2016年06月21日
6月18日にシリアを電撃訪問したロシアのショイグ国防相の様子を伝えるRT(ロシアトゥデイ)の動画ニュースに、シリアのフメイミム基地でSu-34攻撃機にクラスター・テルミット焼夷爆弾が搭載されている決定的な証拠が写っていました。



RBK500ZAB25SM.PNG

ZAB25SM.PNG
「РБК-500 ЗАБ-2,5СМ」と書かれている爆弾

Su-34攻撃機に搭載されているРБК-500 ЗАБ-2,5СМ(RBK-500 ZAB-2.5SM)と書かれている爆弾は、大型のクラスター・テルミット焼夷爆弾です。RBK-250 ZAB-2.5の大型版になります。誤解されることも多いのですが、これは白燐弾ではありません。それよりも遥かに強力な焼夷兵器です。

00時41分 | 固定リンク | Comment (6) | 軍事 |

2016年06月09日
6月7日と8日に、内戦中のシリアのアレッポ周辺でロシア軍/シリア軍の航空機からロシア製クラスター・テルミット焼夷爆弾「RBK-250 ZAB-2.5」が使用されました。着弾の様子が似ているために大手メディアも含めて白燐弾と誤解されていますが、航空機用の爆弾にクラスター型の白燐弾は何処の国にも存在しません。シリア内戦ではテルミット焼夷弾「RBK-250 ZAB-2.5」は以前から使用されており、着弾地点での残骸を見た限りでも、ZAB-2.5子弾で間違いないでしょう。





現地からの報告者やトルコ・アナドル通信のツイートには燐(phosphorus)とありますが間違いです。これはテルミット焼夷弾です。以前に大々的に報道された白燐弾の影響で、焼夷兵器は何でも白燐弾だと誤解される風潮が広まってるのですが、クラスター・テルミット焼夷爆弾「RBK-250 ZAB-2.5」は攻撃用に専用設計された焼夷兵器(子弾は焼夷剤だけでなく炸薬も内蔵)であり、発煙弾として設計された白燐弾(アメリカ軍やイスラエル軍が使用したM825A1)よりもはるかに殺傷力が高い兵器です。

また、数日前にアレッポでの市街戦でロシア軍/シリア軍のTOS-1A重火炎放射システム(多連装サーモバリック・ロケット弾発射機)が対戦車ミサイルで撃破されています。TOS-1Aはサーモバリック弾薬に誘爆、大爆発となっています。


(着弾は45秒から)

TOS-1A重火炎放射システムは誘爆の様子を見ても分かる通り非常に強力な威力を持つ兵器です。そして多連装ロケットという兵器の性格上、目標へのピンポイント精密攻撃は不可能であり、本来は市街戦に投入していいものではありません。
05時10分 | 固定リンク | Comment (22) | 軍事 |
2016年02月16日
シリア内戦ではロシア軍およびアサド政権軍がクラスター爆弾を大量に使用しています。様々な種類のクラスター爆弾が使用され、爆発の瞬間が撮影され、不発弾が発見され、動かぬ証拠となって上がっています。そして遂に2016年2月15日、シリアのアレッポ北部の市街地に投下されている様子が動画に収められました。ロシア空軍のSu-34攻撃機による爆撃とされています。


العدو الروسي في أقذر أسلحته العنقودي يفتك في حريتان بريف حلب

ロシアもシリアもクラスター爆弾を禁止制限するオスロ条約には加盟していません。しかし、それ以前の前提として戦時国際法であるジュネーブ条約は市街地への無差別な攻撃を禁止しています。クラスター爆弾はピンポイント攻撃が出来ない面制圧兵器であり、無差別に広範囲を破壊・殺傷するものである以上、市街地での使用は戦時国際法に違反した行為であることは明白です。そして一つの親爆弾に数十個から数百個の子弾が入っている為に不発弾が大量に発生し、戦争が終結した後も民間人に犠牲を強いる事になります。

