2009年04月30日
独シュピーゲル紙英語版4月20日の記事に、このような内容がありました。


Somali Pirates Form Unholy Alliance with Islamists - SPIEGEL
The Islamists receive more than just money from the pirates. The pirates also smuggle weapons into the country for them -- and often bring along useful equipment for themselves. During a run last October, for instance, the pirates took in four ZU-23 anti-aircraft guns -- highly effective weapons that, wherever they are, could make life extremely difficult for Western helicopter pilots.


海賊がロシア製のZU-23(23mm機関砲)を入手した為、各国海軍の哨戒ヘリコプターが脅威に晒される・・・事実としたら、これまでの海賊対処方法が使えなくなる忌々しき事態です。







23mm連装機関砲「ZU-23-2」は東側ベストセラー対空機関砲で、最大射程は2500m、実用上は1500mくらいまでが有効射程です。接舷用の小型ボートには積めませんが、海賊の母船クラスならば搭載可能で、もし既にこんなものが海賊船に装着されているようなら、ヘリコプターが撃墜されてしまうのは時間の問題です。北朝鮮の工作船に搭載されていたZPU-2は14.5mm連装機関砲でしたから、それよりも強力な装備です。

これまで各国海軍の艦載哨戒ヘリコプターは、海賊船に接近して飛んでいって威嚇を行ったり、ドアガン(ヘリコプターのキャビンにあるドアを開けて撃つ機関銃)による警告射撃を行ったりしてきましたが、23mm機関砲が相手では7.62mm機関銃の射程から完全にアウトレンジされてしまいます。哨戒ヘリコプターの防弾板では23mm機関砲弾は到底止められず、被弾すれば撃墜されてしまいます。これを避けるには、ヘリコプター用の対艦ミサイル(ヘルファイア対艦型、シースクア、ペンギン)で23mm機関砲の射程外から攻撃を加えるしかありません。あるいは攻撃ヘリコプターを艦船に搭載したり、艦載可能な無人機(ファイアスカウト、イーグルアイ)を使用するといった戦術の変更を行う必要が出てきます。固定翼機のP-3C哨戒機もマーベリック・ミサイルを携行していく必要が出て来ました。

現状ではまだ、海賊船に23mm機関砲が搭載されていた実際のケースは出て来ていません。海賊がイスラム勢力に調達した全ての機関砲を引き渡した可能性も有ります。ですが海賊自身が調達してきたとなると、何時でも自分達が装備できる事には変わりが無く、シュピーゲル誌の情報源が正しければ、各国海軍はZU-23-2の存在の可能性を考慮しながら作戦を行う必要が出て来た事になります。

こうなってしまうと日本の海上保安庁を出す事は難しくなりました。実は海上保安庁のヘリコプターは日本の法律上、武装が施せません。その為、海賊が有力な対空兵器を手にしている場合は全く無力だからです。法律を改正してドアガン程度を装備するなら可能かもしれませんが、海上自衛隊のSH-60K哨戒ヘリコプターのように対艦ミサイルを装備する事は無理があります。

また、最近ではこのような報道もあります。

タリバーンが対空機関砲を初めて調達と、多国籍軍が発見し破壊 | CNN

アフガニスタンのタリバーンがZPU機関砲を調達しており、ソマリアの海賊がZU-23機関砲を調達したとされる時期と被っています。もし2つの入手ルートが同じである場合、アルカイーダが双方に深く関与しているのかもしれません。




今後、ソマリア周辺では本格的な海賊狩りが始まります。これまでは護衛作戦しか出来なかった状況が、法律の整備により積極的な取締りへと作戦内容が変化してきます。しかしそうなると海賊の抵抗も激しさを増すでしょうから、RPG-7以上の重火器を投入してくる事になるでしょう。ZU-23-2が出て来る可能性を、真剣に考慮しないといけません。
05時05分 | 固定リンク | Comment (178) | 軍事 |

2009年04月29日
ああ・・・本気でやる気ですね、これは。


北朝鮮、安保理に謝罪要求…なければ核実験とミサイル発射 : 読売新聞
朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省報道官は29日、国連安全保障理事会が議長声明に基づき、北朝鮮企業3社を制裁対象に指定したことに対し、「即時に謝罪しない場合、やむを得ず追加的な自衛的措置を取らざるを得ない」として、核実験と大陸間弾道ミサイルの発射実験を行うと表明した。


安保理が北朝鮮に謝罪する事など有り得ません。その位の事は北朝鮮だって分かっています。つまりこれは、核実験とICBM発射の事前予告です。彼らはやるでしょう。引き下がる気も無いでしょう。朝鮮半島は嘗て無い危機に陥る事になります。

North Korea threatens nuclear test over U.N. sanctions | Reuters
18時32分 | 固定リンク | Comment (336) | 軍事 |
2009年04月21日
日本共産党の笠井亮衆院議員が、19日のNHK番組「日曜討論」でソマリアの海賊事件に関する的外れな認識を披露されたようです。


武力行使に道開く海賊派兵法案 (しんぶん赤旗 2009年4月20日)
そのうえで、「ソマリア沖に各国の軍艦がいっているが、それを強めるなかでむしろ海賊事件は増え、地域も広がっている。悪循環になっている状況のなかで、日本もそこに入っていくことになる。そういうやり方では解決しない。ソマリアへの民生支援の問題、あるいは周辺国の警察力の強化ということを日本はやるべきだ」と主張しました。


笠井議員は「各国の軍艦が派遣されているにも関わらず海賊事件は増えている!」と、まるで軍艦派遣が無意味であるかのように主張されていますが、現地の状況を何も理解していない発言です。あるいは知っていながらプロパガンダに利用しているのか・・・


海賊の武器使用割合が倍増 海賊対策ビジネスも流行 (産経新聞 2009.4.17)
 IMBは20日に今年の海賊情報を公表するが、本紙の事前取材によると、海賊の襲撃は今年に入り世界で126件発生(昨年1年間では293件)。うち90件がソマリア沖周辺に集中、アラビア半島とアフリカ大陸の間のアデン湾にモンスーンが吹く1−2月には発生は減少していたが、3月以降、激増しているという。


現地の「天候状況」から1-2月は海賊事件の発生が減少していたのであって、モンスーンが収まる3月以降に再び事件が増えて行くであろうことは以前から指摘されていた事の筈です。今年1月の時点でも産経新聞はこの事を記事で解説しています。共産党の笠井議員はこの点についてに全く触れておらず、現地状況の認識が低いと指摘せざるを得ないでしょう。

それに現在、無政府状態のソマリアで「民生支援」を打ち出しても有効に機能する筈がなく、「周辺国の警察力の強化」にしても当事国ソマリアの警察力がゼロの状態では効果は低いでしょう。それでも何もしないよりはマシですので、既に日本政府は動いています。ソマリア周辺国で海賊対策に関係してくるのはアデン湾の対岸にあるイエメンですが、イエメン沿岸警備隊を強化する支援策を計画しています。


政府、海賊対策で巡視船供与へ イエメンの要請で調整始める (共同通信 2008/12/24)
政府は23日、アフリカ東部ソマリア沖の海賊対策を支援するため、沿岸国イエメンの要請に応じ巡視船や巡視艇を供与する方向で調整を始めた。複数の政府関係者が明らかにした。

巡視船艇は防弾ガラスで装甲を強化するなどしているため、武器輸出3原則で輸出を禁じている「武器」に当たるが、政府は「例外措置」とする方針。海賊対策とはいえ、野党から3原則の形骸化を懸念する声も出そうだ。


共同通信は野党に反対しろと煽っていますが、笠井議員の発言を見る限り、政府のこの方針に共産党は反対しないでしょう。(しないですよね?)

