このカテゴリ「軍事」の記事一覧です。(全420件、20件毎表示)

2013年05月01日
4月29日、アフガニスタンのバグラム空軍基地で民間航空会社の運航するボーイング747型旅客機(貨物型)が墜落、乗員7人全員が死亡しました。タリバンが犯行声明を出していますがNATO広報官は否定。車両からドライブレコーダーで偶然に事故の様子を撮影していた動画がありますが、攻撃を受けた様子はありません。

747型機は離陸直後に失速して墜落しています。

アフガンの空軍基地で輸送機墜落、7人全員死亡 NATO発表 - AFP通信


National Airlines Boeing 747-400 crashes at Bagram Airfield 29.04.2013

ドライブレコーダーの日付けは2月1日となっていますが、正確に合わせずに日付けを設定していたようで、これは4月29日の映像です。はっきりと分かる形で機体が失速して墜落する様子が撮影されていますが、事故原因に付いてはまだ調査中です。初期調査では貨物室の積み荷が動いたという報告が有り、重心が後ろに移動して失速に至った可能性が有ります。

なおアフガニスタンでは27日に南部ザブール州でビーチクラフトMC-12Wリバティ偵察機が墜落して4人が死亡したばかりです。
02時51分 | 固定リンク | Comment (119) | 軍事 |

2013年04月07日
米議会調査局(CRS)の報告書では、中国軍が開発しているとされる対艦弾道ミサイル(ASBM)は対処が不可能なものではなく、対抗手段を用意できるもので、海軍の戦略に変更を迫るようなゲームチェンジャーではないとされています。

[PDF] China Naval Modernization: Implications for U.S. Navy Capabilities−Background and Issues for Congress | Congressional Research Service (March 21, 2013)

63ページの「Navy's Ability to Counter China's ASBMs (中国のASBMに対処する海軍の能力)」からが該当部分です。対艦弾道ミサイルのキルチェーンを断ち切って無効化できるとあります。

※キルチェーン(Kill Chain)・・・発見(find)、固定(fix)、追跡(track)、照準(target)、交戦(engage)、査定(assess)という6段階に分けられた目標処理プロセス。元は米空軍で用いられていた概念。

中国のDF-21D対艦弾道ミサイルは一切公開されておらず実地試験もまだの未完成で未知の兵器ですが、MaRV(機動式再突入体)は最終的な誘導にレーダーと光学センサーを併用搭載していると見られています。また目標の探索手段には海洋監視システム(無人偵察機などを含む)の情報を利用します。

CRS報告書ではキルチェーンを断ち切る為に、第一に発見、固定、追跡といった初期プロセスを電波妨害や偽装電波で困難にさせる事、第二に対艦弾道ミサイルをあらゆる飛行領域で撃墜する手段の獲得、第三に対艦弾道ミサイルを惑わせる事が提言されています。

迎撃手段としては大気圏外迎撃用のSM-3を対艦弾道ミサイルに対応させた改良型を用意する事。(ただし現状では相手となるDF-21D対艦弾道ミサイルが中間コースでどのような機動を行う代物かまだ分からないので、判明後に対応改修を施す事になりますが、実態次第では特にSM-3改修の必要無く対応できる可能性もあります。)それと大気圏内迎撃用のSBT(海上配備終末コース防御)として既に配備済みのSM-2ブロック4の後継であるSM-6の取得を早める事。将来的には電磁レールガン(EMRG )、自由電子レーザー砲(FEL)、固体レーザー砲(SSL) の開発と配備。

そして対艦弾道ミサイルを惑わせる為により強力な電子戦システムを艦艇に搭載し、海軍は受動防御を強化しなければならないとあります。


Air and Missile Defense Radar 次期イージス艦向け新型レーダー「AMDR」

そもそも長射程の対艦弾道ミサイルは技術的に矛盾を抱えた存在です。極超音速であるが故に撃墜され難いのですが、しかし極超音速のまま厚い大気に突入すると速過ぎて自身の誘導がままならず、猛烈な空力過熱で目標の捜索探知も困難になります。地上の固定された目標なら微修正で済むので何とかなりますが、洋上を動き回る目標を狙うのは非常に難しく、実用化を阻んでいます。速度を大きく落とせば問題は解決しますが、今度は容易に撃墜されてしまいます。

中国の開発しているとされる射程1500km以上のDF-21D対艦弾道ミサイルは、通常の弾道ミサイルならばマッハ10を超える速度になり、この速度を保ったまま艦隊に突入して来るとは到底信じられず、どれだけ速度を落として突入して来るかが焦点になります。高空を山なりに飛んで来る弾道ミサイルである以上発見されやすく、もしマッハ3程度ならMD非対応の通常の迎撃ミサイルでも対処可能です。マッハ5程度でもMD対応の大気圏内迎撃ミサイルならば問題無く対処出来ます。そしてマッハ10であっても中間コースの大気圏外で迎撃してしまえば対艦弾道ミサイルも通常の弾道ミサイルも同じですので、イージスBMD(弾道ミサイル防衛)を保有する米海軍にとって対艦弾道ミサイルは大きな脅威になるとは思えません。

中国の「接近拒否」戦略に置ける対艦弾道ミサイルの位置付けは、米空母を撃破する目的の決戦兵器ではなく、米空母の艦載機が手を出し難い内陸部からアウトレンジ攻撃を仕掛けて嫌がらせを行う程度の代物にしかならないと技術的には判断出来ます。あるいはイージス艦の護衛していない補助船舶を狙うか、どちらにせよ高価な割に大した成果は望めない費用対効果の低い兵器です。手の届かない場所から一方的に攻撃を仕掛けられると相手に思わせる事そのものが狙いで、接近を躊躇させるように心理的な誘導を図る。実際に効果的な打撃を与えられるかは二の次。それが「接近拒否」の手段の一つということなのでしょう。まがりなりにも旧ソ連軍が洋上で米空母を対艦巡航ミサイル飽和攻撃で積極的に撃破する事を狙っていたのに対し、接近を拒否するだけの中国軍の方針は後ろ向きなものです。しかし現時点の中国の戦力では積極的に打って出る事は難しく、仕方なく選択した結果なのかもしれません。

対艦弾道ミサイルが実用化されたら米空母は無用の長物と化すといった劇的な変化は、恐らくは訪れないでしょう。
16時28分 | 固定リンク | Comment (75) | 軍事 |
2013年04月06日
対艦弾道ミサイル(ASBM)はイラン軍で実用化されたものがあります。
Khalij Fars(ハリジ・ファルス)、ペルシャ語で意味は「ペルシャ湾」


شلیک موشک مافوق صوت خلیج فارس

誘導は赤外線画像方式を使っているようでミサイル先端に光学機器を収めた透明ドームが付いています。このミサイルはファテフ110という固体燃料式の小型短距離弾道ミサイルをベースとしており、射程は300km、速度はマッハ3程度です。動画のペルシャ語のタイトルは「極超音速ミサイル」とありますが、極超音速(マッハ5以上)には届きません。そしてハリジ・ファルスは弾道ミサイルなので高空を山なりに飛んで来るため発見されやすく、マッハ3程度の速度なら通常の対空ミサイルでも迎撃出来てしまいます。射程も短く、大きな脅威ではありません。

