このカテゴリ「軍事」の記事一覧です。(20件毎表示)

2012年04月19日
韓国国防部が新たに対地ミサイルの試射動画を公開しました。前半は短距離弾道ミサイル(クラスター弾頭)、後半は巡航ミサイルです。北朝鮮のロケット発射や新型長距離弾道ミサイルの公開、核実験の兆候に対しての牽制と思われます。


South Korea Ballistic Missile & Cruise Missile

前半の短距離弾道ミサイルは恐らく玄武2B、これが初公開です。
後半の巡航ミサイルは玄武3シリーズです。

短距離弾道ミサイル

玄武2Bの外形はロシアのイスカンダル短距離弾道ミサイルに非常によく似ています。

クラスター子弾

綺麗に散らばったクラスター子弾も一発がかなり大きく総数は30個程度で、米軍のATACMS短距離弾道ミサイルの小型クラスター子弾大量搭載とはコンセプトが異なるようです。玄武2短距離弾道ミサイルについては、ロシアの弾道ミサイル技術をスパイ行為で得て開発された事が朝鮮日報で報じられています。
어느 사업가의 고백 "내가 ICBM (대륙간 탄도미사일)한국에 들여왔다"(朝鮮日報 2011年6月25日)

ですが、玄武2Bがここまでイスカンダル短距離弾道ミサイルに似ているのは予想外でした。ロシアから得た技術はもっと古いものとばかり・・・

比較・玄武2Bとイスカンデル
17時23分 | 固定リンク | Comment (97) | 軍事 |

2012年04月15日
今日行われた北朝鮮の軍事パレードでICBM級の新型長距離弾道ミサイルが登場しました。最初に見た時は段付き形状からノドンだと思ったのですが、TEL(弾道ミサイル輸送起立発射機)のタイヤの数を数えて見て驚きました。片側8輪、つまり計16輪もあったのです。これはロシア軍のICBMであるトーポリMのTELのタイヤと同じ数です。一方、準中距離弾道ミサイルであるノドンのTELは10輪です。

新型長距離弾道ミサイルとノドン

ノドンとは完全に規模が違います。ロシアのトーポリM並みのサイズであり、ミサイルの全長は20mはあるでしょう。全長も直径もノドンを一回りから二回りは大きくなっており、ムスダンよりも重く、テポドンよりは小さいサイズと推定できます。射程は最低でも5000〜6000kmは狙っていると思われ、それ以上かもしれません。三本の白いラインが引かれているのが気になりますが、もしかすると三段式のミサイルである可能性があります。固体燃料を使用している可能性も考えられます。またこの16輪のTELは中国の重野戦トラックに良く似ており、直接購入して改造したものかあるいは開発の参考にしている可能性があります。

WS51200

開発:湖北三江航天万山特种车辆有限公司
生産:三江瓦力特特种车辆有限公司 
WS51200トラック 
駆動形式16×12 
エンジン522kW(700馬力)
整備重量42トン 積載重量80トン 
寸法20110mm×3350mm×3350mm
21時00分 | 固定リンク | Comment (108) | 軍事 |
2011年05月11日
イージス艦「あたご」と衝突した漁船「清徳丸」の事故で、横浜地裁が「あたご」当直の士官に無罪判決を言い渡しました。事故の主要因は漁船側にあるとするものです。


あたご衝突、自衛官2人無罪 地裁判決「漁船側に原因」 - 朝日新聞
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」が2008年2月、漁船・清徳丸と衝突し、清徳丸の父子が死亡した事故をめぐる刑事裁判で、横浜地裁は11日、業務上過失致死などの罪に問われた2自衛官を無罪とする判決を言い渡した。秋山敬裁判長は「清徳丸側が衝突の原因を作っており、あたご側に衝突を避ける義務はなかった」と述べた。

 刑事裁判に先だって行われた海難審判の裁決(09年1月)は「あたご側が見張り体制を十分に構築していなかったことが事故の発生原因」と判断。大きく食い違う形となった。


2008年2月19日に海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船「清徳丸」と衝突して清徳丸の2人が死亡した事故は、2009年1月22日に海難審判所が「事故の主因は"あたご"側にある」と採決されていましたが、刑事裁判では逆の判決が出た事になります。

今回の横浜地裁の判決で、事故当時に当ブログで「あたご」側に責任があると決め付けた記事も誤りであった可能性が高くなりました。あたご乗組員を始めとする海上自衛隊の皆さん、及び読者の方々、誠に申し訳ありませんでした。なぜ「くらま」事故の時のように「あたご」側の言い分をちゃんと検証しなかったのか、私の不徳と致す所です。

当直2士官に無罪判決=「回避義務ない」と判断−イージス艦衝突事故・横浜地裁 - 時事通信(解説図あり)

横浜地裁の無罪判決は、検察側の主張する航跡図を否定するもので、事故の主要因は清徳丸の右転舵にあり、なぜ清徳丸がその様な行動を取ったかについては「不明という他ない」とされています。

Togetter - イージス艦「あたご」事件弁護人田中崇公先生の昨日からのつぶやき
19時20分 | 固定リンク | Comment (555) | 軍事 |
2011年05月07日
アルカイダの首領オサマ・ビン・ラディンがパキスタン領内でアメリカ軍によって仕留められました。この事をアルカイダもタリバンも既に認めており、アメリカ政府の発表は事実のようです。しかし、今回の作戦は一つの大きな謎が残され、まだ解明されていません。作戦の最中に故障で墜落したとされるヘリコプターの残骸は、テールローター部が今まで見た事の無い部品で構成されていたのです。

※ドラゴン模型がいち早くキット化。
1/144 ステルス ヘリコプター オペレーション・ジェロニモ

テールローターハブにカバーが付き、尾部全体の形状もどの機体にも似ていません。胴体部分の残骸からMH-60ブラックホークの改造か同クラスの中型ヘリコプターと推定出来ますが、改造だとしてもこれほど大規模なものが極秘裏に開発され実戦投入されておきながら、今まで知られていなかったというのは、とても驚くべき事です。対レーダーステルス化を狙ったものと推定され、世界中の多くの人が関心を持ち、様々な想像図がUPされています。