元々イエメン沿岸警備隊はアメリカの支援で生まれた組織で、アメリカ製の小型巡視艇で構成されています。最近ではオーストラリア製(オースタル社)のAPB-38高速巡視艇(120トン)を纏めて購入しており、主力として使っているようです。イエメンは海軍ですらロシア製のタランタル級やオーサ級などのミサイル艇、中国製の037型対潜哨戒艇など500トンクラスの船が最大の艦艇で、迂闊に大きな船を供与すると海軍に編入されかねないので、日本が提供するのも小型高速艇になると思います。日本がインドネシア海上警察に供与した巡視艇(中古ではなく新造)は27m型で、イエメン向けも同様のものになると思いますが、これはオースタル社製の巡視艇(全長は38m)より小さいです。

ただし前回の記事「なぜソマリア沖の海賊対策は軍事力で行われるのか」で解説した内容と被りますが、沿岸当事国ソマリアの警察力がゼロである以上、幾ら周辺国の警察力を強化しても根本的な解決には繋がりません。またイエメン沿岸警備隊の能力は低く、海軍との兼ね合いもあるので、無暗に高性能な艦を与えて強化することも出来ません。


おまけで今日の海賊関連馬鹿ニュース。

仏海軍フリゲイトはP-3Cを搭載している? - 蒼き清浄なる海のために

日経ビジネスオンラインがソマリア海賊関連記事で、フランス海軍のフリゲートを紹介しているのですが・・・「フローリア号にはP3C哨戒機が搭載されており、艦上のこのポートから哨戒機が発着する」というトンデモ内容となっています。嘗ての社民党・福島瑞穂代表による「艦船からB-52戦略爆撃機が飛び立ってます」発言とドッコイですね。

フロレアル(フローリア)級フリゲートは植民地警備艦で、速力は戦闘艦としては非常に低い最大速力20ノット、その代りに1万海里という、このサイズの艦としては長大な航続力を持っており、南太平洋の仏領ニューカレドニア島に配備されている5番艦ヴァンデミエールは日本にも度々訪問しています。

フロレアル級フリゲート - Wikipedia

満載排水量で3000トン弱、搭載機はヘリコプター1機のみでAS565パンサーを搭載しています。地上基地で運用される4発固定翼機のP-3C対潜哨戒機の搭載は何をどうやっても無理です。

フロレアル級は本来、単艦で行動する警備艦であり、護衛任務には向いていません。速度が遅い為、鈍足のタンカーなら護衛は出来ますが高速貨物船の護衛は少し厳しいです。また、海賊船を追い掛けるにしても速力があまりにも足らず、警戒任務は搭載ヘリコプターに頼る事になります。

フランス軍は現在、ソマリア海賊対策にラファイエット級フリゲート「アコニト」、フロレアル級フリゲート「フロレアル」、デスティエンヌ・ドルヴ級通報艦「コマンダン・デュキン」を派遣し、ジブチのルモニエ基地に哨戒機を置いています。ラファイエット級も植民地警備用に造られた艦ですが、最大速力は25ノットあるので(それでも戦闘艦としては遅い部類ですが)護衛任務もこなす事が出来ます。
12時00分 | 固定リンク | Comment (127) | 軍事 |
2009年04月08日
F-22ラプターは新規調達を中止、生産停止になる模様です。


F22戦闘機の発注停止、米国防長官表明 日本のFX選定に影響:日経新聞
ゲーツ米国防長官は6日、オバマ米大統領に提言する2010会計年度(09年10月―10年9月)国防予算に関する見直し計画を発表し、最新鋭戦闘機F22の新規発注を停止する方針を表明した。これにより、F22は生産中止となる可能性が極めて濃厚となった。F22は日本の次期主力戦闘機(FX)の有力候補で、機種選定にも大きな影響を与える。

ゲーツ長官は同日の記者会見で、予算を減らすため「一貫した指導力を示さねばならない」と強調。コスト削減の一環として「F22の(調達)計画は終了する」と明言した。代わりに、F22の製造元ロッキード・マーチンなどが開発中の次世代戦闘機である「F35の購入を増やすよう提言する」と明らかにした。


以前、私はF-22に関してこのような記事を書きました。

空自FX候補F-22ラプターに関する誤神託の変遷(2008年8月24日)

2007年までは「FXに選定されるのはF-22ラプター以外にあり得ません!」と断言していた、【逆神】として名高い軍事評論家の神浦元彰さん。それが2008年になって「最近、私は米政府が日本にF-22戦闘機の購入を認めないと思うようになりました。」とブレ出したので、後は神浦さんの口から「F-22は有り得ない!」との絶対断言さえ飛び出せば、誤神託により次期FXはF-22ラプターで決まりと信じていましたが・・・絶対断言は飛び出さず、結局のところ、神浦さんがFXについてブレ出したのは以下の要因に過ぎなかったようです。


逆神・神浦元彰伝説〜北朝鮮核実験〜(2006年10月09日)
さて、神浦さんは10/3の北朝鮮外務省の核実験予定発表を目の当たりにし、自身のサイトで4日に「やるか、やらないかはもはや予測できない」と弱気になり、5日には「”核実験”というカードを切ろうとしていると思えてきた」となり、6日の記事では「いつどこでやるかという段階だ」と言い出しています。(7日と8日には言及無し)

ちゃんと軌道修正してるではないか、逆神ではないではないか・・・という人も居られると思いますが、それは違います。いかに逆神とはいえ、ほぼ完全に確定された事象を覆すほどの神通力は持ち得ないのです。これは【大明神】とまで称えられている森田実ですらそうであり、選挙予想の福岡政行に至っては軌道修正をあまりにも頻繁に行う為に、最終的な予測は実際と近くなりますが、やはり逆神としての神格は落ちているわけではないのです。

つまり、今回の北朝鮮核実験の場合、3日の北朝鮮外務省発表の段階でほぼ決行は確定事項であると一般人にも理解できる状態であり、ここから後の予測は素人にでもできるものなので神としてのお告げは出てこない、と理解して下さい。


神浦さんは2006年10月2日の時点で「北朝鮮の核実験準備情報はCIAの捏造」と言い出すも、翌日10月3日に北朝鮮が核実験の予定を正式発表、流石に狼狽したのかその日は黙り込んでしまい、その翌日の10月4日以降から主張を段々と変化させています。

要するに逆神の誤神託とは、判断材料にした時点で「どうなるか分からない事象」に対し、予測がことごとく逆を行く現象です。本来ならばそういった場合、平均すれば的中率は50%になる筈ですが、逆神と呼ばれる人たちは何故か90%近い確率で外してしまうという、逆予言を行ってしまいます。しかし判断材料が「誰の目から見ても明らかな事象」になってしまえば、いくら逆神の神通力でもそれを覆すほどには至りません。それが北朝鮮核実験の際に私自身が示した「逆神の誤神託の読み取り方」でした。

この読み取り方をFXについても適用すれば、神浦さんが意見を変え始めた2008年の時点には既にF-22対日輸出が厳しくなっていたのは誰の目にも明らかな状況でした。というか、だからこそ神浦さんは意見を翻したわけですから・・・結局、私が昨年にF-22ラプターに関する誤神託の変遷を書いた際にこの逆予言の解釈を間違えたのは、F-22取得の芽はまだ摘まれていないと思い込みたかったから、見て見ぬ振りをしてしまったせいです。これは反省しなければなりません。