弾道ミサイルは射程が長いほど速度も速く、撃墜は困難になりますが、速過ぎる速度は目標の捜索や自身の誘導も困難としてしまい、長射程の弾道ミサイルを用いた対艦弾道ミサイルの実用化を阻んでいます。
19時29分 | 固定リンク | Comment (49) | 軍事 |
2013年04月05日
4月2日、F-35Bが初の夜間垂直着陸に成功しました。アメリカのメリーランド州パタクセントリバー海軍航空基地です。

First Night Vertical Landing - CODE ONE


First F-35B Night Vertical Landing



F-35B Hovers, Lands

昼間では通常着陸、短距離着陸、垂直着陸をF-35Bは既に実施済みです。(アリゾナ州ユマ海兵隊航空基地)

比較

垂直離着陸ジェット戦闘機とオスプレイの排気温度の違い。
21時32分 | 固定リンク | Comment (67) | 軍事 |
2013年03月30日
3月26日、新型のP-1哨戒機の量産型1号機と2号機が海上自衛隊に納入され、3月29日に厚木基地へ配備されました。これから2年間の訓練と運用試験を行い、その後に実戦任務へ就きます。


海上自衛隊の次期哨戒機P1納入式 (3月26日、川崎重工業岐阜工場)


厚木基地に次期哨戒機P1を配備 (3月29日、海上自衛隊厚木航空基地)


海上自衛隊 P-1 次期哨戒機 @ 厚木基地 (2013.3.29)

P-1哨戒機は前任機のP-3C哨戒機よりも騒音が小さく、市民団体の厚木基地爆音防止期成同盟(通称:厚木爆同)はさぞ歓迎しているだろう・・・と思いきや、厚木爆同は「騒音源が存在する限り、私たちは受け入れられない。性能を向上させた機種導入は周辺国をいたずらに刺激し緊張を高めるだけ」などと無茶苦茶な難癖を言いだしています。

次期哨戒機:P1厚木配備で4団体が抗議文 /神奈川 - 毎日新聞

騒音が小さい機体と入れ替えれば騒音被害は減ると思うのですが・・・また、自家用車だろうとパソコンだろうと軍用機だろうと古くなったら入れ替えるのは当たり前で、周辺国の軍隊も新型機に入れ替えているので(中国海軍の新型哨戒機「高新六号」など)、日本だけ古い機材を使い続けるという事は出来ません。兵器そのものが受け入れられないという主張は反戦平和団体が言うなら分かりますが、爆音防止が目的の市民団体が言うのは目的から外れていますし、騒音が減る機体を拒否するというのは本末転倒な話です。
21時26分 | 固定リンク | Comment (204) | 軍事 |
2013年03月24日
アメリカ海軍から対地攻撃用トマホーク巡航ミサイル核攻撃型(TLAM / N)が完全に退役しました。以前から核トマホーク用W80-0核弾頭はミサイルから外されて地上で保管されていましたが、昨年の内に全て解体されています。全米科学者連盟(FAS)のハンス・クリステンセン氏が18日、新たに更新された海軍訓令から核トマホークの記述が削除されていた事を指摘し、また21日に追記された内容では、核兵器の管理を行うB&Wパンテックス社の2012年度の報告書に、核トマホーク用のW80-0核弾頭に付いて「備蓄の全てが解体済み」と書かれてある事が判明しています。

US Navy Instruction Confirms Retirement of Nuclear Tomahawk Cruise Missile
(アメリカ海軍訓令で核トマホーク巡航ミサイルの退役を確認)

これでアメリカ海軍の戦術核兵器は全て消え去り、運用する核兵器は戦略核兵器のみ、つまり戦略原潜に搭載された水中発射弾道ミサイル(SLBM)だけになります。攻撃原潜や駆逐艦や巡洋艦、空母にはもう核兵器は積みません。核軍縮の成果であり、ロシア海軍もアメリカと同様に戦術核兵器を廃棄して海軍の核兵器を戦略原潜のみに搭載しています。戦略原潜は自国近海の防備の厚い海域から大陸間弾道ミサイル並みの射程を持つSLBMで敵国を狙い撃つ兵器なので、他国を訪問する事はありません。よって米露の軍艦が他国を訪問する際に港湾担当者が核兵器搭載の有無を照会する必要はもう無くなりました。存在しないものは積みようがありません。(※通常弾頭型トマホークは現役です。)

現在運用されているアメリカ軍の核兵器は海軍のSLBMの他に、空軍の大陸間弾道ミサイル(ICBM)と戦略爆撃機専用の空中発射巡航ミサイルALCM核弾頭型(W80-1核弾頭)、戦略爆撃機と戦闘機に搭載できるB61戦術核爆弾とB83戦略核爆弾が有ります。ICBMはアメリカ本土、SLBMはアメリカ本土近海にあり、西太平洋のアメリカ軍の基地で核兵器を置いているのはグアムのアンダーセン空軍基地にある戦略爆撃機搭載用だけです。ALCM巡航ミサイルはB-52戦略爆撃機専用で、ステルス機であるB-2戦略爆撃機が自由落下核爆弾を運用します。(B-1戦略爆撃機は核兵器運用能力が外されました。)

ALCM

戦略爆撃機の航続距離ならばグアムから発進すれば中国全土、北朝鮮、ロシア東部を往復する事が可能で、空中発射巡航ミサイルならばフィリピン海の中央から発射しても攻撃が可能です。最近、米韓合同軍事演習にグアムからアメリカ空軍のB-52戦略爆撃機が参加しましたが、今回の訓練では韓国の基地には降りていません。実戦の場合でも戦略爆撃機が韓国に降りる必要はありません。また釜山港にアメリカ海軍の攻撃原潜シャイアンが入港しましたが、「核ミサイルは搭載していない」と韓国聯合ニュースは報じています。

韓米連合海上機動訓練 米原子力潜水艦が参加(聯合ニュース) - Y!ニュース

もはや核トマホークは存在せず、攻撃原潜は核兵器を積んでいません。空母やイージス艦も同様です。「核兵器を搭載した艦艇を日本や韓国に入港させて睨みを効かせよう」という発想はアメリカ軍にはもう無く、東アジアの最前線で核兵器を見せ付ける役目はグアムの戦略爆撃機に絞られました。

アメリカ太平洋軍YouTube公式アカウントより。

A B-52 Stratofortress conducts a training flight over the Republic of Korea, March 19, 2013
(2013年3月19日、B-52ストラトフォートレス戦略爆撃機が韓国上空の演習飛行に参加)
10時04分 | 固定リンク | Comment (217) | 軍事 |
2013年03月07日
3月6日に三菱重工業神戸造船所で「そうりゅう」型潜水艦5番艦「ずいりゅう」が海上自衛隊に引き渡され、3月7日に三菱重工業長崎造船所で「あきづき」型護衛艦2番艦「てるづき」が海上自衛隊に引き渡されました。どちらも横須賀に配備される予定です。


潜水艦「ずいりゅう」引き渡し 三菱重工業神戸造船所 


【引渡式・自衛艦旗授与式】 護衛艦「てるづき」 DD "Teruzuki" commission

SS-501「そうりゅう」=「蒼龍」
SS-502「うんりゅう」=「雲龍」
SS-503「はくりゅう」=「白龍」
SS-504「けんりゅう」=「剣龍」
SS-505「ずいりゅう」=「瑞龍」

