このカテゴリ「軍事」の記事一覧です。(全420件、20件毎表示)

2014年10月03日
現在イラクは「ISIS:イラクとシリアのイスラム国(現在はIS:イスラム国に改名)」と呼ばれる武装組織の侵攻により戦争状態に陥っていますが、アメリカからの武器供給が遅れたため、先にロシアから支援を受ける事態になっています。既にSu-25攻撃機などが到着していますが、7月28日にバクダッド空港でロシア製重火炎放射システムTOS-1A「ソンツェピョーク」が大型輸送機アントノフAn-124から運び出される様子が撮影されました。



そして10月1日、イラク軍砲兵部隊のパレードにTOS-1Aが公式に姿を見せたことがアルマダ・プレスによって報じられています。イラク軍砲兵総局はロシアから受領したTOS-1Aは、イスラム国(IS)との戦いで衝撃的なものとなると今後の使用を宣言しました。

المدفعية العراقية تعلن قرب استخدام القاذفة الروسية (TOS-1) وتؤكد: ستكون صادمة لداعش




تقرير قناة العراقية عن أحتفال صنف المدفعية بالذكرى ال 93 لتأسيسه

TOS-1AはTOS-1の改良型です。この自走式多連装ロケットは特殊な兵器システムで、通常の多連装ロケットが数十kmの射程を持ち遠距離の敵を攻撃する目的に対し、TOS-1Aは僅か数kmの射程しかなく、ロケットの推進剤を少なくして弾頭重量を大幅に増やしています。TOS-1は射程が短い為に敵に接近する必要がある為、装甲の厚いT-72戦車の車体を使用しています。

ロケットの弾頭はサーモバリック爆薬で、他の種類の弾薬は設定すらされていません。サーモバリック爆薬は燃料気化爆弾に似た性質の爆発物で、燃料気化爆弾が液体燃料を気化させて大爆発を引き起こすのに対し、サーモバリック爆薬は固体燃料を気化させて大爆発を引き起こします。ロシア語で重火炎放射システム(тяжёлая огнемётная система)と名付けられた通り、目標を火炎で包み込み制圧します。

TOS-1はロシアがソ連時代にアフガニスタンに侵攻した際に敵ゲリラ兵を近距離から殲滅する目的で開発され、アフガニスタンで最初に実戦投入されています。正規軍と戦うための兵器ではなく、ゲリラ掃討に特化して設計された兵器です。


・ロシア軍での演習の様子

重火炎放射システム(ТОС; тяжёлая огнемётная система)
ТОС-1 ≪Буратино≫ TOS-1「ブラチーノ」 30連装
ТОС-1А ≪Солнцепёк≫ TOS-1A「ソンツェピョーク」 24連装

・戦闘車両 БМ-1 (Объект 634Б) - 自走ロケット発射機
・弾薬補給車 ТЗМ-Т (Объект 563)
・弾薬 НУРС МО.1.01.04ロケット弾


【追記】Солнцепекは正しくはСолнцепёкで、発音的にカタカナ表記はソーンツェペクではなく「ソンツェピョーク」の方が近いようです。本文を含めて修正しておきます。ロシアの新聞ではあまりеとёの区別がされておらず、国営のRIAノーボスチ通信ですらСолнцепекと報じていたので、こちらで思い込んでいました。

Ирак подтвердил получение российских систем залпового огня - РИА Новости
Иракская армия в скором времени начнет использовать российские тяжелые огнеметные системы залпового огня ТОС-1А "Солнцепек"
20時07分 | 固定リンク | Comment (58) | 軍事 |

2014年09月22日
本日、ヘリコプター護衛艦「いずも(DDH-183)」が海上公試運転を開始しました。「いずも」にはMMSI番号431999556が割り振られ、船舶の往来が多い東京湾を航行中はAIS情報を送っていました。

VesselFinder ≫ Vessels ≫ IZUMO - MMSI 431999556

東京湾を出ると相模湾の方向へ舵を取り、AISの送信を切っています。ジャパンマリンユナイテッド磯子工場の岸壁にはまだ戻っておらず、公試運転を続けているようです。


護衛艦「いずも」(DDH-183)公試 JS Izumo DDH-183 Sea trial その1


護衛艦「いずも」(DDH-183)公試 JS Izumo DDH-183 Sea trial その2


護衛艦 「いずも」 公試始まる!!
19時40分 | 固定リンク | Comment (442) | 軍事 |
2014年09月16日
防衛省から政策評価「平成26年度 事前の事業評価」が公表され、その中に「先進対艦・対地弾頭技術の研究」という項目がありました。先月発表された平成27年度概算要求の中で確認された「大型艦艇及び島嶼上の脅威に対処する誘導弾用弾頭技術の研究」のより詳しい内容が記されています。