それにしても逆神という存在の恐ろしさ、凄さを改めて感じました。過去に神浦さんが強力に推していたF-22ラプターは、もう自衛隊が採用できる可能性が殆ど無くなってしまったのです。
11時00分 | 固定リンク | Comment (140) | 軍事 |
テポドン2の打ち上げ直後の映像と、解説用の関連動画を紹介します。



これが北朝鮮の発表した打ち上げ直後の動画です。弾体は白く塗られています。



こちらは衛星軌道投入失敗の軌跡をCG動画で描いています。
09時00分 | 固定リンク | Comment (71) | 軍事 |
2009年04月05日
北朝鮮がテポドン2を発射、日本列島の上空を飛び越えて行きました。正常に飛んだ模様で、迎撃は必要ありませんでした。衛星が軌道に乗ったかどうかはまだ未確認です。

13時28分 | 固定リンク | Comment (204) | 軍事 |
2009年04月04日
天候不良のため、テポドン発射は明日以降になりました。

ミサイル発射、5日以降に=初日は強風で見送りか−北朝鮮:時事通信

午前中に朝鮮中央通信は「間もなく発射する」と通告しましたが、その後、音沙汰無し。
一方日本側は発射されたと誤報を発し、5分後に撤回するという不手際を犯しました。

発射、日本政府が誤発表 5分後に訂正:朝日新聞

発射されたのに気付かないという場合に比べれば、失態と言えるほどの話ではありませんが、どうして千葉県の警戒レーダー「FPS-5」だけの情報で弾道ミサイルと断定して発表してしまったのか、幾つかの問題点があります。アメリカ軍の早期警戒衛星や青森県車力に配備されたXバンドレーダー、ミサイル追跡機コブラボールなど、他の観測手段の中からもう一つでもダブルチェックをしていれば避けられていた事態です。

千葉県のFPS-5は試験用で、開発が終了したら解体する予定でした。元々、実戦用には想定していなかった機材です。以前にも説明しましたが、Lバンド(波長24cm)を使うFPS-5はXバンド(波長3cm)レーダーよりも探知距離には優れていますが解像度は低くなります。つまり早い段階で目標をキャッチできるものの、それを正確に判断する事に関しては、Xバンドレーダーよりも劣るのです。

今回はFPS-5の探知距離の長さが逆に仇となったようで、結果的に誤報となってしまいました。どうしてアメリカ軍からの情報を待てなかったのか、自衛隊の情報だけで判断するにしても、複数のレーダー基地からの情報やイージス艦のレーダーもある上、今回は出て来ていませんが、評価試験中のAIRBOSS(空中赤外線弾道ミサイル観測センサーシステム、P-3C哨戒機を改造)も投入可能だった筈です。

速報性と正確性がトレードオフなのは分かり切ったことです。ですがアメリカからの情報に頼らずに自前の警戒網だけで判断するのでしたら、早期警戒衛星無しではつらいですし、迎撃用とは別にイージス艦を観測目的でもっと前進配備する必要性(隻数の余裕が必要)もあります。AIRBOSSのようなそれらとは別の探知手段も実用化させて、送り込まなければなりません。

何にしてもそうですが、たった一つの情報源だけからでは判断を行うのは不十分です。それなのに政府が発表してしまったのは、拙速でした。

政府、ミサイル発射を誤発表  米衛星探知と勘違い:岩手日報

技術的な原因は、どうも担当者が「アメリカの早期警戒衛星が探知した」と勘違いしたらしく、そこでダブルチェックが出来ていたと思い込んだのが原因のようです。

■ AIRBOSSを搭載し飛行中の試験母機(UP-3C)■

そういえば今回、AIRBOSSが出動したという報道はありませんが、試験機として戦力には計算に入れないまでも、探知に参加している可能性があります。

【追記】


UP-3Cは去年だったかにAIRBOSSタレットを降ろして少なくとも先月18日まで未搭載だったのが確認できるモサリ
情報伝達の連接性については今まさに評価試験段階なので実際の早期警戒網に組み入れるには不安定モサリよ
同様にFPS-5の試作機も現用として使うのは余り感心しないモサリが

Posted by CHF at 2009年04月04日 22:09:28


どうやら開発の為かセンサーを降ろしていたみたいで、だから話題に上ってなかったんですね。
19時05分 | 固定リンク | Comment (214) | 軍事 |
日本政府が進めている、万が一の際のテポドン迎撃準備ですが、アメリカや韓国、更には北朝鮮の金正男までからも「当然の権利だ」との認識が得られましたが、中国やロシアからも同様の意見が出ています。特に中国海軍の張召忠少将の解説はとても分かりやすいです。


北ミサイル「飛来なら日本に撃墜の権利」―中国軍少将|Searchina
人工衛星打ち上げか誘導ミサイルかの問題については「米国は極めてはっきりと判断している。弾道ミサイルではなく、人工衛星の打ち上げだ」と主張。

ただし、「人工衛星の打ち上げでも、風を含め、さまざまな原因で軌道がそれることはある」と指摘。日本の領空などに(大気圏内で)突入する場合、日本は必ず迎撃行動を起こす。日本にはその権利がある。国際法でも認められる行為ということになる」と述べた。

日本の考え方については「領空を侵犯すれば、それは日本の問題だ。飛んでくれば、それがだれのものであろうと迎撃するとの方針だ」と説明し、北朝鮮を特に差別的に扱っているわけではないとの考えを示した。


張召忠少将は国防大学で戦略学を指導している教授で、著名な軍事評論家としても知られています。国際的にも張召忠少将の考え方が特別では無い事は、ロシア軍幹部のコメントを見ても分かるでしょう。


露の領内に飛来すれば迎撃 北朝鮮ミサイルの対応で|中国新聞
ロシア太平洋艦隊(司令部・ウラジオストク)幹部は三日、北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルを発射した場合の対応について「ミサイルがロシアの沿海地方などに飛来すれば、防空部隊が迎撃することになる」と明らかにした。


ロシア軍には弾道ミサイルを迎撃可能なS300Vと呼ばれる地対空ミサイルがあり、その有効射程はPAC3を上回っています。



前回のテポドン発射では、ロシア軍の早期警戒衛星がこの地域をカバーしておらず、気付いたのがインターネットでニュース記事を見てからという有様だったので、今回は「予定飛翔コースにロシアは入ってないし、通常の警戒態勢だよ」と言いながら現場は気合を入れて監視しているでしょう。

米韓だけでなく露中からも迎撃準備に理解を示す声が出ている理由は、ごく当たり前な事です。自国民の安全を守る事は国家の義務であり、正当な権利であるからです。
08時51分 | 固定リンク | Comment (103) | 軍事 |
2009年04月03日
4月4日以降に予定されている北朝鮮のテポドン2発射ですが、日本政府は万が一の事故の際にテポドンが本来の軌道を逸れて日本国土に着弾する恐れに備えて、迎撃体制を整えています。

テポドンは前回打ち上げに失敗していますし、正常に動作する保障はありません。とはいえ失敗する可能性がそれなりにあったとしても、その上で更に日本国土に落ちるという状況は、確率的に低いものです。日本側の迎撃体制は、万が一の可能性に備えたもので、本番が来ても出番はまず無いでしょう。