DD-115「あきづき」=「秋月」
DD-116「てるづき」=「照月」
DD-117「すずつき」=「涼月」
DD-118「ふゆつき」=「冬月」
23時26分 | 固定リンク | Comment (239) | 軍事 |
2013年02月21日
ノースロップ・グラマンYouTube公式がF-35戦闘機向けレーダー「AN/APG-81」の日本語解説動画を新たにUPしました。英語版は以前からありましたが、2月20日に日本語版と韓国語版が追加されています。


F-35 JSF AESA Radar (Japanese language) - APG-81

電子光学分散開口システム「AN/AAQ-37 EO DAS」の日本語解説動画に続き、ノースロップグラマンYouTube公式は最近になってF-35戦闘機用の装備に付いて日本語解説と韓国語解説(但し韓国語は字幕のみ)を追加するようになりました。ただしDASとAPG-81の解説動画には日本語と韓国語が用意されていますが、DASのロケット発射追跡動画は韓国語字幕版はUPされましたが日本語版は用意されず、ノースロップグラマンの最新動画(過去の動画の翻訳版ではない)であるDASによる火砲車両識別動画には説明部分の最後に韓国語を載せてあり、韓国向けには対地攻撃能力(弾道ミサイル狩り、火砲狩り)を特にアピールしているようです。とはいえ韓国語版は字幕だけですが…

なお動画で時折出て来る「イーオツ」とはF-35戦闘機用の電子光学照準システム「AN/AAQ-40 Electro-Optical Targeting System (EOTS)」の事で、主に対地目標を攻撃する為の光学センサー(FLIR、測距レーザー、目標追跡)で、尚且つ対空用のIRST機能も同時に持ちます。これはロッキード・マーティン社の製品なので、ノースロップ・グラマン社の動画ではあまり詳しく解説されていません。

Lockheed Martin ・ F-35 Lightning II Electro-optical Targeting System (AN/AAQ-40)

EOTSのビデオに付いてはYouTubeのF35JSFVideosに9種類ほどUPされています。
20時54分 | 固定リンク | Comment (201) | 軍事 |
2013年02月10日
■中国海軍艦艇の動向について - 防衛省(平成25年2月5日)
 1月30日(水)午前10時頃、東シナ海において、中国海軍ジャンウェイU級フリゲート1隻から、海上自衛隊第7護衛隊「ゆうだち」(佐世保)が、火器管制レーダーを照射された。
 なお、1月19日(土)午後5時頃、東シナ海において、中国海軍ジャンカイT級フリゲート1隻から、海上自衛隊第6護衛隊「おおなみ」(横須賀)搭載ヘリコプターに対する火器管制レーダーの照射が疑われる事案が発生している。
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2013/02/05b.html

中国軍艦火器管制レーダー照射事件

海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に火器管制レーダーを照射したのは中国海軍ジャンウェイU級(053H3型)フリゲート「連雲港(リェンユンガン)」、また護衛艦「おおなみ」搭載ヘリコプターへ火器管制レーダーを照射したのはジャンカイT級(054型)フリゲート「温州(ウェンジョウ)」と発表されました。中国フリゲートはどちらも主に東シナ海を担当する東海艦隊(浙江省寧波)の所属です。このうちフリゲート「連雲港」が火器管制レーダーを照射した件については、その証拠となる電波情報収集やレーダーパネル指向のビデオによる撮影を護衛艦「ゆうだち」側で行っており、小野寺防衛大臣は記者会見で公表も検討していると語りました。一方で中国政府は火器管制レーダーは使用しておらず通常のレーダーを使っていたと反論しています。

火器管制レーダーの照準用電波によるロックオンは攻撃の直前段階に行うもので、平時にこれを行うことはあからさまな挑発行為と受け取られます。冷戦時代のアメリカ海軍とソ連海軍でもよく行われた行為でしたが、挑発がエスカレートして偶発的な戦闘に至らないように両者は話し合い自制するようになりました。同様に中国を含めた西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)でも紳士協定となる「CUES(Code for Unalerted Encounters at Sea)」が作成され、火器管制レーダーの照射のような挑発行為を行わないように取り決める動きがあります。ただしCUESは昨年に採択を目指しましたが、一部の国の反対にあって流れてしまっています。

[PDF] Code for Unalerted Encounters at Sea (CUES) | Western Pacific Naval Symposium 2012
Assurance Measures for Ships

3.14 Because nations may under international law grant their naval and aviation units the authority to respond with force to actions they perceive to reflect hostile intent, Commanding Officers need to consider the potential ramifications before engaging in actions which could be misconstrued. Actions the prudent commander might generally avoid include:

3.14.1 Simulation of attacks by aiming guns, missiles, fire control radars, torpedo tubes or other weapons in the direction of vessels or aircraft encountered.

3.14.2 Except in cases of distress, the discharge of signal rockets, weapons or other objects in the direction of vessels or aircraft encountered.

3.14.3 Illumination of the navigation bridges or aircraft cockpits.

3.14.4 The use of laser in such a manner as to cause harm to personnel or damage to equipment onboard vessels or aircraft encountered.

3.14.5 Aerobatics in the vicinity of ships encountered.

[PDF]パネリストの発表(第2部) | 海洋安全保障シンポジウム2012(海上自衛隊幹部学校)
「そして、その派生として出てくるのがマナーとしてのグッドシーマンシップというものをもう 1 度確認したい。これに関して、実は先般、西太平洋諸国の海軍による対話の枠組みであります、WPNS で CUES、Code for Unalerted Encounters at Sea。これに関して、相当程度議論が煮詰まってまいりましたので、私どもが、海幕長がこれについて参加各国の理解を求めましたが、一部の国の反対によって、その採択に至りませんでした。」

今回、ヘリコプターに対する火器管制レーダー照射は証拠となる記録が取れていないので、問題が追及されるのは中国海軍フリゲート「連雲港」による海上自衛隊護衛艦「ゆうだち」への火器管制レーダー照射の件になるでしょう。ジャンウェイU級(053H3型)フリゲートの「連雲港」は捜索警戒用レーダーが2種類、火器管制レーダーが3種類あります。この他に光学照準器(可視光・赤外線・測距レーザー)や航海用レーダー(一般の船舶と同じもの)もありますが、防衛省の発表は火器管制レーダーとあるので測距レーザーではありません。

■中国海軍ジャンウェイU級(053H3型)フリゲート「連雲港(リェンユンガン)」
522連雲港

1.345型火器管制レーダー(対空ミサイル用)
2.343GA型火器管制レーダー(速射砲、対艦ミサイル用)
3.360型警戒捜索レーダー(対水上、低空用)
4.517型警戒捜索レーダー(長距離対空用)
5.341型火器管制レーダー(機関砲用)

現段階の防衛省の発表では火器管制レーダーの照射を受けたとあるだけで、3種類の火器管制レーダーの内どれであるかは発表されていません。対空ミサイルでも対艦攻撃に使えるのでどれもあり得るのですが、最も可能性が高いのは速射砲と対艦ミサイルを管制する343GA型になります。なおジャンウェイU級(053H3型)フリゲートは初期建造型と後期建造型で搭載レーダーに違いがあります。「連雲港」は初期建造型です。