Voodoo_Br氏の予想図(ローター):Military photos . net

Voodoo_Br氏の予想図(全体図):Military photos . net

David Cenciotti氏の予想図:David Cenciotti's weblog

彩虹熊氏の予想図:彩虹熊的小窝

ブラックホークの小改造、あるいは原型すら止めない大改造、様々な予想が為されています。しかし小改造ならば極秘裏に低予算で開発出来そうですが尾部だけ変更してどれだけ意味が有るのか疑問ですし、完全ステルス化を目指す大改造は新型機を開発するのと大差の無い労力と費用が必要で、冷戦終結後にそのような兵器を極秘に開発するのは無理がありそうです。テールローターハブにカバーを付けて対レーダーステルス化を狙って、ブレード有効長が短くなりブレードを4枚から5枚に増やし、回転数を上げたとした場合、高周波となって音響ステルス化としては良くない結果になるかもしれず、開発目的とその成果の全体像ははっきりと分かりません。

この機体に関してアメリカ政府や軍は正式な説明を一切行っておらず、謎のままとなっています。英語圏では巷で「ステルスホーク」や「スニークホーク」と名付けられていますが、何もかも推定です。
21時41分 | 固定リンク | Comment (265) | 軍事 |
2010年11月07日
休止期間中に軍事に関する新しいニュースがあった場合、重要な話題ならば此処に書き込んで貰って構いません。但し、マスコミの報道や政府機関の公式発表などでの新しいニュースの場合に限ります。なおコメント1000を超えても対応しないので、1000を超えた後の投稿番号のズレに注意して下さい。ブログ活動再開後はこの記事の投稿受け付けは停止します。
20時23分 | 固定リンク | 軍事 |
2010年10月31日
ロシア空挺軍総司令官シャマノフ中将が交通事故に遭い負傷しました。乗っていたBMWは大破し運転手は即死、同乗の大佐は重傷です。


Russian Airborne Troops Commander Lt. Gen. Vladimir Shamanov was injured in a car accident, a spokesman for the Defense Ministry said on Saturday.

Russian airborne troops commander injured in traffic accident | RIA Novosti


ツーラの第106親衛空挺師団ゲート前500mでトラックと衝突、運転していたタジク人3名は逃走したところを空挺兵が捕縛しています。

果たしてこれは只の事故なのか・・・というのも、シャマノフ司令はセルジュコフ国防相と激しい対立関係にあり、軍の改革に反対を唱えているのです。シャマノフ司令はBMD-4空挺戦闘車とスプルートSD空挺自走対戦車砲の予算がカットされ調達中止になる事に納得しておらず、特にBMD-4を生き残らせるべく頑強に粘っています。

しかもつい最近、セルジュコフ国防相と空挺軍が非常に険悪になる事件が起きたばかりです。9月30日、リャザン空挺大学に建設されたロシア正教会の教会(従軍牧師育成用)についてセルジュコフ国防相が不必要な物だ、直ちに撤去しろとクラーソフ校長を激しく叱責したところ、教会建設の寄付金を出していたロシア空挺部隊ベテラン連合会が激しく反発、抗議活動を行っている最中です。

このような状況で空挺軍総司令官が大事故に遭うとは・・・シャマノフ司令は他にも、ロシア国防省がアフガニスタンに空挺軍第45独立親衛特殊任務連隊を投入したがっているのを拒み続けているという週刊誌報道まであるそうで、セルジュコフ国防相にとって目の上のたんこぶのようになっています。
01時21分 | 固定リンク | Comment (93) | 軍事 |
2010年10月30日
台湾海軍陸戦隊はM41A3ウォーカーブルドッグ軽戦車をM60A3パットン主力戦車で更新します。

以下、台湾のブログより「全球防衛雑誌」第315期2010年11月号の引用です。


節錄自2010年11月315期全球防衛雜誌內文

海軍陸戰隊為取代已服役時,且妥善率逐步下滑的M41A3戰車,為外購困難與節省經費的前提下,日前已派遣部份66旅戰車營官兵,前往戰車基地接受一批由陸軍撥交的M60A3戰車,此刻正實施各項測評及後勤訓練,若各項測評順利通過,M41A3戰車也將逐步汰除。

海軍陸戰隊持續裝備換裝:中華台灣福爾摩沙國防軍


陸軍のM60A3を海軍陸戦隊に廻すようです。それと本文続きには陸戦隊の制服をデジタル迷彩にするという事も書かれてあるようです。軽戦車から主力戦車に更新する事で陸戦隊の戦闘力は高まるでしょう。

ちなみに、

日本周辺国の軍事兵器(中国・台湾)

上記サイトで台湾軍の戦車の項目を見ると台湾機甲戦力の苦労が分かります。M60A3ですらアメリカはなかなか輸出許可を出さず、1995年になってやっと受領が始まっています。
18時31分 | 固定リンク | Comment (259) | 軍事 |
ロシア海軍の新型フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」が進水しました。本級は20〜30隻の大量建造を予定しており、水上戦闘艦の更新が15年滞っていたロシア海軍の次世代主力艦となる予定です。

Головной фрегат ВМФ РФ "Адмирал Горшков" спущен на воду в Петербурге - РИА Новости

本級は当初は満載8000トンで計画されていましたが、予算の都合と大量建造の必要性から、単価を安くする為に満載4500トンとなっています。しかし武装は非常に強力で、対空・対艦・対潜を全てこなせる万能艦となっています。

"А-192" 130mm単装砲 × 1
"Ураган" ウラガーン対空ミサイル × 36
"Оникс" オーニクス対艦ミサイル × 8
"Медведка" メドヴェートカ対潜ミサイル × 8
"Кортик" コールチクCIWS × 2
"Ка-32" 対潜ヘリコプター × 1

ウラガーン対空ミサイルはソブレメンヌイ級駆逐艦に搭載されていたものの改良型で、これをアメリカのMk.41VLSに似た形式の垂直発射式ランチャーに収納します。サイズはアメリカのシースパローとスタンダードの中間の大きさであり、射程50km以上あるので艦隊防空も可能。オーニクス対艦ミサイルはモスキート(サンバーン)を凌駕する性能であり、この時点で対空防御力も対艦攻撃力もソブレメンヌイ級駆逐艦を上回っており、これに加えてメドヴェートカ対潜ミサイルの搭載で対潜能力も優っています。ゴルシコフ級フリゲートは排水量が倍近いソブレメンヌイ級駆逐艦を上回る重武装艦なのです。

