このカテゴリ「軍事」の記事一覧です。(全420件、20件毎表示)

2012年12月02日
アメリカ海軍航空システム軍団(NAVAIR)によると、試験中の無人攻撃機ノースロップ・グラマンX-47B UCAS (Unmanned Combat Air System) が11月29日に地上カタパルト射出試験に成功したそうです。

First X-47B UCAS catapult launch makes naval aviation history - NAVAIR


NAVAIR Clips: X-47B UCAS Inaugural Land-Based Catapult Launch

また11月26日、X-47Bは原子力空母「ハリー.S.トルーマン」に積み込まれました。これから空母での運用試験が始まるものと思われます。まだ空母甲板と格納庫でのハンドリング試験の段階です。


NAVAIR Clips: Sailors assist with onload of UCAS-D aboard USS Truman

なお以下は以前に行われた飛行試験の様子です。ノースロップ・グラマンより。


A Day in the Life of X-47B UCAS


X-47B UCAS First Cruise Flight
11時19分 | 固定リンク | Comment (84) | 軍事 |

2012年11月25日
中国海軍の空母リャオニン(遼寧)は9月25日に就役してからちょうど2ヶ月後の今日、艦載機の着艦に成功していたことが公式に報道されました。J-15戦闘機(歼15、ウクライナ経由でロシアのSu-33戦闘機を違法コピーしたもの)による発着艦の様子が伝えられています。J-15は試験機カラーの薄い黄色の塗装がされています。

殲15機の発着飛行訓練を順調に実施 中国の航空母艦:新華網(日本語版、写真有り)


China lands first jet on aircraft carrier

中国初の空母への着艦を成功させたのは戴明盟(ダイ・ミンモン)操縦士。最初の着艦は23日には成功していたそうです。着艦はとてもスムーズに行われており、制動装置の開発に成功した事が分かります。なお発艦についてはJ-15の元となったSu-33は軽荷ならば空母が停止中でも飛び立てますので、この動画からは空母の速度が十分であるかどうかは判断出来ません。
20時23分 | 固定リンク | Comment (556) | 軍事 |
2012年11月08日
日本の次期戦闘機に選定されたロッキード・マーティンF-35ライトニングU戦闘機は、FACO(最終組み立てと検査工程)工場の日本国内の建設が認められた上に部品のライセンス生産比率4割という条件を獲得しています。そして日本政府は更に、国内で製造した部品の将来的な海外輸出まで視野に入れている事が分かりました。

F35ステルス戦闘機、日本が共同製造参入へ:読売新聞
 政府は8日、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)として2016年度に導入する最新鋭ステルス戦闘機F35に関し、17年度以降、米英などの企業が行う部品製造への国内企業参加を認める方針を固めた。

 野田首相と森本防衛相ら関係閣僚による会議を9日にも開き、こうした方針を決定する方向で調整している。欧米諸国などとの国際共同開発や生産への参加は、昨年12月の武器輸出3原則の緩和によって可能になっていたが、初の具体的事例となる。

 F35の部品製造に日本企業が参加すれば、国産の防衛技術力の維持・向上にもつながる。航空産業は、日本国内では関連企業が多く、すそ野が広いため、経済効果が期待できる。政府は、国内防衛産業が製造する部品の将来的な海外輸出も視野に入れている。

 政府は昨年12月、F35選定の際、日本企業が機体の部品製造に参画する場合、「最大4割程度」とすることで米政府と合意した。具体的には、F35の胴体の一部や主翼と尾翼、アビオニクスと呼ばれる情報処理のための電子システムの生産などが想定されている。

(2012年11月8日14時32分 読売新聞)


日本向けは機体部品の4割を日本で製造し、更に世界向けのF-35戦闘機の部品製造を一部分でも日本が担当する事を計画しています。F-35の初期計画メンバーでもない日本が後から参加して製造分担の一部を担当するだなんて、1年前まではとても考えられなかった話です。また、部品の国内生産分に電子システムまで入るという話まで出ています。


Production F-35 - YouTube


FACOの建設だけでも御の字だったのに、国内製造分のライセンス比率4割だけでも破格の条件です。更に後から参入した日本が製造分担まで狙えるのか、半信半疑で俄には信じられない話ですが・・・。
22時53分 | 固定リンク | Comment (395) | 軍事 |
2012年11月01日
10月31日、中国の新型ステルス戦闘機、瀋陽J-31が初飛行を行いました。


分析称我国第二款隐形战机歼31偏重制空 - YouTube 


China's Newest Stealth Fighter J-31 Takes Flight - YouTube
※動画に一部混じっている兵装搭載・着艦フックの画像はCGです。

チェイサ―(追跡機)はJ-11BSで、J-31はそれより小振りな機体です。搭載エンジンは試験飛行用に間に合わせたもので、今後はより大型のエンジンに積み替えるという情報もあります。先に公開されていた成都のステルス戦闘機J-20は非常に大柄な機体だったのに対し、J-31は一般的な双発戦闘機のサイズです。外見的にはアメリカ軍のF-35とF-22によく似ています。


