/M1A3+Abrams+Main+Battle+Tank+Looks+To+Shed+15+tons
どうやら、全備重量75t(M1A2TUSK?)の現用車両を、全備重量60tまで落とした上で、能力の維持・向上を目指しているように読めたのですが、英語が苦手な私では以下略。
 もしそうなら、軽量化の流れにアメリカが乗った という事になるのでしょうかね?


これは知りませんでした。75トンというのは良く分からないのですが、ショート・トン(米トン)での数値? TUSKのキットって4〜5トンもするんですか? あれ、じゃあ60トンというのもショート・トンだとすると、メートル・トンでは54トン相当になるんですが・・・なんだかゴチャゴチャして来ました。

M1A2SEPの重量が69.5ショート・トン(63.0メートル・トン)です。

さて、これから何処まで重量が減るんだろう・・・情報が無いので良く分からないのですが、M1戦車の軽量化構想があるらしいのは何となくは分かりました。もしそれが大胆な軽量化方針だった場合、主力戦車の軽量化は時代の大きな流れになるのかもしれません。
posted by JSF at 02:41 | Comment(214) | TrackBack(0) | 軍事
2009年10月07日
朝日新聞GLOBEの特集「中国、海軍大国への胎動」はとても読み応えがあり、なかなか気合の入った記事です。執筆している峯村健司記者は、空母の建造ドックがある通称・空母島に潜入して危うくスパイ容疑で捕まりそうになったほどで、単なる海外報道の引用ではなく、自分の足で取材した貴重な記事が書かれています。

なのですが・・・各国の空母の比較図・・・手抜きの上に縮尺がおかし過ぎて、良い記事が台無しになりかねないです。何とか訂正できないものでしょうか。

問題の比較図は、特集記事「空母建造へと傾く中国 [Part2] 経済成長が促す「抑止力」の正当性」に付属しているこれです。

[世界各国の現役空母]

世界各国の空母の比較図の筈なのに、手を抜いて艦影(シルエット)の形は全てニミッツ級で統一されています。イタリアのカブール級などの艦影図を探してくるのは難しかったから、新たに作図せずに誤魔化したのでしょう。それはしょうがない面があるとして、問題は比率です。明らかに実際の縮尺とは異なる比率です。これは注意書きに「満載排水量で艦影作成」とある通り、艦の重さの比率を平面図にそのまま表した事によります。インヴィンシブルは2万トンだから10万トンのニミッツの5分の1、だから艦影図の長さも5分の1・・・

ところが「重さ」は「長さ」の三乗に比例します。同じ形で長さが2倍になれば、体積は三乗で2×2×2=8倍になります。つまり重さは8倍。逆に言えば重さが8倍になってようやく長さが2倍です。重さが5倍の場合は、長さが1.71倍でないといけないのです。朝日新聞の比較図はこの計算をしていないばかりに、排水量の小さな艦が実際の長さよりも異常に短くなってしまっています。そもそもそんな事をしなくても、最初から全長の数値で比較していればそれで済む話なのに・・・

もし、各国の海軍艦艇全ての総トン数をシルエットで表すような用途なら、そのまま長さに置き換えても特に問題はありません。それはあくまで架空のイメージ図ですから。しかし今回はダメです。各国海軍の空母○○という、現実に存在しているものを実際の比率とは異なる長さで表してしまっては、何の比較にもならないからです。読者に誤った認識を与えてしまう事になりかねません。

今回の朝日新聞の犯した間違いがどんなものかを、分かり易く表現した人がコメント欄に居ましたので紹介します。



例えば180cm80kgの大柄な男性と
150cm40kgの小柄な女性を比較するとき
女性を90cmのシルエットで描くようなもんだね
それじゃ幼児だよ

直観的に不自然ってこともわからないのか


Posted by 名無しT72神信者 at 2009年10月07日 07:10:18



以下に、参考比較用に朝日新聞の比較図の一部を切り出して引用して置きます。

間違った空母比較図・朝日新聞


次に上記の空母と同じ種類のものを同一縮尺で並べて見ます。


ニミッツ
 アメリカ▼ ニミッツ級

エンタープライズ
 アメリカ▼ エンタープライズ

インヴィンシブル
 イギリス▼ インヴィンシブル 

シャルル・ドゴール
 フランス▼ シャルル・ドゴール 

クズネツォフ
 ロシア▼ アドミラル・クズネツォフ


このように、朝日新聞の比較図が実際の縮尺とはまったく異なる事が分かると思います。実はエンタープライズがニミッツ級よりも全長が長い事が分かります。それなのにニミッツ級の方が重いのは、船体幅が増えたのと装甲が強化された為で、喫水も深くなっているからです。

それと、朝日新聞の資料の数値は海人社の「世界の海軍2009-2010」を参考にしたようですが、これ本当に満載排水量で揃えたのですか? クズネツォフはもっと重かったし、ドゴールはもう少し軽かったように思うのですが・・・朝日新聞が数値を読み間違えたのか、「世界の海軍2009-2010」が間違っているのか、手元に無いので分かりませんが、どちらにせよ縮尺だけでなく数値もおかしいように思えます。

※)コメント欄の指摘によると、海人社の資料には確かにそのように書かれているようです。

しかしロシア国営通信ノーボスチ(英語版)の記述では、空母クズネツォフは満載排水量66,600〜67,500トンとあり、58,500トンよりも1万トン近くも重い数値です。

Admiral Kuznetsov. INFOgraphics. | 'RIA Novosti'

なお、空母ドゴールについてはフランス国防省公式サイトに満載排水量42,000トンと表記されており、正しいようです。

Porte-avions Charles de Gaulle (R 91) | defense.gouv.fr

最後にオマケ。

朝日新聞の変な空母比較図・「メダカの学校」軽空母編

小さ過ぎるw 正常な縮尺で見比べると・・・

ニミッツ
 アメリカ▼ ニミッツ級航空母艦

アーレイ・バーク
 アメリカ▼ アーレイ・バーク級駆逐艦

ラファイエット
 フランス▼ ラファイエット級フリゲート

ヴィズビィ
 スウェーデン ヴィズビィ級コルヴェット

ゆら型輸送艦
 日本 ゆら型輸送艦

LCAC
 LCAC(エアクッション型揚陸艇)

駆逐艦、フリゲートどころかコルヴェットより小さい・・・比率からいけば、朝日新聞のチャクリ・ナルエベトは正常な縮尺でのLCAC並みの大きさになってしまいます。
posted by JSF at 05:25 | Comment(115) | TrackBack(0) | 軍事
2009年10月01日
今日、中国の北京で開かれた軍事パレードでは新型戦車(0910工程)は登場せず、J-10A戦闘機は出て来ましたがJ-10B戦闘機(主な改良点はエアインテークをダイバータ・レス化してステルス能力を高めた)は出て来ず、他にも目ぼしい新兵器のお披露目が無く、大物はせいぜい新型大陸間弾道ミサイル東風31Aくらいで、期待外れなものでした。空母の建造を大々的に発表する事も回避され、盛り上がりに欠けた感じです。

今回のパレードは開発中の兵器を無理して誇示する事をしておらず、登場した兵器は全て部隊配備が進んでいるものばかりで、基本的に予行演習に出てきた兵器がそのまま本番に登場しています。

詳しい解説は・・・中国軍にあまり詳しくない私がするよりも、2ch軍事板「中国軍総合スレ part14」から引っ張って来ましょう。細部に渡って細かい解説が既に投稿されていて、参考になります。


885 :名無し三等兵:2009/10/01(木) 18:48:53 ID:???
YouTubeより
国慶節軍事パレード中国語版(1)


第一部隊…三軍儀仗隊 156名 95式自動小銃装備 儀仗礼憲服
第二部隊…陸軍機械化歩兵学院の学員 352名 春秋常服
第三部隊…陸軍歩兵(第193機械化歩兵師団) 352名 95式自動小銃装備
       通用迷彩服
第四部隊…陸軍特殊部隊(第38集団軍特殊大隊) 352名 05式消音短機
        関銃装備  荒漠迷彩服
第五部隊…海軍学員部隊(大連艦艇学院)  352名  海軍白常服
第六部隊…海軍水兵(海軍潜艇学院) 95B式カービン 352名 海軍白常服
第七部隊…海軍陸戦隊(陸戦第一旅 第164旅) 95式自動小銃 海軍迷彩服
第八部隊…飛行学員(空軍航空大学) 352名  飛行服
第九部隊…空軍空挺部隊(空降兵第15軍) 352名 03式自動小銃 空降迷彩服
第一〇部隊…第二砲兵学員(第二砲兵指揮学院 工程学院 青州士官学校)
352名 95式自動小銃 林地迷彩服
第十一部隊…三軍女兵部隊(第四軍医大学 べチューン軍医学院) 352名  
         常服スカート
第十二部隊…武装警察(武装警察北京総隊) 352名 97-2式暴動鎮圧用銃
         防暴執勤服
第十三部隊…予備役部隊(北京陸軍予備役高射砲師) 352名 81式自動小銃
         通用迷彩服


