このカテゴリ「軍事」の記事一覧です。(全420件、20件毎表示)

2013年10月29日
ロシア海軍が調達予定の強襲揚陸艦ミストラル型「ウラジオストク」艦載向けに試験中のカモフKa-52Kヘリコプターがモスクワ住宅街付近で墜落、炎上しました。(後の報道で艦載型ではなかったとありました。)



Ka-52Kは住宅街の僅か数m先に墜落し、乗員2名は重傷のようです。ヘリポート付近の雑木林です。

22時36分 | 固定リンク | Comment (17) | 軍事 |

2013年10月24日
防衛省技術研究本部HP:研究職採用案内:装備品開発と技本
http://www.mod.go.jp/trdi/saiyou/kaihatsu.html

防衛省の技術研究本部(略称・技本またはTRDI)が公式サイトで新しい試験動画「近接戦闘車用機関砲システム」 「携SAM(改)地上発射試験」 「シミュレーション統合システム」 「新対潜用短魚雷」を紹介しています。なんで初出の試験動画を研究職採用案内のページに置くのかよく分かりませんが・・・とても興味深い内容でした。なお閲覧には Windows Media Player が必要になります。特に「近接戦闘車用機関砲システム」の非常に高い発射速度(連射性能)が目を引きました。

近接戦闘車用機関砲システム

近接戦闘車は装輪型の歩兵戦闘車ですが、搭載する機関砲システム(40mm CTA機関砲)は高射機関砲搭載型の車両でも同じものを使う予定です。この大きな砲塔は試験砲塔であり、実用型は別の形状になるでしょう。

近接戦闘車用機関砲システム

CTA機関砲は各国で開発されており、機関砲弾をテレスコープ弾(Cased Telescoped Ammunition)とするのが大きな特徴で、機関砲弾の全長を短くする事が可能になります。防衛省技術研究本部は先ず50mm CTA機関砲を開発し、次に対空用の高射機関砲型に高い発射速度(連射性能)を与える為に40mmにサイズを落としています。有名な40mmボフォース機関砲L/70(発射速度毎分330発)と比べても、明らかに発射速度は高いように見えます。
23時09分 | 固定リンク | Comment (148) | 軍事 |
2013年10月09日
10月9日、陸上自衛隊の新型車両「機動戦闘車」が相模原市の陸上装備研究所で公開されました。

機動戦闘車を公開=2016年に部隊配備−防衛省 - 時事通信社
 └ 写真特集


【HD】機動戦闘車(MCV:Maneuver Combat Vehicle)

陸上自衛隊YouTube公式アカウントでPV動画も公開されています。装輪装甲車としては低い車体、砲塔後部の盛り上がり、大きく取れる砲の仰角、主砲先端の9列の螺旋状の孔(マズルブレーキ?)などが気に掛りますが、PV動画の最後の走行間射撃が衝撃でした。スラロームしながら砲を横に向けて撃っておきながら装輪とは思えない安定性の高さを見せ付けています。

機動戦闘車は全長8.45メートル、幅2.98メートル、重量26トン。イタリアのB1チェンタウロとほぼ同じくらいの大きさです。道路交通法の車幅2.5m制限を超えているので、平時に道路を走る時には事前の申請が必要になります。

なお機動戦闘車は新しいカテゴリーの装備であり、戦車と戦う為のものではないし、戦車扱いもされません。歩兵の支援と戦車以外の敵装甲車両の撃破が任務です。砲弾は74式戦車と同じ物を発射可能で、手動装填です。

正式採用が2016年になる場合、「16式機動戦闘車」と命名され、三菱重工が生産を担当する事になります。


機動戦闘車陸上自衛隊公式flickr

性能・諸元
乗員:4名
全備重量:約26t
全長:8.45m
全幅:2.98m
全高:2.87m
最高速度:100km/h
エンジン:水冷4サイクル4気筒
     ディーゼル機関
     570ps/2,100rpm
武装:105mm砲
   12.7mm重機関銃
   74式7.62mm機関銃


【参考リンク】機動戦闘車試作車公開!:dragoner.ねっと
 └ 機動戦闘車関連動画一覧

当日に陸上装備研究所へ取材に赴かれたdragoner氏のレポート。
12時08分 | 固定リンク | Comment (703) | 軍事 |
2013年09月24日
韓国空軍の次期戦闘機選定はロッキード・マーティンF-35ライトニングU、ボーイングF-15SEサイレントイーグル、EADSユーロファイター/タイフーンの三機種で争われていましたが、先月の最終入札でF-35が価格面で早々に脱落、ユーロファイターは土壇場に値下げして対抗馬として浮上するも書類不備で脱落し、F-15SEが有力候補として残る事になりました。そして今日の審議で最終的な承認が為される筈でしたが、土壇場でひっくり返されてしまいました。

韓国次期戦闘機事業 「F15SE」導入否決で振り出しに - 聯合ニュース
>韓国の防衛事業庁は24日、防衛事業推進委員会を開き、次期戦闘機の機種選定案を審議し、最終候補に挙げられた米ボーイングF15SEの選定を否決した。ステルス機の導入を求める軍の元幹部らの意見や否定的な国民世論の影響を受けたとみられる。