Type 343GA Fire Control Radar (343GA型火控雷达) - SinoDefence.com

ジャンウェイU級(053H3型)フリゲートは若干旧式ですが、対空ミサイルとその火器管制レーダーはフランスのクロタル、近接防御システムはイタリアのダルド(ダルドシステムに中国製機関砲を連結)、警戒レーダーは旧ソ連の系統のもので、砲火力は100mm連装砲×1基、37mm連装機関砲×4基もあり、「連雲港」と相対した海上自衛隊むらさめ型護衛艦「ゆうだち」の76mm単装砲×1基(他に20mmCIWSがあるが対空専用)と比べて接近戦での火力は上回っています。

防衛省の発表では「連雲港」と「ゆうだち」の距離は約3000m、「連雲港」からはレーダー照射のみで砲身の指向などは無かったとのことです。
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2013年02月06日
一週間前に問題になっていたF-35戦闘機の部品国外供給に付いて武器輸出制限を緩和する必要性ですが、早期に決着が付く模様です。

最新鋭戦闘機F35部品輸出容認へ 政府、武器三原則の例外 - 産経新聞

自民党と連立を組む公明党の山口代表も容認の方向で、政府は今月中旬にも菅官房長官が談話の形でF-35の部品輸出について容認を発表する方向で調整しているそうです。政府与党が容認する方向である以上、法律ではない武器輸出三原則等は官房長官の談話のみで緩和されることが決まります。


F-35戦闘機は2011年12月に自衛隊の次期戦闘機として内定し、2012年6月29日に本契約をしています。FACO(最終組み立てと検査工程)を日本に置く話は2011年11月には報道されており、ライセンス生産比率4割の話も同じ頃には報道されています。

(2011年12月20日)F35、日本側の参画比率4割に 主翼と後部胴体など製造 - 日本経済新聞

F-35戦闘機は国際共同開発計画であり、計画参加初期メンバーではない日本が後から購入を決めてもライセンス生産はおろかノックダウン生産すら認められず完成品輸入のみになると言われていましたが、その半ば常識と化していた観測を覆すまさかの好条件での契約で、FACOとライセンス生産比率4割を得られました。現在F-35のFACOはアメリカ以外では欧州方面はイタリアとアジア方面は日本にしか工場を置く計画はありません。F-35購入国はFACOのある国から完成品を受け取る事になり、受け渡し後の定期点検での重整備もFACOで行う事になるので重要な拠点となります。日本がアジアでのF-35組み立て整備拠点となることは2011年末の時点で報道済みの案件です。

(2012年11月08日)日本がF-35戦闘機の共同製造に参入の用意

また2012年11月に日本がF-35戦闘機の世界生産分の部品製造に参入できるという報道が為されました。なお日本生産分は日本側のライセンス比率は4割ですが、世界生産分の日本担当はもっと少ない割合の一部の部品を生産するという事になります。ただしF-35は世界中で数千機が調達される予定なので、ごく一部の部品でも納入すれば契約は大きなものとなります。もし2011年末より以前に「日本の航空自衛隊次期戦闘機はF-35。FACO及び国内生産分ライセンス比率4割を獲得、更に世界生産分の部品生産を一部担当する」と言っても、誰も信じなかったでしょう。一年前の動きは急展開で、ロッキードマーティンの副社長は日本製兵装とのインテグレートも認める旨を発言しています。

F-35戦闘機の購入契約は民主党政権下で行われました。選挙後に政権を交代した自民党政権下でも継続される事は確定しました。アラート任務投入は2020年以降になるので、ブロック3Fソフトウェアがそれ以上に大幅に遅れる(現時点では2017年夏ごろ完成予定)ような事態でも起きない限りは、このまま調達する事になるでしょう。
01時00分 | 固定リンク | Comment (207) | 軍事 |
2013年02月02日
F-35が実用戦闘機として世界で初めて装備する事になる光学センサーが「AN/AAQ-37 EO DAS」です。電子光学分散開口システム(Electro Optical Distributed Aperture System, EO DAS)と呼ばれる非常に革新的なシステムで、機体に6台の赤外線カメラを固定式に装着し、各カメラが捉えた映像を合成処理して継ぎ目を無くして一つの映像として統合、全球状の視界を得られます。つまりF-35戦闘機には光学的な死角が存在しません。

開発元のノースロップ・グラマン社が「AN/AAQ-37 EO DAS」のYoutube動画の日本語解説版を新しくUPしたのでご覧ください。英語版は以前からありましたが、2/1に日本語版と韓国語版が追加されました。


F-35 統合打撃戦闘機(JSF)分散開口システム(DAS)

AN/AAQ-37の画像はHMDヘルメットのバイザーに投影され、パイロットは透明なキャノピーではない機体フレーム部分の方向を真下だろうと真後ろだろうと見る事が出来ます。目標を自動で警戒・探知・捕捉・追尾する機能を持ち、兵装と連動する事で死角に居る敵を攻撃可能です。短距離空対空ミサイルを前方に発射して180度旋回させて真後ろの敵を攻撃する事すら可能です。このセンサーは近接格闘戦の戦い方を根本的に変えてしまう事になるでしょう。もはや機体の機動性の高さだけでは近接格闘戦の優位性は決まりません。F-35戦闘機は先進的な光学センサーにより、有視界戦闘で従来型の戦闘機を凌駕する能力を持っています。センサーは自動で敵味方を識別する事も可能で、お互いの編隊が接近して入り乱れた戦闘でも効果を発揮します。また動画で真っ先に解説されてあるように、地対空ミサイルへの警戒にとても有効なセンサーです。

AN/AAQ-37は戦闘だけでなく航法でも効果を発揮し、低空での地形追従飛行や着陸・着艦が行い易くなります。特に垂直離着陸型のF-35Bでは座席真下の様子が確認できる事はとても便利で、操縦の自動化と合わせて垂直着陸を安全に行う事が可能になりました。ハリアー戦闘機ではとても事故が多かった垂直着陸ですが、F-35Bでは大幅に改善されるでしょう。

AN/AAQ-37は対空用のシステムですが、地上の目標も追尾が可能です。F-35戦闘機は対地用の光学センサーとして別にロッキード社のAN/AAQ-40 EOTS(電子光学照準システム)も搭載しており、AN/AAQ-37で広範囲を捜索追尾しAN/AAQ-40に引き渡して攻撃する事が可能です。AN/AAQ-40は対空用のIRST(赤外線捜索追跡システム)としても動作可能で、遠距離の探知・照準を担当します。AN/AAQ-37は広範囲を捜索するのに向いています。

AN/AAQ-37の能力は想像以上のものだったようで、2010年6月4日、フライングテストベッド機BAC1-11に積んだAN/AAQ-37の試験中に偶然にも800マイル(約1300km)先から打ち上げられたスペースX社のファルコン9ロケット初号機が捕捉出来ていた事が後から分かりました。これは遥か遠方の弾道ミサイルを探知できる事を意味します。1300kmといえば北朝鮮のノドン弾道ミサイルの射程と同じです。F-35戦闘機は弾道ミサイル防衛に投入する事が可能であると分かったのです。


Ballistic Missile Defense Capabilities of the Distributed Aperture System for F-35

