2015年11月05日
10月31日、米ミサイル防衛局はTHAADとイージス艦を用いた弾道ミサイル防衛の多層防御試験「FTO-02 イベント2a」を成功させました。成功とは言ってもイージス艦のSM-3迎撃ミサイルは途中で不具合が起き、THAADによって目標を撃墜しています。アクシデントはあったものの多層防御の目的は達成されました。

Ballistic Missile Defense System Demonstrates Layered Defense While Conducting Multiple Engagements in Operational Test - The Missile Defense Agency (MDA)


US Defense Against Aggression: Layered Missile Defense System Test

発射された標的ミサイルは短距離弾道ミサイル模擬標的「SRALT」と準中距離弾道ミサイル模擬標的「eMRBM」、そして巡航ミサイル標的「BQM-74E」です。「SRALT」と「eMRBM」はC-17輸送機から空中投下される弾道ミサイル模擬標的で、ウェーク島の南東から発射され、「SRALT」と「eMRBM」はTHAADによって、「BQM-74E」はイージス艦が撃墜しました。イージス艦は「eMRBM」の迎撃を試みたものの失敗、THAADが迎撃を引き継ぎ撃墜に成功しています。THAADの配置は発表されていませんが、クェジェリン環礁にある射爆試験場だと思われます。(追記:動画の方の説明文でTHAADはウェーク島に配置されてあるのを見落としていました。訂正します)

eMRBM
C-17輸送機から空中投下されるeMRBM

eMRBM
上昇するeMRBM(弾頭部は修正され隠されている)
19時23分 | 固定リンク | Comment (33) | 軍事 |

2015年10月27日
10月27日、南沙諸島に中国が建設した人工島の12カイリ内に、アメリカ海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」が進入しました。中国の人工島を領海の起点とは認めず、南シナ海の航行の自由を実力で示す目的です。日本の横須賀を母港とするイージス駆逐艦「ラッセン」は数日前までマレーシアのコタキナバルに寄港しており、哨戒機の援護を受けながら単艦で南シナ海へ乗り込んでいます。(発表は有りませんでしたが、海中から攻撃原潜も援護していたものと思われます。)

ラッセン
先月9月17日、南シナ海で演習を行うイージス駆逐艦ラッセン(米海軍より

また10月24日には空母「セオドア・ルーズベルト」がシンガポールのチャンギに寄港しており、その後の動向は発表されていませんが、今回のイージス駆逐艦「ラッセン」の活動を直ぐに支援できる準備を整えていたものと思われます。空母「セオドア・ルーズベルト」は中東のペルシャ湾での任務を終えて本国へ帰還する途中で、インド洋のベンガル湾で日本海上自衛隊やインド海軍との合同演習を終えて来たばかりでした。

ルーズベルト
今月10月24日、シンガポールのチャンギ軍港に入港する米空母ルーズベルト(米海軍より
21時17分 | 固定リンク | Comment (63) | 軍事 |
2015年10月23日
シリア内戦にロシア軍が介入して以降、対戦車クラスター爆弾「RBK-500 SPBE-D」の使用が確認されましたが、その後に対人用クラスター爆弾「RBK-500 AO-2.5RTM」の不発弾が大量に発見されました。更にBM-30スメルチ多連装ロケット発射機からのクラスターロケット弾攻撃が確認されるなど、ロシア製各種クラスター弾の大量使用が始まっています。この内戦ではアサド政権軍もクラスター爆弾を使用して来ましたが、ロシア軍の介入以降に報告例が急増しています。

10月7日、ハマでのBM-30スメルチと思われる攻撃。



同じくBM-30スメルチと思われる攻撃。数十本のクラスターロケット弾から数十個ずつ子弾が放出され、地表で数千発の子弾が炸裂している様子。

 

10月11日、シリアのハマ。ロシア製多連装ロケット発射機BM-30スメルチのクラスター・ロケット(親弾)の残骸。子弾を放出した後のもの。

 

対人用クラスター爆弾「RBK-500 AO-2.5RTM」の大量の不発弾。これは航空爆弾でBM-30とは別の物。

19時23分 | 固定リンク | Comment (52) | 軍事 |
シリア内戦に介入したロシア軍が持ち込んだTOS-1A重火炎放射システムが、22日にラタキアの山岳部で活動している様子が動画で報じられています。


TOS-1 MLRS Launch and Hit in Latakia Today (Latakia 22-10-2015)

ロシア軍自身が運用しているか、またはアサド政権軍に引き渡されて運用されている事になります。

 

この兵器は目標の周囲を巨大な爆発火球で包み込み、制圧します。
18時54分 | 固定リンク | Comment (15) | 軍事 |
2015年10月07日
10月7日、ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦艇からシリアに向けて26発の巡航ミサイル攻撃が実施されました。長距離艦対地巡航ミサイル「カリブル」が使用されました。射程は1500km以上(最大2500kmに達する)で、能力的にはアメリカ軍のトマホーク巡航ミサイルに類似したものです。


Массированный удар высокоточным оружием по объектам ИГИЛ в Сирии из акватории Каспийского моря

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カスピ海から発射し、イラン領とイラク領の上空を通過してシリアに攻撃を加えています。イラン、イラクの了解を事前に取り付けた上で実施されたのでしょう。

攻撃を実施した4隻の艦艇は11661K警備艦「ダゲスタン」、21631小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチョグ」とされています。カスピ小艦隊のカリブル巡航ミサイル搭載艦の全てが投入されています。
22時33分 | 固定リンク | Comment (38) | 軍事 |