次期戦闘機選定振り出しに 空軍力の低下懸念=韓国 - 聯合ニュース
>防衛事業庁は今後、分割購入や機数縮小、事業費増額などの事業推進内容の変更を検討するものとみられる。どのような代案を選択するとしても、検討手続きから再び始める必要があり、次期戦闘機の戦力化が遅れるのは避けられない。 

韓国は周辺国(ロシア、中国、日本)が軒並みステルス戦闘機を配備する方針の中で危機感を強め、自分たちだけ非ステルス戦闘機のF-15SEでは心もとないと、ステルス戦闘機の配備を推す強い声によって次期戦闘機選定をやり直す事になりました。つまりロッキード・マーティンのF-35戦闘機を導入したいという事です。



F-35 Korea Promotion (韓国向けプロモーション動画)

再選定の上でやはりもう一度F-15SEに戻るという事も有り得ますが、現状ではF-35が欲しいが故に選定をやり直すということであり、このまま進めば韓国はF-35戦闘機を購入する方向になるでしょう。
19時17分 | 固定リンク | Comment (464) | 軍事 |
2013年09月18日
軽飛行機で有名なセスナ・エアクラフト・カンパニー(親会社はテキストロン)が新型軽攻撃機「スコーピオン」を製作中です。コンセプトの提案だけではなく既に去年から試験機体を製作中で、ある程度の形になっています。ゲリラ対策に使うCOIN(Counter Insurgency;対暴動)用の機体で、この任務に既存のF-16戦闘機などでは大袈裟過ぎる、かといってターボプロップ機では性能が不足している、小型のジェット練習機ならちょうど良いがやはり物足りない、そこで小型のジェット機で対地攻撃に特化した機体を作ろうというコンセプトです。低価格で配備できて維持費も安いのが最大の売りです。

A-10攻撃機のような長い直線の主翼は戦場での滞空性能を高めます。F-14戦闘機のように双発エンジンの間隔を離して配置する事で、片方のエンジンが被弾した際にすぐ隣のエンジンも被害を受けるといったリスクを低減し生存性を高めます。更にエンジンの間隔を離した際にできたスペースで内装式の貨物室を設ける事が出来ました。ここには単純に兵器を格納するだけでなく、各種センサーや通信用のモジュール、燃料タンクを設置する事が出来ます。

TEXITRON AIRAND "Scorpion JET" (スコーピオン軽攻撃機テキストロン公式サイト)

※Scorpion Jet - YouTube公式アカウント


Scorpion Jet - Engine Run


またスコーピオンはアメリカ空軍の次期高等練習機T-X計画に挑戦する事が出来るかもしれません。T-X計画は現在、

・ホークAJTS(BAEシステムズ/ノースロップグラマン)
・M346マスター(アレニア・アエルマッキ/ジェネラル・ダイナミクス)
・T-50ゴールデンイーグル(KAI:韓国航空宇宙工業/ロッキード)
JAS39Fグリペン(サーブ/ボーイング)

以上の4機種が候補に挙がっています。ボーイングは以前ステルス機のような形状の独自の新型練習機を提案していましたが、最近になってサーブと組んでJAS39Fグリペン(グリペンNG複座型)を練習機として売り込む事になりました。こうなってしまうと外国機だらけで、上記の4機種で最もアメリカとの関わりが深い機体はロッキードが大部分を設計したT-50になります。M346はイタリアのアレニアが売り込んでいますが、中身はロシア機のYak-130です。亜音速ジェット練習機から超音速ジェット練習機、そしてとうとう第一線で使える超音速ジェット戦闘機まで名乗りを上げたT-X計画ですが、此処にアメリカ国産機スコーピオンが加わるとますます選定はどうなるか分からなくなるでしょう。

Boeing And Saab To Propose Gripen For T-X - Aviation Week
※グリペンをアメリカ空軍次期練習機として提案するボーイングとサーブ。

Textron unveils light attack Scorpion - Defense News
※セスナ/テキストロンのスコーピオン開発チームはT-X計画に目を光らせている、との話も。その際は双発エンジンを単発エンジンに換装、主翼も変更するとテキストロンのスコット・ドネリ―CEO。

※追記:サーブ/ボーイングは当初グリペンをそのまま候補機に出すとアヴィエーションウィーク誌がスクープ報道していましたが、12月6日にサーブが公式に「グリペンではなく新規設計の練習機となる」と回答しています。
22時57分 | 固定リンク | Comment (370) | 軍事 |
2013年09月09日
防衛省の「平成25年度における政策評価について」に「事前の事業評価」の項目が追加されました。内容は「装輪装甲車(改)」や「将来隊員パワーアシスト技術の研究」など、新しい装備の試作研究が報告されています。

平成25年度 事前の事業評価 評価書一覧 - 防衛省

今回の事業評価では気になるイラストがありました。アメリカ海軍で建造中の新型駆逐艦ズムウォルトによく似た艦橋を持つ護衛艦が描かれているのです。以前にも似たようなイラストが出た事はありましたが、今回は特にズムウォルトに近い形状です。