なお、ロケット事故とはこのような有様になります。



アメリカ、デルタロケット事故。


中国、長征ロケット事故。音量注意。


ロシア、ソユーズロケット事故。


但し上記の例は発射直後の燃料満載状態での事故ですので、かなり派手な事になってしまっています。

また最近ではこのような例も・・・これは事故ではなく、予定通りの損害だとか。


ロケット残骸が民家直撃 中国、月探査衛星発射で - 産経新聞 - 2007.10.26
中国初の月探査に向けた周回衛星「嫦娥(じょうが)1号」が24日打ち上げられた際、衛星を搭載した「長征3号Aロケット」の残骸(ざんがい)の一つが中国貴州省に落下、民家を直撃していたと中国の華僑向け通信社、中国新聞社電が26日伝えた。一部民家が損壊したが、死傷者は出ていないという。

嫦娥1号のロケット残骸、無事落下 貴州省 - 人民網日文版 - 2007.10.26
24日午後6時5分、西昌衛星発射センターで、月探査衛星「嫦娥一号」を打ち上げたキャリアロケット「長征3号甲」の1段目のロケット残骸が無事、貴州省の福泉道坪鎮上平果村に落下した。現在、関係部門の作業員が回収にあたっている。


ロケットブースターが民家を押し潰しても予定通り『無事に落下』したと発表。事前に住民を避難させていたとはいえ、向こうの感覚はよく分かりません。
21時00分 | 固定リンク | Comment (65) | 軍事 |
2009年04月01日
「はるしお」型潜水艦の一番艦「はるしお」が3月27日に除籍され、退役しました。

海自潜水艦:「はるしお」除籍 自衛艦旗を返納−−呉基地 /広島|毎日新聞

次クラスの「おやしお」型は葉巻船型であり、「はるしお」型がティアドロップ(涙滴)船形の最後の系譜です。そして「おやしお」型を基本に、水中低速巡航用の補助エンジンとしてAIP(非大気依存)システムのスターリングエンジンとX字型の舵を採用した「そうりゅう」型潜水艦一番艦「そうりゅう」が3月30日に竣工、引き渡されました。

新型潜水艦「そうりゅう」引渡式|産経新聞




この「そうりゅう」には新型の射撃管制装置が搭載されており、これはアメリカ製の新型対艦ミサイル「ハープーンBlock2」を使用する為の物と推測されています。同ミサイルにはGPSを用いた対地攻撃能力も付与されている為、海上自衛隊は水上戦闘艦の艦載砲を遥かに上回る長距離対地攻撃能力を獲得した事になります。

なお自衛隊側は「ハープーン級」ミサイルを搭載している事は認めていますが、具体的にハープーンBlock2であるとは認めていません。ですが国産の対艦ミサイルには潜水艦から発射できるものは無く、アメリカから潜水艦発射用のサブ・ハープーンを買うしかありませんが、既にアメリカのハープーン対艦ミサイルはBlock2に生産が移行しており、今さら古い型の入手は出来ないので自動的にBlock2を調達したと見るべきでしょう。ハープーンBlock2については既に韓国や台湾も導入しています。




動画の前半で洋上目標、後半で地上目標を攻撃する試験を見る事が出来ます。
19時00分 | 固定リンク | Comment (132) | 軍事 |
昨日、アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は日本が準備しているテポドン迎撃について、当然の権利であると容認しました。




韓国の李明博大統領も、日本の迎撃準備に反対しない事を表明しています。このようにアメリカや韓国が理解を示してくれるのは当然なのですが、大変に意外なところからも同様の理解が得られました。


金正日総書記の長男・金正男氏、「日本政府の行動は自衛のため当然」 - FNNニュース
北朝鮮は、早ければ4日後にもミサイルを発射すると通告している。
日本が迎撃への動きを進める中、金正男氏からは意外な答えが聞かれた。
金正男氏は「(日本政府の対応は大げさですか?)日本政府の行動は、自衛のため当然だと思います」と話した。
北朝鮮は3月9日、「ミサイルを迎撃することは、戦争を意味する」と警告を発した。
それにもかかわらず、金正男氏は「日本政府の行動は当然」と語った。


記事はすぐ消えるだろうから、記念に画像でも保存しておきます。

kimumasao.jpg

正男君・・・後継者レースから外れたのが惜し過ぎるよ・・・いや、こういう人だから外されちゃったわけなんだけど。でも彼が後継者になっていたら、この地域に平和が訪れていたのかもしれないですね。ディズニーランドの招待券一つで核とミサイルと拉致問題が全部解決しそうです。

でもこんな発言をして粛清されないんだろうか、心配ですね・・・


【追加保存】

ミサイル:金正男氏「日本の対応は当然」 | 朝鮮日報

金正男のコメント
18時00分 | 固定リンク | Comment (101) | 軍事 |
2009年03月23日
【03式62口径76mm砲曳光平頭弾薬包】

対不審船用に用意された、炸薬無し76mm砲弾。水面に当たって跳弾となるのを防ぐ為、弾頭部は平たい構造になっている。水中弾効果を狙っており、不審船の喫水線下に穴を開けて浸水させ、逃走行動を封じる。能登半島沖不審船事件の教訓から開発。


不審船対策


海賊船対策でソマリア沿岸での活動を行う予定の海上自衛隊護衛艦「DD-106 さみだれ」「DD-113 さざなみ」ですが、76mm砲装備の「さみだれ」には、この海上警備行動用に専用設計した03式平頭弾があります。一方、127mm砲装備の「さざなみ」の方は主砲の威力が停船目的には高すぎて使い難いのですが、20mmCIWS(対艦ミサイル迎撃用のバルカン・ファランクス)に光学カメラを装着して対水上射撃も可能となったファランクスBlock1Bと呼ばれるバージョンを装備しています。

ただ、ファランクスBlock1Bの対水上射撃モードはあまり使い勝手が良くないようで、相手をなるべく死傷させずに停船させるという役目に使うには、弾がバラつき過ぎて問題があるかもしれません。





↑音量注意



動画は全てファランクスBlock1Bによるものです。一番上の動画はアメリカ海軍のイージス駆逐艦による海賊船への警告射撃です。真ん中の動画はイージス駆逐艦による水上の発煙弾を目標にした射撃試験で、照準カメラからの映像です。最後はアメリカ沿岸警備隊の最新鋭巡視船「バーソルフ」に搭載されたファランクスBlock1Bによる、小型高速水上移動目標に対する射撃試験です。

ファランクスBlock1Bの対水上射撃は手動ロックオン照準で行います。対空射撃モードは内蔵されたレーダーによる全自動射撃ですが、対水上射撃モードは光学カメラからの映像を見て操作員が射撃箇所を設定し、警告射撃、船体射撃を選択します。

ところがBlock1Bについてはあまり知られていないらしく・・・


護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の2隻が演習を実施!:ASCII.jp
ファランクスBlock1B

高性能20ミリ機関砲(ファランクス)。レイセオン・システムズ社製の艦載近距離防空システムで、対艦ミサイルなどからの防御を目的としている。今回の海上警備行動は、対水上を想定しているため出番はないと思われるが、海賊が対艦ミサイルなどを使用した場合には、ファンラクスが活躍することだろう