「先進対艦・対地弾頭技術の研究」:防衛省 平成26年度 事前の事業評価
本事業は、我が国の島嶼部への攻撃に対して実効的に対応するため、島嶼及びその周辺海域に展開する部隊等に有効に対処できる誘導弾用弾頭として、上陸用舟艇等の近傍で起爆し、数発で数百m四方の範囲にある目標を破壊する高密度EFP※1弾頭や、大型艦艇の外壁を上面・側面から貫徹し、内部の構造物を破壊しうるシーバスター弾頭※2について、弾頭威力及び耐衝撃性に関する基本性能を確認するための研究を行うものである。

※1 EFP(Explosively Formed Projectile):爆発成形弾
※2 シーバスター弾頭:先駆弾頭により艦船等の外壁を貫徹し、主弾頭により内部構造物を破壊する弾頭


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これにより大型艦攻撃用弾頭はブローチ式の二重弾頭であることが分かりました。先駆弾頭として成形炸薬弾が孔を穿ち、その孔に徹甲榴弾が突入する方式です。特徴としてはミサイルの速度が遅くても貫通効果を発揮できることで、つまりこの新型貫通弾頭は超音速対艦対艦ミサイルXASM-3用ではなく、既存の亜音速で飛ぶ対艦ミサイル用のものだという事が分かります。「シーバスター」は陸上自衛隊の88式地対艦ミサイルの愛称でもあるので、地対艦ミサイルの弾頭を換装するのでしょう。88式地対艦ミサイルの射程内に敵空母が進出してくることはまず考えられませんが、島に接近してくる大型揚陸艦が狙えます。(評価書では大型艦と書かれているのみで、特に空母とは書かれていない)

また対地攻撃用クラスター弾頭はEFP(SFF;自己鍛造弾)であることも判明しました。これは爆発によって皿状のライナーが圧縮されて弾丸状になり高速で飛んでいく弾頭です。本来は対戦車用ですが、防衛省はこの評価書では「敵上陸舟艇・軽装甲機動部隊・ミサイル発射部隊」を目標としており、戦車より装甲が薄い目標となります。対戦車用とは違った形状・大きさになるのかもしれません。ただしクラスター爆弾制限条約の規制内となる為に、一つの爆発性子弾から多数のEFPを形成するような工夫(※マルチEFP弾頭)が必要になります。これも88式地対艦ミサイルの弾頭の換装用だとすると、地対地攻撃が可能となるこの新型弾頭は、88式地対艦ミサイルの戦術的価値を大きく変える存在となります。

※マルチEFP弾頭・・・三菱電機の特許「誘導飛しょう体」公開番号 特開2010−266172(P2010−266172A)に登場する。
23時58分 | 固定リンク | Comment (129) | 軍事 |
2014年08月31日
8月29日に防衛省の平成27年度概算要求が提出されました。

防衛省:我が国の防衛と予算−平成27年度概算要求の概要−(PDF:4.3MB)

概算要求は各省庁が財務省に提出する来年度予算の見積もりで、12月までに審査が行われて予算が決定します。そのため概算要求と決定した予算では金額の数字が違う事もあるので注意してください。平成27年度概算要ではF-35戦闘機は6機959億円(1機約160億円)が要求され、P-1哨戒機は経費削減の為に一括調達(20機3781億円)などが目立ちます。滞空型無人機やティルトローター機、新型早期警戒機など注目すべき項目が多く、幾つか目立ったものを取り上げたいと思います。

○ 多様な任務への対応能力の向上と船体のコンパクト化を両立させた新たな護衛艦の建造に向けた調査研究(3億円)
 新たな護衛艦の建造に向けて、性能等を確定させるために必要となる調査研究を実施
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フリゲート級の大きさの護衛艦(DE)の研究です。日本版LCS(沿岸戦闘艦)という話もありましたが、LCSとはかなり異なる艦艇になりそうです。

○ 水陸両用作戦等における指揮統制・大規模輸送・航空運用能力を兼ね備えた多機能艦艇の在り方について検討するための海外調査(5百万円)
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強襲揚陸艦です。イメージ図はフランス海軍のミストラル級によく似た乾舷の高い艦が描かれ、飛行甲板上にはオスプレイやアパッチ攻撃ヘリコプターが描かれています。

○ 双腕作業機の取得(2両:0.6億円)
大規模災害等に対応するため、人命救助及び瓦礫等の除去などに柔軟に対処可能な双腕型の作業機を整備し、大規模災害等への対処能力を検証
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日立建機の双腕作業機「ASTACO」を購入します。

○ 将来戦闘機関連事業(412億円)
将来戦闘機に関し、国際共同開発の可能性も含め、戦闘機(F−2)の退役時期までに開発を選択肢として考慮できるよう、国内において戦闘機関連技術の蓄積・高度化を図るための実証研究を実施
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将来戦闘機の要素「主翼前縁部レドーム」