886 :名無し三等兵:2009/10/01(木) 18:49:52 ID:???
国慶節軍事パレード中国語版(2)


第十四部隊…女性民兵部隊(北京市朝陽区より) 352名 85式短機関銃
         赤色スカート
-------------------------------------------------------------
徒歩部隊:合計4732名

KJ-2000、KJ-200が式典会場に向けて離陸

車輌部隊の行進

第一部隊…99G式戦車(ZTZ-99。映像では99式坦克)
第二部隊…96G/96A式戦車(ZTZ-96G/A。映像では96A式坦克)
第三部隊…05式水陸両用戦車(ZTD-05/映像では両栖用突撃車)
第四部隊…97式歩兵戦闘車(ZBD-97.映像では履帯歩戦車)
第五部隊…09式装輪歩兵戦闘車(ZBL-09。映像では輪式歩戦車)
第六部隊…海軍陸戦隊:05式水陸両用歩兵戦闘車(ZBD-05。映像では陸戦隊
        戦車(中国語のIFVのこと)
第七部隊…空軍空挺部隊:03式空挺歩兵戦闘車(ZBD-03。映像では空降兵
       戦車)
第八部隊…武装警察:08式装輪装甲車(映像では武警装甲車。)
第九部隊…装甲指揮車輌+05式155mm自走榴弾砲(PLZ-05。映像では履帯
       自行加榴炮)
第一〇部隊…装甲指揮車輌+07式122mm自走榴弾砲(PLZ-07。映像では履
         帯自行榴弾炮)
第十一部隊…東風「猛士」四輪駆動車+05式120mm自走榴弾砲(PLL-05。映
         像では輪式自行迫榴炮)


887 :名無し三等兵:2009/10/01(木) 18:50:37 ID:???
国慶節軍事パレード中国語版(3)


第十三部隊…「猛士」(以下略)+02式100mm装輪突撃砲(PTL-02。映像では輪
         式自行突撃炮)
第十四部隊…03式300mm12連装自走ロケット砲(PHL-03。映像では火箭炮)
第十五部隊…HJ-9自走対戦車ミサイル(映像では反坦克導弾。)
第十六部隊…04A式自走25mm対空砲(PGZ-04A。映像では履帯自行高炮。95式自走
         対空砲のSAM換装型)
第十七部隊…HQ-7B自走短SAM部隊(捜索レーダーとミサイル搭載車輌。映像
         では防空導弾)
第十八部隊…海軍:海軍対空対艦ミサイル(HHQ-16、HHQ-9)
第十九部隊…海軍:海軍対艦ミサイル(YJ-83)
第二十部隊…海軍:YJ-62地対艦ミサイル自走発射機
第二一部隊…空軍:HQ-9地対空ミサイル自走発射機
第二二部隊…空軍:HQ-12地対空ミサイル自走発射機(映像では紅-12)
第二三部隊…空軍:自走レーダー部隊
第二四部隊…陸軍:通信車輌部隊
第二五部隊…空軍:UAV部隊(ASN-207+ASN-104/105)
第二六部隊…陸軍:後方支援部隊(救護車+飲食車+給水車+油槽車+舟艇輸送車)
第二七部隊…第二砲兵:DF-15B SRBM(映像では東15乙常規導弾)


888 :名無し三等兵:2009/10/01(木) 18:51:27 ID:???
国慶節軍事パレード中国語版(4)


第二八部隊…第二砲兵:DF-11A SRBM(映像では東11甲常規導弾)
第二九部隊…第二砲兵:CJ-10巡航ミサイル(映像では長剣10巡航導弾)
第三十部隊…第二砲兵:DF-21C IRBM(映像では東21丙常規導弾)
第三一部隊…DF-31A ICBM(映像では東31甲核導弾)

国慶節軍事パレード中国語版(5)


航空部隊

第一編隊…KJ-2000 AWACS+J-7GB(八一飛行表演隊)
第二編隊…KJ-200 AEW&C+J-11B
第三編隊…H-6H爆撃機(KD-63巡航ミサイル搭載)
第四編隊…HY-6/H-6U空中給油機+J-10、HY-6/H-6U空中給油機+J-8F
第五編隊…海軍航空隊:JH-7A戦闘爆撃機(ASM搭載)
第六編隊…J-8F戦闘機(PL-12/PL-8 AAM搭載)
第七編隊…J-10戦闘機(PL-12/PL-8 AAM搭載)

国慶節軍事パレード中国語版(6)


第八編隊…J-11B戦闘機
第九編隊…空軍+陸軍:Z-8ヘリコプター
第一〇編隊…陸軍航空隊:Z-9偵察型(TY-90AAM搭載)
第十一編隊…陸軍航空隊:WZ-9戦闘ヘリ(HJ-8ATM搭載)
第十二編隊…空軍:JL-8練習機(女性パイロット)最後に海軍艦艇の映像挿入。


私はJ-10Bは無理でも「0910工程」は出て来てくれると思っていたのですが、実際には事前に出て来ないという情報は流れていたらしく、本番はその通りになった模様です。ちょっと残念。

日本周辺国の軍事兵器(中国・台湾)

後はこちらのサイトは更新で大忙しになる予定ですね。
posted by JSF at 20:58 | Comment(183) | TrackBack(0) | 軍事
2009年09月20日
東欧MD配備中止で日本のMDも用無しだと勘違いした人も出ているので、その逆である事を知らしめる為に、もう少し強調した書き方をしてみます。タイトルの内容を簡単に説明すると、以下のようになります。

○東欧MD(GBI)配備計画が中止。

○新欧州MD(SM-3)配備計画へ移行。

○欧州用にSM-3の能力向上と地上配備型の開発。

○SM-3を主軸とする日本MDにも開発成果が反映される。

東欧MDは対ICBM(大陸間弾道弾)用のGBIというミサイルを使用するものでした。しかしイランのICBM開発計画は停滞していると判断されて、東欧MDの配備計画が中止され、代わりに対IRBM(中距離弾道弾)用のSM-3という、イージス艦に搭載するミサイル防衛システムを欧州防衛用に配備する方針が米オバマ政権の新しい選択です。その計画の中にはSM-3を地上配備型に改修する開発が含まれていると共に、「SM-3 Block IIB」の名前も挙がっています。これはMKVと呼ばれる多弾頭迎撃体で、敵の多弾頭ミサイル(MIRV)への対処が可能となります。つまりこれらの開発成果を日本が望めば得ることも可能となるわけです。



東欧MDの代替案は事前に移動式GBIとSM-3地上型が挙がっていましたが、米オバマ政権はSM-3を選びました。ロシアは1997年にABM制限条約の詳細な条件をアメリカと取り決めましたが、この時に対IRBM用のMDは無制限としている為、基本的に対IRBM用であるSM-3には反対できない状況です。ABM制限条約自体は失効しましたが、過去に米露が合意した事実は残り、ロシア自身もMD(S300Vなど)を装備している為、対ICBM用のGBIだった東欧MDとは異なり、SM-3の配備は問題に出来ないでしょう。ただしICBMに対処できるほどの性能向上を図る計画もあり、そこまでいけば配備位置次第でロシアが文句を付けてくる可能性がありますが、今のところはロシアは歓迎の意を表しています。SM-3の弾体サイズはMk.41VLSに収納する為に大きさの制限があり、幾ら改良を施しても対ICBM広域防空は無理な話なので、対ICBM対処能力を付与するにしても限定的なものになります。


(2009/08/22)移動式GBI(ICBM迎撃可能な大型ミサイル防衛システムの自走化)
そうなると東欧MD配備はある程度頓挫して、この代替案(移動式GBI、SM-3地上型)に移行して貰える方が日本にとってメリットが大きいです。


と言う訳で、当ブログで一ヶ月前に出していた希望通りの展開となりました。ポーランドのカチンスキー大統領には悪いのですが、東欧MDは配備されようがされまいが日本には何の影響も有りません。GBIは日本が購入できるものではないからです。東欧MDが中止され、代替としてSM-3の配備が促進され、改良型の開発に予算が投入される事は、日本にとっては大きなメリットが転がり込んでくる事になります。