平成25年度 事前の事業評価
※適応制御型高速ネットワーク技術の研究

平成25年度 事前の事業評価
※高出力マイクロ波技術に関する研究

「将来隊員パワーアシスト技術の研究」は、下半身のみならず上半身もアシストする事に注目です。

「将来隊員パワーアシスト技術の研究」
※将来隊員パワーアシスト技術の研究
20時50分 | 固定リンク | Comment (116) | 軍事 |
2013年08月30日
防衛省・自衛隊:我が国の防衛と予算−平成26年度概算要求の概要−(PDF:4.0MB) (平成25年8月30日掲載)
http://www.mod.go.jp/j/yosan/2014/gaisan.pdf

来年度の防衛予算概算要求が発表されました。高高度型滞空無人機の導入検討、水陸両用準備隊(仮称)の編成、サイバー防衛隊(仮称)の設立などが掲載されており、他に幾つか気になる点を紹介します。


○ 災害派遣等多目的に対応する救難艦の建造 (1隻:508億円)
・ 事故発生時に潜水艦の乗員を救出し、大規模災害時には医療支援・被災者支援等を行うため、潜水艦救難母艦「ちよだ」の後継として、新型潜水艦救難艦(ASR)(5,600トン型)を建造
・ 大規模災害等に対応するため、手術用寝台2床と病床約10床を設置するなど、医療機能を強化し、医療支援、被災者生活支援、入浴支援等の拠点として使用
・ 水難事故等に際し、飽和潜水の高い技量を有する潜水士による行方不明者捜索や、無人探査機(ROV)による沈没船舶の状況確認を実施

※1 DSRV(Deep Submergence Rescue Vehicle):深海救難艇
※2 ROV(Remotely Operated Vehicle):遠隔操作式無人探査機

平成26年概算要求

●新型潜水救難艇は病院船としての機能も併せ持ちます。

○ 艦載型無人航空機の海上自衛隊艦艇との適合性等に関する調査研究 (2百万円)
・ 艦上での運用が可能な既存の無人航空機について、技術動向、各機種の飛行性能、操作性、武器やセンサーなど搭載装備品、海上自衛隊艦艇への艦載適合性の確認など、導入に向けた調査を実施

平成26年概算要求

●MQ-8Cファイアスカウトでしょうか?

○ 艦艇の水陸両用戦能力の向上 (4億円)
・ 水陸両用戦に係る輸送能力を強化するため、海上自衛隊の「おおすみ」型輸送艦を改修
・ 26年度は、今後の大規模改修に向けた試設計等のほか、水陸両用車の収納に必要となるすべり止め塗料のLCAC甲板への塗布を実施
・ また、水陸両用戦における司令部機能を強化するため、「いずも」型護衛艦の多目的区画への電子会議装置の整備等を実施

●輸送艦「おおすみ」の大規模改修はまだ概要が分かりませんが、水陸両用車の搭載対応は滑り止め塗料の塗布でよいようです。

○ 水陸両用車の参考品購入 (2両:13億円)
・ 島嶼における不法行動及び侵攻事態に備え、島嶼を奪回する機能として水陸両用機能の整備に着手
・ 平成25年度予算においては、海上機動力や防護力等の性能や諸外国における運用実績、早期取得可能性等を踏まえ、参考品として、AAV7RAM/RS(人員輸送型)を取得
・ 平成26年度は、上記AAV7RAM/RSの性能確認及び運用検証等を行うとともに、AAV7RAM/RSの派生型である指揮通信型1両と回収型1両を追加取得

○ ティルトローター機の導入に向けた検討 (1億円)
・ ティルトローター機の性能情報や導入した場合の運用要領などに係る検討を実施
※ 平成27年度予算に、ティルトローター機の取得に係る経費を計上することを目指して検討作業を本格化

○ 次期戦闘機(F−35A)の取得 (4機:693億円※ )
※1 国内企業参画の範囲を拡大することに伴う初度費として、別途560億円を計上
※2 その他関連経費(教育用器材等)として、別途374億円を計上

●円安の影響などもあり、F-35A戦闘機は平成25年度の取得より単価が上昇しています。

○ 戦闘機の能力向上改修 (386億円)
周辺諸国の航空戦力の近代化に対応するとともに、防空等の任務に適切に対応するため、現有戦闘機の能力向上改修を実施
・ 戦闘機(F−15)近代化改修 (12機:150億円)
・ 戦闘機(F−15)自己防御能力の向上 (1機:25億円)
・ 戦闘機(F−15)NVG※1搭載改修 (1機:0.8億円 )
・ 戦闘機(F−2)空対空戦闘能力の向上 (132億円※2)
・ 戦闘機(F−2)へのJDAM※3機能の付加 (4機:11億円)
・ 戦闘機(F−2)へのターゲティング・ポッド搭載試改修(1機(試改修経費):67億円※4 )
※1 NVG(Night Vision Goggle): 夜間暗視装置
※2 機体改修(12機:38億円)のほか、改修用レーダーの取得(30式:94億円)を含む
※3 JDAM (Joint Direct Attack Munition): 精密誘導装置付爆弾
※4 量産化改修については1機あたり数億円を想定