○ 大型艦艇及び島嶼上の脅威に対処する誘導弾用弾頭技術の研究(15億円)
空母等の大型艦艇の外壁を貫徹し、艦艇内部で起爆し、爆風効果で破壊する大型艦艇対処用弾頭及び島嶼上の地上目標等に対し広範囲に高い貫徹力を有する攻撃が可能な地上目標対処用弾頭の研究を実施
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空母撃破用の貫通弾頭は開発中の超音速空対艦ミサイル「XASM-3」用と思われますが、地上攻撃用クラスター弾頭はどのミサイルに実装する予定なのでしょうか。空対艦ミサイルを改修して空対地ミサイルとして使うのか、地対艦ミサイルを改修して地対地巡航ミサイルとして使うのか。後者ならば南西諸島に地対艦ミサイルを前進配備させる際に大きな意味を持つ事になります。今回の概算要求の一番の注目点かもしれません。日本国はクラスター爆弾制限条約(オスロ条約)に加盟しているので、条約に抵触しないクラスター弾頭を開発することになります。 ※オスロ条約は一定の条件でのクラスター弾頭を認めている。

1)10個未満の爆発性子弾しか含まない。
2)それぞれの爆発性子弾の重量が4kg以上である。
3)単一の目標を察知して攻撃できるよう設計されている。
4)電気式の自己破壊装置を備えている。
5)電気式の自己不活性機能を備えている。

以上の条件を全て満たすか、あるいは「そもそも爆発性子弾ではない」ならばオスロ条約で許されたクラスター弾頭になります。

○ 艦載電磁加速砲の基礎技術に関する研究
弾丸の高初速化により、従来火砲に比較し、射程、威力の大幅な向上が期待でき、革新的な装備品となる電磁加速砲に関する研究実施に向け、調査を踏まえた技術的成立性に係る検討を推進
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電磁レールガンです。日本が開発する予定のものは小口径で、対地攻撃よりも対空防御が主な役割になります。

○ 高高度領域の高速脅威に対処するための飛しょう体技術の研究(14億円)
現有の地対空誘導弾システムでは対処が困難な高高度領域における弾道ミサイル及び高速巡航ミサイル等へ対処するための飛しょう体技術に関する研究を実施
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弾道ミサイル迎撃用の大気圏外での機動能力を持つ対空ミサイルの研究です。空気の希薄な高度でも向きを変えられるサイドスラスターと推力偏向ノズルの技術です。「高速巡航ミサイル等」とあるのは、将来に登場するであろう高高度を飛来してくる「極超音速グライダー弾頭」や「スクラムジェット巡航ミサイル」を指します。
19時32分 | 固定リンク | Comment (176) | 軍事 |
2014年08月02日
リムパック2014では機動揚陸プラットフォーム、MLP-1「モントフォード・ポイント」も参加しました。注排水機構を備えた自走浮桟橋であり、Ro-Ro船を港湾施設の無い場所で揚陸作戦に投入できる装備です。

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※アメリカ海軍公式より。


USNS Montford Point

【関連記事】揚陸作戦での民間輸送船の活用と機動揚陸プラットフォーム
 
MLPについての詳しい解説は上記の過去記事をご覧ください。


Interface Ramp Technologies

アメリカ海軍は機動揚陸プラットフォーム(MLP)や浮桟橋システム(INLS)を用いてRo-Ro船やコンテナ船を揚陸作戦に投入する予定で、それを支援する装備として波の動揺に対応したクレーンやランプを開発しています。





揚陸作戦は海軍の揚陸艦で砂浜に上がりますが、港湾で民間輸送船を用いた方が大量に物資を陸揚げ出来るので、砂浜に上陸後に港湾を確保に行きます。しかし確保するまでに時間が掛かる場合がある為、その隙間となる期間をMLPで埋めます。MLPは民間の輸送船を活用できるので、効率は港湾での陸揚げには劣りますが、揚陸艦よりも多くの物資を上げる事が出来ます。
20時54分 | 固定リンク | Comment (40) | 軍事 |
2014年07月12日
2年前にDARPAが初公開したフロート付きキャタピラ揚陸艇「CAAT」の開発は進められて、「UHAC」という名前でリムパック演習に姿を見せました。現在は海兵隊がテストしています。


US Marines testing Ultra Heavy Lift Amphibious Connector UHAC at RIMPAC 2014

下の動画は2年前の初登場時のものです。上のリムパックに登場したものとは大きさが異なるようです。動画の説明ではUHACは実用型の半分、CAATは実用型の5分の1の大きさとされています。実用型はLCAC以上の大きさを持つ揚陸艇になります。


DARPA Captive Air Amphibious Transporters (CAAT) For Disaster Relief

フロート付きキャタピラーの利点は海上に障害物や漂流物があっても乗り越えられることで、津波の被害を受けた直後の沿岸であっても救援の際に行動が可能です。通常の揚陸艇では漂流物を避けねばならず、エアクッション揚陸艇では大きな漂流物を引っ掛けたらゴムスカートが破れてしまう恐れがありますが、フロート付きキャタピラーは気にせず進む事が出来ます。更に浅瀬の珊瑚礁を乗り越えられるならば軍事的にも高い価値を持ちますが、珊瑚礁は硬く、フロート付きキャタピラーが乗り越えた時に構造的に耐えられるかがネックとなっています。