中国第二款隐形战机歼-31今日首飞成功 - YouTube

早速、中国の放送局が性能の分析を行っています。(字幕が漢字なので眺めているだけでも結構読めます。)
21時01分 | 固定リンク | Comment (410) | 軍事 |
2012年09月25日
本日、中国がウクライナからスクラップとして購入した旧ソ連空母クズネツォフ級2番艦「ワリヤーグ(瓦良格)」が再生され就役、中国名は001型航母「遼寧(リャオニン)」と命名された事が中国で報道されています。艦番号は16。2002年に大連に到着してから10年掛けて現役に復帰しました。

中国初の空母『遼寧』と命名、正式就役へ:中国網日本語版(チャイナネット)


視頻:記者探訪遼寧航母艦 , 中國首艘航母近拍(CCTV官方視頻)- Youtube


中国第一艘航母辽宁舰的诞生历程 - Youtube

空母リャオニンは搭載する蒸気タービン機関が復旧しているかどうか、元の設計速度29ノットを出せるかどうかがまだはっきりしていません。練習空母として使うなら20ノット以下でも構わないのですが、情報は噂レベルで錯綜しており、

・元の蒸気タービン機関を復旧した。
・中国製ディーゼルエンジンに積み替えた。
・ウクライナ製ガスタービンに積み替えた。

3通りの説が中国やウクライナから最近数年の間に報道されています。

レーダーや兵装は中国式に換装されています。クズネツォフ級空母の最大の特徴である、飛行甲板に埋め込まれた「グラニート」対艦巡航ミサイルのVLS(垂直発射筒)は撤去されているようです。航空機の運用はクズネツォフと同じく、艦上機をスキージャンプで発艦させ、着艦時には制動ワイヤーを使用するSTOBAR方式です。このSTOBAR方式はインド海軍の空母も採用する事になっています。中国空母リャオニンには制動ワイヤーが装着されている事は確認されていますが、実機を用いた着艦訓練はまだ確認されていません。
20時50分 | 固定リンク | Comment (330) | 軍事 |
2012年09月19日

Посадка МиГ-29К на палубу авианосца - Youtube

Видеосъемка велась с трех камер типа GoPro, установленных в кабине пилота и на внешнем корпусе. (ビデオ撮影はコックピットの中でアウターケーシングにインストールされた、GoProカメラの3種類で行った。)

インド向け空母ヴィクラマーディテヤ(旧ロシア空母ゴルシコフを改装し引き渡し予定)で着艦テストを行うMiG-29K戦闘機。なおヴィクラマーディテヤはバレンツ海で試験中にボイラー3基が故障し、インド海軍への引き渡しが大幅に遅れるとの事です。

空母ヴィクラマーディティヤ、引渡し延期?:ロシア海軍報道・情報管理部機動六課

アスベストを使用しない新型ボイラーが30ノット発揮試験に耐えられなかった模様。
07時25分 | 固定リンク | Comment (192) | 軍事 |
2012年06月08日

America (LHA 6) is launched

インガルス造船所で6月4日に進水した新型強襲揚陸艦アメリカ。浮きドックから降ろして埠頭に接岸するまでの早回しビデオです。
07時00分 | 固定リンク | Comment (290) | 軍事 |
2011年05月15日
ロシア軍の中止された新型戦車計画オブイェークト195(T-95)の代わりとなる、ニジニ・タギルのウラル車両工場が担当する別の新型戦車計画で新たな情報が幾つか出て来ました。しかし軍の新たな発表を巡ってロシア国内で解釈について見解の相違がある状態です。情報を改めて順に紹介して行きます。

先ず昨年10月にポストニコフ陸軍総司令官が言及した、装甲車両の共通プラットフォーム計画名が以下の通りです。

Войска, кующие победу ≪Красная звезда≫

・軽量級「Тайфун(タイフーン)」
・中量級「Бумеранг(ブメラーング)」、「Курганец-25(クルガンツェフ-25)」
・重量級「Армата(アルマータ)」

重量級プラットフォーム「Армата(アルマータ」が新型戦車計画(少なくとも含む)です。ポストニコフ総司令官は2011-2020年までの軍備調達計画を2011-2015年の第一段階と2016-2020年の二段階に分けており、共通プラットフォームは第一段階で開発を続け、第二段階から形となって出てくる計画です。しかし次に、今年3月にポストニコフ総司令官がアルマータ計画について新たに語った情報は、予想外な数字を含んでいました。

В Сухопутных войсках РФ к 2020 г появится 47 соединений нового образца ≪РИА Новости≫
Wпушкой 125 миллиметров и массой до 65 тонн.W
(125mm砲、重量65トン以下。)