平成26年概算要求

○ 南西地域の防衛態勢を早期に充実するための各種装備品を取得
・ 現有の88式地対艦誘導弾システムの後継として、射程や精度を向上した12式地対艦誘導弾を取得 (16両:302億円)
・ 中距離多目的誘導弾の取得 (18セット:71億円)
・ LJDAM誘導装置の取得 (13式:0.9億円)
航空自衛隊F−2から投弾されるLJDAM※を地上から誘導するためのレーザー誘導装置を陸上自衛隊に装備し、陸上・航空自衛隊による統合火力誘導を実施
※LJDAM:レーザー精密誘導装置付爆弾
・ 60mm迫撃砲(B)の取得 (12門:0.2億円)

平成26年概算要求

○ 固定式警戒管制レーダーの換装(FPS-7)及びBMD対処機能の付加 (1式:48億円)
・ 見島(山口県)の現有レーダー(FPS-2)をFPS-7へ換装するとともに、弾道ミサイル対処機能を付加

平成26年概算要求

○ 装輪装甲車(改)の開発 (47億円)
・ 国際平和協力活動、島嶼部侵攻対処等に伴う各種脅威に対応するため、96式装輪装甲車の後継として、被輸送性及び機動性(悪路走行能力を含む)を有し、防護力等の向上を図った装輪装甲車(改)を開発

平成26年概算要求


今回の平成26年度概算要求の中でも特に気になるのは「おおすみ」型輸送艦の大規模改修です。概算請求の資料では内容に付いて殆ど説明されていませんが、産経新聞では「オスプレイ搭載改修」としてエレベーターの換装や耐熱甲板などの改修を施すと報じています。なおオスプレイの仕舞い寸法は長さ63フィート(19.20m)、幅18フィート5インチ(5.61m)、高さ18フィート3インチ(5.56m)と、かなり長く高いです。果たして格納庫に入るのでしょうか・・・、これまで「おおすみ」型輸送艦の格納庫(本来は車両用)にはSH-60やUH-60しか収納された事はありません。

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海自輸送艦を大幅改修 4億円要求 離島防衛に本腰 - MSN産経ニュース(2013.8.24)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130824/plc13082408140005-n1.htm
21時54分 | 固定リンク | Comment (469) | 軍事 |
2013年08月20日
8月12日からF-35B垂直離着陸戦闘機が強襲揚陸艦ワスプでの第二期艦載試験を開始しました。8月14日には初めての艦載夜間離発着テストが行われています。

Marine test pilot makes first F-35B night landing at sea - Headquarters Marine Corps


F-35B Developmental Test Phase Two


F-35B Accomplishes First Night Vertical Landing Aboard USS WASP


F-35B Twilight Operations on the USS Wasp

アメリカ海兵隊はF-35Bを2015年12月までにIOC取得宣言する予定で、2017年には岩国基地へ配備する予定です。
21時57分 | 固定リンク | Comment (371) | 軍事 |
2013年08月19日
韓国空軍の次期戦闘機選定はロッキード・マーティンF-35ライトニングU、ボーイングF-15SEサイレントイーグル、EADSユーロファイター/タイフーンの三機種で争われていましたが、最終入札でF-35が価格面で早々に脱落、ユーロファイターは土壇場に値下げして対抗馬として浮上するも書類不備で脱落し、F-15SEが有力候補として残る事になりました。

韓国空軍の次期戦闘機、F−15SEが最有力候補に | Joongang Ilbo | 中央日報
http://japanese.joins.com/article/116/175116.html
>米ロッキード・マーティンの「F−35」が韓国政府が提示した予算範囲の8兆3000億ウォンより高い価格を提示したため排除され、ボーイングとEADSの一騎打ちとなるところだった。しかし最終確認の結果、ボーイングだけが入札範囲に入ることが確認された。

予算の壁で明暗分かれた韓国次期戦闘機事業 | Joongang Ilbo | 中央日報
http://japanese.joins.com/article/119/175119.html
>EADSは操縦席2席の複座機15機を含まなければならないという韓国側の要求にもかかわらず、「複座機は単座機に比べ価格が高く、韓国政府が提示した予算範囲に合わせるためには複座機は6機だけ可能だ」という立場を見せた。事業費に合わせるため条件を任意に調整し、機種選定候補から最終脱落した。

韓国空軍はステルス戦闘機であるF-35を望んでいましたが、購入予算が全く足りずに除外されています。60機の戦闘機の購入する予定で総事業費8兆3000億ウォン(約7270億円)は1機あたり121億円。これは機体単価ではなく諸経費や予備部品など込みの数字なので、とてもF-35は買えません。ユーロファイターでも無理がある数字です。F-15SEは既に韓国に同系列の機種F-15Kのライセンス生産製造ラインがある為に主翼と前部胴体の製造を行っている為に、生産や整備運用に関わる諸経費を圧縮できる優位性がありました。