伊藤さん・・・その解説は無いです・・・写真、それBlock1B・・・向って右側、対空レーダーのドームの横に光学カメラが付いてるじゃないですか・・・「さみだれ」はこれを主に海賊相手に使う気でいるんですけど・・・あと、「海賊が対艦ミサイルなどを使用した場合」ってこれ、皮肉か或いはウケ狙いですか? そうではなく、本気なんだろうなぁ・・・

記事は海上自衛隊を好意的に書かれており、悪意は無いと分かります。でもファランクスBlock1Bを写真に収めておきながらこの解説では何も分かっていないし、海賊が高価な対艦ミサイル(1発1億円前後)を装備していると想定するのも無意味です。そんな物を買うお金があれば海賊なんてしませんよ。
06時30分 | 固定リンク | Comment (181) | 軍事 |
2009年03月19日
ソマリア沖で中国海軍の軍艦が国籍不明の潜水艦に追跡されたというニュースは、デマ報道だったそうです。大元はフリーライターの創作記事だったとの事。


「中国艦を追跡」記事は捏造 中国当局が掲載2紙を処分:産経新聞
中国海軍の駆逐艦が国籍不明の潜水艦に追跡されたとの報道は捏造(ねつぞう)だったとして、中国当局は記事を掲載した中国紙2紙に対し罰金などの処分を科した。中国新聞出版報が19日までに報じた。

処分されたのは四川省の「華西都市報」と山東省の「青島早報」。両紙は今年1月、海賊対策のためアフリカ東部ソマリア沖に派遣されている中国海軍の駆逐艦が潜水艦に追跡されたとの記事を掲載。記事はフリーライターが華西都市報向けに執筆した虚偽のもので、青島早報は華西都市報から有料で記事の提供を受けたという。

19日付の香港紙によると、記事は2月上旬、中国の各大手ニュースサイトにも転載された。記事中で潜水艦がインド海軍所属だった可能性を示唆していたため、インド政府が報道を否定するなど反響が広がっていた。(共同)


ちなみに以下は当時の中国での報道の様子です。


中国艦、追跡受け攻撃態勢 ソマリア沖、印潜水艦か:共同通信 2009/02/04
ソマリア沖到着後の1月半ば、3隻が3度目の護衛任務を控えて待機していた際、潜水艦が接近。駆逐艦が捜索を始めると妨害電波などを出してきたため、対潜ヘリを出動させたところ、潜水艦は最後に水面に浮上して“逃走”したという。


ソマリア沖であわや軍事衝突=インド潜水艦?と中国艦隊:時事通信 2009/02/04
4日付の香港各紙によると、アフリカ・ソマリア沖で1月15日、海賊対策のため派遣された中国海軍の艦隊が、ある国の潜水艦に追跡されていることを察知して逆に潜水艦を包囲し、一時攻撃態勢に入るという事件があった。中国紙・青島晨報の報道として伝えた。


この件はなんだか火葬戦記臭い匂いがするから本ブログでは取り扱いませんでしたが、まさか中国艦の活躍を一部誇張したどころではなく、出来事の全部が丸ごと捏造だったとは・・・なんというトラップ、引っ掛からなくて良かったです。

でもこの件、インド海軍が否定すると一部のインドメディアが「追跡はあった」って言っていたんですよね。

潜水艦は中国艦を追跡した、自国軍の主張を否定―インドメディア:Record China 2009年2月6日

そうなるとコレ、陰謀論とか言い出す人出て来るのかな・・・でもインド側の報道も「複数の関係筋からの情報」というソースのハッキリしないあやふやなものなので、捏造記事に創作で相乗りしただけのように思えます。
23時45分 | 固定リンク | Comment (170) | 軍事 |
2009年03月18日
海上自衛隊の新型護衛艦「ひゅうが」が本日、就役しました。




以下に比較対象として同縮尺の艦艇の図を並べて見ました。マウスを合わせると説明文が出ます。DDH「ひゅうが」は基準排水量13950トンと海上自衛隊の護衛艦では最大の大きさですが、全長は高速補給艦「ましゅう」の方が長いです。


DDH「ひゅうが」

輸送艦「おおすみ」

補給艦「ましゅう」

英空母「インヴィンシブル」

米空母「ニミッツ」

米空母「エセックス」

日本帝国海軍空母「大鳳」

DDH「はるな」

軽巡洋艦「大淀」

航空戦艦「日向」


ヘリコプター空母として運用される「ひゅうが」ですが、建造費用は半分くらいの大きさのイージス艦より安かったりします。今日は何かアクセス数が多いなと思っていたら、Yahooニュースのトピックスに当ブログが以前書いた記事『DDH-181「ひゅうが」進水』がリンクされていたみたいですね。


ところで話は変わりますが、ボーイングがF-15戦闘機の新しいバージョン「F-15SE」を発表した模様です。


【特報】F-15SE登場!:東洋亭パーツ館新本店
もちろん、この写真は日本初登場!(たぶん)

ボーイング社が日本時間のゆうべ発表したばかりの、正真正銘の第5世代戦闘機F-15Silent Eagle、通称F-15SEであります。(*´Д`)ハァハァ

セカンドエディションじゃないよ。Silent Eagleだよ。つか、ストライクイーグルとまぎらわしいけど。

いやこれは萌えますよ。すごいな、このシルエット。悪夢ともいえるが。なんというかもう朝から興奮しきりで。


おお〜。

リンク先の五十嵐洋さんの所でボーイング社のプレスリリースや画像、「FlightGlobal」の速報、動画などが紹介されています。情報量が多いので、是非見に行ってください。このF-15SEサイレントイーグルはステルス性を与える為、F-15Eストライクイーグルで使われているコンフォーマルタンク(CFT)の中に兵器倉を設け、双垂直尾翼に外側15度の傾斜を与えてあるようです。最初からステルス機として設計されている機体と比べれば収容能力は劣りますし、機体自体のステルス性も低いままですが、ミサイルを収容できるとなると剥き出し搭載のユーロファイターとの差別化ができるようになり、航空自衛隊のFX選定にも影響を与えるかもしれません。
21時11分 | 固定リンク | Comment (509) | 軍事 |
2009年03月15日
今日は溜まっているネタを紹介するだけという、手抜き更新です。いやその、タイミングを逃しちゃって一個一個時間を掛けている暇が無くなっちゃったので・・・すみません。


台湾の徴兵制度に幕 緊張緩和、財政負担も 14年全廃:朝日新聞
台湾の陳肇敏・国防部長(国防相)は9日、49年に国民党政権が中国から台湾に撤退して以来、19歳以上の男性に義務づけられてきた徴兵制を5年後の14年に全面廃止することを明らかにした。


台湾が徴兵制を廃止する決定を行いました。中国軍も既に実質志願制に移行済み(必要に応じて選抜徴兵を行える制度を残しているが、現在は行使されていない)ですので、徴兵制廃止の流れは東アジア方面でも顕著になってきましたね。放置気味の「徴兵制 復活?」も忘れないでやってください。でもリニューアル計画は頓挫中・・・

このニュースで思い出したのですが、台湾軍の徴兵ネタと言えば「エセ外人の原色ライフ : あ〜み〜ぼん。」を読んで、徴兵制度での新人虐めというのは世界各国共通なんだろうかと思った次第です。


方式は“バブル”ですがエコ運搬船、三菱重が建造へ:読売新聞
三菱重工業は、燃費が1割以上、向上するエコ運搬船を建造する。

船底の前方から細かい気泡を噴き出して、船底を覆い、航行時の海流との摩擦を減らす。バブル・モジュール運搬船と呼ばれる新型船(総トン数1万5000トン、全長150メートル、幅40メートル)で、日本郵船が発注した。プラントなどの大型機械を輸送する船で、2010年春に就航する見通しだ。