重量65トン。これでは中止したT-95(152mm砲、55-60トン級)よりも重く、その一方で主砲は従来と同一サイズです。ただ注意点として65トン"以下"なので下限が有りません。この件の解釈に付いてロシア国内でも意見が別れました。「火力重視のT-95から防御重視の計画になった。」とする意見や「"以下"とあるから実際の重量は従来通りだろう。」とする意見です。またポストニコフ総司令官は新たな兵員輸送装甲車も配備すると説明しましたが、それを重量級プラットフォームで作ると解釈した場合、フロントエンジンの方が都合が良いのではないかとする意見もあり、65トンMAX説を取る意見の中にはイスラエルのメルカバ戦車のような形態になると予想するものもあります。一方で従来通りの重量説を取る意見では、チョールヌイ・オリョール試作戦車やウクライナのオプロート(ヤタハーン)戦車のような西側と同じ形態の砲塔バスルに自動装填装置を組み込む方式を予想しています。

重量では解釈の幅がある一方で、搭載砲については125mmと断言されています。つまりT-95計画の中止とは152mm砲搭載計画の中止と同義です。ロシアは新型戦車に大口径砲を装備して西側諸国を刺激し、機甲戦力の軍拡競争を行うような真似は避けたいのでしょう。アメリカや西ヨーロッパと全面戦争(核兵器使用含む)を行う危機は去っています。一方でチェチェン紛争やグルジア戦争など限定戦争は頻発しています。もしもグルジアが西側戦車の調達に成功していたらロシア軍は苦戦を強いられていたでしょうし、兵器市場の競争力という面でもロシア戦車が西側戦車よりも性能が劣る現状は何とかしたいので、大規模な軍拡競争を誘発しない範囲で互角以上に戦える新しい戦車を必要としています。

そして4月にコワレンコ中将が新型戦車の計画に付いて順調に行けば2015年に登場すると記者会見を行いました。その計画名は「Армада(アルマーダ)」と報道され、混乱が起こりました。重量級プラットフォームの「Армата(アルマータ)」とは別個に与えられた名前なのか、それとも単なる口頭記述ミスなのか。追加説明が無かったので現時点でもよく分かっていません。

Новый танк "Армада" может появиться в российской армии в 2015 году ≪ РИА Новости≫

コワレンコ中将はアルマーダについて「乗員が弾薬から分離される新しい弾薬自動装填装置」を採用する根本的に新しい戦車であるとしています。自動装填装置についてはチョールヌイ・オリョール試作戦車を引き合いに出し、また今年9月にニジニ・タギルのウラル車両工場でT-90戦車の最新型「T-90AM」が公開されるとも述べています。そしてここでまた解釈が別れてきます。報道によってT-90AM=アルマーダとする解説するもの(イズベスチア紙)、別個であるとするもの・・・「Армада(アルマーダ)」と「Армата(アルマータ)」の差異もよく分かっておらず、他に"Т-99 ≪Приоритет≫"という呼称も出回っています。

Армада (танк) - Википедия

上記のロシア語版Wikipediaでは「情報は殆ど秘密である」と断った上で想像を膨らませており、一部に根拠の無い憶測の数字も混じっています。

ОКР "Армата" / "Армада" - MILIT★RY RUSSIA

上記のロシア人軍事マニアのブログでは、メルカバ戦車のようなフロントエンジン車体の想像図を載せています。また"Армата" / "Армада"は単なる口頭記述ミスの混乱ではないかと推測しています。

Споры вокруг танка // Илья Крамник - vpk-news.ru

これはロシアの著名な軍事評論家イリヤ・クラムニク(Илья Крамник)氏のコラムです。「Споры вокруг танка(戦車を取り巻く論争)」というタイトル通り、論争が続いて結論が出ていない、まだよく分かっていないロシア国内の様子が伝わってきます。またクラムニク氏はアルマーダではなくアルマータの呼称で揃えています。

このようにロシア国内でも一連の陸軍の発表について議論が続いています。陸軍の情報が小出しの上に解釈の幅があり、意図的に情報が制限されているようです。そもそもT-95の中止からして著名なロシア人軍事評論家の多くが直前まで予想出来ておらず、ソ連後に情報が開かれたロシアと言っても、まだまだ正確な情報を得るのは容易ではないのでしょう。これまでロシア側で行われている予想は大きく分けて以下の通りです。

・T-90系の最新型T-90AMの事だとする説。
・メルカバに似たフロントエンジン車体説。
・チョールヌイオリョールをベースとする説。
・T-95車体+チョールヌイオリョール砲塔説。
・オプロート(ヤタハーン)戦車そっくり説。

予定される開発期間が長くはないので全く新規となるフロントエンジン車体は間に合うか疑問視されており、既存のT-90どころか中止になったT-95の車体を再利用する説まであります。

Без современной бронетехники бой не выиграть - Независимое военное обозрение

独立軍事評論に載ったこの記事でCAST(戦略・技術研究センター)のパラパノフ氏は「アルマータはT-95をベースに50トンで作る」と予想しています。


★ロシア戦車の演習風景



追伸:週明けから忙しくなる為、更新は再び暫く滞る事になると思います。ご了承下さい。
10時15分 | 固定リンク | Comment (504) | 軍事 |
2011年05月11日
イージス艦「あたご」と衝突した漁船「清徳丸」の事故で、横浜地裁が「あたご」当直の士官に無罪判決を言い渡しました。事故の主要因は漁船側にあるとするものです。