米オバマ政権は今年の春に方針が発表された2010年度防衛予算でも、GBIや開発中のMDの予算を削る一方でSM-3とTHAADの増強を打ち出しています。オバマ政権のMD政策がSM-3に傾倒していく兆候はこの時点でも出ていました。そしてそれは日本のMD政策にとっても都合の良い方針であり、この流れで日本のMDはどんどん強化されていく事になります。もちろん日本側にその意思と予算があればの話ですが、例えやる気があっても環境が整備されていなければ配備が困難なMDなので(自主開発は無理なので共同開発している)、用意された環境が理想的なこの状況は、棚ボタ的ですがとても美味しい話です。

しかし日本では政変があり、新たな民主党政権ではMD政策に何らかの変化がある可能性があります。民主党は以前からMDには賛成の立場でしたが、ネクスト防衛副大臣だった山口壮議員はMDに否定的な見解を述べています。その根拠はデタラメなもので、山口壮議員は実際には防衛副大臣には就任しませんでしたが、公約実現の為に財源を探している民主党がMD予算に手を付けようとする可能性は残っています。

(2009/09/11)民主党・山口壮議員「ミサイル防衛の撃ち落せる確率は100分の1」・・・しかし数値には何の根拠も無し・・・
(2009/09/12)民主党・山口壮議員のMD撃墜率1%発言は完全にデタラメであった事が判明

軍事評論家の岡部いさく氏は19日に行われたFNNのインタビューに対し、このように述べています。


米・オバマ大統領、東ヨーロッパへのミサイル防衛計画を全面的に見直すと発表:FNN(動画)
岡部氏は「SM-3ブロック2Aの開発における日本政府の責任というのは、これはもう技術的にも、政治的にも非常に重いものになりますね。もし、このミサイルの開発が遅れれば、オバマ大統領のミサイル防衛構想にまで波紋が広がっていくわけです」と語った。


つまり日本の民主党が日米共同開発のSM-3Block2の完成を妨害するような手出しをした場合、アメリカのオバマ政権が押し進めているMD構想に喧嘩を売る事になり、日米関係に重大な歪みを生じさせかねない事になります。オバマはMDに否定的なのでは無く、自国派遣軍と同盟国を守り、以前にロシアとも合意済みの対中距離弾道弾用MDであるSM-3とTHAADならば、強力に推進する立場である事を理解しなければなりません。岡部いさく氏の「日本政府の責任は非常に重い」という意味は、そういう事なのです。



SM-3Block2の日本担当部分は赤外線シーカー、ノーズコーン、ミサイル本体のロケットモーターなどですが、3年前にキネティック弾頭を丸ごと試作しています。日本の制作したキネティック弾頭の姿勢制御モーターは連続推進方式ですが、アメリカのものはパルス推進方式です。前者の方が精度は上がりますが噴射時間が短くなり、後者はその逆です。採用されたのは後者です。



米オバマ政権のMD政策がSM-3重視によりシフトした結果、2010年防衛予算から削られたMKV(多弾頭迎撃体)の開発が復活する可能性が高くなった事は、SM-3の更なる重視は読めていてもそこまでの予測は出来ていませんでした。最近のアメリカの報道で「SM-3 Block IIB」の名が出ていたのを見付けた時は、大変に驚いたものです。ただしこれに関する詳細は出ておらず、当初の計画通りのMKV(多弾頭迎撃体)のままなのか、新しく単弾頭で能力向上型を造るのかは、まだ情報が何も出ていません。普通に考えれば呼称が同じなら当初の計画通りになるのですが、例えイランがICBMを開発したとしてもMIRV(多弾頭独立目標再突入体)までは簡単に開発できるとは思えず、対イランに限定するならMKVはまず要らないという話になる為、ゲーツ国防長官が「SM-3 Block IIB」の名を出した意味をもう少し探る必要があります。

では最後に米オバマ政権のMD政策を勘違いしている人を紹介しておきます。

MDよ、さようなら 「おまかせ民主主義」よ、さようなら:安住るり★興味津々

JANJANにも投稿しちゃったんですね。(JANJAN版

ミサイル防衛はサヨナラしていません。東欧MD(GBI)配備中止は代替案の新欧州MD(SM-3)との入れ替わりとなっただけだからです。そしてこの変遷は日本にとって美味しい状況が生まれていますし、世界中を見渡してもミサイル防衛システムを採用する国はどんどん増えています。

アメリカ・・・GBI、SM-3、THAAD、PAC-3を配備。
イスラエル・・・アロー・ミサイル防衛システムを配備。
日本・・・SM-3、PAC-3を配備。
ロシア・・・S300V、S400(40N6)を配備。
中国・・・HQ-18(ロシア製S300V)を配備。
インド・・・ロシア製S300Vを配備。
韓国・・・SM-6のMD対応型を導入検討。
ドイツ・・・MEADS(中身はPAC-3MSE)の配備を予定。
フランス・・・艦対空アスター・ミサイルMD型を開発中。
イギリス・・・同上。
イタリア・・・MEADS及びアスターMDの配備を予定。
オーストラリア・・・SM-3とイージス艦を購入予定。
アラブ首長国連邦(UAE)・・・THAADの購入を決定。
サウジアラビア・・・THAADの購入を検討。
トルコ・・・PAC-3の購入を検討。
台湾・・・天弓MD型「天弓3型」を開発。

ザッと思い付くだけで16カ国が配備済み或いは導入検討中となっています。

もはや避けられないMD思想:ノーボスチ・ロシア通信社

上はロシア国営通信社のノーボスチによる日本語版の記事です。2年前の記事ですが、現在の状況を再認識するのによいと思います。結局オバマは欧州からMDを無くさず、新しい計画案を出してMDを続行する気であり、ロシアもそれを容認する方向へと向かっています。
posted by JSF at 05:17 | Comment(294) | TrackBack(2) | 軍事
2009年09月18日
東欧MD配備計画(固定式GBI)の代替案は移動式GBIではなく、SM-3となる模様です。


米国:東欧MD見直し…ロシアに配慮、中短距離対象に:毎日新聞
オバマ大統領は「情報機関の評価は、欧州に到達するイランの中短距離ミサイルの脅威を強調している」と述べ、イランの長距離ミサイルを想定した現行計画の変更の必要性を強調。「既に技術的に証明され、費用対効果が高く、脅威に対応できる方法を導入する」と語り、中短距離ミサイルへの対応として海上自衛隊のイージス艦にも配備されている迎撃ミサイルSM3などを欧州に配備する考えを示した。

ホワイトハウスの発表によると、新たな計画では2011年にSM3や移動式のレーダーなどのシステム整備に着手、開発中の地上配備型SM3を含め4段階で整備を進める。20年からの最終段階で、大陸間弾道ミサイルに対応する能力を備える想定となっている。


地上配備型SM-3もやるんですか、それならば日本もそれを配備できる選択が出て来ます。イスラエルがSM-3地上型を蹴ってアロー3計画の存続を選んだ為、日本の為だけにSM-3地上型を用意してくれるかどうか微妙でしたが、欧州に配備されるというなら話は早いです。


(2009/08/22)移動式GBI(ICBM迎撃可能な大型ミサイル防衛システムの自走化)
そうなると東欧MD配備はある程度頓挫して、この代替案(移動式GBI、SM-3地上型)に移行して貰える方が日本にとってメリットが大きいです。


取り合えず以前行った希望通りの展開ですね。

4段階の新欧州MD配備計画の詳細は以下の通りです。


U.S. Yanks European GBIs; Plans SM-3s | AVIATION WEEK
The new plan has four phases, the first to be fielded in 2011. It is a mix of Patriot and PAC-3 terminal defenses as well as ship-based SM-3 Block IAs made by Raytheon and deployed in the Eastern Mediterranean and other areas around Europe.

Phase two in 2015, will incorporate land-based and ship-based SM-3 Block IBs (with an improved seeker and divert and attitude control system) and airborne sensors, Cartwright says. Poland and the Czech Republic are among the top candidates to house the relocatable land-based system. The U.S. Missile Defense Agency already has begun to experiment with infrared sensors on unmanned aerial vehicles as a facet of its sensor network.

In 2018, the land- and sea-based SM-3 Block IIA, which adds more range with a 21-in. booster (over the IA and IB’s 14-in. motor), will lead the third phase. This significantly increases range, and Cartwright says up to three sites would be required to protect Europe.

Finally, in 2020, phase four will include a new and yet-to-be described SM-3 Block IIB, which Cartwright says will counter an ICBM from Iran.