もし珊瑚礁の浅瀬を問題無く乗り越える事が可能になるならば、南西諸島での上陸作戦で大きな力を発揮する事が出来るでしょう。エアクッション揚陸艇が使い難い障害物のある場所にも投入する事が出来ます。
20時30分 | 固定リンク | Comment (51) | 軍事 |
2014年07月08日
ウクライナ大使館公式Twitterアカウントが仰天するような書き込みをしたので紹介します。ロシアがフランスから買う強襲揚陸艦ミストラル型は、日本の北方領土奪還作戦に備えたもので、その奪還計画は東日本大震災が起きて放棄されたという、これはちょっと・・・という内容です。






これはウクライナ大使館の独自の呟きではなく、世界武器貿易分析センター代表 イーゴリ・コロチェンコ氏の発言をウクライナ大使館が紹介したものです。ウクライナ大使館の意図としては、強襲揚陸艦ミストラルは対日戦争用であり、日本もロシア制裁に積極的に参加して内戦状態のウクライナを助けて欲しいという意図があるのでしょう。しかし日本が北方領土奪回作戦を計画して発動寸前だったという部分へのフォローが何も無い為、このままでは日本政府批判しているような状態になってしまっています。

≪Мистрали≫ изначально купили для защиты Курил от японской агрессии ※PDFファイル
≪Мистрали≫ изначально были предназначены для отражения японской агрессии на Курилы. Я это слышал от одного из тогдашних заместителей министра обороны. Была получена информация по линии разведки, что японцы пытались повторить то, что сделали аргентинцы на Фолклендских островах, − высадить десант и поднять японский флаг. И в этой ситуации мы бы оказались абсолютно не готовы к битве, потому что у нас не было достаточно десантных кораблей, чтобы перебросить группировку на Юж-ные Курилы и вступить в войну. И это якобы послужило одной из причин экстренной закупки ≪Мистралей≫. Но потом случилось цунами, и это цуна-ми заставило японцев отказаться от планов в отношении Южных Курил, а контракт с французами уже пошел≫.
 

上記はウクライナ大使館が抜粋したコロチェンコ氏の発言部分の元の文章です。ウクライナ大使館が和訳した通りの内容です。ロシア側はミストラル購入の目的として、ポポフキン国防次官がカリーニングラードや南クリルなどの遠隔地防衛を掲げた事は確かにあります(2010年4月16日:ロシアがフランスから強襲揚陸艦ミストラルを買う理由)。しかしこれは購入目的の説明を後から捻りだしたもので、ミストラル購入は当時のセルジュコフ国防大臣の軍改革の一環という性格が強く、まず外国艦購入ありきで進められた計画でした。(後にセルジュコフは失脚)

問題は日本が北方領土奪還作戦を計画していることを諜報筋から聞いたという部分です。全くの初耳ですし、事実とはとても思えません。大使館のような公的機関が迂闊に口走ってよい内容とは思えないのですが・・・記事を紹介しただけというのであれば、このようなデリケートな部分には見解を述べて同意しない旨を表明しないと、大きな誤解を生む事になってしまいます。
19時34分 | 固定リンク | Comment (77) | 軍事 |
2014年06月12日
中国国防部は「6月11日10時17分〜28分、東シナ海の中国空軍防空識別空域で定期パトロール中のTu-154型機が、日本のF-15J戦闘機2機に30mの距離に異常接近された」として証拠のビデオを公開しました。

国防部新闻发言人耿雁生 就日方炒作中日军机“异常接近”发表谈话 - 中华人民共和国国防部

中国空軍のTu-154電子情報収集偵察機から、アラートに上がって来た航空自衛隊のF-15J戦闘機が撮影されています。


JASDF F-15Js intercepting PLAAF Tu-154


JASDF F-15Js intercepting PLAAF Tu-154 Part 2

動画を見る限りは異常接近という距離には見えませんが、動画を中国に先に出されたという事が対外宣伝として先手を打たれた感があります。
19時04分 | 固定リンク | Comment (114) | 軍事 |
2014年06月07日
ウクライナの親欧州派による政変に伴いクリミア半島では親ロシア派が分離独立を宣言、そしてウクライナ東部の親ロシア派も続こうとして内戦状態に陥っていますが、数日前にウクライナ新政府はこれまで装甲車までしか送り込んでいなかったウクライナ東部にT-64戦車を投入。これに対抗するために親ロシア派民兵は、なんとモニュメントとして野外展示されていた第二次世界大戦の重戦車IS-3スターリンを修理して使おうとしています。

Ополченцы ДНР завели танк времен Второй мировой войны - РИА Новости
" Для пушки Д-25Т, которая стоит на танке, можно применять снаряды гаубицы Д-30, которых много у ополчения. "

RIAノーボスチの記事によると、IS-3スターリン戦車の122mm戦車砲D-25Tの砲弾は、第二次世界大戦後に配備されたD-30榴弾砲のものを流用できるとあります。


Танк ИС-3 прогревает двигатель. (и готовится к отправке на фронт?) Константиновка