あたご衝突、自衛官2人無罪 地裁判決「漁船側に原因」 - 朝日新聞
 海上自衛隊のイージス艦「あたご」が2008年2月、漁船・清徳丸と衝突し、清徳丸の父子が死亡した事故をめぐる刑事裁判で、横浜地裁は11日、業務上過失致死などの罪に問われた2自衛官を無罪とする判決を言い渡した。秋山敬裁判長は「清徳丸側が衝突の原因を作っており、あたご側に衝突を避ける義務はなかった」と述べた。

 刑事裁判に先だって行われた海難審判の裁決(09年1月)は「あたご側が見張り体制を十分に構築していなかったことが事故の発生原因」と判断。大きく食い違う形となった。


2008年2月19日に海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船「清徳丸」と衝突して清徳丸の2人が死亡した事故は、2009年1月22日に海難審判所が「事故の主因は"あたご"側にある」と採決されていましたが、刑事裁判では逆の判決が出た事になります。

今回の横浜地裁の判決で、事故当時に当ブログで「あたご」側に責任があると決め付けた記事も誤りであった可能性が高くなりました。あたご乗組員を始めとする海上自衛隊の皆さん、及び読者の方々、誠に申し訳ありませんでした。なぜ「くらま」事故の時のように「あたご」側の言い分をちゃんと検証しなかったのか、私の不徳と致す所です。

当直2士官に無罪判決=「回避義務ない」と判断−イージス艦衝突事故・横浜地裁 - 時事通信(解説図あり)

横浜地裁の無罪判決は、検察側の主張する航跡図を否定するもので、事故の主要因は清徳丸の右転舵にあり、なぜ清徳丸がその様な行動を取ったかについては「不明という他ない」とされています。

Togetter - イージス艦「あたご」事件弁護人田中崇公先生の昨日からのつぶやき
19時20分 | 固定リンク | Comment (556) | 軍事 |
2011年05月07日
アルカイダの首領オサマ・ビン・ラディンがパキスタン領内でアメリカ軍によって仕留められました。この事をアルカイダもタリバンも既に認めており、アメリカ政府の発表は事実のようです。しかし、今回の作戦は一つの大きな謎が残され、まだ解明されていません。作戦の最中に故障で墜落したとされるヘリコプターの残骸は、テールローター部が今まで見た事の無い部品で構成されていたのです。

※ドラゴン模型がいち早くキット化。
1/144 ステルス ヘリコプター オペレーション・ジェロニモ

テールローターハブにカバーが付き、尾部全体の形状もどの機体にも似ていません。胴体部分の残骸からMH-60ブラックホークの改造か同クラスの中型ヘリコプターと推定出来ますが、改造だとしてもこれほど大規模なものが極秘裏に開発され実戦投入されておきながら、今まで知られていなかったというのは、とても驚くべき事です。対レーダーステルス化を狙ったものと推定され、世界中の多くの人が関心を持ち、様々な想像図がUPされています。

Voodoo_Br氏の予想図(ローター):Military photos . net

Voodoo_Br氏の予想図(全体図):Military photos . net

David Cenciotti氏の予想図:David Cenciotti's weblog

彩虹熊氏の予想図:彩虹熊的小窝

ブラックホークの小改造、あるいは原型すら止めない大改造、様々な予想が為されています。しかし小改造ならば極秘裏に低予算で開発出来そうですが尾部だけ変更してどれだけ意味が有るのか疑問ですし、完全ステルス化を目指す大改造は新型機を開発するのと大差の無い労力と費用が必要で、冷戦終結後にそのような兵器を極秘に開発するのは無理がありそうです。テールローターハブにカバーを付けて対レーダーステルス化を狙って、ブレード有効長が短くなりブレードを4枚から5枚に増やし、回転数を上げたとした場合、高周波となって音響ステルス化としては良くない結果になるかもしれず、開発目的とその成果の全体像ははっきりと分かりません。

この機体に関してアメリカ政府や軍は正式な説明を一切行っておらず、謎のままとなっています。英語圏では巷で「ステルスホーク」や「スニークホーク」と名付けられていますが、何もかも推定です。
21時41分 | 固定リンク | Comment (272) | 軍事 |
2010年11月07日
休止期間中に軍事に関する新しいニュースがあった場合、重要な話題ならば此処に書き込んで貰って構いません。但し、マスコミの報道や政府機関の公式発表などでの新しいニュースの場合に限ります。なおコメント1000を超えても対応しないので、1000を超えた後の投稿番号のズレに注意して下さい。ブログ活動再開後はこの記事の投稿受け付けは停止します。
20時23分 | 固定リンク | 軍事 |
2010年10月31日
ロシア空挺軍総司令官シャマノフ中将が交通事故に遭い負傷しました。乗っていたBMWは大破し運転手は即死、同乗の大佐は重傷です。


Russian Airborne Troops Commander Lt. Gen. Vladimir Shamanov was injured in a car accident, a spokesman for the Defense Ministry said on Saturday.