ええっ、「SM-3 Block IIB」って、多弾頭タイプの名称じゃ・・・MKV(マルチプル・キルビークル)計画を復活させるんですか? それともMKV計画の中止を受けて、単弾頭タイプの改良型の呼称として新たに使われているのか・・・少し調べて見ましたが、分かりませんでした。ただこの件の記事で AVIATION WEEK 以外の報道記事でも「SM-3 Block IIB」と記されています。




まさかの開発予算復活?
posted by JSF at 02:34 | Comment(96) | TrackBack(0) | 軍事
2009年09月17日
東欧ミサイル防衛配備計画は棚上げする事となり、このまま中止となりそうな状況です。


米政府、東欧でのミサイル防衛施設計画を棚上げへ:ロイター
米政府は、ブッシュ前政権が打ち出したポーランドとチェコにミサイル防衛(MD)施設を建設する計画を棚上げにする方針を決めた。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙(電子版)が17日、現政権および前政権の関係者の話として伝えた。

事実とすれば、米のMD施設東欧配備に反対しているロシアとの緊張緩和につながる。WSJは、「イランの長距離ミサイル計画が想定していたほど進展しておらず、米国本土および欧州主要都市に与える脅威が後退したとの判断」を踏まえた決定としている。


ウォールストリート・ジャーナルの元記事はこちら。

U.S. Shelves Nuclear-Missile Shield - WSJ.com

キャンセル(中止)ではなくシェルブ(棚上げ)なので完全に無くなった訳ではない(イランの核ミサイル開発状況次第で復活の可能性)ですが、実質上はそのまま配備計画は中止の方向になるでしょう。

そうなると移動式GBIの開発計画にシフトする可能性もあります。

(2009/08/22)移動式GBI(ICBM迎撃可能な大型ミサイル防衛システムの自走化)

ただこの計画は射撃管制レーダーをどうするのか、移動式レーダーの大きさではGBIの能力を活かす事は出来ず、運用面で問題点がある為、この部分を解決しない限りは計画は進まないでしょう。

東欧ミサイル防衛計画は固定サイロ式のGBIである為、この計画がどうなろうと日本には特に関係はありませんでした。もし代替案で移動式GBIが開発された場合、その時に初めて日本にも関係のある話になり得ます。今後、海上移動式GBI開発案でも出て来れば日本にとって棚からぼた餅なのですが、今のところはトレーラー車載式の簡単な案のみです。

さて今日は、航空自衛隊の高射部隊がアメリカのホワイトサンズ演習場で、PAC-3発射訓練を行ってきた発表がありました。


ペトリオットPAC−3ミサイル発射試験の結果について:日本国防衛省
弾道ミサイル防衛(BMD)機能を付加するための改修が行われたペトリオット・システム(ペトリオットPAC−3)のBMD機能を確認するため、9月16日午後11時46分(現地時間16日午前8時46分)、アメリカ合衆国ニューメキシコ州のホワイトサンズ射場においてPAC−3ミサイルの発射試験を実施し、弾道ミサイル模擬標的の迎撃に成功したので、お知らせします。


この射撃演習で使用されたPAC-3は、日本側でライセンス生産した物を使用しています。

また10月26日にはハワイのカウアイ島沖で海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」がSM-3射撃演習を行います。これでイージス護衛艦のミサイル防衛能力付与は3隻目となる予定です。
posted by JSF at 22:04 | Comment(36) | TrackBack(0) | 軍事
2009年09月06日
防衛省の出したPDF:平成22年度防衛予算概算要求の22DDHのイメージ図には、近接防御兵器(CIWS)として20mmバルカンファランクスの他にSeaRAMが描かれていました。

searam22ddh.jpg

近接防御兵器「SeaRAM」とは、RAM(21連装)の小型版(11連装)を20mmバルカンファランクスの架台に載せた代物です。

RAM | Weapons School

そして平成21年度の事前の事業評価 評価書一覧にある護衛艦(19,500トン型DDH)参考(PDF:69K)の対比表では、こうあります。

22ddhikaku.jpg

22DDHの「対空ミサイル発射機2基」とは、SeaRAMを2基という意味なのだと思われます。配置は右舷艦橋前方は分かるとして、あと1基は一体何処にするのかはイメージ図からは読み取れませんでした。

22DDHはMk.41VLSも三連装単魚雷発射管も無く、目立った武装は近接防御兵器に絞って搭載機の運用に徹している事が分かります。同規模のイタリアの多目的空母カヴール級がアスター短SAM32発(8VLS×4)、76mm速射砲2門を装備しているのに比べると個艦防空能力は弱くなります。

22DDHの速力は30ノットを予定しており、カヴール級の28ノットよりも優速です。機関の詳細は決まっていませんが、LM2500系のガスタービンエンジンは最新型で1基3万馬力以上あり、LM2500+では4万馬力に達しており、十分に達成できます。

22DDHは多目的空母として、補給(給油)能力と輸送(揚陸)能力を有しています。輸送能力としてはカヴール級と同程度になると思われます。
posted by JSF at 02:56 | Comment(241) | TrackBack(0) | 軍事
2009年09月03日
今日の「お前が言うな」のコーナーです。なお前回はこれでした。

(2009/08/19)中国がインドの軍拡を「狂っている」と非難、インド人「お前にだけは言われたくない」

他の誰に言われても、中国人にだけは言われたくなかったよ・・・


日本「準空母」計画に警戒=次期政権をけん制−中国紙:時事通信
中国の国際問題紙・環球時報は2日、日本の防衛省が最大規模のヘリコプター搭載護衛艦の建造を来年度予算の概算要求に盛り込んだことを1面トップで報道。「日本の準空母の主な狙いは中国の潜水艦。日本は西太平洋でさらに大きな戦略的野心を持っている」という軍事専門家の見解を載せて、強い警戒感を示した。

「(次期政権を担う)民主党がこの計画を承認すれば、西太平洋の海上軍備拡大競争に号砲を鳴らすことになるだろう」という別の専門家の見方も紹介し、次期政権をけん制した。 

同紙は日本が明治以来、海軍の軍備拡大に努めていると指摘したが、中国軍が計画を進めている初めての国産空母の建造については言及していない。


時事通信も最後に皮肉っていますが、まさか自国で6万トン級大型戦闘空母の建造計画を進めている中国が、日本の2万トン級多目的空母建造計画22DDHを指差して「軍拡だ」とか言ってくるとは思わなかったですよ。

こんな事を中国マスコミが書いてくるのは「日本の新しい民主党政権がこちらの難癖を真に受けてくれると拾い物だ」くらいの感じで記事を書いているのでしょう。自民党相手では通用しませんが、新政権ならば確かにあるいは、効果が出るかもしれません。駄目元でやってみる価値があると判断したのでしょうね。ただし自分たちの知性を自ら貶めながら、ですが。

>日本の準空母の主な狙いは中国の潜水艦。

うん、そうですね。で、それの何処が問題なのだろう?




             ∧..∧   日本準空母は中国潜水艦狩り用
           .( `ハ´ )   西太平洋での戦略的野心の現れ
           cく_>ycく__)     軍拡競争に号砲を鳴らすアル          
           (___,,_,,___,,_)  ∬
          彡※※※※ミ  旦
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  \ お前が言うな!   /  \ わははは!  /
    \          /      \    ∞  /
 l|||||||||||||| ∩,,∩ ∩,,∩  ∩,,∩ ミ∩ハ∩彡
 (,    )(,,    )    ,,)(    )(    )
posted by JSF at 01:05 | Comment(224) | TrackBack(0) | 軍事
2009年08月31日
mixiでノホホンと22DDHの話で雑談をしていたら「その図は仕事が早過ぎるでござるよ」「まぁ元ネタがありましたので」「え?ご自分で作製されたんですか?」「ひゅうがスレのほうには名無しで投稿しましたが、ハイ」と、アララびっくり雑談相手が製作者当人だったでござるの巻。

早速その場で製作者の「ガ・チャー・de・畜生」さんに画像の掲載許可を頂きました。

22DDH比較図

「こんなやっつけ仕事でも明日には中韓系のサイトやブログに転載されるかもしれないと思うと憂鬱だお・・・」というご本人の弁があったので、世界に先駆けて私のブログに許可を得て転載、其処から世界中に発信する事に。毒食わば皿まで?ちょっと違うか。

