2015年09月28日
シリアでアサド政権軍が市街地でナパーム弾を大量使用し問題になっています。内戦初期の頃にはテルミット焼夷弾を大規模に使用して使い尽くし、今は使用されていなかったのですが、今度は代わりにナパーム弾が使われ始めました。




攻撃後に不発弾が回収され、内部にゼリー状の物質が確認されています。火を付けると激しく燃えだし、ナパームであることが確定しました。ナパーム弾を含む攻撃用に設計された焼夷兵器は、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の付属議定書3で国際的に使用が制限され、市街地での使用は禁止対象となっています。ただしシリアはこの条約に参加していません。

関連記事:シリア軍は白燐弾を使用せず、テルミット焼夷弾を使用(2012年12月16日)
22時10分 | 固定リンク | Comment (9) | 平和 |

2015年08月01日
7月31日、アメリカ海兵隊は新型ステルス垂直離着陸戦闘機F-35Bライトニング2の初期作戦能力(IOC)取得宣言を行い、実戦配備されました。アリゾナ州ユマ海兵航空基地の第121海兵戦闘攻撃飛行隊(VMFA-121)がアメリカ軍最初のF-35実戦配備部隊となりました。日本の山口県岩国海兵隊航空基地には2017年1月に展開する予定です。

U.S. Marines Corps declares the F-35B operational > The Official United States Marine Corps Public Website


F-35B: The Road to U.S. Marine Corps IOC

アメリカ海兵隊のF-35Bは空軍型のF-35Aより先に実戦配備されることになります。F-35Bのソフトウェアはまだブロック2B/ブロック3Iと呼ばれる未完成な状態で機関砲や短距離空対空ミサイルは使えず、中距離空対空ミサイルと対地誘導爆弾(GPS誘導爆弾、レーザー誘導爆弾)しか使用できません。それでも従来機のAV-8Bハリアー垂直離着陸戦闘機よりも優秀な戦闘能力を有すると評価され、実戦配備が急がれました。今後ソフトウェアはブロック3Fへ更新されて完全な戦闘能力を付与されることになります。その後もF-35用ソフトウェアは二年に一度のペースで新しいものが開発され更新され続ける予定です。

開発が難航したF-35戦闘機の中でも特にF-35Bは開発が危ぶまれていた時期がありましたが、この時期を脱して以降はむしろ三形態(空軍型、海兵隊型、海軍型)のなかでは最も早く開発が進み、一番先に実戦配備される運びとなりました。
03時06分 | 固定リンク | Comment (133) | 軍事 |
2015年07月18日
7月10日、中国広東省の湛江海軍基地で半潜没式重量物運搬船(Flo-Flo船)が中国海軍南海艦隊に就役しました。アメリカ海軍のMLP(機動揚陸プラットフォーム)「モントフォード・ポイント」型と同じような能力を有し、遠隔地に重量物を運ぶだけでなく、揚陸作戦で港湾を確保していない段階からでも民間輸送船の荷物を陸地に揚げることが可能になります。


China's PLAN MLP Mobile Landing Platform Donghaidao 868 中国海军

「東海島」は通常の揚陸艦には搭載できない大きさのウクライナ製ポモルニク型(ズーブル型)エアクッション揚陸艇を遠隔地に運ぶことが可能という点も中国海軍にとっては大きな利点であり、動画でその様子を見る事が出来ます。


【関連記事】
揚陸作戦での民間輸送船の活用と機動揚陸プラットフォーム(MLP):(2013年01月12日)
リムパック2014に参加した機動揚陸プラットフォーム:(2014年08月02日)
機動揚陸プラットフォーム・MLPの揚陸訓練(動画):(2014年11月13日)
21時39分 | 固定リンク | Comment (62) | 軍事 |
2015年07月07日
回収騒ぎになった民主党の「徴兵制復活」リーフレットですが、一日経って結局こうなりました。

「徴兵制復活」の民主党パンフ 枝野氏「中身がいい」 一部修正し、拡大配布へ:産経新聞(2015年7月6日) 



民主党の保守系の議員、長島昭久氏などが差し止めようとして、結局は枝野幸男幹事長が押し切る形となっています。枝野幹事長(民主党憲法総合調査会長兼任)は以前から徴兵制に付いて誤った認識の発言を繰り返していました。

「集団的自衛権、必然的に徴兵制に」 民主・枝野氏:朝日新聞(2014年5月18日)
■枝野幸男・民主党憲法総合調査会長

世界の警察をやるような軍隊をつくるには、志願制では困難というのが世界の常識だ。従って集団的自衛権を積極行使するようになれば、必然的に徴兵制にいかざるを得ないと思う。(さいたま市のオープンミーティングで)

このような常識は聞いたことがありません。世界の警察をやっているアメリカは志願制軍隊であり、徴兵制ではないからです。そして前回の記事でも解説した通り、ドイツは海外派兵を積極的に行うようになって以降に徴兵制を廃止しています。「世界の常識」は、民主党・枝野幹事長の認識とは全く逆なのです。

今回は民主党内で間違ったリーフレットを差し止めようと自浄作用が働こうとして、結局は失敗したという残念な結果に終わってしまいました。
00時32分 | 固定リンク | Comment (491) | 政治 |
2015年07月04日
今の時代に現実味が全く無い徴兵制復活の恐怖を煽るような真似を、最大野党である民主党が行ってしまいました。

民主、安保法案反対のパンフ配布 子育て世代狙い:朝日新聞


激しい抗議を受けたのか、慌てて取り上げる方向になったようです。民主党公式アカウントのツイートも削除されました。

minnsyu.PNG
[保存していたキャプチャ画像]


安保法案リーフレット「子どもたちの未来のために・・。」:民主党

ただ、なぜ朝日新聞のせいにしようとしているのか分かりません。「民主党広報委員会」で作成したリーフレットである以上、責任は全て民主党が背負うべきものです。

民主党公式ページの言及は消えたようですが、ダウンロード用のPDFファイルはまだ残っています。 http://www.dpj.or.jp/download/22075.pdf

徴兵制とは基本的に総力戦争で必要になる制度です。海外派兵程度では必要ありません。その具体的な事例としてはドイツが挙げられます。ドイツは海外派兵を積極的に行うようになって以降に、徴兵制を廃止しています。

1999年、ドイツ連邦軍はNATOユーゴ空爆「アライド・フォース作戦」に参加。
2009年、ドイツ連邦軍はアフガニスタンで攻勢的な地上戦「オカブ作戦」に参加。
2014年、ドイツ連邦軍は徴兵制を廃止、志願制に移行。

徴兵制復活の恐怖を煽る方向とは全く逆の流れとなっています。
15時53分 | 固定リンク | Comment (105) | 政治 |