서울에어쇼 Seoul AirShow 2011 F-15SE Silent Eagle

なおボーイング社はF-15SEに付いてステルス性を高める為のレーダーブロッカーとコンフォーマルウェポンベイの開発までは決まっていますが、垂直尾翼を傾ける改修は韓国側が予算を出した場合に開発するとしているので、予算不足の韓国側が応じるかどうかは不透明です。(追記:レーダーブロッカーはオプション装備と説明されており、これも韓国配備機に付くか不透明です。)
20時46分 | 固定リンク | Comment (275) | 軍事 |
2013年08月06日
本日、22DDHは正式に護衛艦「いずも」と命名され、進水しました。基準排水量19,500トン、全長248m。海上自衛隊最大の戦闘艦になります。全通式の飛行甲板を持つヘリコプター空母です。

護衛艦いずも
※作図・Gachar1203

83 いずも (DDH-183 IZUMO)
81 ひゅうが (DDH-181 HYUGA)
01 おおすみ (LST-4001 OOSUMI)


【命名・進水式】 新型護衛艦 "22DDH「いずも」" - 海上自衛隊


22DDH改めDDH183"いずも"進水! - dragoner.ねっと
19時54分 | 固定リンク | Comment (895) | 軍事 |
2013年07月26日
7月26日、ロシア海軍の最新鋭攻撃原潜ヤーセン型(885計画)の3番艦「ノボシビルスク」がセヴェロドヴィンスク市のセヴマシュで起工されました。ヤーセン型はロシアでは多目的原子力潜水艦と呼ばれ、垂直発射筒から「オーニクス」や「カリブル」といった対艦攻撃用や対地攻撃用の巡航ミサイルを発射する事が可能です。

Третья АПЛ проекта 885 "Ясень" будет заложена на Севмаше - РИА Новости

885計画ヤーセンは1番艦セヴェロドヴィンスクと2番艦カザンの間で建造間隔に15年以上の開きがあり、カザン以降は新しい設計を取り入れた改良型の改885計画ヤーセンMとなっています。カザンは2009年に起工され今年中に進水する予定です。2番艦カザンと3番艦ノボシビルスクは建造間隔が4年開きましたが、来年には4番艦も起工される予定で、ヤーセン型の建造ペースは加速して行く事になります。

В Северодвинске начнут строительство атомной подводной лодки "Новосибирск" - Металлоснабжение и сбыт
По госпрограмме вооружения до 2020 года ≪Севмаш≫ должен построить 7 атомных подлодок классов ≪Ясень≫ и ≪Ясень-М≫.

ロシア海軍の計画では2020年までにヤーセンおよびヤーセンM型潜水艦を7隻建造する予定で、今後暫くは毎年1隻起工する建造ペースになります。これとは別に同期間までに10隻建造という報道もされていますが、起工した数と就役した数の差異だと考えると辻褄が合います。

またロシア海軍ではヤーセン型の他に巡航ミサイル原潜オスカーU型を2020年までに近代化改装を施し、グラニート超音速巡航対艦ミサイル(現在、目標選定用のレゲンダ海洋監視衛星システムは運用停止している)の発射機をオーニクスとカリブルの共用発射機に換装して2020年以降も使い続ける予定です。

改装オスカーUと新造ヤーセンは巡航ミサイルを用いて対艦攻撃も対地攻撃も可能な万能型の原子力潜水艦であり、今後のロシア海軍の中心となる巡航ミサイル発射プラットフォームとなるでしょう。(一方、アメリカ海軍はトマホーク巡航ミサイルは対地攻撃用のみ、潜水艦用のハープーン対艦ミサイル水中発射型は運用停止)
12時16分 | 固定リンク | Comment (76) | 軍事 |
2013年07月16日
海上自衛隊よりお知らせがあります。

2013/07/16 平成22年度護衛艦の命名・進水式について(PDF)
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/info/news/201307/071601.pdf

平成22年度護衛艦「いずも」

・・・8月6日に進水するヘリコプター搭載型護衛艦(計画名22DDH)の艦名がPDFファイルには黒塗りされていましたが、ドラッグ&コピーで「いずも」と書かれてある事が判明してしまいました。PDFファイルの取り扱いミスで「命名式終了まで公表を控えさせていただきます」とある秘密の艦名が発覚しています。(追記:現在は既にPDFファイルは修正済み) ※WEB魚拓

いずも=出雲(山陰地方の旧国名。現在の島根県東部)

出雲(装甲巡洋艦)- Wikipedia 

飛鷹 (空母) - Wikipedia 

旧海軍からの艦名継承は装甲巡洋艦「出雲」になります。またヘリコプター護衛艦「ひゅうが(日向)」「いせ(伊勢)」との絡みで伊勢神宮・出雲大社の日本神話繋がりや、旧海軍の客船改装空母「飛鷹」の客船時の予定船名「出雲丸」を思い起こさせる命名だと思います。
18時00分 | 固定リンク | Comment (260) | 軍事 |
2013年07月15日
7月14日(Quatorze Juillet)はフランスでは国民の休日、バスチーユ監獄襲撃を記念する日でした。なおパリ祭は日本だけの呼び名です。毎年この日は凱旋門とシャンゼリゼ通りをフランス軍がパレードで大行進し、最新鋭戦車の大群が路上を埋め尽くします。其処で今年の様子を紹介したかったのですが、フランス軍は動画をUPしてくれていなかったので、数年前のパレードの様子を紹介したいと思います。