2012年には最初から探知する事を狙って試験を行い、AN/AAQ-37はNASAの5つのロケットを全て捕捉する事に成功しています。AN/APG-81レーダーと連動して探知しています。


F-35 AN/AAQ-37 DAS and AN/APG-81 detect multiple rocket launches

F-35戦闘機にアメリカで開発中の空中発射型弾道ミサイル防衛システムのNCADE(上昇中の弾道ミサイルを迎撃)や、提案段階で開発に入っていませんがALHTK(PAC-3空中発射型。上昇中及び終末段階の弾道ミサイルを迎撃)を装備すれば探知だけでなく迎撃戦闘にも参加出来ます。AN/AAQ-37は上昇中の弾道ミサイルを探知できる事は分かりましたが、終末段階で弾頭が落ちて来る時に探知できるかどうかはまだ未知数です。もしも終末段階でも探知できるならALHTKで弾道ミサイル撃墜が狙えます。


※ノースロップグラマンはYouTube動画のタイトルを後から日本語のものへ変更したようです。

(旧)F-35 Lightning II EO DAS (Japanese language video)
 ↓
(今)F-35 統合打撃戦闘機(JSF)分散開口システム(DAS)

ノースロップグラマンは公式に "Distributed Aperture System" を「分散開口システム」と和訳したので、以降はこの記述に準じます。
10時53分 | 固定リンク | Comment (300) | 軍事 |
2013年02月01日
F-35A戦闘機が日本への納入までに完成型のブロック3Fソフトウェアの開発が完了していないという主張が日本の産経新聞と東京新聞によって唱えられています。

産経新聞(佐々木類) - F35、実戦配備不可能に 初期納入4機、防衛省の性能要求満たさず
東京新聞(半田滋) - 「日本に未完成F35提供」 次期戦闘機 米国防総省が報告

「2012年の年次報告書は国防総省試験評価局(DOT&E)が今月中旬、議会に報告したもので、日本へ引き渡す機種に搭載されるソフトウエアは、「ブロック3I」と明記。これでは至近距離での対空戦に不可欠の短射程空対空ミサイルを装備できず、実戦配備不能であることが明白となった。」
「米国防総省が十一日、同省試験評価局の二〇一二会計年次報告書を米議会に提出した。日本に提供するF35は開発途上の「ブロック3I」と明記され、防衛省の機種選定で米側が提供すると約束した完成機「ブロック3F」と異なる機体であることが判明した。」

しかしこれは実戦配備が何時になるかという点で大きな事実誤認があります。機体納入=実戦配備ではないのです。日本へのF-35A最初の4機の納入期限は平成28年度(2016年4月〜2017年3月)です。ただし、日本への配備は平成29年度(2017年4月〜2018年3月)に三沢基地となっています。

NHKニュース - F35 青森・三沢基地に配備へ

「防衛省は、航空自衛隊に新たに導入するステルス戦闘機、F35について、早ければ平成29年度にも、青森県の三沢基地に配備することを決めました。」

配備が納入の1年後になる予定ですが、これはF-35の開発遅れが影響したわけではありません。もともと、最初の4機は数カ月から1年間はアメリカのフロリダ州にあるエグリン空軍基地で訓練を受ける予定だったからです。他のF-35購入国も最初はエグリン空軍基地で訓練を受けてから本国に持って帰ります。買って直ぐに実戦で使えるわけが無く、きちんと訓練を受ける必要があります。そしてソフトウェアは書き換えが可能です。ブロック3Iの状態で引き渡されてアメリカで訓練を受けている間にブロック3Fに書き変えてしまえば、日本に持って来る時には問題無くなっています。アメリカ軍でIOC(初期作戦能力)を獲得する以前にアメリカ国外に出せないという話も、持ち出す時期自体が納入から1年後なので問題ありませんし、たとえIOCが遅れても議会が許可すれば国外に出すことは出来ます。

また実戦配備=スクランブル発進を行うアラート任務(領空侵犯警戒任務)開始、でもありません。機体数がある程度揃わないと戦力としては投入出来ないからです。機体整備の関係上で予備機も要りますし、実戦部隊以外にも飛行開発実験団へ機体を回さないといけません。実戦部隊は数が揃って編隊訓練を十分にこなすまではアラート任務には出しません。例えば航空自衛隊のF-15J戦闘機の場合は、1980年にアメリカで引き渡されて訓練を受けています。日本にやって来たのは1981年になってからで、正規のF-15飛行隊として発足したのは1982年から、アラート任務に就いたのは1983年からです。つまりF-15戦闘機は初号機が納入されてからアラート任務に就いたのは3年後です。F-104戦闘機でも初号機納入からアラート任務に出るまで3年の間があり、F-2戦闘機では4年掛りました。だからF-35の場合でも初号機納入から3年後にアラート任務に就くスケジュールになるでしょう。2017年3月までにアメリカで引き渡されて訓練開始、2018年3月までに日本にやって来て、2018〜2019年に飛行隊を立ち上げて、アラート任務に出るのは恐らく2020年以降です。つまり言ってしまえばブロック3Fソフトウェアの完成が遅れても2020年までに出来上がれば別に構わないのです。ソフトウェアの書き換え自体は直ぐに済みます。

故に「2017年3月までに間に合わないじゃないか!」と騒いでいる人は何も分かっていないか、分かった上で騒いで煽ってる人か、どちらかです。

また短距離空対空ミサイルが使えなければ実戦配備不可能と言うのも語弊があります。アメリカ海兵隊は短距離空対空ミサイルが使えないブロック2Bの状態でF-35BにIOCを与えて2017年には岩国基地にF-35初の海外展開を行う予定ですし、既にアメリカ空軍で実戦配備されているステルス戦闘機のF-22戦闘機は短距離空対空ミサイルを積まずに任務に出る事が多く、そもそもステルス戦闘機は至近距離で戦闘を行う機会が殆ど無い(有視界戦闘はステルスの意味が無い)ので、アメリカ国防総省はF-35に付いてブロック3I以前の状態であっても既存の戦闘機より戦闘能力は高いと評価しています。

ステルス戦闘機でアラート任務に就く場合、わざわざレーダーリフレクター(F-22に装着しているものはリューネブルクレンズ式)を付けて相手機に自分の存在をアピールする必要があり、ステルスという優位性を捨てる事になるので、この任務に投入する事自体があまり意味がありません。だから航空自衛隊はF-35を現状の最前線である南西諸島方面とは逆方向の東北の青森県にある三沢基地に置くのだと思います。代わりに三沢基地に居るF-2戦闘機が九州・南西諸島方面に回される事になるのでしょう。F-35はステルス能力を生かした視界外中距離空対空戦闘、対地爆撃、偵察任務に投入されるべく後方で温存されます。

なお、以下が国防総省試験評価局(DOT&E)がアメリカ議会に提出した2012会計年次報告書のF-35に関する部分です。

[PDF] DOT&E FY2012 Annual Report F-35 JOINT STRIKE FIGHTER (JSF)

- Block 2A. The program designated Block 2A for advanced training capability and associated this block with Lots 4 and 5. No combat capability is available in Block 2A.
- Block 2B. The program designated Block 2B for initial, limited combat capability for selected internal weapons (AIM-120C, GBU-32/31, and GBU-12). This block is not associated with the delivery of any production aircraft. Block 2B software will be used to retrofit earlier production aircraft.
- Block 3i. Block 3i is Block 2A capability re-hosted on an improved integrated core processor for Lots 6 through 8.
- Block 3F. The program designated Block 3F as the full SDD capability for production Lot 9 and later.