Russian airborne troops commander injured in traffic accident | RIA Novosti


ツーラの第106親衛空挺師団ゲート前500mでトラックと衝突、運転していたタジク人3名は逃走したところを空挺兵が捕縛しています。

果たしてこれは只の事故なのか・・・というのも、シャマノフ司令はセルジュコフ国防相と激しい対立関係にあり、軍の改革に反対を唱えているのです。シャマノフ司令はBMD-4空挺戦闘車とスプルートSD空挺自走対戦車砲の予算がカットされ調達中止になる事に納得しておらず、特にBMD-4を生き残らせるべく頑強に粘っています。

しかもつい最近、セルジュコフ国防相と空挺軍が非常に険悪になる事件が起きたばかりです。9月30日、リャザン空挺大学に建設されたロシア正教会の教会(従軍牧師育成用)についてセルジュコフ国防相が不必要な物だ、直ちに撤去しろとクラーソフ校長を激しく叱責したところ、教会建設の寄付金を出していたロシア空挺部隊ベテラン連合会が激しく反発、抗議活動を行っている最中です。

このような状況で空挺軍総司令官が大事故に遭うとは・・・シャマノフ司令は他にも、ロシア国防省がアフガニスタンに空挺軍第45独立親衛特殊任務連隊を投入したがっているのを拒み続けているという週刊誌報道まであるそうで、セルジュコフ国防相にとって目の上のたんこぶのようになっています。
01時21分 | 固定リンク | Comment (93) | 軍事 |
2010年10月30日
台湾海軍陸戦隊はM41A3ウォーカーブルドッグ軽戦車をM60A3パットン主力戦車で更新します。

以下、台湾のブログより「全球防衛雑誌」第315期2010年11月号の引用です。


節錄自2010年11月315期全球防衛雜誌內文

海軍陸戰隊為取代已服役時,且妥善率逐步下滑的M41A3戰車,為外購困難與節省經費的前提下,日前已派遣部份66旅戰車營官兵,前往戰車基地接受一批由陸軍撥交的M60A3戰車,此刻正實施各項測評及後勤訓練,若各項測評順利通過,M41A3戰車也將逐步汰除。

海軍陸戰隊持續裝備換裝:中華台灣福爾摩沙國防軍


陸軍のM60A3を海軍陸戦隊に廻すようです。それと本文続きには陸戦隊の制服をデジタル迷彩にするという事も書かれてあるようです。軽戦車から主力戦車に更新する事で陸戦隊の戦闘力は高まるでしょう。

ちなみに、

日本周辺国の軍事兵器(中国・台湾)

上記サイトで台湾軍の戦車の項目を見ると台湾機甲戦力の苦労が分かります。M60A3ですらアメリカはなかなか輸出許可を出さず、1995年になってやっと受領が始まっています。
18時31分 | 固定リンク | Comment (259) | 軍事 |
ロシア海軍の新型フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」が進水しました。本級は20〜30隻の大量建造を予定しており、水上戦闘艦の更新が15年滞っていたロシア海軍の次世代主力艦となる予定です。

Головной фрегат ВМФ РФ "Адмирал Горшков" спущен на воду в Петербурге - РИА Новости

本級は当初は満載8000トンで計画されていましたが、予算の都合と大量建造の必要性から、単価を安くする為に満載4500トンとなっています。しかし武装は非常に強力で、対空・対艦・対潜を全てこなせる万能艦となっています。

"А-192" 130mm単装砲 × 1
"Ураган" ウラガーン対空ミサイル × 36
"Оникс" オーニクス対艦ミサイル × 8
"Медведка" メドヴェートカ対潜ミサイル × 8
"Кортик" コールチクCIWS × 2
"Ка-32" 対潜ヘリコプター × 1

ウラガーン対空ミサイルはソブレメンヌイ級駆逐艦に搭載されていたものの改良型で、これをアメリカのMk.41VLSに似た形式の垂直発射式ランチャーに収納します。サイズはアメリカのシースパローとスタンダードの中間の大きさであり、射程50km以上あるので艦隊防空も可能。オーニクス対艦ミサイルはモスキート(サンバーン)を凌駕する性能であり、この時点で対空防御力も対艦攻撃力もソブレメンヌイ級駆逐艦を上回っており、これに加えてメドヴェートカ対潜ミサイルの搭載で対潜能力も優っています。ゴルシコフ級フリゲートは排水量が倍近いソブレメンヌイ級駆逐艦を上回る重武装艦なのです。

ほぼ同重量のネウストラシムイ級フリゲートと比べても凄まじい兵装です。

※追記

Фрегаты проекта 22350 − Википедия

ロシア語版Wikipediaでは22350型フリゲートはオーニクス対艦ミサイルが16発に倍増、対空ミサイルも新型9М96Еを積むように変更とあり、更なる重装備化が図られている可能性があります。
11時39分 | 固定リンク | Comment (136) | 軍事 |
2010年10月25日
航空自衛隊のF-2戦闘機が搭載するレーダーJ/APG-1を改修して探知能力を向上させたJ/APG-1(改)について新たな情報です。