ほぼ同重量のネウストラシムイ級フリゲートと比べても凄まじい兵装です。

※追記

Фрегаты проекта 22350 − Википедия

ロシア語版Wikipediaでは22350型フリゲートはオーニクス対艦ミサイルが16発に倍増、対空ミサイルも新型9М96Еを積むように変更とあり、更なる重装備化が図られている可能性があります。
11時39分 | 固定リンク | Comment (136) | 軍事 |
2010年10月25日
航空自衛隊のF-2戦闘機が搭載するレーダーJ/APG-1を改修して探知能力を向上させたJ/APG-1(改)について新たな情報です。


ではJ/APG-1火器管制レーダー(改)の「空対空射撃」能力は、一体どの程度のレベルになるのか。開発技術者によれば、米製スーパー・ホーネット戦闘攻撃機の積むレイセオン製AN/APG-79AESAレーダーを超えるという。ただ、これは探知能力であって、電子攻撃能力を含む性能なのかはわからない。

*航空情報 2010年12月号63ページ 「空自戦闘機の近代化改修と将来国産戦闘機の基幹技術」 河津幸英


河津幸英氏は軍事研究2010年5月号でも同様の情報を記事にしていましたが、その時は「一説では」という曖昧なものでした。それが今回は「開発技術者によれば」とあり、具体性が増しています。

現状では情報発信者がまだ単独であり、事実として取り扱ってしまうには早過ぎるかも分かりませんが、本当にAN/APG-79以上の探知距離があるならば、99式空対空誘導弾(AAM-4)の能力を生かす上で十分過ぎる性能であると言えます。AAM-4をダクテッドロケット化して射程を飛躍的に向上させても、まだお釣りが来るでしょう。

J/APG-1
22時52分 | 固定リンク | Comment (249) | 軍事 |
2010年10月24日
日米両軍は11-12月に離島奪還演習を計画しています。これは実際に部隊を動かします。そして来年1月下旬に行う「山桜」という図上演習は部隊は動かさず、コンピュータを数百台繋げて行う指揮シミュレーション訓練です。

今回の山桜の想定シナリオは九州-沖縄を仮想戦場とします。


 防衛省は来年一月下旬に行われる日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ)に南西諸島防衛を初めて盛りこむことを決めた。中国海軍を東シナ海に封じ込める「南西の壁」の概念を持ち出し、奄美大島などへの部隊展開や奪回作戦の図上演習を想定している。
 ヤマサクラは、陸上自衛隊に五個ある方面隊が毎年、持ち回りで米陸軍、米海兵隊との間で行う実動を伴わない図上の演習だ。今回は九州・南西諸島防衛を担う西部方面隊(熊本市)と太平洋陸軍司令部(米ハワイ州)、第一軍団(米ワシントン州)などが担当する。
 五年前、西部方面隊が行ったヤマサクラは離島防衛を想定せず、九州に上陸した“敵”を日米共同で対処した。今回は中国の軍事力強化を反映し、陸自で検討されている対中国戦略「南西の壁」を援用する。
 「南西の壁」は情勢緊迫時に海上自衛隊や米海軍艦艇の航行ルートを確保するため、中国海軍を東シナ海に封じ込める対処行動を意味し、地対艦ミサイル部隊などを離島に機動展開する。
 今回のヤマサクラは“敵”が九州に上陸するとともに南西諸島へも押し寄せるシナリオが検討され、離島防衛が専門の西方普通科連隊(長崎県佐世保市)や米海兵隊第三師団(沖縄県うるま市)による奄美大島への緊急展開などを図上演習する。
 沖縄県で陸自が部隊配備しているのは沖縄本島だけで、宮古島、石垣島には置いていないが、今回は沖縄の離島への展開は想定していない。
 陸自関係者は「ヤマサクラは各級指揮官を鍛えることが目的なので、論理的に整合性のとれたシナリオになるとは限らない」と話し、特定の国からの攻撃を想定した訓練ではないと説明している。

南西諸島防衛 日米 初の訓練:東京新聞(10月16日)


山桜(YAMASAKURA; 通称YS)は近年公開が進んでおり、昨年の訓練の様子はYoutube自衛隊公式に動画が掲載されています。

【平成21年度日米共同方面隊指揮所演習 YS-57】


来年1月のYSは九州沖縄が想定状況になるので興味深い訓練です。想定兵力や揚陸地点など、5年前の北九州シナリオの時の様に詳細が報道されるのでしょうか。
22時09分 | 固定リンク | Comment (172) | 軍事 |
2010年10月21日
もし日本が自主防衛すると一体幾ら掛かるのか。人によってその試算には幅がありますが、あまりにも両極端な二人の主張を紹介しておきます。年間5〜6兆円の予算で自主防衛できると主張する航空自衛隊の元トップと、年間30兆円の予算が必要だと主張する著名な軍事アナリスト。その差は実に5倍もの開きがあります。なお現在の日本の防衛予算は4兆円台半ばです。

先ずは航空自衛隊の元トップの見積もりを紹介します。


 在日米軍に頼らず日本独自で防衛力を整備した場合、防衛費の増額分は最大で単年度あたり約1兆5500億円で、現行の約4兆6800億円(平成22年度予算)の1・3倍程度になることが、元航空幕僚長の田母神俊雄氏と自衛隊OBらがまとめた試算で分かった。20年間で計約15兆2千億円の増額となり、この試算で必要最低限の防衛力が自衛隊だけで備えられるとしている。

年1兆5500億円の負担増で「独自防衛」可能 自衛隊OB試算 (1/2ページ):産経新聞


最大で年間1兆5500億円の増額、平均では20年で15兆2000億円なので年間7600億円の増額・・・この僅かな増額で凄まじい軍拡が達成可能であると田母神元空幕長は主張します。


 核兵器についても、最大の抑止力である核武装は経済大国には必須と指摘。日本近海に配備する原子力空母、原子力潜水艦、戦略爆撃機、トマホーク巡航ミサイルを20年かけて新たに開発・配備する。
 具体的には、空母3隻と艦載機の開発や維持で計6兆円596億円、同様に戦略ミサイル原子力潜水艦4隻と護衛の攻撃型原子力潜水艦4隻で7兆5436億円、トマホーク巡航ミサイルとイージス艦などで1兆1500億円−などとなっている。

年1兆5500億円の負担増で「独自防衛」可能 自衛隊OB試算 (2/2ページ):産経新聞


「核兵器」「原子力空母(3隻)」「戦略原潜(4隻)」「攻撃原潜(4隻)」「戦略爆撃機」「巡航ミサイル」といった大戦力を「2万人の増員」込みで、「空母艦載機」や「潜水艦発射弾道ミサイル」まで付けて、開発費製造費維持費その他全て含めて僅か年間7600億円の驚きの価格でご提供・・・出来る筈が無いでしょう。イギリスのこれまでの防衛予算規模と、正規空母と戦略爆撃機を維持出来なくなった過程を知っていれば、こんな甘い見積もりでは同じ道を辿るだけなのは目に見えている事です。