Défilé 14 juillet 2006 Paris

2006年パリ祭の軍事パレードの様子です。ロワレ県オリヴェに駐屯するフランス陸軍第6-12胸甲騎兵連隊のルクレール戦車がシャンゼリゼ通りを埋め尽くしています。


Char Leclerc dans Marseille (1er cuirassiers, 3e escadron)

こちらは2004年パリ祭の様子。パレードに向かう途中でしょうか、ブーシュ=デュ=ローヌ県に駐屯する第1-11胸甲騎兵連隊の第1胸甲騎兵戦闘群、第3中隊のルクレール戦車です。欧州の戦車はフランス軍に限らず市街地を移動する事が多いのでウィンカーやブレーキランプも完備していますが、フランス軍のルクレール戦車の場合は回転赤色灯も付けてばっちりです。ところで動画の後半から十字路を曲がるの、ちょっと速過ぎるような・・・覆帯で道路が痛みそうな気がしますけれど、いいんでしょうかね?
20時47分 | 固定リンク | Comment (46) | 軍事 |
2013年07月14日
ヘリコプター護衛艦でも運用できる垂直離着陸戦闘機「F-35B」を艦載戦闘機として導入しようとする動きが政府内にあると報道されています。

日本政府、艦載機として新たに「F-35B」導入を検討 - FNNニュース
>日本政府は、2020年代半ば以降の導入を目指し、検討している。


日本政府、艦載機として新たに「F-35B」導入を検討(13/07/14)

報じているのがFNNニュースのみで具体的な話ではないのですが、注視して行きたいと思います。建造中のヘリコプター護衛艦「22DDH」ともうすぐ起工予定の「24DDH」は現行の全通甲板型ヘリコプター護衛艦「ひゅうが」「いせ」より大きく、F-35B搭載の噂は以前から出ていましたが、政府が検討という話となって出て来たのはこれが初めてになります。

また「ひゅうが」の時点で飛行甲板は耐熱処理済みの仕様である可能性が高く、ヘリコプターではなく排気が下を向く垂直離着陸機(ハリアー、オスプレイ、F-35B)の運用はずっと以前から考えられていた事であるのかもしれません。もしもF-35B導入となるとそれを支援するオスプレイの早期警戒型や空中給油型も導入検討の対象になり得ます。

ヘリコプター護衛艦「ひゅうが」の飛行甲板は耐熱処理済みか(JSF) - Y!ニュース

F-35B
※米海兵隊より、F-35BライトニングU
02時09分 | 固定リンク | Comment (357) | 軍事 |
2013年07月11日
7月10日、ノースロップ・グラマン社が開発中のアメリカ海軍ステルス無人攻撃機X-47Bが地上基地から発進し、大西洋上の空母ジョージ・ H・W.・ブッシュへの着艦に成功しました。史上初の出来事であり、本格的な無人攻撃機の空母艦載運用が可能であることを実証しました。そして続いて空母からのカタパルト発進→着艦も成功させ、2連続で着艦に成功しています。

X-47B Makes First Arrested Landing at Sea - U.S.Navy


X-47B Completes First Carrier-based Arrested Landing


X-47B Completes First Carrier-based Arrested Landing (2)


X-47B Completes First and Second Carrier-based Arrested Landings


X-47B Completes Second Carrier-based Arrested Landing

X-47Bは従来の遠隔操縦を行う方式の無人攻撃機と異なり、有人戦闘機の指揮官機から簡単な指令を受け取った後は半自律的に行動する事が可能です。これまでの無人攻撃機は不正規戦への投入用で正規軍相手には通用しない代物だったのに対し、X-47Bは前述の運用方法と高いステルス能力により敵正規軍への攻撃が可能になります。これは今後の戦争の形態を変える存在となり得るもので、アメリカ以外でもイギリス(BAEタラニス)、フランス(ダッソーnEUROn)、ロシア(MiGスキャット)、中国(利剣)といったように各国でも艦載型ではないですが同様の性能を持つステルス無人攻撃機を開発中です。

(2013年05月15日)アメリカ海軍の無人攻撃機X-47Bが空母からのカタパルト射出試験に成功
(2012年12月02日)アメリカ海軍の無人攻撃機X-47Bが地上からのカタパルト射出試験に成功
04時03分 | 固定リンク | Comment (90) | 軍事 |
2013年06月24日
6月21日午前7時56分頃、宮城県金華山南東方沖約1200kmの海域で、テレビ局の企画で太平洋横断に挑戦していたヨット「エオラス号」が浸水転覆し乗員2名(全盲のヨットマンとテレビアナウンサー)が救命艇で脱出し漂流。海上自衛隊のUS-2飛行艇が出動して救助に成功しました。