D-30榴弾砲の砲弾は成形炸薬弾もあるので、現代の戦車でも当たれば破壊出来ますが、不意を打たない限りはT-64相手に勝ち目はないでしょう。高性能榴弾の数はあるでしょうが榴弾砲用の成形炸薬弾は数が少ないので民兵側の手元にあるかどうかも分かりません。しかし「味方にも戦車がある」というだけで士気が向上するので、存在するだけで意味があるのかもしれません。あるいはIS-3を囮にして、T-64は歩兵の対戦車兵器で仕留める方法も考えられます。


поезд на Донбасс 04 06 Львовская обл ТАНКИ СЛАВЯНСК УКР

6月4日、東部スラビャンスクに向けて鉄道輸送されるウクライナ政府軍のT-64戦車。
10時41分 | 固定リンク | Comment (88) | 軍事 |
2014年05月09日
ロッキード・マーティン社の破壊用レーザー兵器ADAMが、海上の小型ボートを標的にした実験を行っています。ADAMは10キロワットのファイバーレーザーで、照射したら即破壊できるというような高出力ではなく、ある程度の時間を照射し続ける必要がある兵器です。

Lockheed Martin Demonstrates ADAM Ground-Based Laser System Against Military-Grade Small Boats


ADAM High Energy Laser Disables Small Boat Target

ADAMは対砲弾エリア防衛兵器で、これまで小型無人機や砲弾を目標とした実験は行ってきましたが、海上の小型ボートを目標にした試験はこれが初になります。今回の試験は射程1マイル(1.6km)、カリフォルニア沖で行われました。

対砲弾エリア防御用レーザー兵器ADAMの試験動画:週刊オブイェクト(2012年12月19日)
02時45分 | 固定リンク | Comment (52) | 軍事 |
2014年04月09日
アメリカ海軍は2016年度に電磁レールガンを高速輸送艦(JHSV;joint high speed vessel)に搭載してテストを行うことを発表しました。試験砲は重量約10kgの砲弾を射程200km超まで届かせて弾速はマッハ7を予定しています。

Navy to Deploy Electromagnetic Railgun Aboard JHSV - U.S.Navy

リニアレールガン
※アメリカ海軍公式よりイメージ図。JHSVのヘリコプター甲板に試験砲を搭載。


Navy to Deploy Electromagnetic Railgun Aboard JHSV
※アメリカ海軍公式動画。

【関連】
アメリカ海軍は固体レーザー砲を2014年に配備する(2013年04月09日)

アメリカ海軍は今年からレーザー砲を実戦配備します。これに続き電磁レールガンの搭載試験も始まる予定で、艦艇の装備は一大革新の時代を迎えつつあります。
01時22分 | 固定リンク | Comment (224) | 軍事 |
2014年03月31日
3月8日に多数の中国人乗客を乗せて失踪したマレーシア航空MH370便を捜索するために、中国はインド洋南部に海軍の艦艇と海警局の巡視船を合わせて10隻以上を投入しています。その中には海軍の最新鋭大型ドック揚陸艦「崑崙山」「井岡山」、大型補給艦「微山湖」「千島湖」の姿もありました。これらは満載排水量2万トンを超える大型艦艇です。空母「遼寧」が試験および訓練用で遠征に出せないことを考慮して除くと、これらは中国海軍でも最大級の艦艇です。

ドック揚陸艦「崑崙山」

中国海軍はなぜ、駆逐艦だけでなくドック揚陸艦を必要としたのでしょうか? 中国は海軍力を誇示するために無理に大型艦を派遣したのでしょうか? 実はそれは主な理由ではありません。墜落機の破片捜索回収という任務では、純粋にドック揚陸艦が最適の存在であるからです。

・大きな船体と格納庫を持ち、高いヘリコプター運用能力
・船尾にウェルドックを持ち、搭載艇の発進と回収が容易
・広い物資搭載区画に、回収した破片を収納する事が可能
・大きな船体で波浪に強く、航続力が高く長期行動が可能


ドック揚陸艦「崑崙山」は大型ヘリコプターを通常2機、最大4機搭載できます。これは駆逐艦数隻分ものヘリコプター運用能力であり、捜索に大きな力を発揮することが出来ます。また船尾のウェルドックから搭載艇を出し入れすることが出来るので、破片を回収して艦内に引き入れることが可能です。他に大型クレーンも装備しており、回収任務にはうってつけです。これが駆逐艦や巡視船だと破片が大きな場合は艦に収納すること自体が容易ではなく、仮に回収できても収納場所が無いのでヘリコプター甲板に置きっぱなしにせざるを得なくなり、ヘリコプターが使えなくなり継続した任務が困難です。その点、揚陸艦である「崑崙山」は広大な物資搭載スペースを持ち、破片回収後も更なる捜索回収を継続することが可能です。