次は著名な軍事アナリストの見積もりを紹介します。


 豊橋中金会(青木徳生会長)は20日、ホテルアソシア豊橋で総会と国際政治・軍事アナリストの小川和久さんによる「国際水準から見た日本の危機管理」と題する講演会を行った。

 小川さんは外交、安全保障、危機管理の分野で政府の政策立案にかかわり、国家安全保障に関する委員を歴任してきた。

 講演の中で触れた日米同盟については、「日本の米軍基地は自衛隊との共同を含めると130カ所で、地球の半分を守っている。米軍が日本からいなくなった場合、今と同等の防衛力を維持するには10年間は今の5倍の隊員と年間約30兆円の予算が必要となる」と話し、それらを知った上で「国民は安全保障についての議論を行い、日本の方向性を決めるべき」とも話した。

小川和久氏が豊橋で公演:東日新聞


自衛隊を今の5倍にすると120万の大軍(アメリカ軍は150万)となり、年間30兆円の防衛予算はアメリカの約半分にもなります。自主防衛どころかアジアの覇権が窺えそうな勢いです。

Togetter - 小川和久氏が語る。「日本自主防衛のコストは自衛隊120万人+防衛費年30兆円体制」の積算根拠はこれだ!

Twitterで小川氏本人による積算根拠が語られていたのですが、兵力120万の根拠は「古典的ですがその国の軍隊の規模は国民の1%を目安に考える」というものだそうです。

小川氏が核兵器の存在する今の時代にはそぐわない古典的な見積もり方を行う一方で、田母神元空幕長は核兵器さえあれば自主防衛できると考えている節があるようで、同じ自主防衛の話でも両者は全く別の所を見ています。故にここまで極端な金額差が生じています。

はっきり言ってお二人ともに、軍事分析の話をしているというよりは政治的なプロパガンダを行っているようにしか見えません。主張の方向性は真逆で両極端なれど、そう見えて仕方がないのです。
08時50分 | 固定リンク | Comment (1000) | 軍事 |
2010年10月20日
今回の軍縮についてイギリス政府の公式な発表(SDSR: Strategic Defence and Security Review)が出たので置いておきます。

[PDF] Securing Britain in an Age of Uncertainty: The Strategic Defence and Security Review

昨日紹介した事前報道では触れていなかった点および異なる点は…

・新型対潜哨戒機ニムロッドMRA.4配備中止。

・空母艦載機はF-35Bの代わりにF-35Cを購入。

・新型空母1番艦「クィーン・エリザベス」もカタパルト装備の空母として就役させるので改装の為に就役が2020年ごろに遅れる。新型空母2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」とどちらを予備に回すか、他国に売却するかは、2015年に改めて決める。

ニムロッドMRA.4の中止で陸上哨戒機が消滅・・・どうするんでしょうね、これ・・・空母の売却話はまた5年後に一悶着ありそうですが、フランスに引き取って貰う積もりなのかもしれません。フランスが駄目ならブラジル海軍か、インドはロシア空母を買うし国産空母も建造が始まっているし、購入する余地があまり無いです。
21時18分 | 固定リンク | Comment (204) | 軍事 |
2010年10月19日
欧州を襲った財政危機を立て直す為、各国は福祉予算だけでなく国防予算も大幅に削減する必要が生じました。ドイツは陸軍を中心に人員を半減し、とうとう徴兵制を廃止します。そしてイギリスは海軍を大幅に削減する事を迫られました。


• トライデント核抑止力(戦略原潜)の代替は、2015年に予定される総選挙の後まで、1年遅れます。(代替は中止されない)

• 陸軍は、7,000人の兵士、100以上の戦車と200台の装甲車両を削減します。1個機甲旅団は廃止され、それはドイツ駐留イギリス軍の65年の存在の終わりを意味します。

• 空軍は大部分のそのトーネード戦闘爆撃機を保つが、少なくとも5,000人の人員を削減します。2つの空軍基地は閉鎖し、ドイツからの帰還兵士によって占有されます。

• 海軍の艦隊は軍艦が24隻から19隻に落ちます、そして、それは4,000人の人員を削減します。ハリヤー・ジャンプジェットは来年廃棄されます、しかし、F35 Joint Strike Fighter は2020年まで彼らを替えるために利用できません。

• 特殊部隊は重点的に予算を配分します。

• 海軍の空母について、新型空母1番艦「クィーン・エリザベス」は2016年に就役します。ヘリコプターを搭載する(ジェット機は積まない - ハリアーは退役、F35も無い)ように構成されます。新型空母2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」は2019年に就役します。そして「クィーン・エリザベス」は予備艦扱いとなり、事実上無制限にしまいこまれます。「クィーン・エリザベス」は他国に売却される可能性があります。「プリンス・オブ・ウェールズ」はカタパルト方式に再設計される可能性(F-35Bは搭載しない)があります。

Navy aircraft carrier will be sold after three years - and never carry jets | Telegraph
(海軍の空母は3年後に売られます。そしてジェット機は搭載されません:テレグラフ)


イギリス海軍はちょうどタイミングが悪く、戦略原潜と空母と戦闘機の更新時期を迎えている最中で、まともに煽りを食う形になりました。せっかく造った空母は片方を売り飛ばす事になり(今更建造を中止するとキャンセル料の方が高く付くので造ってから売る)、艦載機の都合が付くかどうかも不透明、戦略原潜は先延ばし、イギリス海軍は空母「プリンス・オブ・ウェールズ」がきちんと戦力化するまで極端に弱体化する事になってしまいます。

本当に極端な防衛予算削減になりますが、他の省庁はもっと大幅に減らされるので、まだ軍事は優遇されている方ですが・・・


報道によれば、国防省は全体で8%の予算削減が予定される。20〜40%のカットを要求されている他省庁より削減規模は小さいものの、陸海空軍とも戦車や戦闘機などの新規調達を制限されるなど「戦闘能力や兵力に重大な影響が及ぶ」(BBC放送)のは必至の情勢だ。