また「ガ・チャー・de・畜生」さんはmixiで、

「人員4000人というのは、カブールが海兵隊325名、揚陸艦のエセックス級が2000人というところを見ると一桁間違えてるんじゃないかという気もしますね。」

とも述べられていました。どうも22DDHマスコミ報道にある「人員4000人輸送」というのは、船体規模的に有り得ない感じです。ただ、太平洋戦争当時の軍艦で、戦争終結後に海外に残された日本人を本土に帰還させる復員船に改造された空母「葛城」は、実に5000人(3000人説もある)も収容する事が出来たそうです。故に軍事作戦を意図しなければ可能な数値なのかもしれません。
posted by JSF at 22:26 | Comment(339) | TrackBack(0) | 軍事
防衛省の要求する22DDHは基準排水量2万トン(満載排水量は2万トン台後半)の多目的空母となります。多目的空母とは最近、各国の海軍で建造されているタイプの軍艦で、軽空母としての基本能力に加え、輸送艦・揚陸艦・補給艦としての能力を兼ね備えたもので、22DDHはイタリアの新型多目的空母「カヴール」、スペインの新型多目的空母「ファン・カルロス一世」とほぼ同サイズ、同能力を有します。「カヴール」は最大速度28ノットで空母寄り、「カルロス一世」は最大速度21ノットで強襲揚陸艦寄りの性格で、22DDHは「カブール」に近いタイプになります。


最大の「空母型」護衛艦配備方針=ヘリ14機、洋上給油も−防衛省:時事通信
 防衛省は31日、海上自衛隊に最大規模のヘリコプター搭載護衛艦(基準排水量19500トン)1隻を配備する方針を決め、2010年度予算の概算要求に1166億円を盛り込んだ。艦首から艦尾まで甲板がつながる「空母型」で、ヘリ5機の同時発着艦のほか、他艦への洋上給油が可能。
 同じタイプの「ひゅうが」(13950トン)から機能は大幅にアップするが、予算を見直すとしている民主党政権の下、無事「船出」できるかは不透明だ。
 新たな護衛艦は全長248メートルで、哨戒ヘリ3機が同時発着できるひゅうがより51メートル長い。甲板と格納庫でヘリ14機を搭載する。
 輸送力も増強し、陸上自衛隊のトラック約50台、人員約4000人を運ぶことができる。
 護衛艦「しらね」(5200トン)の後継だが、洋上給油もでき、周辺海域での継続的な警戒監視、海外派遣や大規模災害時の物資、邦人輸送など、さまざまな場面で中枢艦の役割を果たすという。


日本国防衛省
我が国の防衛と予算−平成22年度概算要求の概要−(PDF:3M)
※両面印刷用のため、ページの一部が空白となっています。


22DDHイメージ図
22DDH.jpg

参考比較16DDH
16DDH.jpg

22DDHは16DDHよりも全長が長くなった分、ヘリコプターの発着スポットが一つ増えています。後部エレベーターはサイド方式となり、イタリアの「カブール」級と同様の配置です。CIWSは艦の周囲に4基配置しています。VLSが見当たりませんが、搭載しないのでしょうか。

C-552 Cavour
cavour552.jpg

多目的空母はその名の通り、様々な任務に投入できる艦です。ただし空母としての能力は軽空母程度で、アメリカ海軍の大型原子力空母のような高い航空打撃力は有していません。オーストラリアもスペインの造船所に「カルロス一世」の同型艦を発注しており、この種の艦は各国海軍で採用例が相次いでいます。

しかしせっかくの22DDH計画も、民主党が予算を白紙にしてしまうのであれば御破算となってしまいます。概算要求の中には量産を開始するTK-X(10式戦車)や防空レーザー砲の研究なども含まれています。レーザー砲・・・鳩山首相(予定)に見せるとどんな反応が返って来るのやら。

以下は2ch軍事板22DDHスレッドより転載。

22年度概算要求で新たに加えられた主なもの

・PAC3を全国6高射群に配備
・F-2へのAAM-4搭載改修とレーダー改修
・F-15のECM能力向上

・基準排水量2万トン級の新拡大ひゅうが型1隻の整備
・新音響測定艦の整備
・掃海用MCM-101の整備
・海賊対策用LRADの整備
・代替整備予定のない4隻の護衛艦の早期除籍化

・新戦車10式の整備
・新NBC偵察車の整備
・第1師団を即応近代化対処用に改編

・03式中距離対空改の開発
・防空用高出力レーザーの開発
・戦闘機用先進センサシステムの開発
・電波・光波複合センサシステムの開発(巡航・弾道ミサイル・ステルス機探知用)
・統合通信衛星・宇宙監視衛星の研究
・サイバー防衛準備室の設置とサイバー防衛研究
・装軌車用ハイブリッド動力(原動機+蓄電池)の研究

・防衛政策局、統幕監部の組織強化と(文武官の混在化と次官新設)、整備計画局の新設
・中国軍への留学・招聘、ベトナム軍人の招聘などの交流拡大
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2009年08月29日
1年前にロシアとグルジアが戦争を始めた頃は、ポーランドでミサイル防衛の導入推進が高まりましたが、今は逆に怖くなってきたのか、疑心暗鬼に陥っているようです。


ポーランド:主要紙が「MD計画断念」報道、米は全面否定 - 毎日新聞
 【ウィーン中尾卓司】米国の東欧ミサイル防衛(MD)計画で、ポーランド主要紙は27日、「MD計画断念が確実になった」と一斉に報じた。米国務省当局者は「情報は不正確」と全面否定しており“誤報”の可能性が高い。迎撃ミサイル基地を受け入れるポーランドは昨年8月、ブッシュ前米政権と設置協定に調印したが、1年たっても進展がない。このままではMDに反対するロシアの思うままになる、との疑心暗鬼が“誤報”に走らせたとの見方も出ている。


8月22日書いた記事「移動式GBI」でも触れましたが、東欧MDは中途半端に頓挫してくれた方が代替兵器の開発を促し、日本が恩恵に与れるので、東欧MD配備計画が断念されるなら別に構わないのですが・・・実際に移動式GBIやSM-3地上型の他に、THAAD拡大型の計画案まで出て来ています。

MDA Eyes Longer-Range Thaad Options | AVIATION WEEK

14.5インチ(368mm)→ 21インチ(533mm)への弾体直径拡大で、射程は3〜4倍に、つまり射程1000km近くを狙ったTHAAD長射程バージョン。まだ提案だけの存在ですが、最近になって急に出てきたこれら新提案の存在自体が、ポーランドでの誤報騒ぎを生んだ背景なのかもしれません。というか9月1日にプーチンがポーランド来訪するのか・・・それは怖くなって縮み上がっても仕方が無い事なのかも? 

そしてどうもこの誤報の震源地はポーランド極左紙「トリブナ」らしく、これは日本で言えば共産党機関紙「赤旗」に相当する新聞です。「トリブナ」の前身はポーランド統一労働者党機関紙「トリブナ=ルドゥ」(人民の演壇)です。恐らく思想的に記事へ願望と憶測が入り混じってしまったわけですが、最終的に米オバマ政権が東欧MDを断念、移動式MDに切り替える可能性も十分にあるので、彼らの疑心暗鬼の日々はこれからも暫くは続きます。
posted by JSF at 02:50 | Comment(52) | TrackBack(0) | 軍事
2009年08月28日
4月の北朝鮮によるテポドン発射の際に、日本はミサイル防衛システムによる迎撃態勢を取りました。そしてこの姿勢は国内で一部の批判の声があったものの、国際的には当然の対応であると理解が示され、中でもロシアは日本と同様に迎撃態勢(極東軍管区第203高射ミサイル旅団はS300Vを装備)を用意していました。ロシアはミサイル防衛体制を更に強化する為、最新鋭対空ミサイルS400トライアンフの極東配備を6月に表明しており、このほど配備が完了した模様です。


極東に新対空システム配備 ロ、北朝鮮ミサイルに対応:産経新聞
インタファクス通信によると、ロシア軍のマカロフ参謀総長は26日、北朝鮮のミサイル実験に対応し、ロシア極東地域に最新型の対空ミサイルシステム「S400」を配備したと明らかにした。

北朝鮮のミサイル実験を現実の脅威とみなしていることの表れで、ロシアは引き続き北朝鮮のミサイル発射に厳しい態度を取るとみられる。

参謀総長は、メドベージェフ大統領に同行して訪問したモンゴルのウランバートルで記者団に「北朝鮮のミサイル実験場や核施設はロシア国境から極めて近い」と指摘。S400配備の目的は、北朝鮮のミサイル実験が失敗した場合に破片などがロシア領に落下することを防ぐためだと説明した。具体的な配備場所は明らかにしなかった。

S400は射程約400キロで、ロシア軍最新の対空ミサイルシステム。


実際にマカロフ参謀総長はこのように発言しており、インタファクス通信の他にノーボスチ通信もそのように伝えています。ただ、コメルサント紙によると、まだS400は極東軍管区の高射ロケット部隊には配備されていないという記事が挙がっており、配備完了ではなくこれからもうすぐ配備されるという話なのかもしれません。S300とS400の性能については以下の記事を参照して下さい。