このような捜索回収任務にドック揚陸艦を使用することはアメリカ海軍でも想定しており、スペースシャトルに代わる宇宙船オリオンの再突入カプセル(海に着水する)を回収する任務に海軍のドック揚陸艦を充てる予定で、すでに訓練も開始されています。また「崑崙山」はソマリア海賊対策にも投入されたことが有りますが、シンガポール海軍も同様にドック揚陸艦を海賊対策に投入しています。高いヘリコプター運用能力とウェルドックからの搭載艇の発進回収能力は警戒任務にも便利だったのです。ドック揚陸艦は上陸作戦や被災地救援だけでなく、警戒監視や捜索回収にも適した使い勝手の良い艦種であることが各国海軍の運用から分かります。

揚陸艦サンディエゴと宇宙船オリオン
※宇宙船オリオン回収訓練(ドック揚陸艦サンディエゴ)

またマレーシア機の捜索海域はとても遠い上に波浪が非常に強い海域に近く、荒れ始めると10m以上もの波になるので、小型艦艇よりも大型艦艇を送り込まないと航行すること自体が困難に陥ってしまいます。以上の事を考慮すると、遠隔地の波の高い海域に中国海軍が大型ドック揚陸艦を捜索任務に投入したことは理に適った行動であり、発見した破片の回収輸送という面から考えても、最も適した選択だったということが出来ます。


This 2 Minute Video On MH370 Search Operation Shows The Vast & Dangerous Side Of The Indian Ocean.
12時27分 | 固定リンク | Comment (72) | 軍事 |
2014年02月05日
イギリスの開発しているステルス無人攻撃機BAEタラニスの飛行動画が初めて公開されました。初飛行自体は昨年の2013年8月に実施済みで、オーストラリアのウーメラ試験場で行われています。


Taranis first flight footage


Taranis - The future of aviation technology

FIRST FLIGHTS OF UK-BUILT TARANIS UNMANNED AIRCRAFT SURPASS ALL EXPECTATIONS - BAE SYSTEMS

BAEタラニスは機体の方向性がフランスの開発しているダッソーnEUROnに近く、将来的には両者は統合される可能性もあります。(タラニスもnEUROnも技術試験機であって、これがそのまま実戦機として量産されるわけではありません。)
20時13分 | 固定リンク | Comment (132) | 軍事 |
2014年01月10日
インドがロシアから購入した空母ヴィクラマーディティヤ(旧キエフ級アドミラル・ゴルシコフ)が1月8日にカルナタカ州カルワル軍港に到着しました。来月には歓迎式典も予定されています。


INS VIKRAMADITYA AND INS VIRAAT SAILING TOGETHER

ヴィクラマーディティヤ到着前に洋上で出迎えた空母ヴィラートとのツーショット。


Firing power by INS Vikramaditya

ヴィクラーマーディティヤ洋上で発砲試験。使用してるのは対艦ミサイル欺瞞用のPK-2カウンターメジャーシステム(ZiF-121発射機)、152mmチャフ・ロケット。

空母ヴィクラマーディティヤは1997年に退役した空母ヴィクラントの代替用です。本来はヴィクラントの代替空母は1998年には納入される予定でしたが、遅れていました。これでどうにかインド海軍は空母2隻体制に戻る事が出来ます。つまり増強されたわけではなくこれまで空いていた穴が埋まったのであり、別に海洋進出を模索する中国に対抗する為という話ではないのです。
23時52分 | 固定リンク | Comment (314) | 軍事 |
2013年12月22日
防衛省の公式サイトに「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度〜平成30年度)について」が掲載されています。ここでは防衛大綱と中期防に付いて、装備を中心に要点を纏めておきます。

■陸上自衛隊
・水陸両用装甲車52両の調達
・ティルトローター17機の調達
・戦車・火砲を定数300へ削減
・高射(地対空ミサイル)部隊1個削減

水陸両用装甲車52両はAAV7となる模様で、52両は小さな無人島を奪い返す想定には多過ぎる数です。沖縄本島のような大きな島への逆上陸を想定しているのかもしれません。ティルトローター機はV-22オスプレイになります。オスプレイは外国の深奥部で特殊作戦や戦闘捜索救難を行うなら必要ですが、国内で戦闘に使う分には能力過剰のように見えます。戦車は定数400から300へ削減、代わりにタイヤ式の機動戦闘車が次期中期防5年間に99両調達されます。機動戦闘車の最終調達数は示されておらず、報道によって200両ないし300両予定と複数の説が出ています。高射部隊の削減は以前からの予定通りです。

■海上自衛隊
・護衛艦7隻増、潜水艦6隻増
・イージス艦は2隻増、計8隻体制

潜水艦の6隻増は以前からの予定通りで、護衛艦7隻増はアメリカ海軍の沿岸戦闘艦のような小型高速艦を調達する事を前提にしています。沿岸戦闘艦そのまま同じような艦になるのか、日本独自に別の方向の小型高速艦になるのかはまだ分かっていません。イージス艦2隻増は古いミサイル護衛艦(艦隊防空艦)の入れ替えで、以前からの予定通りですが、ちょうどアメリカ海軍のイージス艦も次期アーレイバーク級フライト3への更新時期で、フライト3用の新型レーダーAMDRと最新システムを搭載できるかは微妙なところとなっています。