12年ぶり防衛見直し=予算削減、国防力に影響も−英:時事通信


ここまで大胆に削減出来るのは、やはり、近隣の軍事的脅威が殆ど無くなったヨーロッパなればこそで、中国の軍拡に端を発する軍拡競争が始まっているアジアとは戦略環境が全く異なるので、安易に「イギリスの軍縮を見習え」とは出来ません。そもそも今回のイギリスを見習おうとすると、軍事以上に福祉などの予算を大幅に抑制する事を意味するので、誰も見習えとは言い出していませんが…
21時59分 | 固定リンク | Comment (285) | 軍事 |
2010年10月13日
本日19DD(5000トン型護衛艦)が進水しました。命名は「あきづき」(DD-115)です。


 海上自衛隊の新型護衛艦「あきづき」の進水式が13日、長崎市の三菱重工業長崎造船所で行われた。
 同艦は基準排水量約5千トンで、全長151メートル、幅18・3メートル。ヘリコプターを搭載できるなど多様な事態に対応できる。これまでに配備された同型艦と比べ、新たに最新の多機能レーダーを備えて対空戦闘機能が強化されている。
 この日は市民を含め約3500人が見学に訪れ、船体が無事に進水すると、大きな拍手が沸き起こった。今後、レーダー類を取り付け、平成24年3月末に就役する予定。

新型護衛艦「あきづき」進水に歓声、三菱重工長崎造船所:産経新聞


後日、海上自衛隊Youtube公式で進水式の動画がUPされるそうです。



UPされました。
21時21分 | 固定リンク | Comment (472) | 軍事 |
2010年10月11日
軍事アナリストの小川和久さんはF-2戦闘機の事を欠陥機であると、『全力を出すと空中分解するのでまともな空戦は出来ない』(ビジネス社「日本の戦争と平和」2009年5月21日発行)と唱えています。また、平成17年3月31日の参議院外交防衛委員会ではこのように証言しています。


○参考人(小川和久君)「第二点、これは航空自衛隊が導入を進めてまいりましたF2型の対地支援戦闘機、これが石破防衛庁長官の時代にもうこれ今後の調達はしないということが決まったわけであります。これは、まず大変な欠陥機であります。これはもうパイロットだれに聞いても、本音を言う人は、こんなもの欠陥機で困るよと。」

第162回国会 外交防衛委員会 第5号 平成十七年三月三十一日(木曜日)


これまで明らかにされた中では、小川和久さんの主張の根拠は上記のみです。しかし、今年9月末日の最新の取材では全く違う証言が得られています。


結論を先に言えば、F-2批判には根拠はないし、そもそもパイロット達はそんな批判など気にもしていない。
それどころか彼らは名の通った軍事評論家や航空マニアの間で、F-2の機動性に疑問を投げかける言説が横行していることさえ知らなかった。
「はぁ? そんなこと言っている人がいるんですか? なんのこっちゃやら」てな感じの答えが返って来る。
考えて見れば当たり前の話で、自分らの乗っている機のことは自分らが一番良く知っている。外野がなんと言おうと、その能力も限界も彼らが一番熟知している。当事者でもない人達の言動など関心外でも当然だろう。

「F-2戦闘機の機動性は万全〜パイロットの証言〜」


そもそもF-2戦闘機のパイロットは欠陥があるとは全く認識しておらず、欠陥機説がある事すら全く気付いていなかったという有様でした。

これは小川和久さんのF-2欠陥機説の根拠を覆すものである為に、本人にTwitterで伝えたところ、思いがけない反応が帰ってきました。


@obiekt_JP 空幕に来てもらいたいと思いますので、所属、階級、氏名を教えていただけますか。less than a minute ago via web



パイロットをいきなり空幕(航空幕僚監部)に呼び付ける? どんな理由で何を聞く積もりですか、 防衛秘密を漏らした訳でもない隊員を呼ぶ理由が分からないです。また空幕と関わる仕事をしているとはいえ、立場上は民間人の有識者である小川和久さんにこのような命令を発する権限があるのですか。このような現場に対する恫喝とも受け取られる発言を衆人環視のTwitter上で行う行為を、空幕は認めているのですか?

とても軽率な発言であるように思います。

小川和久さんに対してF-2欠陥機説の根拠を何度も尋ねても明確な回答は帰って来ず、小川和久さんは自身の空幕との関わり合いを強調するだけで、はぐらかす事に終始していました。そんな中で「現場のパイロットは小川和久さんの説明と違う事を言っている」と伝えたところ、この様な反応となっています。

小川和久さんの行動には整合性がありません。F-2は欠陥機であると主張していながら根拠を言おうとしない、欠陥機説を自ら仄めかしておきながら、追求はするなと隠そうとする行為は非常におかしい話です。

これはマッチポンプ行為としか映りません。

小川和久さんは、自ら火を付けておきながら消火活動を行っています。これは大変におかしな行動です。本当に隠しておきたい事なら仄めかすような真似は厳禁な筈です、しかし小川和久さんは何度も仄めかしています。自ら仄めかしておきながら、しかし根拠は言わない、追求も拒否し、今度は立場上言えないのだとはぐらかす。しかし立場上言えないのであれば最初から口を噤んでいればいい筈です。

このマッチポンプ行為を説明するには、二通りの理由が考えられます。まず小川和久さんと空幕の間にきちんとした意思疎通が出来ていた場合、

「F-2は特に大きな欠陥はないが、欠陥機であるという噂を流す必要があった」

となります。もしF-2が欠陥機であり隠しておきたい事なら欠陥を仄めかす事は自殺行為です。またF-2が欠陥機であり知られても構わないならば欠陥の根拠は公表してしまうでしょう。つまり小川和久さんの行動(欠陥を仄めかしておきながら根拠は秘密だと言おうとしない)からはどちらも該当しないと推定出来ます。そうでなければ全く合理的ではない不自然な行動です。

次に小川和久さんと空幕の間にきちんとした意思疎通が出来ていない場合、

「カーボン繊維を多用した航空機に共通した問題を誤解している可能性」

という可能性があります。CFRP(カーボン繊維強化プラスチック)は新しい素材でありノウハウがまだ蓄積されておらず、接合部の強度の寿命を判断するのが難しいという問題点を抱え込んでいます。つまり今は良くても将来的に予想より早く経年劣化して問題を生じる可能性があります。しかしそれはCFRP一体整形主翼のF-2開発当初より認識されて来た事であり、最近では民間旅客機でもボーイング787やエアバスA350XWBのようにCFRP一体整形の主翼を持つ機体が出て来ています。戦闘機でもF-22やF-35といった最近の機体はCFRPを多用(主翼桁にチタンを一部使用)しており、CFRP素材問題は航空業界全体に言える話であり、F-2固有の問題ではありません。故にF-2の欠陥として隠すような話でもない筈です。