宮城県金華山南東方沖1200km

宮城県金華山(きんかさん)南東方沖における人命救助に係る災害派遣について(最終報)- 防衛省 平成25年6月21日
10時00分 第2管区海上保安本部長から航空集団司令官に対し、災害派遣要請。
10時49分 第4航空群のP−3C×1機が離陸。
11時39分 第31航空群のUS−2×1機が離陸。(波高が高く帰投)
15時05分 第4航空群のP−3C×1機が離陸。
15時08分 第31航空群のUS−2×1機が離陸。
18時14分 上記US−2が乗員を救助。(体調に異常なし)
22時30分 厚木航空基地にUS−2が到着。
22時40分 撤収要請。

【機体紹介】海・空・陸をつなぐUS-2 | 新明和工業株式会社


【機体紹介】JMSDF ShinMaywa STOL US-2 and US-1A demo-flight

片道1200kmではヘリコプターは全く届かず、ティルトローター機オスプレイの行動半径をも超えています。(オスプレイで行く気なら空中給油を行う必要)。US-2飛行艇の行動半径は1900km(現場での2時間捜索込み)なので距離的には余裕が有りましたが、救助現場の波高は3〜4mもあり、波高3mまでなら離着水出来るUS-2飛行艇にとっては限界ぎりぎりの救助任務でした。通常はP-3C哨戒機が救助対象を捜索し、US-2飛行艇を誘導します。今回はそれを2セット出動させました。

ヨットが遭難した理由については映像からマッコウクジラと衝突したのではないかという分析が出ています。

ヨット浸水直前映像公開 クジラ?ぶつかる:日本テレビ

23時22分 | 固定リンク | Comment (248) | 軍事 |
2013年06月11日
6月5日、カリフォルニア州ポイントマグー射撃場でF-35A戦闘機がAIM-120中距離空対空ミサイルをウェポンベイから発射するテストに成功しました。昨年は投下テストまででしたが、今回はミサイルのロケットモーターに点火しています。


First F-35A In-Flight Missile Launch

・関連記事
(2013年06月01日)アメリカ空軍はF-35A戦闘機の初期作戦能力取得を2016年に早める
02時41分 | 固定リンク | Comment (87) | 軍事 |
2013年06月01日
5月31日に発行されたアメリカ国防総省の議会向け報告書によると、空軍のF-35A戦闘機の初期作戦能力(IOC)取得はこれまでの2017年予定から1年前倒しされて2016年12月まで(8〜12月に予定)に宣言される事になりました。F-35AのIOC取得は2019年以降に遅れる可能性が指摘されていた中で、決定された予定表は逆に早まる事になります。海兵隊の垂直離着陸型F-35Bは2015年12月までにIOC取得宣言予定で、海軍の空母艦載型F-35Cは2019年2月までを予定しています。

・F-35B 2015年12月までにIOC取得
・F-35A 2016年12月までにIOC取得
・F-35C 2019年02月までにIOC取得
※ブロック3Fソフトウェアの完成は2017年8月を予定

これまで海兵隊はソフトウェアが未完成な状態のブロック2B/3IのままIOC取得、空軍と海軍は完全版ブロック3Fの完成を待ってからIOC取得を宣言する予定でしたが、空軍は海兵隊と同様にブロック2B/3Iの状態でIOC取得する計画に変更しています。国防総省はF-35戦闘機は2B/3Iの状態でも既存の戦闘機より強力であると評価しています。

ブロック2Bと3Iは一部の能力(短距離空対空ミサイルの運用能力など)が制限された状態です。2Bと3Iはほぼ同じもので、3Fが当初のIOC取得用の完全版となる予定でした。なおソフトウェアの更新は3Fで終わりではなく、ブロック4、ブロック5と、2年に1回のペースで新しいバージョンが登場し、既存の機体も書き換えられていく予定です。2B/3Iで生産した機体も3F以降にソフトウェアを書き換え可能です。

なお5月23日に国防総省より発表された報告書では、F-35戦闘機計画の全体のコストが45億ドル下がっていました。これまで増えるばかりであったコストが初めて減少に転じ、明るい兆しが見えています。

US Air Force: F-35 To Be Deployable in '16 - Defense News
Pentagon: F-35 Program Costs Fell $4.5 Billion Last Year - Defense News

F-35
09時08分 | 固定リンク | Comment (120) | 軍事 |
2013年05月21日
5月10日、メリーランド州パタクセントリバー海軍航空基地でF-35B戦闘機が初めての垂直離陸テストに成功しました。通常、F-35B戦闘機の離陸は滑走離陸ないし短距離滑走離陸で運用されます。垂直離陸運用では搭載できる兵装と燃料が大幅に減ってしまう為に、緊急時や短距離移動のみで使われます。