(2009/05/13)ロシア版MD、S300&S400ミサイル・コンプレクスについて

遂に首都モスクワ防衛部隊にしかまだ配備されていなかったS400が極東にやって来るわけですが、この期に及んでまでロシア軍はS400の使用するミサイル「40N6」の外観写真を公表しようとしません。未だに謎のままです。ロシア語で「C-400 Триумф 40Н6」といった単語を使って定期的に検索は入れていますが、ロシア本国でもまだ詳細は分かっていないようです。40N6は弾道ミサイルを含むあらゆる目標に対する迎撃能力を持ち、最大射程400km、最大射高30kmという数値までは公表されています。最大射高から見て宇宙空間での迎撃は考えられていないものだと判断していましたが、以下の気になる記述があります。昨年5月のノーボスチ通信日本語版の記事です。


高精度武器捕獲網:ノーボスチ・ロシア通信社
前の機種S-300と違い、S-400は地球空間のみならず、近い距離の宇宙空間でも目標物に打撃を与える可能性をもっている。


宇宙空間では空気が存在しない為、操舵翼による姿勢制御は出来ません。つまりサイドスラスターによるロケット噴射が無ければ、宇宙空間での迎撃戦闘は不可能です。ノーボスチ通信の記事が意味するところは、一体何なのでしょうか。もしかしてS400はサイドスラスターを装備している? しかしそれでは最大射高30kmという数値と矛盾します。

結局の所、まだ全然分からないです。ロシアだけでなく、ロシア兵器の深い考察が為されているオーストラリアのサイトも巡っているのですが、目新しい情報は見付かりません。

Air Power Australia Analyses

このオーストラリアの軍事サイトの地対空ミサイルの項目「SAMS/IADS」はロシア対空ミサイルを知る上で必見です。

The RAAF's Professional Mastery Problem:Symptoms, Causes and Measures to Reskill the RAAF

このページのエンドノートで紹介されている、オーストラリア政府の公式文書(防衛白書)のリンク先を見に行くと・・・熱烈なロシア兵器マニアなのだろうか、オーストラリア人というものは・・・と、ちょっと頭を抱えました。
posted by JSF at 21:23 | Comment(59) | TrackBack(0) | 軍事
2009年08月22日
ミサイル防衛システムで新提案です。


欧州ミサイル防衛に可搬式提案=ロシア刺激せず代替策?−米ボーイング社:時事通信
米ボーイング社は22日までに、欧州を長距離弾道ミサイルから防衛する、可搬式の迎撃ミサイルシステムの開発計画を進めていることを明らかにした。ロイター通信によると、既に国防総省ミサイル防衛局に計画を提案しているという。

米国はイランのミサイルの脅威から欧州を守るために、ポーランドに地上配備型迎撃ミサイル(GBI)を10基配備する計画を進めているが、ロシアは強く反対している。可搬式であれば、GBIのように恒久的に配備する必要はなく、ロシアを説得する「代替案」として、同省に売り込む狙いがあるとみられる。


これはGBIの代わりにTHAADの導入という意味ではなく、GBI並みの性能を有した上で可搬式にする、という意味です。THAADでは対IRBMまでが限度で、ICBMに対する広域防空は出来ません。

地上移動式の大型ミサイル防衛システムならば、予算が削られたブーストフェイズ迎撃用のKEIを復活させてミッドコースフェイズ迎撃用に改修するという案が思い浮かびます。或いは巨大な移動発射機を採用してGBIをそのまま積み込む荒技もあります。ボーイングの提案は、なんとこの荒技とも言える移動式GBIです。GBIヨーロッパ仕様は二段型で、アメリカ本国版が三段型であるのに比べてコンパクトになっているので可能なのかもしれません。(なにしろ地上移動だけでなく輸送機に積み込んで空輸する必要がある)

Boeing's Mobile GBI Concept | AVIATION WEEK(移動式GBI模型写真あり)

他に考えられるのは海上プラットフォームに積み込んでしまう案です。海上移動式Xバンドレーダーがあるのですから、この海上プラットフォームにレーダーの代わりにGBIを積み込んで、レーダーとセットで配備すれば良いでしょう。対イランを考えるなら黒海に配備するのが最適ですが、ロシアが嫌な顔をするし狭い海峡をあんなものが通れるとも思えず、整備できる港湾の問題もあるので、地中海配備が適当かもしれません。

Boeing Unveils Mobile GBI | AVIATION WEEK

記事によると、ロシアの抗議を避ける為にボーイング社は可搬移動式GBIを提案し、レイセオン社はSM-3地上型をポーランド以外の場所へ配備する事を提案しています。SM-3Block2はそのままでは対ICBM広域防空には無理があるので、地上式にするにあたり何らかの改造を施すのかもしれません。地上設置ならばMk.41VLSに拘る必要が無いので、第一段ブースターを長大化させる、キネティック弾頭の制御ロケットの液体燃料化などが考えられます。(ブースターを長くするのはともかく、弾頭の換装は新型ミサイルの開発と同義なので可能性は低い)

なお、同記事の2ページ目には日本にとっても重要な事が書かれています。

"Once developed, a mobile GBI could also be deployed in the United States or elsewhere against threats posed by Iran and North Korea."

移動式GBIは一旦開発してしまえば、対イランでも対北朝鮮でもどちらにでも使用する事が可能で、アメリカ本土に配備する事も、他の何処か(つまりヨーロッパや日本など)にも配備する事が自由に出来ます。射撃管制レーダーについては海上移動式Xバンドレーダーを持ってくればいいですし、射程の短い準IRBMクラス(つまりノドン)が相手ならば、THAAD用のレーダー(青森県車力に配備されているFBX-TことAN/TPY-2レーダー)でも十分に使う事が出来ます。

そしてSM-3地上型をイランのICBMに対抗する為に改良をしてくる場合でも、日本は恩恵を受けます。出来あがったそれは北朝鮮のノドン、テポドンどころか中国のIRBM〜ICBMすら迎撃可能である事を意味するからです。

そうなると東欧MD配備はある程度頓挫して、この代替案(移動式GBI、SM-3地上型)に移行して貰える方が日本にとってメリットが大きいです。移動式GBIならば有事の際に日本に空輸して貰えますし、SM-3地上型が艦載型よりも高性能になるならば、日本が導入する際に有利です。GBIを日本が購入するのは無理ですが、SM-3ならば(何しろ日米共同開発していますので)問題はありません。購入不可能なGBIの在日米軍による日本配備が可能となる場合も、これは大きいです。
posted by JSF at 23:09 | Comment(79) | TrackBack(0) | 軍事
2009年08月19日
・・・と思うだろうな、インド人(まだインド側の反応は無いので勝手に予想)。他のどの国に軍拡を非難されても許容できるけど、中国にだけは言われたくないです。だって去年までず〜っと、世界最大の武器輸入国は中国だったんですよ? それが今年、インドが世界最大の武器輸入国となりそうだからって、中国から「狂ったように武器を購入している」とか言われたくないでしょう。中国にそんな事を言う資格は無いです。


インドはなぜ狂ったように武器を購入するのか:人民網 (人民日報インターネット版)
 インド国防省が先日発表した報告は、同国がすでに世界最大の武器輸入国であり、毎年60億ドル余りを海外からの武器購入に費やしていることを明らかにしている。この毎年数十億ドルもの「巨大なパイ」を前に、世界の戦闘機メーカー6社も垂涎し、インド空軍の戦闘機126機、100億ドル相当の発注を奪い合っている。

 8月15日には、米ボーイング社の戦闘機F-18E/F2機の試験飛行が、インド南部・バンガロールの空軍基地で行われた。米ロッキード・マーティン社の戦闘機F-16C/D、フランスの新型戦闘機「ラファール」、欧州4カ国が共同開発した新型戦闘機「タイフーン」、スウェーデンの戦闘機JAS39「グリペン」なども、続々とインドで試験飛行を行い、発注争奪戦を演じている。