気泡によって摩擦を軽減する船の建造は、80年代後半から研究が進められてきたが、商業ベースで建造されるのは初めて。


マイクロバブルを船体表面の境界層に流し込み、摩擦抵抗を低減する技術は数十年前から知られており、ずっと研究されていましたがなかなか実用化できず、世界的にも一時は諦めかけられていましたが、遂に世界初の商業実用船が誕生します。

船舶の摩擦抵抗低減デバイスとしてのマイクロバブルの可能性:社団法人日本機械学会 流体工学部門

なお軍事用途では類似技術のスーパーキャビテーション効果を使った水中ロケット魚雷「シュクヴァル」がロシアにあります。シュクヴァルは自身の高速力により周囲の水からキャビテーションによる気泡を生み出し魚雷全体に纏いますが、高速に達していない段階ではキャビテーション効果を得られないので、魚雷内部から自力で空気を放出し、マイクロバブルを纏います。ちなみに三菱重工は数年前に「シュクヴァル」と同様の水中ロケット魚雷を「水中航走体」という名前で特許を取得しています。実験は既にやっているみたいですね。


治安悪化 事業に危機感 米軍増員のオバマ政権にアフガン失望 ペシャワール会 中村哲医師:西日本新聞
中村医師は武装した現地職員の警備を受けながら、アフガン東部で活動を続ける。


流石に丸腰では危ないと気付かれたようです。


インドの原子力潜水艦、完成まであとわずか:アントニー防衛相 |ヴォイス・オブ・インディア
アントニー防衛相は11日、インドの原子力潜水艦が完成の最終段階に入っていると発表した。

バンガロールで開催中の航空ショー「エアロ・インディア2009」の会場でアントニー防衛相は、先端技術艦船(ATV)プロジェクトの進行状況について、「以前は障害もあったが、問題も解決し、完成の最終段階に入っている」と答えた。

ATVはインド初の原子力潜水艦プロジェクトで、射程距離750キロの核弾頭ミサイルなどが搭載される予定だ。試運転は4月から開始されるという。


世界的に何故か注目されていないインド初の原子力潜水艦。


ミサイル防衛へのロシアの協力を期待=米国務長官が表明:時事通信
クリントン米国務長官は4日、ロシアが反対しているミサイル防衛(MD)システムの東欧配備計画について、同国の協力に期待を表明した。

同長官はブリュッセル訪問の途上、機内で記者団に語ったもので、ロシアはMDへの脅威を以前よりは感じていないように思われると述べ、MD計画にロシアが参加するよう説得したいと表明した。同長官は「MD計画がロシアを対象にしたものではないことが徐々に理解され始めたようだ」と指摘した。


実はミサイル防衛に積極的なヒラリー・クリントン米国務長官。結構ノリノリであります。


そしてこれは・・・




アメリカ軍のA-10攻撃機に誤射されたイギリス軍の様子。30mmガトリング砲の射撃は爆撃かと思うほどの凄まじさで、これは怖過ぎ。
22時30分 | 固定リンク | Comment (87) | 軍事 |
2009年03月13日
北朝鮮はヒラリー・クリントン国務長官に「人工衛星発射の資格なし」と言われたのを受けて、こう出て来ました。

北朝鮮:来月4日にもミサイル発射 国際機関に通告か|毎日新聞
北朝鮮:衛星発射で秋田沖など危険区域 IMOに事前通告|毎日新聞

正式に手続きを取って事前通告してきました・・・これで政治的に迎撃が難しくなりましたし、飛翔コースも東に向けてハワイ近辺に向うので、アラスカやカリフォルニアに配備されているGBIの射程外となり、物理的にも迎撃は出来ません。イージス艦のSM-3Block1では、テポドンクラスの上昇中に後から追い駆けて迎撃するのは困難です。GBIでインターセプトするチャンスが無いのであれば迎撃は出来ず、イージス艦の役割はレーダーで警戒する事と、落ちてくるブースターに注意する事くらいです。

日米韓の三国はこれを受けて、「衛星打ち上げであっても国連決議1718号に違反する」、という立場を取ります。これは前から言っていることなので、国連安全保障理事会の議題に上げられる事は既定路線です。日米韓及び、中国やロシアも既に北朝鮮への警告を発しています。

Taep'o-dong 2 (TD-2) - North Korea | GlobalSecurity.org

グローバルセキュリティのテポドン2特集ページの、「Taep'o-dong 2 Flight Test」にテポドン2を東に向けて打つ、人工衛星打ち上げ用飛翔コースの図が乗っています。

http://www.globalsecurity.org/wmd/world/dprk/images/td2_sat-launch_ground-track.jpg

これが比較的分かりやすいですね。


ところでこの件でTBSの解説委員がアホな事を・・・


TBS解説委員「どう転んでも日本は困る」 北朝鮮の「衛星」発射|J-CAST
杉尾秀哉(TBS解説委員)は「北朝鮮の主張は矛盾している。衛星ならば周回軌道に乗せることが目的なので、日本海に落としたり、太平洋に落としたりしない。日米韓は、事実上、長距離ミサイルの発射実験だと見ている」と解説する。


日本海や太平洋に落ちる予定なのは第一段ブースターと第二段ブースターです、別にそこは変じゃないですよ? テポドンに限らず、大型の弾道ミサイルやロケットは多段式なのが当たり前でしょうに・・・
23時10分 | 固定リンク | Comment (77) | 軍事 |
2009年02月23日
スリランカの内戦は最終局面に突入、スリランカ政府軍の大規模攻勢に反政府組織LTTE(タミル・イーラム・解放のトラ)は支配地域を殆ど失ってジャングルに後退、数万人の民間人を人質に立て篭もっています。

とはいえ25年以上続くこの内戦は、もうすぐ終わりかという局面から引っくり返ってまたグダグダになる繰り返しで、今回の動きが本当に紛争の終結に繋がるのかまだ予断を許しません。なにしろ圧倒的優位に立った筈のスリランカ政府軍は、首都圏の防空すら満足に行えず・・・




スリランカ:「解放のトラ」小型機突入 捨て身、テロ攻撃 市民ら、巻き添え不安−毎日新聞
軍によると、2機は20日午後8時半ごろ、政府軍により包囲されている北東部のジャングルから離陸。低空で飛行し、約1時間で約200キロ離れたコロンボに到達した。軍は離陸直後から動向を把握していたが「夜間で低空飛行しており、迎撃態勢が整うコロンボでの撃墜を準備した」(空軍広報官)という。

都市部で撃墜すれば、多くの市民が巻き込まれる危険が高まるが、標的は政府軍施設と予測できたため、目標に最大限ひきつけた上で撃墜に踏み切った。




LTTE空軍(スカイ・タイガー)のチェコ製軽飛行機(Zlin-Z143)改造爆撃機が、スリランカ最大都市コロンボへの夜間奇襲攻撃に打って出ました。ジャングル内の道路から離陸しています。スリランカ政府軍は「離陸当初から捕捉していたので奇襲ではない」と説明していますが、要は夜間低空侵入してくる小型機の迎撃に、自軍の戦闘機を誘導する自信が無かった為に、対空砲火のみで待ち構えて応戦したという事になります。結局、撃墜には成功するも自爆突入を許してしまい、被害を出した時点でスリランカ軍の限界が垣間見えます。

Tamil Tigers unveil latest tactic : BBC News

LTTE空軍のZlin-Z143について詳しくはこのBBC記事をご覧下さい。また昨年に1機がスリランカ空軍のF-7戦闘機によって撃墜されており、今回の攻撃で2機失ったとすると、推定でLTTE空軍の全保有数が5機であるとされているので、まだもう2機残っています。ただし、事故や故障で稼動機は既に存在していない可能性もあります。

一方、制圧したLTTEの根拠地でスリランカ軍兵士が見たものは・・・

Sri Lankan troops uncover LTTE submersibles : Jane's News

LTTE海軍(シー・タイガー)の潜水艦群。大きい方は・・・

「An armour-plated submersible,」

装甲潜水艦? 