【シリアで確認された各種ロシア製クラスター爆弾の子弾】
・対人クラスター子弾AO-2.5RTM(航空爆弾RBK500)
・対人クラスター子弾AO-1SCh(航空爆弾RBK250-275)
・対人クラスター子弾ShOAB-0.5(航空爆弾RBK500)
・対人クラスター子弾9N235(スメルチ多連装ロケット、9M55K弾)
・対人クラスター子弾9N24(トーチカ短距離弾道弾、9N123K弾頭)
・対人クラスター子弾O10(240mm重迫撃砲M240、3O8迫撃弾)
・焼夷クラスター子弾ZAB-2.5(航空爆弾RBK500、テルミット)
・対戦車クラスター子弾SPBE-D(航空爆弾RBK500、自己鍛造弾)

上記に挙げたものはシリアで確実に確認されたクラスター子弾ですが、これで全ての種類ではありません。更に多くの種類のロシア製クラスター爆弾が使われている可能性があります。クラスター航空爆弾はRBK500やRBK250-275といった親爆弾の中に子弾が収納されています。不発弾は親爆弾、子弾ともにシリアで大量に発見されておりロシア軍とアサド政権軍による使用は明白なのですが、ロシア政府、アサド政権ともに「クラスター爆弾は使用していない」と言い張っています。しかしロシアによる介入以後、突然に使用が確認された物や使用量が急増した物がとても多く、ロシアが供給しロシア自身も使用している事は間違いないでしょう。
21時51分 | 固定リンク | Comment (43) | 軍事 |
2015年11月18日
11月17日、ロシア政府は10月31日にエジプトで墜落したロシア旅客機に付いてイスラム国による爆弾テロと断定、報復攻撃を開始しました。戦略爆撃機から発射された巡航ミサイルによる大規模な集中攻撃です。

ロシア国防省の発表によると投入された戦略爆撃機は「Tu-160」、「Tu-95MS」、「Tu-22M3」の三機種で、ロシア空軍が保有する大型戦略爆撃機と中型戦略爆撃機の全種類です。空中発射式の巡航ミサイルや爆弾を投下したとあります。また公開された動画からは最新鋭の空中発射巡航ミサイル「Kh-101」らしい物も確認できます。攻撃目標はイスラム国の本拠地ラッカでした。


Массированный удар самолетами Дальней авиации по объектам инфраструктуры ИГИЛ в Сирии




※Kh-101と思われる巡航ミサイル

また、地中海に展開したロシア海軍のキロ級ディーゼル潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」が巡航ミサイル「カリブル」で攻撃を行ったことを一部ロシア紙が伝えていますが、こちらは戦略爆撃機の攻撃と違い、ロシア国防省からの正式発表はまだありません。(潜水艦からの攻撃は誤報の可能性が有ります)
01時19分 | 固定リンク | Comment (79) | 軍事 |
2015年11月10日
11月5日のアメリカ陸軍の報道によると、日本陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾改(略称:03式中SAM改)が今年の夏にニューメキシコ州にあるホワイトサンズ・ミサイル射撃実験場で迎撃試験を行い、10回の試験に全て成功した事が伝えられています。そして標的の中には高空でマッハ3〜4、海面すれすれでもマッハ2.5を発揮できるGQM-163Aコヨーテ超音速巡航ミサイル標的も含まれていました。

Japanese Test Engages Supersonic Target on WSMR | The Official Home Page of the United States Army

03式中SAM改
※米陸軍より陸上自衛隊03式中SAM改(クリックすると大きい画像)

03式中SAM改は従来の03式中SAMより小型化されたミサイル弾体を使用したもので、1発当たりのコストが削減されています。これは本来は海上自衛隊の護衛艦に搭載するために開発されていた艦対空誘導弾XRIM-4が元になっています。(XRIM-4は海上自衛隊には不採用)

03式中SAM改
※03式中SAM改

中SAM比較
※03式中SAM、新旧の形状比較(縮尺の対比は不正確

関連記事:03式中距離地対空誘導弾(改):2014年11月27日
20時32分 | 固定リンク | Comment (66) | 軍事 |