 戦闘機の大口購入から、武器購入におけるインドの気前の良さがわかる。インド政府は現在、巨額の資金を投じて軍隊の改造に取り組んでいる。インド財務省は今年度の予算で軍事費を大幅に引き上げた。その総額は前年度比25%増と急増している。陸海空軍は2012年までに300億ドル相当の武器を海外から購入する計画だ。購入予算の増大のほか、インドは最近、原子力潜水艦でも大きな動きを見せた。インド初の国産原子力潜水艦の進水式が7月26日にベンガル湾の海軍基地で行われた。排水量約6000トン、建造費29億ドル、最大射程700キロ以上の弾道ミサイルが搭載可能で、2011年に就役する予定だ。現在、インド海軍は航空母艦1隻、ミサイル駆逐艦8隻、護衛艦約40隻、潜水艦16隻、そして大量の補助軍艦を保有する。陸軍と空軍の近代化も急速に進んでいる。インド陸軍は近代的な武器・装備を常に配備しており、彼らが最も重視するのは戦車だ。インド陸軍は現在、4000両を超える世界最大の主力戦車群を保有している。インド空軍は作戦機1000機以上を保有し、さらに戦闘機を拡充し続けている。

 インドの急速な軍備拡張には2つの主要原因がある。第1にテロ対策、第2に軍拡競争だ。昨年のムンバイ同時多発テロの暗雲がまだ晴れない中、インド政府は、新たなテロ攻撃への警戒を強調している。また、隣国パキスタンなどとの関係も常に緊張しており、軍備強化は確実に相手国への圧力となる。

 度重なるインドの動きは、パキスタン側にも警戒を引き起こしている。パキスタン海軍の報道官はインドの原子力潜水艦開発について、「地域全体の安定を破壊し、南アジア地域の平和と勢力の均衡を脅かすものであり、新たな軍拡競争を引き起こすだろう」と指摘している。(編集NA)

 「人民網日本語版」2009年8月19日


さてこの記事は政治的に見ると大変に興味深い点が幾つかあります。人民日報は中国共産党中央委員会の機関紙であり、中国という国家としての見解と考えてよいです。

まず、注目点はインドの戦闘機調達計画(MMRCA)の紹介部分です。アメリカのボーイング社製F-18E戦闘機、ロッキード社製F-16戦闘機やフランスのラファール戦闘機(一時MMRCA選考から脱落するも政治的に復活)、欧州共同開発のユーロファイター/タイフーン戦闘機、スウェーデンのグリペン戦闘機の紹介がありながら、何故かロシアのMiG-35戦闘機だけが紹介されていません。MiG-35は本命候補であるにも関わらずに、です。しかも冒頭に「世界の戦闘機メーカー6社も垂涎し」と6社と書いておきながら、5社しか紹介していません。ロシアのMiG-35だけが無視されています。あまりにもあからさまで、意図的に紹介しなかった可能性が高いです。つまり中国政府は、インドの武器購入相手国にロシアが居ることを自国民になるべく知らせたくなかった、という意図が浮かび上がってきます。ロシアはインドの武器輸入最大取引相手国です。

中国もロシアから武器購入を行っていますが、最近は違法コピー兵器問題でロシアが中国を怒ったりと、購入関係はあまり良くありません。一方、インドはロシアとの武器購入関係は良好で(空母ゴルシコフ売却問題で少し揉めてはいますが)、ロシアは中国には最新兵器を売らずにインドにはワンランク上の兵器を売却しています。更にはインドとロシアが共同で新兵器(ブラモス巡航ミサイルなど)を開発したりと、中国よりも仲が深い状態です。これは、ロシアと中国は国境を接しており、将来敵対関係に陥る可能性があるのに対し、地理的にロシアとインドは敵対関係になることが有り得ないので、このような差が意図的に設けられているのです。中国はこの事実を自国民にあまり知られたくないのかもしれません。

次に人民日報はインドの軍備拡張の理由に「テロ対策」と「軍拡競争」を挙げていますが、インドの軍拡競争の相手はパキスタンであるとして、自国(中国)がインドの軍拡の原因であることに触れていません。これもあからさまに過ぎます。

インドの対立国パキスタンはインドよりも弱く、陸海空の三軍でどれもインド軍の方が1.5倍の優位にあります。しかもインド軍は志願制であり、パキスタン軍は徴兵制です。これは国力で相当に劣っている為で、それは軍事力にも現れています。無理をしてまで軍備を維持してきたパキスタンに対し、余力を残しているインド・・・しかもパキスタンは今、国内のタリバーン勢力と熾烈な戦闘状態にあります。パキスタン軍は対テロ戦争で酷く消耗しており、インドとの軍拡競争など行える筈もありません。

人民日報の挙げたインドの軍備拡張理由は二つとも、嘘です。インドが今揃えようとしている兵器は大型兵器ばかりで、テロ対策ではありません。パキスタンとの軍拡競争も発生していません。テロ対策云々を言うならパキスタンの方が遥かに大変な状況です。

インドの大規模な軍拡は明らかに中国に対抗する目的のものです。インドは最近、中国との国境線(国境紛争の火種は今も燻っている)に配備している兵力を増強しました。陸軍2個師団を新たに配備し、旧式化したT-55戦車をT-72戦車と入れ替え、Su-30MKI戦闘機を最前線に18機、張り付けます。このインド軍の中国方面への兵力増強を受けて、パキスタン軍はインド国境に張り付けた戦力の一部を西部の対タリバーン掃討戦に引き抜いています。

またインドは、中国海軍がインド洋周辺に海外根拠地を確保(パキスタン、ミャンマー、スリランカ)している点や、ソマリア海賊対策に中国艦隊が遠路進出してきた事を受けて、将来的に中国海軍の有力な艦隊がインド洋に進出、軍事プレゼンスを発揮してくる可能性を憂慮しています。今はまだ脅威になりませんが、20年後、30年後に中国が空母機動部隊を編成してくれば、それは非常に面倒な存在です。中国はパキスタンとの仲が深い同盟関係にあります。インドとパキスタンはシムラ協定によって、両国間の紛争に他国を介入させないと取り決めていますが、いざ紛争が始まった折にインド洋へ中国艦隊が入ってくれば、何もしなくてもそれは示威行動と成り得ます。万が一の際にこれを問題なく排除できる戦力が必要になるでしょう。インド側がそれを持っていれば、中国もおいそれとちょっかいは出せない筈です。インド海軍は、空母と原潜、そしてロシアと共同開発した超音速巡航ミサイルで中国艦隊を迎え撃つ予定です。

そしてそういった戦術面以上に重要なのが戦略面です。つまり核弾道ミサイルの配備です。インドは、明らかに対パキスタンには過剰な射程の長距離弾道ミサイルの配備を計画しています。その目標が北京であることは明白で、パキスタンとの紛争を邪魔されないこと、そしてもっと単純に直接的な対抗勢力として中国そのものを敵として扱う事、それが今のインド軍の総合戦略です。

インドの目指している箇所は明白であるのに、中国はそれを隠しながら、インドの軍備拡張を非難しています。インドとロシアの関係も隠しながらですから、中国の言論のコントロールはかなり細かい部分にまで渡っている事が分かります。
posted by JSF at 23:55 | Comment(177) | TrackBack(0) | 軍事
2009年08月18日
ミサイル防衛ネタが溜まりに溜まっていたので一気に消化します。


PAC3全国配備へ 北ミサイルの脅威、対応強化 防衛省拡大方針:産経新聞
防衛省はMDシステムの強化が不可欠で、PAC3の防護の網を全国に広げる必要があると判断。3つの高射群に限定していた配備計画を改め、6つの高射群すべてにPAC3を配備することにした。

同時に、各高射群に4つずつ分散配置している迎撃部隊の高射隊について、大半の高射群で1つずつ減らす。PAC2に比べ、PAC3はレーダーの性能や発射機を遠隔操作する機能が向上したため、削減が可能になった。削減する隊の選定と存続させる隊の再配置も、年末の22年度予算案決定までに調整する。

【視点】国民防護の意思鮮明 PAC3配備拡大:産経新聞
空自高射部隊は基地や重要防護地域を守るため、PAC2で敵の航空機を迎え撃つ「全般防空」も担っている。防衛省はPAC3の配備拡大に伴い、空自高射部隊を弾道ミサイル対処に特化させ、防空を陸自高射特科(砲兵)部隊の新中距離地対空誘導弾(新中SAM)に代替させることも検討している。


この記事から読み取れる事を羅列すると、

・空自はPAC2後継に国産開発で新長SAMを導入する事を諦めた。
・パトリオット高射隊削減はTHAAD部隊新編成の布石。
・空自高射MD専門化はTHAAD部隊新編成が理由。
・陸自高射全般防空移管は空自高射THAAD導入の為。
・PAC3MSE(PAC3改良型)の検討はしないのだろうか?