F-35はブロック2Bで中距離空対空ミサイル、GPS誘導爆弾、レーザー誘導爆弾を運用出来ます。ブロック3IはLRIP生産ロット6〜8になります。短距離空対空ミサイルと電子光学分散開口システム(AN/AAQ-37 EO DAS)の運用能力を持つブロック3FはLRIP生産ロット9以降です。日本生産分の最初の4機がロット8あたりになることはこの報告書が出る前から言われていました。以前はロット8でブロック3Fになる予定でしたから、開発の遅れはこの部分です。なおブロック4になるとノルウェーのコングスヴェルグ社製JSM対艦ミサイルなどが運用可能になります。F-35のソフトウェアはその後も2年に1回のペースで更新されていく予定です。
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2013年01月31日
昨年11月に「F-35ステルス戦闘機、日本が共同製造参入へ」と報じられました。JSF計画初期メンバーでもない日本にFACO(最終組み立てと検査工程)建設と部品のライセンス生産(4割)まで認められた上に、生産した部品を他国に供給できるという話です。当初はF-35のライセンスは生産は認められない、完成品輸入のみになると言われていたのですから、予想外の好条件を得られていました。

(2012年11月08日)日本がF-35戦闘機の共同製造に参入の用意:週刊オブイェクト

しかし今になってこれが問題視されています。部品の国外への供給が武器輸出三原則等の制限に抵触する恐れがあるというのです。こういう事態は次期戦闘機にF-35を決めた時から当事者には分かっていた事で、制限の緩和は当然セットになっていると思っていましたが…

F35部品製造に暗雲…武器輸出三原則が障壁、イスラエル購入計画で - 産経新聞
 武器輸出三原則に抵触するとの指摘は、イスラエルがF35を購入する契約を締結していることによる。イスラエルはイスラム原理主義組織ハマスと停戦中だが、戦闘が再開される恐れがあるほか、核開発を進めるイランを攻撃する可能性も指摘される。

 三原則では「国際紛争の当事国かその恐れのある国」への輸出を禁じている。政府は23年12月、三原則を緩和し、米国以外の国と装備品を共同開発・生産できるようにしたが、「国際紛争の助長回避」の原則は維持している。

 このため外務省内で「イスラエルへの部品提供は控えるべきだ」との慎重論が出ている。これに対し防衛省側は「現時点で提供国を細かく詰める必要はない」と主張している。

 米側も日本政府内の意見対立を把握。日本がイスラエルを部品提供国から除外するのであれば「部品製造・修理拠点」を韓国に置くことを検討しているという。そうなれば防衛関連企業への打撃は深刻で、機体価格のさらなる高騰を招きかねない。

 米政府は、日本に拠点を置くことを期待しているが、日本政府高官は「(米国は)意見対立が長引けば見切りをつける」と危惧している。


もしF-35のFACOを韓国に取られたら大変厳しい話です。F-35の製造や整備に付いて韓国を頼らなくてはならなくなる上に、アメリカにとって日米同盟よりも韓米同盟へ重視比率が傾いてしまう事になります。韓国は次期戦闘機事業の選定作業を先延ばしにしていますが、F-35のFACOを日本から奪えるとなるとユーロファイターやF-15を押し退けてF-35を選ぶ事を考えて来るかもしれません。それを防ぐには日本の武器輸出制限をF-35に付いて緩和する必要性があります。

将来的には日米共同開発中の弾道ミサイル防衛システム「SM-3ブロック2A」の日米以外の国への販売でも日本生産担当部分の部品で同様の事が起こり得るので、全面的な緩和が必要になって来ます。F-35の選定以前に始まったSM-3ブロック2Aの日米共同開発の時点でこうなる事は予想できた筈で、今更になって問題にしようという動きが出て来る事は理解し難い話です。イスラエルは「SM-3ブロック2A」を購入する意思が無く、大気圏外迎撃ミサイルには「アロー3」を独自開発する事を選んでいるので、F-35で問題にしようという腹積もりなのでしょうか…

イスラエルにF-35の部品を輸出する事に懸念を示すという理屈は、パレスチナ問題でアラブ寄りのロシアと中国が平然とイスラエルと密接な軍事取引を行っているという事実から、それほど気にするような話でもないとは思います。日本製造担当分の部品は当然ながらアメリカ軍の装備するF-35にも使われますが、そのアメリカが紛争介入を頻繁に行っている以上、イスラエルだけを問題視する必然性も見当たりません。

国産部品含むF35、輸出の可能性 武器三原則あいまい - 朝日新聞
>安倍内閣は日米共同開発による武器輸出三原則の例外扱いを検討するが、三原則がなし崩しにされる危うさをはらむ。

SM-3ブロック2Aの日米共同開発と第三国への輸出(NATOとしての配備のほかに、オーストラリアが購入の意思を示している)で、なし崩しに緩和する事が織り込み済みだとばかり思っていました。
20時57分 | 固定リンク | Comment (205) | 軍事 |
2013年01月29日
中国軍の新型輸送機Y-20が2013年1月26日、初飛行に成功しました。

Y20飛翔:国益がそこにあれば、軍隊はそこを守る - 中国網


Xian Y-20 Chinese military transport aircraft ※ニュース報道


Y-20 Low Pass Fly By (HD1080p on Jan. 26, 2013) ※飛行撮影

4発エンジンのY-20輸送機は最大離陸重量220トンで、ロシアのイリュ―シンIl-76輸送機(最大離陸重量190トン)より少し大きく、アメリカのC-17輸送機(最大離陸重量265トン)よりは一回り小さくなります。
06時00分 | 固定リンク | Comment (100) | 軍事 |
2013年01月12日
海上からの揚陸作戦では通常、軍用の揚陸艦を使って砂浜に上陸し、その後に港湾を確保して徴用した民間の輸送船で物資や兵員を降ろします。敵の抵抗が殆ど無いと予想される場合は直接港湾を奪取する場合もあります。地形によっては付近に砂浜が無く(フィヨルドなど)、直接港湾を奪取せざるを得ない場合もあり得ます。徴用した民間輸送船は港湾施設が無いと荷物を降ろせません。大量の物資を揚げる為には数の少ない軍用揚陸艦だけでなく多くの民間輸送船の活用が不可欠なので、なるべく早い時点で港湾を確保しておきたいのですが、直接港湾に乗り込んで戦闘をすると施設が破壊される可能性が高くなります。また港の出入り口に船を沈められるなど破壊工作が行われる可能性もあり、早期に港湾を確保できる保障はありません。そこで第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦ではマルベリーという人造港を作り、臨時の港として使っています。(マルベリー人造港と浮体桟橋)

民間船を揚陸作戦で活用する方法は以下の五通りが考えられます。

1.海岸に揚陸後に港湾を奪取する。
2.港湾に直接揚陸して奪取する。
3.人造港と浮体桟橋を設置する。
4.機動埠頭(浮体桟橋)の利用。
5.ヘリコプターを用いて輸送。