ではJ/APG-1火器管制レーダー(改)の「空対空射撃」能力は、一体どの程度のレベルになるのか。開発技術者によれば、米製スーパー・ホーネット戦闘攻撃機の積むレイセオン製AN/APG-79AESAレーダーを超えるという。ただ、これは探知能力であって、電子攻撃能力を含む性能なのかはわからない。

*航空情報 2010年12月号63ページ 「空自戦闘機の近代化改修と将来国産戦闘機の基幹技術」 河津幸英


河津幸英氏は軍事研究2010年5月号でも同様の情報を記事にしていましたが、その時は「一説では」という曖昧なものでした。それが今回は「開発技術者によれば」とあり、具体性が増しています。

現状では情報発信者がまだ単独であり、事実として取り扱ってしまうには早過ぎるかも分かりませんが、本当にAN/APG-79以上の探知距離があるならば、99式空対空誘導弾(AAM-4)の能力を生かす上で十分過ぎる性能であると言えます。AAM-4をダクテッドロケット化して射程を飛躍的に向上させても、まだお釣りが来るでしょう。

J/APG-1
22時52分 | 固定リンク | Comment (252) | 軍事 |
2010年10月24日
日米両軍は11-12月に離島奪還演習を計画しています。これは実際に部隊を動かします。そして来年1月下旬に行う「山桜」という図上演習は部隊は動かさず、コンピュータを数百台繋げて行う指揮シミュレーション訓練です。

今回の山桜の想定シナリオは九州-沖縄を仮想戦場とします。


 防衛省は来年一月下旬に行われる日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ)に南西諸島防衛を初めて盛りこむことを決めた。中国海軍を東シナ海に封じ込める「南西の壁」の概念を持ち出し、奄美大島などへの部隊展開や奪回作戦の図上演習を想定している。
 ヤマサクラは、陸上自衛隊に五個ある方面隊が毎年、持ち回りで米陸軍、米海兵隊との間で行う実動を伴わない図上の演習だ。今回は九州・南西諸島防衛を担う西部方面隊(熊本市)と太平洋陸軍司令部(米ハワイ州)、第一軍団(米ワシントン州)などが担当する。
 五年前、西部方面隊が行ったヤマサクラは離島防衛を想定せず、九州に上陸した“敵”を日米共同で対処した。今回は中国の軍事力強化を反映し、陸自で検討されている対中国戦略「南西の壁」を援用する。
 「南西の壁」は情勢緊迫時に海上自衛隊や米海軍艦艇の航行ルートを確保するため、中国海軍を東シナ海に封じ込める対処行動を意味し、地対艦ミサイル部隊などを離島に機動展開する。
 今回のヤマサクラは“敵”が九州に上陸するとともに南西諸島へも押し寄せるシナリオが検討され、離島防衛が専門の西方普通科連隊(長崎県佐世保市)や米海兵隊第三師団(沖縄県うるま市)による奄美大島への緊急展開などを図上演習する。
 沖縄県で陸自が部隊配備しているのは沖縄本島だけで、宮古島、石垣島には置いていないが、今回は沖縄の離島への展開は想定していない。
 陸自関係者は「ヤマサクラは各級指揮官を鍛えることが目的なので、論理的に整合性のとれたシナリオになるとは限らない」と話し、特定の国からの攻撃を想定した訓練ではないと説明している。

南西諸島防衛 日米 初の訓練:東京新聞(10月16日)


山桜(YAMASAKURA; 通称YS)は近年公開が進んでおり、昨年の訓練の様子はYoutube自衛隊公式に動画が掲載されています。

【平成21年度日米共同方面隊指揮所演習 YS-57】


来年1月のYSは九州沖縄が想定状況になるので興味深い訓練です。想定兵力や揚陸地点など、5年前の北九州シナリオの時の様に詳細が報道されるのでしょうか。
22時09分 | 固定リンク | Comment (172) | 軍事 |
2010年10月21日
もし日本が自主防衛すると一体幾ら掛かるのか。人によってその試算には幅がありますが、あまりにも両極端な二人の主張を紹介しておきます。年間5〜6兆円の予算で自主防衛できると主張する航空自衛隊の元トップと、年間30兆円の予算が必要だと主張する著名な軍事アナリスト。その差は実に5倍もの開きがあります。なお現在の日本の防衛予算は4兆円台半ばです。

先ずは航空自衛隊の元トップの見積もりを紹介します。


 在日米軍に頼らず日本独自で防衛力を整備した場合、防衛費の増額分は最大で単年度あたり約1兆5500億円で、現行の約4兆6800億円(平成22年度予算)の1・3倍程度になることが、元航空幕僚長の田母神俊雄氏と自衛隊OBらがまとめた試算で分かった。20年間で計約15兆2千億円の増額となり、この試算で必要最低限の防衛力が自衛隊だけで備えられるとしている。

年1兆5500億円の負担増で「独自防衛」可能 自衛隊OB試算 (1/2ページ):産経新聞


最大で年間1兆5500億円の増額、平均では20年で15兆2000億円なので年間7600億円の増額・・・この僅かな増額で凄まじい軍拡が達成可能であると田母神元空幕長は主張します。