Togetter - 小川氏とJSF氏のF-2に対する対話

Togetter - 小川氏とJSF氏のF-2に付いての対話とその周辺の見方

対話した流れでの小川和久さんのボーイング787の取り上げ方から、小川和久さんが技術的な問題を理解出来ておらず勘違いしている可能性があります。

どちらにせよ小川和久さんは空幕(航空幕僚監部)の権威を盾にしながらF-2欠陥機説の根拠を示していない以上、空幕はこの件を納税者に説明すべきであると考えます。国民の税金を投じて調達した戦闘機なのですから。
11時15分 | 固定リンク | Comment (773) | 軍事 |
2010年10月03日
以下は航空評論家の浜田一穂氏による最新インタビューです。


今回の三沢行きには隠された目的があった。
実際にF-2に乗っているパイロット達に、巷に流れるF-2批判について聞いてみたかったのだ。
これは編集部の依頼ではなくて、私の個人的な願望であった。
根拠の疑わしいF-2批判を、直接の関係者の証言で打破したかった。


結論を先に言えば、F-2批判には根拠はないし、そもそもパイロット達はそんな批判など気にもしていない。
それどころか彼らは名の通った軍事評論家や航空マニアの間で、F-2の機動性に疑問を投げかける言説が横行していることさえ知らなかった。
「はぁ? そんなこと言っている人がいるんですか? なんのこっちゃやら」てな感じの答えが返って来る。
考えて見れば当たり前の話で、自分らの乗っている機のことは自分らが一番良く知っている。外野がなんと言おうと、その能力も限界も彼らが一番熟知している。当事者でもない人達の言動など関心外でも当然だろう。

まずASMを4発搭載した場合の機動性については、もちろんクリーンのときに比べてGの制限はあるものの、ミッション遂行に支障があるようなものではない。当たり前だがASMや増加タンクを満載にしたまま空中戦機動を行うわけはなく、制約があっても問題とはならない。
論より証拠で、ASM4発(+600ガロン・タンク2本)搭載のコンフィギュレーションでTさんが空中撮影を行って来ている。その写真は10月25日前後発売のJ-WINGに掲載される。それを良く見てくれと言ったところだ。
ちなみに搭載しているASMはダミーだが、ダミー弾は弾頭やロケット・モーターが付いていないだけで、重量や重心は本物と厳密に合わせてある。そうでなければダミー弾を載せてテストや訓練する意味がない。だからダミー弾を搭載して出来ることは、実弾でも出来ると思って良い。

F-2の空戦機動性に関しては、実際にF-16との異機種間空中戦訓練(DACT)も行って来ているし、それで遜色ない機動性を発揮しているそうだ。
幸いなことには第8飛行隊の指揮官クラスはアメリカ空軍に派遣された経験があり、向こうでF-16にも乗って来ている。新任の飛行隊長など、F-16の飛行時間が数百時間、F-2はまだ数十時間と言ったレベルだ。その彼らがF-2の飛行性能はF-16C/Dと比べても見劣りしないと太鼓判を押している。

またアメリカ側のF-16パイロットからF-2の印象を聞いて来たTさんからも、彼らがF-2を手強いと感じている様子を聞いた。
F-2の方が主翼面積が大きく、翼面荷重や翼幅荷重がやや低いことから、最新仕様のF-16と比べても、持続旋回性能では若干だがF-2優位なようだ。
F-16は新しい型になるほど戦闘爆撃機色を強めて重量が重くなって来ており、その点では軽くて機動性の良いF-2をうらやましがっている節すら伺える。
ちなみにTさんも巷のF-2の悪口はまったく知らなかった様子だ。
私が唐突にF-2批判の話題を始めたのにびっくりして、後で「浜田さんはアンチF-2なんですか?」と真剣に問われたくらいだ。

ただ実際に三沢のF-2部隊が、同じ三沢に基地を置くアメリカ空軍のF-16C/DとばんばんDACTを行って来ているわけではない。またお互いのパイロットが相手の戦闘機に相互乗り入れを行っているわけでもない。
双方に(政治や予算を含めて)いろいろ事情はあるし、第8飛行隊はF-2部隊としてはまだ若く、他流試合をするほどには育っていないと言ったこともあるかもしれない。
ただ個々の隊員はやる気十分で、自分達の乗っているF-2にまったく不安も引け目も感じていない様子だ。
DACTでもなんでもどんと来いと言った自信すら伺える。
国産だから悪く言わないなんてこともなく、最初からF-2に乗っているパイロットからは「レーダーには最初は苦労してねえ」と言った苦労話も聞かれるのだが、現在の機体の能力に大きな不満はないようだ。
これが以前飛行隊が使っていたF-1の話になると、「ともかくパワーがなかったからねえ」と言った愚痴を、古顔のパイロットから聞かされたりするのだが。
指揮官クラスのパイロットの要望としては、性能的な面よりもむしろ装備の充実を望む声が強かった。これに関しては確かに自慢出来たものではない。しかしそれはF-2の機体そのものではなくもっと上の方の問題だ。


以上の話は今回の取材の本筋を外れるので雑誌にはあまり大きく書くことはないだろうから、とりあえずここで書いておく。
これは航空評論家浜田一穂の見聞としてどこにでも引用して構わない。


元の文章は浜田氏のmixi日記(公開範囲:全体に公開)からです。何処でも引用して構わないと宣言されているので、この場で紹介する事にしました。事前に許可は得てあります。

とても貴重な証言の紹介、どうもありがとうございました。
19時20分 | 固定リンク | Comment (719) | 軍事 |
俄かには信じ難い話です。まさかインドネシアがこれ程までの軍拡を・・・


Индонезия намерена приобрести до 180 истребителей компании ≪Сухой≫ | ВПК.name
(インドネシアは180機のスホーイ戦闘機を購入する計画)

ЦАМТО, 30 сентября. Министр обороны Индонезии Пурномо Юсгианторо выступил с сенсационным заявлением о планах закупки для ВВС страны в течение следующих 15 лет до 180 истребителей компании ≪Сухой≫, сообщило государственное агентство ≪Антара≫.
(TSAMTO、9月30日。インドネシア国防相プルノモ・ユスギアントロは、空軍が今後15年間で180機のスホーイ戦闘機を調達する計画についてのセンセーショナルな声明を発表した。国営アンタラ通信が報告した。)


