Russia denies nuclear weapons on ships bound for Venezuela - RIA Novosti
MOSCOW, October 9 (RIA Novosti) - Russian warships en route to Venezuela to take part in naval exercises are not carrying nuclear weapons, a Foreign Ministry spokesman said Thursday.
"There are no tactical nuclear weapons on board these ships," Andrei Nesterenko told a news conference at RIA Novosti.
He said the presence of the nuclear-powered Pyotr Veliky missile cruiser in Latin American and Caribbean waters would not violate the Treaty for the Prohibition of Nuclear Weapons.
11月にカリブ海でベネズエラ軍との合同演習を行う為、ロシア海軍が原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリーキイ」を含む艦隊を派遣中なのですが、ロシア外務省はこれ等艦艇には戦術核兵器は搭載されていない、と記者会見しました。「ピョートル・ヴェリーキイ」の動力が原子力機関であることについては、これは条約上、核兵器とは見なされないという見解です。
このロシア外務省アンドレイ・ネステレンコ報道官の発言は、政治的にちょっとした意味を持ちます。ベネズエラのチャベス大統領としては、この合同演習がアメリカに対する威嚇、牽制の意味合いを持つ以上、むしろロシア軍艦が核兵器を積んでくれていた方が効果が大きく、誰も頼んでもいないのに「核兵器は積んでません」と宣言されるのは期待外れな感じです。勿論、ベネズエラの平和市民団体がロシア軍艦の来訪に反対し核兵器搭載疑惑を質した・・・わけでは無いので(そもそもあの国でそのような市民運動は存在しない)、このロシア外務省のメッセージはアメリカ合衆国のホワイトハウスへと向けられています。
「我々は核兵器を持ち込んでおらず、これはかつてのキューバ危機とは全く次元が異なる通常の軍事演習に過ぎない」
アメリカとロシアは第二次戦略兵器削減条約START2で、海軍戦術核兵器の全廃を決めました。海軍戦術核兵器とは、海軍戦略核兵器(SLBM:潜水艦発射弾道ミサイル)以外の全てを指します。核弾頭型トマホーク巡航ミサイルなどが対象です。しかしSTART2は調印されどまだ発効していません。条約として機能していませんが、アメリカとロシアは出来る範囲でSTART2で決めた事の幾つかを、お互いに履行しています。それが海軍戦術核兵器の全廃であり、アメリカとロシアは既に水上戦闘艦への核兵器の搭載を行っていません。
ロシアは今回、特に聞かれてもいないのに核兵器搭載の有無を自分から言い出しました。過去に何度も日本にロシア軍艦が寄港した時、核兵器搭載について何も回答してこなかったのに、アメリカに対しては自分から「核兵器は無いよ」と伝えたのです。
日本の反戦団体は今後、このベネズエラ行きロシア海軍艦艇の事例を持ち出し、日本の港へロシア軍艦が寄港するときに核兵器搭載の有無をロシア政府に迫ってみてはいかがでしょうか。当然、中国やインド、パキスタンや、イギリスやフランスの軍艦の時にも聞いてみるべきでしょう。もしやらないのでしたら、アメリカの軍艦に一々、核兵器搭載の有無を聞くのも止めたらどうでしょうか。