今回は現代における代替港湾手段として「4.機動埠頭(浮体桟橋)の利用」を中心に解説します。アメリカ海軍が量産に入った機動揚陸プラットフォーム(MLP; Mobile Landing Platform)とその活用方法です。MLPはFlo-Flo船(Float-on / Float-off)という方式の船を元にしています。これは注排水機構により低い甲板を水面下に沈めて浮かぶ貨物を搭載する半潜没式の船で、本来は重量物を運搬する目的のものです。アメリカ海軍はこれを自走浮き桟橋として活用する事を思い付きました。注排水で甲板高さを調節すれば、浮上しながら移動するホバークラフト揚陸艇LCACを乗り降りさせることが可能になります。MLPを浮き桟橋として使い、民間輸送船を横付けして荷物を移送し、LCACで砂浜まで往復させる。これで大型港湾を確保せずとも喫水の深い民間大型輸送船を揚陸に活用できる事になります。軍事揚陸作戦に有用のみならず、津波で港湾が破壊されてしまった際の災害救援活動にも有用なものとなるでしょう。


LHD arrival in Port Phillip Bay
スペインのナバンティア造船所から揚陸艦「キャンベラ」の船体をオーストラリアに運ぶFlo-Flo式重量物運搬船「ブルーマーリン」。

MLP2005
米海軍海上輸送コマンドより、2005年10月12日のサンディエゴ沖海上試験。Flo-Flo式重量物運搬船「マイティサーバント1」とRo-Ro式車両輸送船「ワトキンス」。

MLP2005
マイティサーバント1へのLCAC乗り上げ試験。一連の試験は2010年まで行われ、最大シーステート4の海象で戦車などの移送が可能であることを確認。

MLP
米海軍の完成予想図より、NASSCO社で建造中のMLP計画1番艦T-MLP-1「モントフォード・ポイント」。2013年進水予定。予算削減の為、NASSCO社の石油タンカーの船体を流用しFlo-Flo機能を与えたものに。LCACを3艇搭載。

MLP、機動揚陸プラットフォームの使い勝手の良い点は、アメリカ海軍が試験で示しているように民間のFlo-Flo式重量物運搬船そのままでも使える点です。アメリカ海軍は配備に当たって「モンフォード・ポイント」型を新造する事にしましたが、試験で使用した「マイティサーバント1」は民間で使われていた船を契約したものです。これならアメリカ以外の国でも直ぐ真似できるので、Flo-Flo式重量物運搬船の建造実績の多い中国や韓国でも参考に出来るでしょう。またMLPは広い露天甲板にホバークラフト揚陸艇を載せる為、ドック揚陸艦に入りきらない大型のホバークラフトを搭載可能です。アメリカ海軍は「T-CRAFT」という大型揚陸艇計画を持っています。中国海軍はウクライナ製ズーブル型大型ホバークラフト揚陸艇を購入予定、韓国海軍はロシア製ミレナ型大型ホバークラフトを装備していますが、本来ならば近海用に装備したこれらをMLPならば遠隔地に運んで運用する事が可能です。

MLPの試験で使われたのはRo-Ro船(Roll-on / Roll-off)という方式の輸送船との組み合わせです。Ro-Ro船はサイドランプを持ち車両が自走で乗り降りできます。この他にMLPと貨物コンテナ船を組み合わせる事が出来る、特殊なクレーンが開発されています。 Large Vessel Interface Lift-On / Lift-Off Crane (LVI Lo/Lo) と呼ばれるもので、揺れる海上でも使用できるように光学センサーを用いて揺れを予測し自動で同調するクレーンで、シーステート4でも使用可能です。MLPを使わずとも揚陸艇を直に横付けしてコンテナをクレーンで下ろす事も可能です。


Large Vessel Interface Lift-on/Lift-off (LVI Lo/Lo) crane system


LVI Lo/Lo crane system

アメリカ海軍の海上基地構想はMLPの他にもAFSB(Afloat Forward Staging Base)というものがあります。直訳すると海上前進中間準備基地となりメガフロート基地みたいな巨大なものと誤解される事も多いのですが、貨物コンテナ船を改装してヘリコプター母艦機能やRo-Ro輸送機能を付けくわえて補助的な揚陸艦にしようという計画です。アメリカ海軍は先ず退役した揚陸艦ポンスをAFSB(I)として海上輸送コマンドに移管してペルシャ湾に置き、特殊部隊の拠点として配備しています。(I)はInterim、暫定という意味で、試験的な運用であるとの事です。本来は民間コンテナ船を使う計画です。


MAERSK Afloat Forward Staging Base (AFSB)
海運会社マースク・ラインの所有するコンテナ船をAFSB化した構想の動画。

AFSBはMLPと組み合わせて使う構想です。これにより海軍の揚陸艦でなくても、民間の輸送船だけでホバークラフトとヘリコプターによる港湾以外への揚陸が可能となります。激しい戦闘の矢面に立つのはこれまで通り海軍の揚陸艦ですが、MLPとAFSBはその後に直ぐ続いて揚陸に参加し、港湾を使用せずとも上陸部隊を支え続ける事が出来ます。


Dockwise Super Vessel "Type 0"
史上最大のFlo-Flo式重量物運搬船、ドックワイズTYPE-0の完成予想CG。

重量物運搬船を多く保有するオランダのドックワイズ社が2011年、韓国の現代重工業に発注した史上最大のFlo-Flo式重量物運搬船「TYPE-0」。全長275m、幅70m、喫水15.5m(注水31.5m)、積載量11万7千トン。長大な荷物を載せる為にまるで空母のようにブリッジを横に寄せています。これを軍事転用するとしたらMLPよりもむしろAFSBとしてF-35Bすら運用可能かもしれません。
05時39分 | 固定リンク | Comment (163) | 軍事 |
2012年12月28日
先月、ロシア軍の改革を推し進めていたセルジュコフ国防相が解任されました。その影響もあってか、2年前に調達中止を言い渡されていたBMD-4(БМД-4)空挺戦闘車の計画が復活し、最新型のBMD-4Mを調達する事が決まりました。

Russia to Commission BMD-4M Airborne Vehicles in 2013 - RIA NOVOSTI

12月27日、ロシア国防省報道官クチェレンコ大佐は、2013年末までに空挺軍はBMD-4M空挺戦闘車とBTR-MD「ラクーシュカ」多目的輸送車を受領する事になると述べました。また2020年までに少なくとも1000両のBMD-4Mが納入されることが期待されている、とあります。つい最近までスホルコフ第一国防次官はBMD-4Mの採用は無いと言っていましたが、ロシア国防省の方針が急に覆されました。


New Light Infantry Vehicle Performs Stunts
(BMD-4Mを紹介)

2010年4月にT-95戦車などを含め多くの戦闘車両が計画中止の決定が下されましたが、あれから幾つかが復活しており、BMD-4はその中で最も大量に調達されるであろう大規模な復活となります。また空挺軍向けにBMDをベースに開発されていた125mm対戦車自走砲2S-25スプルート-SD(2С25 "Спрут-СД")の空挺軍採用はなりませんでしたが、これは海軍歩兵(海軍陸戦隊のロシアでの呼び名)に採用される事が決まっています。