現時点で一線級の戦闘機を20機程度しか保有していないインドネシア空軍が、一挙に10倍の戦力を手にすると言うのです。インドネシアは海軍も潜水艦やフリゲートを大幅増強中、陸軍もこれまで軽戦車しか保有していなかったのですが新たにMBT(ロシア製T-90)を購入します。陸海空の全てで大軍拡が始まる事になります。このままでは周辺国を巻き込んで、アジア軍拡競争が更に過熱する事になるでしょう。
13時12分 | 固定リンク | Comment (284) | 軍事 |
2010年10月02日
ノルマンディー上陸作戦で使われたマルベリー人造港と浮体桟橋(ポンツーン橋)についてあまり知られていないのかなと思い、映像で紹介しておきます。



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揚陸地点が遠浅の海だったので、浮体桟橋は1km以上の長さになっています。人造港も浮体構造で、長大なスパッド(杭)を海底に打ち込んで固定しています。急深の海ならば浮体桟橋の長さはもっと短く出来ますし、ランプドアを持つRORO船ならば人造港を使用せずとも浮体桟橋をそのまま陸地まで繋げる事が可能です。このように人造港や浮体桟橋を用いれば、埠頭設備の無い海岸からでも民間船の利用が可能となります。

なお、「揚陸作戦に民間徴用船は使ってはならない」という摩訶不思議ルールを唱える隅田金属ぼるじひ社の文谷数重さんは勝手な勘違いをされているようですが、これは揚陸作戦で民間船を港湾で利用するという主張を後退させるものではありません。「民間船は港湾の埠頭を利用するし、埠頭の無い場所でも機材があれば揚陸出来る」と、侵攻側は複数の手段が有る事を提示しただけです。民間船を揚陸作戦で活用する方法は以下の五通りが考えられます。

1.海岸に揚陸後に港湾を奪取する。
2.港湾に直接揚陸して奪取する。
3.人造港と浮体桟橋を設置する。
4.機動埠頭(浮体桟橋)の利用。
5.ヘリコプターを用いて輸送。

1と2は既存の港湾を利用します。1については仁川上陸作戦は海岸に上陸後、その日の内に仁川港の奪取に成功しています。2についてはヴェーゼル演習作戦で港湾に直接揚陸しています。3は港湾を作ってしまいます。ノルマンディー上陸作戦です。4は中国海軍が揚陸演習でRORO船を用いて何度も実施しており、ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレン級の標準装備でもあります。5については、ヘリコプターを用いれば港湾設備は必要ありません。客船からヘリコプターで兵員を輸送したり、貨物船からヘリコプターでスリング輸送(吊り下げ輸送。大砲や小型車両、物資を運べる)を行えます。イギリス軍に至ってはフォークランド紛争で貨物コンテナ船を簡易改装し、ハリアー搭載空母として活用しています。

つまり民間船を揚陸作戦で活用する方法は、様々な方法を侵攻側が自由に選べるのです。複数の手法を同時に実行してくる場合も有るでしょう。故に文谷数重さんは大きな思い違いをしています。複数種類の手段の提示は最初に示した手段からの後退を意味しません。「Aという手段も出来るし、Bという手段も出来るよ」という並列的な主張であるからです。

なお、揚陸作戦の実行にあたって航空機とSAMで限定的にでも航空優勢を確保しながら遂行するのは一々言うまでも無い話です。完全な制空権の奪取は必ずしも必要では無い、と云うより「制空権」という言葉自体が使われなくなり「航空優勢」という言葉が普及した意味を考えてみるべきでしょう。
21時14分 | 固定リンク | Comment (309) | 軍事 |
2010年09月30日
揚陸作戦とは専用の揚陸艦だけで行われるものではなく、多数の民間徴用船が参加して行われます。通常は先ず専用の揚陸艦が砂浜に上陸、地上部隊が進撃し港湾を奪取した後に、民間徴用船を港湾に接岸させて大量輸送を始めます。他には港湾を直接奪取する場合もありますし、砂浜の海岸に移動式の人工港を持って行った場合もあります。港湾を使わない場合でも、客船や貨物船ならば人員や物資をヘリコプターで輸送すれば活用出来ますし、カーフェリーやRORO船ならば沖合からポンツーンを架橋する事でビーチングをせずとも重装備を降ろす事が出来ます。

以下は1996年11月に中国人民解放軍が陸海空協同で大規模揚陸演習を行った時の様子です。



大型の民間ロロ船(RORO船)を使用して機械化部隊を輸送し、工兵が水際に短時間で機動式埠頭を架設して大量の戦車・装甲車・各種火砲を迅速に上陸させる訓練が実施され……次のような成果をあげた。

1 民間の大型貨客船を使用して機械化部隊を隠蔽し、巧妙に偽装を行って海上発射装置を設置し、重装備大部隊の迅速渡海作戦に新しい道を開いた。

2 部隊の制式機材を民間施設と相互に結合する方式を採用した。舟橋とバージ船を組み合わせて迅速に橋梁を架設する野戦式機動埠頭は、埠頭のない条件下での大量の戦車・装甲車・各種火砲を迅速に上陸させる重要な難題を解決した。……

(平松茂雄著「台湾問題」p5-6 元記事は「解放軍報」の1996年1月21日および1999年9月26日)


舟橋(ポンツーン)とバージを組み合わせた「野戦式機動埠頭」を用いれば、民間の大型RORO船を埠頭の無い条件下で投入する事が出来て、戦車を含む重装備を降ろす事が可能となります。

この機動埠頭を用いて大型RORO船を揚陸作戦で活用する中国軍の様子を写した写真が以下で閲覧出来ます。

中国民间隐藏着强大的海运登陆能力:铁血网BBS

「中国の民間には強大な揚陸作戦能力が隠されている」と題される写真投稿掲示板の記事には、1枚目と2枚目には小型フェリーから洋上発進する水陸両用戦闘車両、3枚目にはプッシャー・バージ船、4枚目に大型RORO船と機動埠頭(ポンツーン橋)を用いて装甲車を揚陸させている写真があります。

この「ポンツーン橋を用いる事で直接ビーチングせずとも重装備を陸上に降ろせる」事のメリットは、ビーチング能力を持たない民間RORO船を埠頭の無い状況で使える事と、ビーチング能力を持つ専用の揚陸艦であっても重量制限を気にする事無く物資を積み込める事にあります。そしてこれは台湾上陸を念頭に置いた中国軍の特殊装備という訳ではありません。実はロシア軍もまた新型揚陸艦「イワン・グレン」級に同様の装備を積み込んでいるのです。以下は9月10日のロシア紙クラスナヤ・ズヴェズダ(赤い星)が、イワン・グレン級2番艦の建造決定を伝える記事です。


≪Янтарь≫ – флоту | Красная звезда
Данный проект является единственным в мире, где реализована идея неконтактной выгрузки десанта и техники из корабля на необорудованное или пологое побережье – это будет происходить за счет использования серийных понтонных средств. Корабль сможет нести в трюме комплекс серийных понтонов, которые будут затем монтироваться в понтонный мост, соединяющий БДК и побережье, или использоваться как отдельные плавающие средства.