■航空自衛隊
・戦闘機部隊1個増(20機)
・空中給油機3機増
・早期警戒管制機4機増
・滞空無人機3機調達

戦闘機部隊の1個増は偵察機部隊を解体し戦闘機部隊に改編する事によるものです。戦術偵察に関しては新型戦闘機F-35の高度な光学システムで代用する気なのか、偵察ポッドを買うのか、小型無人機で行うのか、3通りほど手段がありますがどうする予定なのかは示されていません。これとは別に戦略偵察用として滞空型の大型無人機(グローバルホーク)を調達します。

■弾道ミサイル防衛
・PAC-3MSE(PAC-3の射程を1.5倍にした能力向上型)の調達

弾道ミサイル防衛に付いては、使用し得る主要装備・基幹部隊については、イージス艦と航空警戒管制部隊及び地対空誘導弾部隊の範囲内で整備することとするとあり、新規にTHAAD部隊を創設したり地上型イージス施設の構築は見送られました。THAADや地上型イージスを整備するとなると数千億円から兆円単位の費用が掛る為、当面の新たな装備はイージス艦用のSM-3ブロック2Aと地上用のPAC-3MSEに注力していく事になります。


■まとめ
今回の防衛方針の大きな転換は海兵隊的な部隊である「水陸機動団」の新設です。そして水陸両用装甲車AAV7とティルトローター機V-22オスプレイの調達はアメリカ海兵隊の装備と全く同じです。これでアメリカ海兵隊と同じ装備を使って合同演習を繰り返していく事で、急速にアメリカ海兵隊の装備の運用と部隊の戦術を吸収していく事が可能になります。なぜ国内で戦闘する分については航続距離が過剰なオスプレイを導入するのか、最も大きな理由はこれなのではないでしょうか。陸上自衛隊が海兵隊機能を持つ部隊を可能な限り速く錬成して実戦投入可能なレベルに仕上げる為には、現行のアメリカ海兵隊と同じ装備である必要性があった。もしアメリカ海兵隊がオスプレイではなく別のヘリコプターを主力として装備していたら、それを採用していたのかもしれません。

もう一つの大きな転換は戦車火砲の削減と北海道・九州への集中配備です。これにより本州では戦車部隊が消えて(ただし教育用の戦車は定数外でこれが富士に残る)、師団付きの榴弾砲が消えてしまいます(方面隊直轄に纏める)。一方でヘリコプターの数が増えるわけではなく、むしろ高価なオスプレイの少数調達で圧迫される事になります。また水陸両用装甲車AAV7の調達で、通常の装甲車の調達数も大きく減らされています。10式戦車は90式戦車の後継となり、機動戦闘車は74式戦車の後継となります。
12時47分 | 固定リンク | Comment (428) | 軍事 |
2013年12月14日
12月12日にセスナ/テキストロンが開発中の新型軽攻撃機「スコーピオン」が初飛行に成功しました。

TEXITRON AIRAND "Scorpion JET" (スコーピオン軽攻撃機テキストロン公式サイト)


Scorpion's First Flight

スコーピオンは対地攻撃に特化した軽攻撃機で、長時間高空から監視するのに都合が良いようにアスペクト比の高い細長い主翼を持ち、高い滞空性能を持ちます。エンジンの間隔を離した際にできたスペースで内装式の貨物室を設け、各種センサーを交換して様々な任務に対応出来ます。

またスコーピオンは主翼の換装とエンジンの単発化によってアメリカ空軍の次期高等練習機T-X計画に挑戦する事が出来ると、テキストロンのスコット・ドネリ―CEOは述べました。

T-X計画は現在、以下のような候補が名乗りを上げています。

・ホークAJTS(BAEシステムズ/ノースロップ・グラマン)
・M346マスター(アレニア・アエルマッキ/ジェネラル・ダイナミクス)
・T-50ゴールデンイーグル(KAI:韓国航空宇宙工業/ロッキード・マーティン)
・新規設計(サーブ/ボーイング)

※サーブ/ボーイングは当初グリペンをそのまま候補機に出すとアヴィエーションウィーク誌がスクープ報道していましたが、最近になってサーブが公式に「グリペンではなく新規設計の練習機となる」と回答しています。
19時40分 | 固定リンク | Comment (160) | 軍事 |
2013年12月06日
韓国が取得する予定のF-35A戦闘機は日本に建設予定のFACO(最終組み立てと検査工程)工場どころかアメリカに送る事なく重整備が出来る、韓国内から出す必要が無いとロッキード・マーティン社が説明しています。

次期戦闘機:「F35A、日本で整備することはない」- 朝鮮日報
ロッキード・マーチン社のデビッド・スコット取締役(国際事業開発および顧客総括担当)によると、
・F-35Aはテキサス州にある工場で生産し完成品として韓国に輸出する
・維持・保守など整備作業の為にF-35Aが韓国を離れる必要はない
・数十万ページに達するF-35Aの技術関連文書を韓国に提供する
・韓国がF-35Aを導入する際の条件はイスラエルや日本と同等