BMD-4M Russian Airborne combat vehicles air-dropped for first time military exercise
(空挺兵の降下、スプルートSDとBMD-4の演習)

残念ながら125mm対戦車自走砲スプルートSDの空挺軍採用は無くなりましたので、スプルートが空中投下される事はもう無いのでしょう。それでも、BMD-4も歩兵戦闘車としては世界トップレベルの火力(100mm低圧砲+30mm機関砲)を持ち、空挺軍の火力は格段に跳ね上がる事になります。そして現在、装甲車両を空中投下してくる軍隊は世界中でロシア空挺軍のみです。ロシアと相対する国は、BMD-4が空中から戦場に降りて来る事を考慮しなければなりません。

※中国軍にも空中投下が可能な03式空挺戦闘車(ZBD-03)がありました。ロシア軍のBMD-3を参考にしています。


中国空降兵装甲部队实战演练
(3分15秒過ぎに車両投下)
23時12分 | 固定リンク | Comment (62) | 軍事 |
2012年12月24日
アメリカのパネッタ国防長官が12月18日にワシントンで「2017年にF-35戦闘機を日本の岩国基地に配備する。F-35戦闘機の初めての国外配備になる」と講演しました。垂直離着陸型のF-35Bが岩国基地に配備されることになります。この計画は2年前の海兵隊航空計画に記載されているので予定通りです。

海兵隊航空計画2010
※海兵隊航空計画2010より

海兵隊航空計画ではF/A-18D戦闘機を装備するVMFA(AW) -224 (第224全天候戦闘攻撃飛行隊) ファイティング・ベンガルズが2014年から2015年の間にF-35B戦闘機へ機種転換を行い、2017会計年度(2016年10月以降)に岩国基地へ配備される事になっています。これまでは海兵隊内部の計画でしたが、国防長官の発言によりアメリカ政府の公認する計画という扱いになります。

F-35戦闘機は空軍と海軍はブロック3の完成を以って初期作戦能力(IOC)取得予定ですが、海兵隊はブロック2BでIOCを取得する予定です。ブロック2Bは空対空戦闘能力が完全ではありませんが、この状態でも既存の戦闘機よりも能力が高いというのが国防総省の公式見解なので問題になりません。また、ソフトウェアを後から書き換える事でブロック2Bもブロック3になります。開発自体も現在では海兵隊向けのF-35Bが最も進んでいます。以前のF-35Bは開発が難航し、2011年1月にゲイツ国防長官(当時)がF-35Bを2年間の経過観察措置とし、この間に改善が見られなければ開発計画が中止になる筈でした。しかしゲイツ前長官が問題にしたバルクヘッドの亀裂やロールポストノズルの過熱といった技術的な不具合は解消され、後任のパネッタ国防長官は僅か1年で経過観察措置を解き、今やF-35A,B,C各型で最も開発が進んでいるのがB型です。


F-35B - Taking STOVL to a New Level

F-35戦闘機は開発中のこれまで重大事故は一度も起こしていません。ブロック2Bとブロック3の違いは一部の兵装とセンサーの運用能力の有無なので、安全性の差は生じません。騒音に付いても、更新対象のF/A-18D戦闘機がアメリカ軍の中でも1,2を争う煩い機種だったので、騒音の著しい悪化という事態は無いでしょう。垂直離着陸戦闘機であるAV-8Bハリアー戦闘機と比較した騒音データは見当たりませんが、事故率に付いてF-35Bはハリアーより数段上の高い安全性が見込まれる筈です。ハリアーの事故は垂直着陸時に集中していますが、F-35Bは操縦の大幅な自動化と機載カメラによる操縦席真下の視界が得られる改善策が施されており、垂直着陸時の操縦が非常に難しかったハリアーとは比較にならないほど容易に垂直着陸が可能と評価されています。
16時35分 | 固定リンク | Comment (182) | 軍事 |
2012年12月15日
対地攻撃型駆逐艦DDG-1000ズムウォルト用155mmAGS(Advanced Gun System,先進砲システム)の試験砲撃動画です。


アメリカ海軍の新型駆逐艦用艦載砲AGS - niconico

垂直に装填する理由はLRLAP長距離対地ロケット砲弾(GPS誘導)という長大な弾体の砲弾を装填するためです。動画ではLRLAPではなく通常砲弾を用いています。他にASuWP対艦砲弾(ミリ波レーダー誘導)という種類の砲弾も計画されています。

ズムウォルト級は3隻で打ち止めになってしまった為、砲の製造元のBAE社では155mmAGSの発射速度を落とし、砲身のカバーを廃して軽量化した155mmAGS-Lを提案し、アーレイバーク級駆逐艦フライト3向けとしています。

[PDF]155-mm Advanced Gun System – Lite (AGS-L)
[PDF]The 155mm Advanced Gun System-Lite (AGS-L) for DDG-51 Flight III

DDG-1002 リンドン・B・ジョンソン

DDG-1000 ズムウォルト
DDG-1001 マイケル・モンスーア
DDG-1002 リンドン・B・ジョンソン
15時56分 | 固定リンク | Comment (148) | 軍事 |
2012年12月02日
ロシアのニジニ・タギル市にある戦車生産拠点、ウラル車両工場の取材番組です。(25分54秒)



Полигон. "Т-90 СМ "Прорыв" (28.11.2012)


ウラル車両工場で開発されたT-90戦車の最新型、T-90SMが登場します。(キリル文字の"С"はラテン文字の"S"。ロシア軍は採用せず輸出専用で、インドが興味を示している。) 試験場での走行の様子や、主砲の発射シーンは各種砲弾、砲発射ミサイルまで撮影されています。特徴的な車長サイト一体式リモコン機銃の射撃シーンや、アクティブ防御システムの作動試験もあります。またウラル車両工場でのT-90生産現場の様子が撮影されており、ここまで見せていいのかと驚きました。

ところでこの番組の冒頭1分過ぎに、かわいいかわいいM1エイブラムスちゃんが…ちょっと酷いですネ?
20時56分 | 固定リンク | Comment (107) | 軍事 |
2012年12月1日、フランスの無人攻撃機ダッソ―nEUROnが初飛行に成功しました。欧州初のUCAV(無人戦闘航空機)です。名称のnEUROnは神経細胞のニューロン(Neuron)と欧州のユーロ(EURO)を掛けたもので、nが小文字なのは公式にそうなっています。

Le nEUROn a fait son premier vol - 01/12/2012 | Dassault Aviation


Le nEUROn a fait son premier vol - Dassault Aviation

ニューロンは半自律行動が可能な無人攻撃機で、1機の有人戦闘機が複数のニューロンを大まかに指揮制御し、集団を構成して爆撃に向かいます。アメリカ海軍のX-47Bやイギリスで開発中のBAEタラニスと同様の次世代無人攻撃機です。現在アメリカ軍が使用しているプレデター無人攻撃機はオペレーターが遠隔制御しますが、ニューロンやX-47Bは細かく制御せずとも爆撃が可能です。単純な任務なら有人戦闘機のリーダー無しでも行動可能です。これが更に進化すると完全自律行動が可能な無人戦闘機となり、戦闘機パイロットが不要になる日が来るかもしれません。


nEUROn - Design Manufacturing Tests - Dassault Aviation
12時12分 | 固定リンク | Comment (81) | 軍事 |