プロジェクト11711「イワン・グレン」級は満載排水量約6000t、全長約120mの戦車揚陸艦でバウドアを持ちビーチング能力が有りますが、それとは別に船倉にポンツーン橋を搭載しており、架橋する事によって無防備の海岸(他の艦が先行して水陸両用戦車を投入、揚陸地点周辺の安全を確保)や傾斜のある海岸(砂浜以外のコンクリート護岸でも展開可能)から重装備を揚陸する事が出来ます。

今回の記事はzyesuta氏の記事「民間船舶を徴用する中国軍の上陸作戦」を大いに参考にさせて頂きました。中国軍が揚陸作戦に民間徴用船を大量に投入する予定である事、1990年代以降は実際に民間船を動員して上陸演習を繰り返している事(一度の演習で民間船1000隻を動員した事も)、そして中国軍がフォークランド紛争の戦訓(英軍は上陸戦力の7割を民間徴用船で輸送)を徹底研究し、自らの戦略に取り入れている事が分かります。中国海軍の揚陸戦力は専用の揚陸艦隊と多数の民間徴用船で構成されるのです。そして当ブログで数日前に報じた「中国海軍、ドック揚陸艦と強襲揚陸艦の大量建造に着手か」にある通り、専用の揚陸艦隊が大幅に増強される兆し(ドック揚陸艦6隻、強襲揚陸艦6隻)が有ります。民間徴用船と併せた中国軍の揚陸能力は、非常に強大なものとなりつつあります。

なお、中国軍のRORO船(機動埠頭使用)を用いた上陸演習の写真提供は某S氏(bosc1945)さん、イワン・グレン級2番艦のクラスナヤ・ズヴェズダ紙の情報提供は小泉悠(cccp1917)さんでした。御三方、どうもありがとうございました。

そしてこの中国軍の方針は「揚陸作戦に民間徴用船は使ってはならない」という摩訶不思議ルールを唱える「隅田金属ぼるじひ社」の文谷数重さんの間違った認識を正すものでもあります。

・・・揚陸作戦に民間徴用船を活用する事は、過去の幾つもの戦訓で示されている事であり、当然の話の筈なのですが・・・
20時42分 | 固定リンク | Comment (1069) | 軍事 |
2010年09月27日
まだ中国の公式な発表はありませんが、071型ドック揚陸艦「崑崙山」に続く大型揚陸艦建造計画が始動した模様です。


簡氏:071塢登將造6艘 081直升機登陸艦在:環球時報
簡氏還分析認為,首次部署船塢登陸 艦的舉動凸顯了中國打造一支更大型的能執行常規軍力投送任務的海軍。在6月中旬,第二艘071型船塢登陸艦的船身部件開始在上海組裝,來自亞洲的消息源披 露,最初階段,中國將建造6艘071型船塢登陸艦和6艘081型直升機船塢登陸艦(LHD),第一艘081型登陸艦已在建造,但是亞洲的消息源說,該艦在 在大小規模上類似于071型,並配置性能更強的防空係統。在2020年之前,中國的初步兩棲投送力量還將有多達四個新型航母戰鬥群與之伴隨。


この記事は中国誌の独自記事ではなく、イギリスの軍事誌ジェーン・ディフェンス・ウィークリー(中国語で簡氏防務周刊)の翻訳記事です。ジェーン=簡氏と略します。その内容は・・・

「071型の2番艦の建造が上海で行われている。071型ドック揚陸艦は6隻建造、081型強襲揚陸艦は6隻建造する予定で、081型の1番艦の建造は既に始まっている」

上記が揚陸艦に関する記述です。満載2万トン級のドック揚陸艦(LPD)を6隻、強襲揚陸艦(LHD)を6隻で合計12隻という非常に有力な揚陸戦力を新たに整備するという野心的な計画で、初期揚陸戦力の投入には新たに建造する4個空母戦闘群を随伴させます。2020年迄にこれだけの大戦力が整備出来るとは俄かには信じ難いのですが、中国は現在の主力揚陸艦である072-V型戦車揚陸艦を2003〜2005年の2年間に一挙9隻就役させるという調達の仕方を行った実績があり、短期間のうちに新造艦が次々に就役していくことは有り得る事態です。

081型強襲揚陸艦については情報がほとんど無く、071型と同程度の大きさで全通甲板を有するヘリコプター揚陸艦でウェルドックを持つらしいのですが、現段階ではまだ存在が直接的には確認されてはいません。一方、071型ドック揚陸艦に付いては、2番艦と推定される船体が上海で確認されています。

2010-5-12 05:12 PM
第八艘054A現身;第二艘071船塢登陸艦分段現身;海洋情報船完工(圖)
http://news.discuss.com.hk/viewthread.php?tid=12181367

FRIDAY, SEPTEMBER 24, 2010
Latest photos of LPD 999 under construction in Shanghai - CHINA DEFENSE BLOG
http://china-defense.blogspot.com/2010/09/latest-photos-of-lpd-999-under.html

071型の追加建造が確認された事で、今後の中国海軍の大型揚陸艦の大量建造計画について注視していく必要があります。もしドック揚陸艦6隻、強襲揚陸艦6隻の計12隻が配備されれば、中国海軍の揚陸戦力の劇的な変質が始まったと見做せます。それは台湾攻略に主眼を置いた中小揚陸艦艇の大量配備から、遠隔地への戦力投射を目指した大型揚陸艦の整備となり、力の向かう矛先がこれまでと異なって来る事を意味します。

071型ドック揚陸艦 - 日本周辺国の軍事兵器
18時38分 | 固定リンク | Comment (302) | 軍事 |