F-35Aの重整備に関してはこれまで韓国空軍は国会での答弁で「日本には出さずアメリカに送る」と説明して来ましたが、ロッキード・マーティンの説明ではそれすら不要で、韓国から出す必要はないとしています。かといって韓国のF-35Aは完成品輸入でFACOを韓国内に建設する話ではないので、FACOではないけれど重整備の出来る施設をロッキード側の了承の元に建設するという事なのでしょうか。

また別の報道ではロッキード・マーティン社は韓国国産戦闘機計画(KFX)の技術支援を行う事も約束しています。 Lockheed Martin ready to commit to help KFX project- THE KOREA TIMES

韓国のF-35戦闘機の契約内容によっては、日本と同様に一部部品の生産を了承される可能性が有ります。韓国航空宇宙産業(KAI)は10年前からボーイングにアパッチの胴体を製造納入している実績もあるので、技術的には問題ありません。将来的に、日本製造の部品を韓国空軍で使って韓国製造の部品を日本航空自衛隊で使う場合も有り得るでしょう。

【参考】ボーイング、AH-64DアパッチブロックV用新型胴体を受領 韓国航空宇宙産業が供給する最初の10機分 - ボーイング・ジャパン

F-35戦闘機は同じ種類の部品を複数の企業で生産して、在庫は全世界でリアルタイムによる共同管理を行い融通し合います。その為に従来の軍用機のような部品製造待ちという事態が起こり難く、ライセンス生産していない国でも稼働率が高める事が出来ます。ましてや共食い整備のような事をする必要は無くなるでしょう。

【参考】F-35A生産への国内企業参画 - 日本防衛省
※F-35戦闘機は全てのユーザー国の参加を想定したALGS(Autonomic Logistics Global Sustainment)という国際的な後方支援システムが採用されている。
21時56分 | 固定リンク | Comment (358) | 軍事 |
2013年12月04日
防衛省が公開した空中給油の動画です。


KC-767 空中給油・輸送機の報道公開が行われました:日本防衛省

KC-767空中給油/輸送機からF-15戦闘機にフライングブームによる空中給油を行っています。これほど綺麗に空中給油の様子を撮影した動画は初めて見ました。見たいところが全て映っていてとても参考になります。

次にアメリカ空軍のCV-22オスプレイの空中給油の様子です。


CV-22 Refuel

C-130空中給油/輸送機から給油ドローグを伸ばして貰い、CV-22オスプレイが給油プローブを刺し込んでいます。フライングブーム式は給油母機の側で刺し込むのを操作して貰えますが、プローブ&ドローグ式では給油を受ける側が刺し込みに行かなければならず、慣れていないとこの動画のように時間が掛ります。
23時45分 | 固定リンク | Comment (100) | 軍事 |
2013年11月22日
韓国空軍の次期戦闘機選定は9月の最終決定の直前段階まで最有力候補となっていたF-15SEを引っ繰り返し、選定をステルス能力を持つ事を条件とするように変更、F-15SEとタイフーンは再入札すらできず、本日、随意契約でロッキード・マーティンのF-35A戦闘機に決まりました。

韓国次期戦闘機 F35Aを40機導入へ=残り20機は再検討 - 聯合ニュース
「韓国軍は22日の合同参謀会議で、次期戦闘機(FX)として米ロッキード・マーチンのステルス戦闘機F35Aを40機、2018年から導入すると決定した。」
「残り20機についてもF35Aが有力視されているが、国産戦闘機(KFX)の研究開発に必要な技術獲得などを考慮し、F35Aとともに最終候補に残った欧州航空防衛宇宙会社(EADS)のユーロファイターと米ボーイングのF15SEを購入する可能性も残した。軍は2023〜2024年の戦力化を目標に20機を導入する方針だ。」

予算オーバーのF-35A戦闘機を買う為に当初の60機購入予定を40機に減らし、残り20機は後日に再検討するという事になっています。ただし残り20機は2023年以降の調達となるので、新たな買い手が見当たらないF-15系の製造ラインは既に閉鎖されている可能性が高く、ユーロファイターも現状のままでは製造ラインの維持は難しく、F-35Aを追加20機買う予算が捻出できるかどうかの問題になって来ます。


【過去記事】
(2013年09月24日)韓国次期戦闘機選定で最終候補のF-15SEを否決、選定やり直しへ
22時52分 | 固定リンク | Comment (211) | 軍事 |
2013年10月29日
アメリカ海軍の新型ステルス駆逐艦DDG-1000ズムウォルトがバス鉄工所で進水しました。政府機関閉鎖騒動の余波で正式な進水式典は春に延期されてしまい、寂しい進水となってしまった模様です。




進水直前の状態では155mmAGS砲の1番砲塔の砲身が垂直装填状態にあります。



アメリカ海軍の新型駆逐艦用艦載砲AGS - niconico

垂直に装填する理由はLRLAP長距離対地ロケット砲弾という長大な弾体の砲弾を最も少ないスペースで装填するためです。※動画ではLRLAPではなく通常砲弾を用いています
23時00分 | 固定リンク | Comment (200) | 軍事 |