小さい方は・・・

「The smaller craft were "pedal-type suicide boats", 」

足漕ぎペダル式自爆潜水艇?

Z-143爆撃機といい、この潜水艦群といい、まるで速水螺旋人先生の漫画の世界のエピソードのようです。


【追記】OSINTSUMさんの記事「LTTEが使用した潜水器材について(お知らせ)」で、LTTEのミゼット潜水艦について写真が掲載されたサイトが紹介されていました。

LTTE underwater vehicles found - Mullaittivu : Picture Report | www.defence.lk

大きい方はともかくとして、小さい方の潜水艇って・・・まさか、コレ

ごめんなさい、手漕ぎペダル式だったです。(っていうかこれ潜水艇扱いで良いの?)
21時58分 | 固定リンク | Comment (40) | 軍事 |
数日以内に北朝鮮のテポドン発射体制が整い、月内に発射される可能性があるとイギリスのジェーン・ディフェンス・ウィークリー誌が報じています。

北朝鮮ミサイル月内発射か 英軍事誌が衛星写真分析:共同通信

Jane’s Defence Weekly Examines North Korea’s Preparations for an Imminent Missile Launch

発射そのものは政治的判断で直前であっても取り止める事は可能なので、実際に発射されるかどうかは分かりませんが、少なくとも発射準備が整う寸前にあるのは確かなようです。

北朝鮮は既に「ミサイルではなく人工衛星の発射を予定している」と表明していますが、北朝鮮は宇宙条約に非加盟であり、そもそも人工衛星であっても発射する資格はありません。また用意されている物体はテポドン2弾道ミサイルであり、日朝平壌宣言にも違反する事になります。1998年のテポドン1の発射の際は、本来は二段式のテポドン1弾道ミサイルの先に小さな第三段ブースターと極小さな人工衛星を載せて打ち上げ、軌道投入に失敗、日本列島を飛び越えて弾体(第二段ブースター)が三陸沖に落下しています。この時に北朝鮮は日本への事前通告を行っておらず、ミサイル・ロケット発射時に周辺国や通過する船舶・航空機への通告義務を定めた各種国際法に違反しています。

テポドン飛翔経路

1998年のテポドン1発射の際は、地球の自転を利用する為に東に向って発射されており、ハワイ向けコースよりもやや南を通過する予定でした。2006年のテポドン2発射では、発射直後に墜落しているので定かではありませんが、途中までの飛翔経路からハワイ向けコースと推定されています。

この傾向から、現在用意されているテポドン2がもし発射される場合、日本列島上空を通過していく可能性が高いでしょう。アメリカ軍は既に青森県の車力で対弾道ミサイル用のXバンドレーダー(FBX-T)を運用しており、沖縄県の嘉手納基地には弾道ミサイル追跡機コブラボール、そしてステルス戦闘機F-22ラプターが展開中です。洋上には日米のイージス艦が展開しており、テポドン2の発射に備えています。

この問題に関してテポドン2の撃墜は可能か? とよく問われるのですが、米西海岸やアラスカ、米東海岸を狙うコースならば米本土防衛用の長射程ミサイル防衛システムのGBIが使えますが、それ以外のコースでは対処不能です。イージス艦のSM-3では上昇中の長距離弾道ミサイルを追い駆けて撃墜する性能はありません。着弾地点付近の海域に偶然イージス艦が待機していたらなんとかなるかも知れませんが、テポドン2の弾頭が人工衛星であるならば落ちてこないので、途中で落ちてくる切り離されたブースターを迎撃、破壊するくらいしか出来ません。GBIならば、飛翔中のテポドン2をミッドコースでインターセプト可能です。
00時09分 | 固定リンク | Comment (136) | 軍事 |
2009年02月08日
エンジン制御ソフトウェアの開発遅延で完成が遅れているエアバスの新型軍用輸送機A400Mですが、しかし実際に直面している問題はそれだけではなく、機体側の問題はもっと深刻な様子です・・・


Airbus’s A400M May Face Design Overhaul To Meet Performance Targets : Aviation Week & Space Technology
One key area of concern is that the A400M is overweight, which would negatively affect its payload and range capabilities. According to Airbus Military data, maximum payload is 37 tons and range is 1,780 naut. mi. with a full payload. But people close to the program say the aircraft is considerably heavier in its current development status. The first six units to be used in the flight-test program are 12 tons heavier than planned, according to those executives. A weight-saving campaign has identified a reduction potential of 7 tons. Early production aircraft will only incorporate reductions of 5 tons at most, leaving payload below the 30-ton mark.


12 tons heavier than planned

         ___
        /⌒  ⌒\         ━━┓┃┃
       /(  ̄)  (_)\         ┃   ━━━━━━━━
     /::::::⌒(__人__)⌒:::: \         ┃               ┃┃┃
    |    ゝ'゚     ≦ 三 ゚。 ゚                       ┛
    \   。≧       三 ==-
        -ァ,        ≧=- 。
          イレ,、       >三  。゚ ・ ゚
        ≦`Vヾ       ヾ ≧
        。゚ /。・イハ 、、    `ミ 。 ゚ 。 ・


12トンも太ってただなんて・・・これから頑張ってシェイプアップしても7トンしか減らせず、恐らくは5トンまでしか減らせない・・・A400Mの最大ペイロードは37トン、もし5トンまでしか減量できずに7トン超過となってそれが全部ペイロードの減少となって現れた場合は、最大ペイロードが30トンとなってしまい、ドイツ軍の新型装甲歩兵戦闘車「プーマ」(一番軽いレベルA状態で31.45トン)が搭載不可能になってしまう・・・なんというドイツ、涙目状態。



A proposal by EADS CEO Louis Gallois to use Airbus A330-200Fs as an interim solution is receiving a lukewarm response at best.

"If we wanted to have a commercial freighter, we could simply charter one from Cargolux or somebody else," one German military official says angrily.