※産経の記事にはTHAADの話は全然出て居ないので勝手な憶測です。ただ、最近のジェーン・ディフェンス・ウィークリーでも「日本がTHAADに関心を示していて云々」という記事が載ってると井上孝司さんから聞いて居ります。


次世代SM3、陸上配備も=08年の迎撃失敗は偶発的−米ミサイル防衛局:時事通信
米国防総省ミサイル防衛局のブラッド・ヒックス計画部長(海軍少将)は3日、日米が共同技術研究を進めている次世代型の海上配備型迎撃ミサイルSM3ブロック2Aのコストが当初の見積もりより上昇することや、必要な場合には陸上に配備する考えを明らかにした。

迎撃ミサイル本体に不具合=海自試験の失敗原因−米国防総省:時事通信
試験では、SM3ブロック1A型ミサイルの弾頭がロケットから切り離され、最終段階で標的を見失った。ミサイル防衛局は「生産ラインの一つで局所的に起きた問題に起因している」とする一方、目標を探知する「赤外線シーカー」には問題はなかったとしている。このため、弾頭の姿勢制御装置などに問題があった可能性もある。


初期生産分はどうしても不具合が出る場合が多くなります。しかしたまたま出た不良品が海自の試射分だったという間の悪さで、アメリカ海軍のSM-3試射はずっと成功し続けているので余計に目立ってしまいました。アメリカ海軍は2012年までにMD対応改修イージス艦を27隻、SM-3Block1を218発配備する予定です。日本海上自衛隊は4隻、32発の予定です。記事にはSM-3が1発10億円とありますが、これはアメリカ軍納入価格なのでしょうね。


Kojii.net - 今週の軍事関連ニュース (2009/08/04)
Stellar Avenger (Raytheon 2009/7/31, MDA 2009/7/31, Lockheed Martin 2009/7/31, Boeing 2009/7/31, DefenseNews 2009/7/31)
7/30 に PMRF (Pacific Missile Range Facility, Kauai, HI) で、SM-3 を使った短射程弾道ミサイルの要撃試験 "Stellar Avenger" が成功裏に行われた。SM-3 を使った要撃試験としては 15 回目、イージス BMD を使った要撃試験全体では 19 回目の成功となる。
今回のミッションは、PMRF から発射した標的ミサイルを USS Hopper (DDG-70) が SM-3 で迎え撃つという内容。Boeing 製のセンサーを装備したキネティック弾頭による要撃は、太平洋上空・高度 10 マイルのところで行われた。試験には USS Lake Erie (CG-70) と USS O'Kane (DDG-77) も参加して探知・追跡を行ったが、ミサイルは発射していない。
なお、今回の試射には、2008 年 11 月の試射で海上自衛隊の「ちょうかい」が JFTM-2 の際に発射した SM-3 が目標を外した件の対策について、有効性を評価する狙いもあった。対策を施したコンポーネントのひとつが SDACS (Solid Divert Attitude Control System)。
現在、イージス巡洋艦×3 隻とイージス駆逐艦×15 隻がイージス BMD 3.6 を導入済み。年内に、さらに 2 隻増えるほか、FY2010 国防歳出法で 6 隻の追加改修が盛り込まれている。

〜〜〜〜〜〜〜〜

米下院は FY2010 国防歳出法に、イスラエルの弾道ミサイル防衛プログラムに対する資金援助を 2 億 200 万ドルに増額する件を盛り込んだ。実現には議会の承認が必要だが、これは容易に得られる見込み。アメリカは 2009 年にイスラエルに対して、ミサイル防衛関連で 1 億 7,700 万ドルの支援を行っている。これを Barack Obama 大統領は 1 億 2,000 万ドルに削減したい考えだったが、議会が 8,200 万ドルを上乗せした。Arrow-3 については、ホワイトハウスが 3 ,700 万ドルを要求していたのに対して、議会は 5,000 万ドルを計上。アメリカはイスラエルに対して Arrow-3 の代わりに SM-3 を導入するよう働きかけていたが、結局は Arrow-3 の計画継続で合意。SM-3 については、Arrow-3 の開発がうまく行かなかったときのための保険とする。(Forecast International 2009/8/1)



結局、イスラエルのミサイル防衛「アロー3」開発予算は捻出した模様。


それと以下の韓国中央日報の謎記事なのですが・・・

現在の技術で北のすべてのミサイル迎撃できる(1):中央日報
現在の技術で北のすべてのミサイル迎撃できる(2):中央日報

せっかくロッキードマーティン社に取材しているのに、記者の無知からかそれとも翻訳の過程でねじ曲がったのか、無茶苦茶な事が書かれています。

元の英語を見せて欲しい・・・ロッキード社の説明はかなり重要な事も言っている筈なのに、内容がグチャグチャになって判別不可能になっちゃってます。「最終段階には多弾頭タイプのパトリオットミサイル(PAC−3)が動員される。」とか、一体何を言ってるんだろうか? 謎の新兵器?
posted by JSF at 22:50 | Comment(53) | TrackBack(0) | 軍事
2009年08月16日
以前インド原潜アリハントについて書いた記事で、

また「アリハント」の意味が「敵を滅ぼす者」とされていますが、サンスクリット語(梵語)で調べてみると修行者・聖職者を意味するとあり、何処からこういう意味が出てきたのかよく分かりません。

と言うことを書きましたけれど、mixiで指摘を受けてようやく意味を理解しました。この場合の敵とは煩悩を表し、それを無くす事の出来た者=修行者・聖職者という意味らしいです。

阿羅漢 - Wikipedia

ただアリハントの意味としては通俗語源解釈で、本来の意味とは異なるようなのですが、梵語(サンスクリット語)はサッパリなのでこれ以上詳しくは分かりませんでした。

(2009/07/29)インド初の国産原子力潜水艦「アリハント」
(2009/07/29)インドの弾道ミサイル、K-15サガリカとシャウルヤの関係について

さてこれだけでは文章が短過ぎるので、アリハントに搭載が検討された事もあるPJ-10ブラモス巡航ミサイルの動画を紹介しておきます。ブラモスはインドとロシアが共同開発した巡航ミサイルで、基本的にロシアのヤホント巡航ミサイルがベースとなっています。





上がブラモスで下がヤホントです。基本構造は殆ど同じミサイルで、ラムジェットエンジンのエアインテークを塞ぐ弾頭カバーが付いており、潜水艦から水中発射する事が出来ます。この弾頭カバーにはサイドスラスターが装着されており、垂直発射された後に直ぐに姿勢を一気に変えて飛んで行きます。ミサイル最後部にTVCを付けて姿勢を変更するよりも、弾頭カバーにサイドスラスターを付けてしまえば投棄する手間が一回で済んで合理的というわけです。
posted by JSF at 03:09 | Comment(35) | TrackBack(0) | 軍事
2009年08月14日
毎度恒例?メールフォームからの質問に答えるコーナーです。

Q.「ロシアの新型SLBM"ブラヴァ"が発射試験失敗を繰り返していますが、ブラヴァは既に成功しているICBM"トーポリM"の改修型なのに、どうして失敗を繰り返しているのですか?」

A.「ぶっちゃけブラヴァはトーポリMとは完全に別のミサイルと思った方が良いです。なにしろ大きさが全然異なります。トーポリMは全長20m超えますがブラヴァは12mくらいです。重量も10トン以上の差があります。実質上、完全な新型ミサイルを開発しているのと同じと考えた方が良いので、開発はすんなり行くものではありません。」


比較


トーポリMは長過ぎて潜水艦には搭載できません。潜水艦に積む為には、太くて短い形状になります。ブラヴァはアメリカのトライデントT(現行型トライデントUの前身)より少し大きいくらいのサイズです。ロシア海軍のプロジェクト955「ボレイ」型戦略ミサイル原子力潜水艦は、当初は搭載する弾道ミサイルにR-39Mを予定していました。「タイフーン」型に積んでいたR-39の改良版です。しかし試験結果が思わしくなく、すぐに開発中止されてしまい、現在のブラヴァ開発計画に移行するのですが、そのブラヴァまでもが開発に難航しており、またこれを中止して別のミサイルを開発するわけには予算的にも無理な話で、このままではボレイ型1番艦「ユーリー・ドルゴルキー」の就役には肝心の搭載ミサイルが間に合わないです。

しかしどうしてブラヴァの大きさがトーポリMと全然違う事があまり知れ渡っていないのか・・・

R-30 (ミサイル) - Wikipedia

Булава (ракета) Википедия

RSM-56 Bulava - Wikipedia

どうも日本語版ウィキペディアの「R-30 ブラヴァ」の項目に記載されたスペックの数値がおかしい(ブラヴァの全長が21.9mとあるが、その数字はトーポリMのものだろう )のが原因なのかも・・・重さ(約32t)も何か違っているような。英語版とロシア語版には重量36.8トンとあります。
posted by JSF at 23:14 | Comment(27) | TrackBack(1) | 軍事