 核兵器についても、最大の抑止力である核武装は経済大国には必須と指摘。日本近海に配備する原子力空母、原子力潜水艦、戦略爆撃機、トマホーク巡航ミサイルを20年かけて新たに開発・配備する。
 具体的には、空母3隻と艦載機の開発や維持で計6兆円596億円、同様に戦略ミサイル原子力潜水艦4隻と護衛の攻撃型原子力潜水艦4隻で7兆5436億円、トマホーク巡航ミサイルとイージス艦などで1兆1500億円−などとなっている。

年1兆5500億円の負担増で「独自防衛」可能 自衛隊OB試算 (2/2ページ):産経新聞


「核兵器」「原子力空母(3隻)」「戦略原潜(4隻)」「攻撃原潜(4隻)」「戦略爆撃機」「巡航ミサイル」といった大戦力を「2万人の増員」込みで、「空母艦載機」や「潜水艦発射弾道ミサイル」まで付けて、開発費製造費維持費その他全て含めて僅か年間7600億円の驚きの価格でご提供・・・出来る筈が無いでしょう。イギリスのこれまでの防衛予算規模と、正規空母と戦略爆撃機を維持出来なくなった過程を知っていれば、こんな甘い見積もりでは同じ道を辿るだけなのは目に見えている事です。

次は著名な軍事アナリストの見積もりを紹介します。


 豊橋中金会(青木徳生会長)は20日、ホテルアソシア豊橋で総会と国際政治・軍事アナリストの小川和久さんによる「国際水準から見た日本の危機管理」と題する講演会を行った。

 小川さんは外交、安全保障、危機管理の分野で政府の政策立案にかかわり、国家安全保障に関する委員を歴任してきた。

 講演の中で触れた日米同盟については、「日本の米軍基地は自衛隊との共同を含めると130カ所で、地球の半分を守っている。米軍が日本からいなくなった場合、今と同等の防衛力を維持するには10年間は今の5倍の隊員と年間約30兆円の予算が必要となる」と話し、それらを知った上で「国民は安全保障についての議論を行い、日本の方向性を決めるべき」とも話した。

小川和久氏が豊橋で公演:東日新聞


自衛隊を今の5倍にすると120万の大軍(アメリカ軍は150万)となり、年間30兆円の防衛予算はアメリカの約半分にもなります。自主防衛どころかアジアの覇権が窺えそうな勢いです。

Togetter - 小川和久氏が語る。「日本自主防衛のコストは自衛隊120万人+防衛費年30兆円体制」の積算根拠はこれだ!

Twitterで小川氏本人による積算根拠が語られていたのですが、兵力120万の根拠は「古典的ですがその国の軍隊の規模は国民の1%を目安に考える」というものだそうです。

小川氏が核兵器の存在する今の時代にはそぐわない古典的な見積もり方を行う一方で、田母神元空幕長は核兵器さえあれば自主防衛できると考えている節があるようで、同じ自主防衛の話でも両者は全く別の所を見ています。故にここまで極端な金額差が生じています。

はっきり言ってお二人ともに、軍事分析の話をしているというよりは政治的なプロパガンダを行っているようにしか見えません。主張の方向性は真逆で両極端なれど、そう見えて仕方がないのです。
08時50分 | 固定リンク | Comment (1000) | 軍事 |
2010年10月20日
今回の軍縮についてイギリス政府の公式な発表(SDSR: Strategic Defence and Security Review)が出たので置いておきます。

[PDF] Securing Britain in an Age of Uncertainty: The Strategic Defence and Security Review

昨日紹介した事前報道では触れていなかった点および異なる点は…

・新型対潜哨戒機ニムロッドMRA.4配備中止。

・空母艦載機はF-35Bの代わりにF-35Cを購入。

・新型空母1番艦「クィーン・エリザベス」もカタパルト装備の空母として就役させるので改装の為に就役が2020年ごろに遅れる。新型空母2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」とどちらを予備に回すか、他国に売却するかは、2015年に改めて決める。

ニムロッドMRA.4の中止で陸上哨戒機が消滅・・・どうするんでしょうね、これ・・・空母の売却話はまた5年後に一悶着ありそうですが、フランスに引き取って貰う積もりなのかもしれません。フランスが駄目ならブラジル海軍か、インドはロシア空母を買うし国産空母も建造が始まっているし、購入する余地があまり無いです。
21時18分 | 固定リンク | Comment (204) | 軍事 |
2010年10月19日
欧州を襲った財政危機を立て直す為、各国は福祉予算だけでなく国防予算も大幅に削減する必要が生じました。ドイツは陸軍を中心に人員を半減し、とうとう徴兵制を廃止します。そしてイギリスは海軍を大幅に削減する事を迫られました。


• トライデント核抑止力(戦略原潜)の代替は、2015年に予定される総選挙の後まで、1年遅れます。(代替は中止されない)