一向に試験飛行すら出来ない状態のA400M。この惨状に、エアバス親会社のEADSのCEO、ルイ・ガロワは苦し紛れに「緊急的にA330-200Fsを使わないか?」と提案しました。しかしこれにドイツ軍は反発、逆に怒りを買う結果になってしまいました。


        ノ L____
       ⌒ \ / \
      / (○) (○)\
     /    (__人__)   \   そんなものカーゴルクス(貨物航空会社)
     |       |::::::|     |   にでも頼めば済む事だお!!
     \       l;;;;;;l    /l!| !
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       煤@l、E ノ <
               レY^V^ヽl

A330-200Fsは旅客機ベースの貨物機です。つまりパレット、コンテナ規格の貨物しか輸送できず、規格外の嵩張る荷物、つまり装甲車などを運ぶ事が出来ません。軍用輸送としてあまり役に立たないのです。


Can the Airbus A400M Transport Be Saved? : BusinessWeek
Plans for the oft-delayed military transport plane may be mothballed, as the German Defense Ministry reconsiders its order


もしA400Mを最も多く購入する予定のドイツが「プーマ装甲車が載らない飛行機なんて要らない」とA400M計画から降りた場合、A400M計画全体がそれで終わってしまうでしょう。ドイツ軍は「俺たちはエアバスと結婚しているわけじゃない」とA400Mを見限りたがっていますが、政治的にドイツ政府はA400Mを見捨てる事は困難です。


なお日本が開発している川崎C-X輸送機は、ちょうどA400Mとほぼ同サイズです。A400Mよりも後から開発されましたが、A400Mがモタモタしている間に追い付き、抜き去ろうとしていた矢先にC-Xにも不具合が見付かり、初飛行はまだ行われていません。結局、両者共にまだ飛んですらいないわけですが、地上タキシングを行ってみせたC-Xのほうがまだマシなのかな・・・あんまり変わらないかもしれませんが、A400MとC-Xの伝え聞く不具合を比較すると、A400Mの方が結構大変そうな感じです。




今はまだ、飛べないペンギンが地上をウロウロしているだけですが・・・今年こそは、飛んでくれる筈。一方、A400Mはちょうど良さそうな動画は見当たらなかったので、エアバス・ジャパン公式サイトの解説を紹介しておきます。

エアバスの軍用機計画、A400M軍用輸送機:AIRBUS
22時05分 | 固定リンク | Comment (166) | 軍事 |
2009年01月27日
航空自衛隊は無人偵察機を導入する方針を固めました。試作研究用の機体をそのまま採用、配備する方針です。


離島有事に無人偵察機 防衛省、21年度導入へ:産経新聞 2009年1月24日
無人機開発は、防衛省で自衛隊装備の研究開発を担う技術研究本部が平成16年度から「無人機研究システム」として実施してきた。開発経費は103億円で当面の開発予定は4機。機体は全長5・2メートル、全幅2・5メートル、高さ1・6メートル。最大飛行高度は約12キロで、敵のレーダーに探知されにくいステルス性もある。

無人機はF15の翼の下に搭載され、偵察地域に近づいた段階で切り離されて発進後、無人での自律飛行に入る。ラジオコントロール方式の遠隔操作ではなく、事前に設定されたプログラムに沿って飛行。GPS(衛星利用測位システム)で位置を補正しながら偵察し、終了後は滑走路に自動着陸する。


この記事だけだと4年前から研究開発を始めたように読み取れますが、実際には「無人機研究システム」の以前から「多用途小型無人機」という名称で1995年から開発が始まっています。通称はTACOMです。もうかれこれ14年も研究してきた、古くからある計画で、当初は試作研究用で終わり、実戦配備するにしても現場からの仕様要求を踏まえて新たに開発し直すのだと思っていましたが・・・ターゲットドローン(標的機)としてならともかく、偵察用にそのままの形で配備するとは思っていませんでした。

実はこれについて5年以上前に朝日新聞経由で人民日報が報じています。


防衛庁、小型無人機を本格開発 不審船の偵察想定 :人民日報 2003年9月22日
無人機は95年度から技術研究本部で基礎技術の研究を進め、すでに原型となる試作品は完成。04年度予算の概算要求には開発経費3億円を計上した。自動滑走着陸できるようにしたうえで、試作した無人機を使って活用方法を探るほか、関連装備も開発する。この無人機は全長約5メートルで、F15戦闘機に搭載して空中で発進。ジェットエンジンで高度1万メートル前後を飛行し、数百キロの航続距離性能を見込む。


これは朝日新聞の記事を提携している人民日報が丸ごと転載したものです。つまり書いたのは朝日新聞ですが、今回の産経新聞の記事よりよほど詳しいです。なお防衛省はTACOMを不審船対策に使えると主張していますが、運用形態や機体性能を見る限りそのような使用目的には全く向いておらず、単なる予算獲得の方便に過ぎないと思います。

当初、TACOMは空中発射されて偵察任務を終えた後、パラシュートとエアバッグにより洋上に着水して回収される方式でした。これは後に「無人機研究システム」の時に基地への無人自動着陸方式へと改められています。この際に車輪式着陸装置を付けたりと様々な改修を行った結果、機体が若干大型化しています。パラシュート回収方式の時は全長4.7m、重量620kgだったのが、着陸装置を付けた事などにより全長5.2m、重量700kgまで増えています。また、「多用途小型無人機」の頃は主翼を折り畳み空中投下後に展開する方式でしたが、現在は取り止められているようです。主翼途中で上に跳ね上げてあるのに、どうやって落下中の空気抵抗に負けずに展開するのか謎な仕様でしたが、やはり無理だったようで・・・エンジンも途中で変更されているらしく、テレダイン製からアリソン製になっているようなのですがちょっと詳しい確認が取れません。ただ、以前には推力450kgだった表示が今ではそれより上がっているので、エンジン変更による出力向上があったようにも見受けられます。


chf_pack解説-TACOM
機体概要
全長:5.2m
全幅:2.5m
全高:1.6m
エンジン推力:約0.5t
重量:約0.7t
速度:遷音速


ターボファンジェットエンジンのエアインテイクを機体上面に設置するデザインはUAV(無人機)の定番といっても良い形です。人が乗ったコクピットを考慮せずに済み、空戦機動を行わないので大迎え角での飛行状態を考えなくて良いなら、自然とそうなります。RQ-4グローバルホーク、EADSバラクーダ、アレニアSky-Xなど、ターボファンジェットエンジンを搭載するタイプのUAVは多くがこの形式です。

このスペックを見て分かる事は、TACOMはあまりUAVらしくないな、という点です。機体サイズはストームシャドウ巡航ミサイルと同等で、それでいて重量は半分強、エンジン推力は同等です。つまりTACOMの巡航速度はストームシャドウ(1000km/h)より速いと見るべきですが、超音速までは出ないでしょう。TACOMはデルタ翼を採用しており、幅も短く、滑空性は全く良くありません。UAVとして長距離・長時間飛び続けることを目指しておらず、高速性を持って強行偵察任務を達成しようという腹積もりなのでしょうね。その為に主翼は小さく、エンジン出力は機体重量に比して高い機体です。他のUAVとは性格がかなり異なります。

グローバルホーク(最大重量12トン)やバラクーダ(最大重量3.25トン)はTACOMの最大重量700kgと比べると機体規模が違い過ぎますが、アレニアSky-Xは最大重量が1.1トンでエンジン推力430kgと、結構近い数値です。しかしSky-Xは全長7mに対し全幅6mと、TACOMに比べて十分な主翼の長さと面積を確保しており、航続力と滞空時間はこちらの方がかなり上になる筈です。

UAV Sky-X simula rifornimento in volo | DN - DifesaNews

上のイタリアサイトにSky-Xの上から見た構図の写真があります。Sky-Xは空中発進のTACOMとは違い、発進も基地から自力で滑走離陸を行います。

下は両者の比較図です。

比較

大きさや重量はTACOMの1.5倍あるSky-Xですが、それ以上に主翼形状の差から両者のコンセプトの違いが分かります。
02時42分 | 固定リンク | Comment (188) | 軍事 |