First F-35B Vertical Takeoff Test

F-35B戦闘機は以下の離着陸形態が全て実行可能です。

垂直離陸(ノズル垂直) 短距離滑走離陸(ノズル斜め) 通常滑走離陸(ノズル水平)
垂直着陸(ノズル垂直) 短距離滑走着陸(ノズル斜め) 通常滑走着陸(ノズル水平)

※短距離滑走着陸に付いては「空中停止せず滑り込みながらノズルを垂直以上に立てて制動しつつ降りる」という表現が実態に近いです。最終的に短距離滑走離陸とは逆方向にノズルを斜めにします。

同じ垂直離着陸戦闘機であるハリアー戦闘機の場合、着陸形態は垂直着陸での運用になります。ハリアーは通常滑走着陸での運用を考えておらず、脚の強度と車輪のブレーキの容量が小さい為で、緊急時や横風が特に強い場合以外では通常滑走着陸を行いません。F-35Bは脚が通常滑走離着陸専用のF-35Aと共通である為、そのままA型と同様の運用も可能です。基本的にはハリアーもF-35Bも短距離滑走離陸・垂直着陸(STOVL)運用になります。

ただし新しい運用形態も構想されています。


CVF F-35B Night SRVL Animation

イギリス軍ではF-35Bを空母で運用する際、短距離滑走着艦(SRVL)を検討しています。これは短距離滑走発艦・短距離滑走着艦(STOSL)という形態になり、母艦に帰還する際に持って帰られる兵装のペイロードをSTOVLより増やす事を狙っています。

Shipborne rolling vertical landing (SRVL) - Wikipedia

SRVLは直訳すると滑走垂直着艦。ノズルを立てるけれど空中停止せず滑り込む短距離滑走着艦です。

Lockheed gets funds for UK F-35 landing modification - Flightglobal
Developed by the UK, the SRVL technique will enable the F-35B to return to an aircraft carrier's deck carrying more weapons or fuel than possible when making a vertical landing.

Approaches would typically be flown at 60-70kt (111-129km/h) and with a flight path angle of 6-7°. An algorithm is used to calculate the optimum approach profile for given sea conditions, while the best landing point will be highlighted by using deck lighting.

F-35BによるSRVLは垂直着陸よりも多くの兵装と燃料を保持したまま母艦に戻る事が可能で、アプローチ速度は60-70kt(111-129km/h)となります。これはF/A-18戦闘機の半分以下の速度です。しかし第二次世界大戦時のレシプロ戦闘機の零戦の着艦速度とほぼ同じで、着艦フックを有していないF-35Bでどうやって止まるのか。ハリアーでは可変ノズルでPNB(power nozzle braking)というスラストリバーサーに似た効果の制動が出来るので、F-35Bでもノズルを90度以上に曲げて同様の制動を掛けるのでしょう。


(2010年03月19日)F-35Bが垂直着陸に初成功
23時10分 | 固定リンク | Comment (82) | 軍事 |
2013年05月15日
5月14日、アメリカ海軍で試験中の艦載型無人攻撃機ノースロップ・グラマンX-47B UCAS(Unmanned Combat Air System,無人戦闘航空システム)が大西洋上で空母ジョージ・H・W・ブッシュからカタパルト射出試験に成功しました。X-47Bはその後パタクセントリバー海軍航空基地に帰還。次の試験は空母への着艦試験になります。

Naval Air Forces Commander Calls X-47B Catapult Launch from USS George H.W. Bush a Pivotal Moment in Naval Aviation - U.S.Navy


CVN77 UCAS Launch


X-47B Completes First Carrier-based Launch (Short) 1


X-47B Completes First Carrier-based Launch (Short) 2


CVN77 UCAS Launch 4


X-47B Lands at Naval Air Staion Patuxent River (滑走着陸)

以上が5月14日の一連の試験動画です。
なおX-47Bは10日前の5月4日、パタクセントリバー海軍航空基地の地上施設でワイヤー制動着陸試験に成功しています。


Northrop Grumman, U.S. Navy Conduct First Arrested Landing of X-47B (ワイヤー制動着陸)

カタパルト射出は地上からと艦上からであまり違いはありませんが、制動ワイヤーを用いた場合の着陸と洋上の空母への着艦では困難さに大きな差が有ります。これから行われるであろう着艦試験で成功すれば、艦載型無人攻撃機の実用化は大きく前進するでしょう。X-47Bは従来の遠隔操縦を行う無人攻撃機と異なり、有人戦闘機の指揮官機から簡単な指令を送った後は半自律的に行動出来る上にステルス性も高く、実用型は敵正規軍への作戦を実施する事が可能になります。これまでの無人攻撃機はゲリラ対策の不正規戦への投入用で正規軍へは通用しない代物でした。アメリカ海軍のX-47Bは今後の戦争の形態を変える存在となり得るもので、イギリス、フランス、ロシアでも艦載型ではないですが同様の性能を持つ無人攻撃機を開発中です。最近では中国も同様の無人攻撃機を試験中であることが分かっています。

(2012年12月02日)アメリカ海軍の無人攻撃機X-47Bがカタパルト射出試験に成功 (地上射出試験)
08時00分 | 固定リンク | Comment (311) | 軍事 |