• 陸軍は、7,000人の兵士、100以上の戦車と200台の装甲車両を削減します。1個機甲旅団は廃止され、それはドイツ駐留イギリス軍の65年の存在の終わりを意味します。

• 空軍は大部分のそのトーネード戦闘爆撃機を保つが、少なくとも5,000人の人員を削減します。2つの空軍基地は閉鎖し、ドイツからの帰還兵士によって占有されます。

• 海軍の艦隊は軍艦が24隻から19隻に落ちます、そして、それは4,000人の人員を削減します。ハリヤー・ジャンプジェットは来年廃棄されます、しかし、F35 Joint Strike Fighter は2020年まで彼らを替えるために利用できません。

• 特殊部隊は重点的に予算を配分します。

• 海軍の空母について、新型空母1番艦「クィーン・エリザベス」は2016年に就役します。ヘリコプターを搭載する(ジェット機は積まない - ハリアーは退役、F35も無い)ように構成されます。新型空母2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」は2019年に就役します。そして「クィーン・エリザベス」は予備艦扱いとなり、事実上無制限にしまいこまれます。「クィーン・エリザベス」は他国に売却される可能性があります。「プリンス・オブ・ウェールズ」はカタパルト方式に再設計される可能性(F-35Bは搭載しない)があります。

Navy aircraft carrier will be sold after three years - and never carry jets | Telegraph
(海軍の空母は3年後に売られます。そしてジェット機は搭載されません:テレグラフ)


イギリス海軍はちょうどタイミングが悪く、戦略原潜と空母と戦闘機の更新時期を迎えている最中で、まともに煽りを食う形になりました。せっかく造った空母は片方を売り飛ばす事になり(今更建造を中止するとキャンセル料の方が高く付くので造ってから売る)、艦載機の都合が付くかどうかも不透明、戦略原潜は先延ばし、イギリス海軍は空母「プリンス・オブ・ウェールズ」がきちんと戦力化するまで極端に弱体化する事になってしまいます。

本当に極端な防衛予算削減になりますが、他の省庁はもっと大幅に減らされるので、まだ軍事は優遇されている方ですが・・・


報道によれば、国防省は全体で8%の予算削減が予定される。20〜40%のカットを要求されている他省庁より削減規模は小さいものの、陸海空軍とも戦車や戦闘機などの新規調達を制限されるなど「戦闘能力や兵力に重大な影響が及ぶ」(BBC放送)のは必至の情勢だ。

12年ぶり防衛見直し=予算削減、国防力に影響も−英:時事通信


ここまで大胆に削減出来るのは、やはり、近隣の軍事的脅威が殆ど無くなったヨーロッパなればこそで、中国の軍拡に端を発する軍拡競争が始まっているアジアとは戦略環境が全く異なるので、安易に「イギリスの軍縮を見習え」とは出来ません。そもそも今回のイギリスを見習おうとすると、軍事以上に福祉などの予算を大幅に抑制する事を意味するので、誰も見習えとは言い出していませんが…
21時59分 | 固定リンク | Comment (285) | 軍事 |
2010年10月16日
ロシア軍が配備計画を中止したT-95戦車とは別の新型戦車を開発する計画がある事が分かりました。ロシア紙クラスナヤ・ズヴェズダ(赤い星)がセルゲイ・スココフ陸軍中将に行ったインタビューです。


Создаем унифицированную платформу по типу танка.Это тяжелая платформа для применения в бою с противником на танкодоступной местности.Также создаем платформу по типу БМП-БТРа, среднюю и легкие платформы для действий в горах, в городе, для мобильных действий.
(我々は戦車の種類に従って標準化されたプラットフォームを開発する。重量級プラットフォームは戦車の運用に適した地形での戦闘に用いられる。山岳での活動や都市での移動に用いられる中量級及び軽量級のBMP-BTR型プラットフォームも開発される。)

На прочном фундаменте ≪Красная звезда≫
(強固な基盤の上に:赤い星)


セルゲイ・スココフ中将は、ロシア陸軍は共通戦闘車両プラットフォームを開発する予定である事を語り、平地で運用する対戦車戦闘用の重量級(戦車型)と山岳や都市で運用する中軽量級(BMP-BTR型)について言及しました。

これはT-95とは別の新型戦車開発計画をスタートさせる意向であり、また戦車以外の各種装甲車を可能な限り共通車体でファミリー化し、ソ連時代に複雑化した兵器体系を簡素化する事を目指すものであると思われます。

【追記】
コメント欄で勘違いしている方が多いので翻訳箇所を増やし、注釈をしておきます。

◯重量級プラットフォーム・・・戦車(中止されたT-95とは別となる新型戦車)
◯中軽量級プラットフォーム・・・装甲車(BMP-BTRに代わる兵員輸送用)

この「重量級」とは装甲車(中軽量級)に比べて重いという意味であり、従来の戦車より重いという意味ではありません。ロシア戦車としては重い55トンとなる予定だったT-95を中止した代わりの計画である以上、従来のロシア戦車(45トン級)より同等かそれ以下の重量になると予想されます。
15時23分 | 固定リンク | Comment (200) | 軍事 |
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